付ける薬もないぐらい 第二章・3
「あっさましいよな、本当…………出せよ、ほら」
「だ、出せって……」
今更のように胸元をかごで隠し、怯えた声を出すルーンに彼は更に言う。
「クルーガーのおっさんはまあいいよ。でもお前なんか、何の役にも立ってないだろ。それで俺たちが作ったもの食おうなんて図々しいぞ! ほら、返せよ!」
強く叫んだヒースは、乱暴にルーンが手にしたかごを引っ張った。
呆気なくそれは奪い取られ、別の少年の手によって遠くの地面に置かれてしまう。
「あ、だめ、それはちゃんともらった物……!」
ルーンが奪われたかごに気を取られた隙に、ヒースはその大きくふくらんだ胸に手をやった。
「ばっかみてえ、女の真似か!? まあ似合ってるけどな、お前女みたいな顔してるし」
小馬鹿にしたように言いながら、彼は乱暴にルーンの胸を掴む。
だが次の瞬間、ぎょっとしたのはヒースの方だった。
「え、あっ?」
むにゅり、とした何とも柔らかく心地いい感触が、指に余るほどに伝わって来る。
「こ、これ、本物、か?」
体が大きく、偉そうではあるが、ヒースもルーンと似たような年の少年だ。
さほど女慣れしているわけでもなく、思わぬ展開に彼は年相応に目を丸くしている。
「な、なん、お、お前……女、だったのか?」
そんなわけがないのだが、混乱したヒースはそんなことを言いながらまだむにむにとルーンの胸を揉んでいる。
ルーンは急いでその手を振り払い、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「さ、触らないでよ、馬鹿ッ……!」
早くも涙目になり、叫ぶ表情にヒースは一瞬当惑した。
だが彼は、混乱しながらも手下の少年たちにこう命じる。
「おい、押さえろ! 服を脱がせて確かめる!」
とんでもない発言にルーンは飛び上がった。
「やだっ……!」
冗談ではないと思ったが、如何せん人数が違う。
その上ルーンは極め付けのどじだ。
逃げようとした瞬間、足がもつれて自分でその場に転んでしまった。
「やだ、やだあー! やだ離してぇー!」
地面に押さえつけられ、じたばたもがくルーンの上にヒースは馬乗りになった。
「じゃ…………行くぞ」
ルーンの手足を押さえた仲間たちも固唾を飲んで見守る中、ヒースは一気に彼の上着をめくり上げた。
「やーっ!」
嫌がってルーンは必死に暴れたが、ささいな抵抗は全く意味をなさない。
たちまち飛び出す豊かな乳房に、少年たちはごくりと喉を鳴らした。
「やっ、やぁ…………見ないでぇ……」
泣きそうな顔をするルーンの胸元では、その細い体には不釣合いなほどに大きな胸がふるふると揺れている。
盛り上がった白い肉の上、恐怖につんととがった乳首は少年たちの目には余りにも刺激的過ぎた。
「すげえ、これやっぱり本物だよな」
思わずつぶやいた一人が手を伸ばそうとしたが、ヒースはその手を叩いた。
「いてっ!」
「ばっか、俺の許可なく触るんじゃねえよ」
偉そうにそう言うと、彼は興奮した表情でルーンの両胸に手をかける。
「いやっ、やあんッ」
触れられる感触と、そこから沸き上がりそうになる熱に怯え、ルーンはいやいやと首を振った。
ヒースも最初は少々おっかなびっくりの手付きだったが、やがてその指は大胆な動きを始めていく。
乳首を捕らえた指先が、もてあそぶようにそれを引っ張る。
かと思えば下から肉をすくい上げ、胸の形を崩そうとでもするかのようにぐにぐにと乱暴に揉みしだく。
「やだ、やだあ、やめてよ、ヒース、ヒース、や……!」
両のふくらみをめちゃくちゃに揉まれながら、ルーンは切羽詰った声で叫び続けた。
もうすでに何度もクルーガーに抱かれた身だ。
珍しいおもちゃのように体をいじられているのに、そんな風にされると段々肌が熱くなって来てしまう。
ヒースもヒースでその顔付きには、次第にただのからかいでは済まないものが含まれ始めていた。
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