付ける薬もないぐらい 第二章・11



ひとしきり先端部分をなぶった指は更に降りて、赤く腫れた肉豆へと寄せられた。
「ここも触って欲しいんだろう?」
「やッ……!」
同じように指の腹でこすられると、電流のような刺激がそこから生まれた。
体の奥から熱い液がにじみ出て、さかんに出入りするとうもろこしをふやけさせてしまう。
クルーガーを受け入れた部分も熱くひくついて、離すまいと言うように男を締め付けた。
「どこもかしこも勃たせて、濡らして………全く、仕方のない奴だ」
呆れたような言葉にも甘く攻められる。
前と後ろの穴をきゅうっと絞り、ルーンは切なそうに身を震わせた。
「ししょ………も、や……オレぇ…………」
もじもじと腰を振っての訴えに、クルーガーはまたルーンの両足を抱え上げる。
「そうだな。とりあえず男の分、いかせてやろう」
ひょいと細い体を持ち上げた彼は、串刺しにするような勢いで強くその尻を突き上げた。
「あああっ!」
高い声を上げるルーンの中を、肉を擦る音を立てながら太い男根が出入りする。
狭い穴を犯される快楽に、ルーンの爪先はぴんと反り返った。
クルーガーの手はとうもろこしからは離れているのに、淫らな裂け目はくわえたものを締め付けて離さない。
「ほら、どうだ、いいか……っ……?……」
かすかにかすれた声で問われ、ルーンは夢中でうなずいた。
「あん、いいッ、ししょーの、ししょーのでずんずんって……あああん!」
「相変わらず、頭の悪そうな表現を使う奴だな…」
苦笑いしてつぶやいたクルーガーだが、その顔は満更ではなさそうだった。
ルーンはルーンで師匠の言葉をもう聞きとめる余裕もない。
「あ、ああ、ししょっししょの、あーっっ………!」
よがるルーンによってぎちぎちに締め上げられ、こちらもすでに限界だったクルーガーの肉棒がどくりと脈打った。
吹き出した熱い精液が、ルーンの直腸の奥に向かって注がれていく。
「はひ、あ、いっぱい…………」
どくどくと流れ込んでくるその感触に、ルーンは涙目になって蕩けた声を出した。
彼のものも一拍遅れて弾け、白い内股を汚して体液を滴らせている。
「いっちゃったぁ……オレぇ、お尻をずんずんってされて、びゅくびゅくって出されていっちゃったよお…………」
ぶるぶると体を震わせながら、待ち望んだ快感を味わう。
無機物では味わえない生々しい感触が、肌のほてりを持続させていた。
「ンッ………、中、とろとろぉ…………」
結合部から漏れ出る白濁を感じ、夢見心地でルーンはつぶやく。
淫らな言葉に満足の息を吐き、クルーガーはゆっくりと自身を引き抜いた。
「あ…………ッ」
抜かれる感触にびくっとしたルーンを膝の上に降ろして、クルーガーは乱れた髪をかき上げる。
「満足出来たみたいだな」
まだ息の荒いルーンの髪をくしゃっとやってから、彼はがりがりと頭をかいた。
戻っていきなり情事になだれ込んだため、ベッドの上はぐちゃぐちゃだ。
「さあて、それじゃ着替えてその辺を片付けるぞ。食い物を持って村の連中が………」
「ししょ……」
起き上がろうとしたクルーガーを、ルーンはそっと呼んだ。
なんだ、とでも言うように下を向いたクルーガーの精悍な顔を見上げ、ルーンは潤んだ目をして言う。
「女の子にも、ちょうだい…………」
言いながら彼は、まだ割れ目に挿入されたままのとうもろこしに手をかけた。
「んっ……」
小さな声を出しながら、自らの手でいやらしく濡れた野菜をそこから抜き取る。
ずっと中にとうもろこしを受け入れていた割れ目はすぐには閉じない。
浅ましい液に濡れそぼり、だらしなく開いた赤い口がクルーガーの目に飛び込んできた。
しかもルーンは右手の指を赤い裂け目に押し当てて、中をぱっくりと開いて見せる。
「ここに、師匠の、入れて…………お尻にみたいに、あっついの、いっぱい出して……」
並の娼婦でもやらないような淫靡な誘いに思わずクルーガーは固まった。
おまけにルーンには、娼婦の賢さもしたたかさもない。
ただ、クルーガーが欲しい。
とうもろこしなんかに火を点けられてしまった体を、大好きな師匠に鎮めて欲しいとその濡れ光る瞳は言っていた。


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