付ける薬もないぐらい 第二章・14



それが本当だと示すように、少年は腰の動きを激しくする。
ぬらつく内壁にきゅきゅっと締め付けられ、クルーガーは苦笑いした。
「…………なぜだろうな、あまり褒められている気がしないのは」
ため息を吐いたクルーガーは、それきり口を閉ざしてルーンの奥を突き上げることに専念した。
尻に挿入したきゅうりも休みなく動かし、すっかり快感に鋭敏になった内部を蹂躙していく。
「はふ、は…………ッ、は、あぁ……!」
前後の穴を犯されながら、全身を這い回るクルーガーの指先にルーンはびくびくと反応する。
「あ、あ、あああ、ししょ、い、いっちゃうッ……!」
深々とクルーガーを飲み込んだ裂け目をひくつかせ、豊かな胸を反り返らせて彼は叫んだ。
「くっ……!」
すがりつくように狭まったその膣内で、クルーガーもまた射精する。
「ひあ、あ、熱ッ…………どくどく、出てるぅ…………」
奥に向かって注ぎ込まれる精液にルーンはうっとりとした声を出した。
その性器からは体液が飛び出しクルーガーの胸元を汚す。
彼の服に飛び散ったのはそれだけではなかった。
ぷしゅっと可愛い音を立て、肉棒を包み込んだ裂け目から透明な液体が溢れ出す。
「あ、あ、あ…………」
絶頂の余韻に震えるルーンの女の部分を見つめ、浅く胸を上下させながらクルーガーは言った。
「…………潮まで吹いたか。ちょっと開発し過ぎたかもしれないな」
独りごちた彼の胸に、その性器が入ったままの状態でルーンは倒れ込んだ。
「ん、ししょ…………」
立て続けに二穴を攻められ、さすがに体力を消耗したようだ。
妖艶ささえ漂わせていたはずのその顔はすでに、眠くてむずがる子供のものになっている。
「は、あ………ッ」
小柄な体を抱え上げ、クルーガーは二穴を満たしていたものを引き抜いてやった。
「ししょ………、ししょ、大好き…………」
とろりと潤んだ瞳で彼を見上げ、ルーンは甘えた声を出す。
そしてそのままルーンの意識は、心地良い闇の中にすうっと落ちていった。


***

どれぐらい寝ていたのだろう。
気付くとルーンはきちんと寝巻きを着せ付けられた状態で暖かな毛布の中にいた。
どうやらクルーガーがいつも仕事をしている奥の部屋である。
ルーンは彼がここで夜明かしをする際に使う長椅子の上に、毛布にくるまれた状態で横たわっていた。
「師匠……?」
きょろきょろと見回してもクルーガーの姿はない。
不安になったルーンは、毛布を剥いで起き上がる。
「師匠、師匠……」
元々小さな小屋だ。
立ち上がって数歩も歩けば、中は全部見回せてしまう。
灯りも点いていない薄暗い小屋の中、クルーガーの姿はどこにもない。
「…………ししょ、どこ……?」
ひどく不安な気持になり、ルーンは寝巻きに窮屈に収まった胸を押さえる。
「ししょ、ししょやだ、行かないで…!」
彼がどこかに行ってしまう。
その恐怖に怯えたルーンは、大声でクルーガーを呼びながら小屋の外に走り出ようとした。
だが、その声が聞こえていたのだろう。
扉を開けようとした瞬間、すぐ向こう側にいたクルーガーのあせり顔と目が合った。
「し、師匠?」
「馬鹿、出て来るんじゃない! ……ああ、いいんだ、もう話は…………」
顔だけ振り向いての後半の台詞は、明らかにルーンに向けてではない。
不思議に思ったルーンはわずかに開いた扉の隙間から外を覗いた。
ランプを片手に気まずそうに立っている男には見覚えがある。
昼間ルーンをおもちゃにしてクルーガーにぶん殴られた、ヒースの父親ではないか。
「クルーガーさん、あの…………本当に申し訳ないと思っているんだ。まだあんたには薬代を借りているのに、本当に…」
恐縮しきった顔をした中年の男は、小さくもない体を縮こまらせてクルーガーに頭を下げている。
受けるクルーガーも弱った顔をして、苦り切った口調でこう言った。


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