付ける薬もないぐらい 番外編・2
ところがクルーガーはいきなり歩き出し、いったん部屋の外へと出てしまう。
「……へ?」
またも予想を外され、驚いている弟子の前に彼はすぐに戻って来た。
手に長めの布を数枚なぜか持っている。
「ししょ? 何、それ………」
クルーガーは答えない。
答えないが、近寄って来るなり一枚の布でいきなりルーンの目を覆ってしまった。
「ひゃ!? 師匠、何、見えないッ……!」
ばたばたと慌てるルーンに構わず、クルーガーは弟子の頭の後ろで布を縛ってしまった。
完全に目隠し状態で固定され、訳が分からずルーンは必死にそれを外そうとする。
「やだ、変師匠っ、あっ」
両手を上げて縛られた部分を外そうとしたその手を掴まれた。
頭の上に腕を引っ張るような感じで仰向けにされ、押さえ付けられる。
目では見えないが、感覚で両手首を布でまとめられたのが分かった。
もがいても布がぴんとつるだけで自由が利かない。
どうやら寝台の柱に布の端を結び付けられてしまったらしい。
「師匠!? 嫌、やだあ何するの、やだほどいてッ、やだあ怖い…………!」
こちらは自由な足で、クルーガーのどこかを蹴り上げようとしたら見事に空ぶった。
体を押さえていた手が離れていく。
床が鳴る音、そして扉が閉まる音がした。
あ然とするルーンの耳に残ったのは、暴れた自分の荒い息遣いだけ。
「し、しょ…………? オレ、ほったらかして、い、行っちゃった、の……?」
つぶやきに答える声も聞こえない。
ルーンを寝台に縛り付けておいて、クルーガーは本当に出て行ってしまったようだ。
「師匠……、やだ、師匠やだー! やだーほどいてぇぇー!」
暑さも忘れ、ルーンはじたばたと暴れ始めた。
怒られるとは思ったが、まさかこんなことをされるとは思わなかったのだ。
怒鳴られたり殴られたりするのは慣れている。
けれど縛って放置なんてあんまりだ。
おまけに目隠しまでされては、こっそりクルーガーが戻ってきたって分からないではないか。
「師匠、やだぁっ、やだあ外してッ、やだよ、怒るなら、いつもみたいにちゃんとっ、あっ」
泣きそうになりながら叫んでいるルーンの耳に聞こえてきた扉の開く音。
続いて床が鳴る音が聞こえ、思わず安堵の息を吐いてしまう。
「ししょ…………、ご、ごめんなさい、服着るから、ねえ、外し……っ、ひゃあっ!?」
むき出しの乳房を大きな手が掴む。
思わぬ刺激にルーンはびくんと身をよじった。
「やっ、師匠やっ、何、急にっ……ひぁ、んんっ」
寝台が軋む音がして、誰かが上に覆い被さってきた。
二人分の体重にぎしぎしと揺れる寝台の上で、強く掴まれた胸の先を口に含まれる。
ちろちろと先端をくすぐっては、きつく吸うを繰り返されて声を殺せない。
吸われていない方のふくらみも乱暴にもまれ続けていて、時折指先で乳首をきゅっとひねられた。
「は…………っ、あっ、んん、し、しょ、やぁ………っ」
クルーガーはよほど怒っているのだろうか。
一言も口をきいてくれない上に、その愛撫はいつもより粗野な感じがする。
目隠しをされているので次に何をされるか分からないこともあり、ルーンは怯えた声を出した。
「師匠、あっ、やんっ、や…………だぁ、怖いよ、やだ、ほどいて、目の、取って…、あ……、あっ」
ぴちゃぴちゃといやらしい音を立て、唾液を塗りたくられた乳首を舐めしゃぶられる。
わざとのように音を立てられると、怯える心とは裏腹に体の芯が熱を持っていくのが分かった。
人差し指と親指の腹で痛いぐらいに胸のとがりを摘み上げられ、離される。
そのたびぷるん、と揺れる乳房の動きを見えない視界の中に夢想して、ルーンは顔を赤らめた。
「……はぁっ、あっ、あふ、もう、舐めちゃ…………あっ……!」
胸から手が離れた。
と思ったら、するりと滑った両手にいきなり足を大きく割られた。
とっくに形を変えた男性器。
すでに裂け目の奥からぬめりを滴らせている女性器。
それら二つが容赦なくさらけ出される体勢に、全身が羞恥に震える。
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