付ける薬もないぐらい 番外編・3
自分の目で確認することが出来ないだけに、視姦されているような思いが強い。
「…………あっ、やぁ………み、見るの、だめ……、あっ!」
震える男性器の先に吐息が絡む。
先を丸ごと温かな口腔に包み込まれ、恥ずかしさに頬が燃えた。
「…………はぁっ、あっ、あぁ………っ、や……んっ、やっ、ししょぉ……」
またしても大きな音を立てて舐めしゃぶられ、視覚が利かない分ひどく敏感になっている聴覚をも犯される思いがする。
「あ……っ! あぁ……っ! いや、ぁ、ひろ、げ、だめえ…………っ」
男性器を舌でなぶりつつ、女性器を空いた指先で拡げられる。
愛液に濡れた卑猥な内部と、ぽってりと充血した肉豆に空気が当たる感触が恥ずかしい。
漏れ出した先走りが性器を伝い落ちて、愛液と入り交じり内股を濡らしていく。
この上なく淫らに違いない光景に対し、いつもならきっとクルーガーはいやらしい言葉でからかって来るのだ。
だがまだ、彼は何も言わない。
唇でルーンを愛し、指先でルーンを辱めるそのしぐさはいつもよりも激しいぐらいなのに。
拘束を解いてくれる気配もないまま、黙々と弟子の体をなぶり続けている。
「ん、ぁ、ぁ……っ、ししょ、な、何か言ってよぉ…………あ、あぁんッ」
答えの代わりに、舌先で鈴口を執拗にくじられた。
中に入ってこようとでもするようにとがらせた舌先で小さな穴をいじり回され、痛いほどの快感にぴくぴくとつま先が引きつってしまう。
「あふ、あぁ、あ……っ、やぁ、ンッ………、ひゃっ……!」
あごを仰け反らせ、蕩けた表情になったルーンを更なる快楽が襲った。
赤く腫れた肉芽を指に挟まれ、揉みほぐされて息が詰まる。
「あ、ぁーっ………、や、らぁ………や……っ、ししょ、オレ、もお………っ」
一つの体に同居する二つの性感が同時に高められていく。
しかしそれらといっしょに高まっていくのは漠然とした恐怖。
そのために快感が最後の一線を越えられず、絶頂を迎えることが出来ない。
「ね……、ししょ、ししょ、でしょ…………? 師匠、ですよね……?」
あえぎの隙間にルーンは何度もそう確かめようとした。
けれど一向に、いいようにこの身をもてあそぶ誰かは返事をしてくれない。
クルーガー以外の誰かのはずがない。
分かっているけれど、でもクルーガーならなんで返事をしてくれないのだろう。
「師匠っ、ねぇ、聞いて……っ、あ………っ……!?」
じゅぷっ、という淫らな音を立て、いきなり女性器の中に何かが突き入ってきた。
内部で分かれ、蠢き始めたことからすぐに二本の指だとは知れたが、唐突な挿入に背筋を冷や汗が伝う。
…………もしも今のが男の一物だったら。
…………もしもこの相手がクルーガーではなかったら?
「お、お願い、何か言って、嫌ぁ師匠、もう意地悪しないで、謝るから、服着るから……!」
じたばたと暴れながら叫ぶルーンの男性器を口で愛撫しながら、名乗らぬ誰かはその膣を指で犯し続ける。
しとどに濡れた赤い肉襞は、怯えのためにより一層きつくくわえた指を締め付けた。
「あっ、ん……! あっ、やあぁ、ぐちゅぐちゅって……っ」
柔らかな内部をえぐられ、突かれるたびに奥からは愛液が漏れ出てしまう。
粘つく液ごとかき回されて、はしたない音が閉め切られた部屋の中に響き渡った。
「ひぃ、あぅ、あっ、あぁぁーっ……」
深く差し込まれた指で感じやすい部分をぐりぐりとされると、悲鳴のような声が長く尾を引いた。
「はふ………っ、は、ぁ……」
ただでさえ単純なルーンの脳味噌はたちまち快楽一色に染まっていく。
快感に潤んだ瞳を閉じ、与えられる愛撫にしばし身を委ねてしまったが、ぐいっと足を持ち上げられたことではっと我に返った。
「…………ぁっ、や、やぁ…………!」
いつの間にか二つの性器をなぶる唇と指は離れていた。
入れ替わりに濡れそぼった裂け目に押し付けられたのは、こちらもぬるぬるとした独特の丸み。
指とは明らかに違う男根の感触に全身総毛立つ。
嫌だ。
いまだクルーガーか誰かも分からない相手に、これ以上のことはされたくない。
「やだ、やだっ……!」
とはいえ首を振り、逃れようにも腕は縛り上げられた状態である。
足は一応自由だが、体重をかけて押さえ付けられているこの体勢では無駄なことだ。
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