要姫・4



それは優しい笑みを浮かべたアレクシの腕が伸び、巫女服の胸元をはだけられた時も対応出来なかった。
「アレクシ様っ……!? あ、やぁッ…………!」
慌てて身をよじろうとしても、体の自由が全く利かない。
クラウディオに何かされたのだとはすぐに気付いたが、それでこの状況が変わるわけでもない。
同い年ぐらいの少女と比べてもかなり小ぶりな、控えめな胸のふくらみが二人の男の前にさらされている。
「い、いやっ、あっ……!」
顔を真っ赤にしたナイアの胸元に、アレクシの手が触れて来た。
小ぶりな乳房を両手に収め、確かめるように優しく揉まれて思わず声が上ずってしまう。
「やっ、いやッ、アレクシ様っ…………!」
「ナイア様……想像以上だ。雪のように白い肌、それに、ここはこのように美しい薄紅色で……」
熱を秘めた言葉を吐いた唇が、胸元に降りてくる。
片方の乳首を軽く吸い上げられて、ナイアは身動きままならない体を逸らせた。
「いや、いやっ…………! アレクシ様、やめて、あああっ……!」
身もがいても、四肢がかすかにわななくだけ。
動きに合わせてわずかに揺らめく乳房をアレクシは掴み、先を執拗に舌先で舐め転がした。
「あ、やっ……アレクシさま…………ッ」
音を立ててねぶられ、吸われて、そこがとがっていくのを止められない。
「はぅ、ああ、い、嫌です、どうして、あっ……!」
唇で乳首を攻めながら、アレクシはもだえるナイアの腰元に手をやる。
帯を解かれ、巫女服の合わせを大きく広げられ、足さえそれに合わせて左右に割られた。
二つの性器を備えた、神聖にして忌まわしき両性体の証が神殿に掲げられた光に照らされる。
濃い桃色をした、未熟な男性器。
その下にある、紅色の女性器。
地下神殿での暮らしのために青白くさえある肌の中、そこだけが淫らな色に染まっていた。
「やっ、見ないで、後生です見ないでぇ…………!」
蘇ったばかりの瞳に涙をあふれさせ、ナイアは必死に懇願する。
だがアレクシはごくりと喉を鳴らし、露になった下肢をしげしげと見つめた。
「……なんと、美しい…………」
蔑みの言葉を予想していたナイアは、思わぬ言葉にはっと彼を見る。
するとアレクシは、そんなナイアと瞳を合わせて優しく笑いかけて来た。
彼の顔が近付いて来る。
乱れた前髪をそっと払われたと思った瞬間、柔らかな唇がナイアのそれを覆った。
「んッ……!」
間髪入れず、アレクシは片手で巫女のあごを捕らえる。
「んっ」
口を開けさせられ、くちゅりと音を立てて舌が侵入してきた。
「ふ……んっ、…………ん、ん」
濡れた舌先が口腔の中を舐め回す。
逃げる舌を捕らえられ、絡められてきつく吸われると頭がぼうっとして来た。
「んはッ…………、ん、ん、……あッ」
強引で、それでいて蕩けそうな甘い口付けのかたわら、アレクシの片手はナイアの下腹へと伸びてゆく。
いつしか硬さを増し始めた男性器に触れられた瞬間、ナイアは焦った声を上げた。
「だ、だめ、いやアレクシ様……! だめです、これ以上、私、私は巫女なんです…………!」
両性体とはいえ半分は女性であるナイアにとって、処女であることは巫女の絶対条件。
男を知ってしまえば、要姫の資格を、力を、失ってしまう。
けれどアレクシの手は全く止まる気配はない。
「ああッ」
口付けをやめたアレクシの体全体も下方に下がっていく。
そして彼は、大切に手の平に包んだいとけない男性器を口に含んだ。
「ああああッ!」
びくんと身を震わせ、ナイアは悲鳴を上げる。
乳房同様、外見年齢よりもはるかに未熟な男性器は簡単にアレクシの口に収まってしまった。
以前こっそりと持って来てくれた、祭りで売っている棒状の飴。
まるでそれでも食べているように、アレクシは口の中のものをねっとりと舐めしゃぶる。
「ふ、ぅっ…………、や、だめ、アレクシ様……、どうして、どうして、私……あ、ああッ」



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