要姫・6
そう言うと彼は、更に下方に顔をずらした。
両手の指が羞恥に震える女性器の縁に触れる。
くっと左右に引っ張られ、濡れた奥に空気の流れを感じた。
「やめて…………」
恥ずかしさのあまり、ナイアは蚊の鳴くようなか細い声しか出せない。
けれど、中途半端になぶられたその男性器はまだひくひくと震えている。
アレクシに間近く見つめられている女性器もまた、何かを待ち侘びているように震えていた。
「ナイア様…………」
熱い想いを込めた声で愛しい巫女を呼び、騎士はゆっくりと顔を伏せた。
ぴちゃっ、という濡れた音に、ナイアはびくっと体を跳ねさせる。
「あッ、あッ…………!」
アレクシの舌が、ナイアの女の裂け目をなぞる。
じっくりと味わうように何度も舌を往復させられ、ナイアはきゅうっと唇を噛んだ。
恥ずかしくて、嫌で、なのに上がる淫らな水音にさえ体が熱くなる。
更にアレクシは、しとどに濡れた女陰の頂点へと唇を寄せた。
「ああっ!?」
先ほど乳首にしたように、アレクシはナイアの肉芽を愛撫した。
ちゅくちゅくと音を立てて吸われると、もう声を殺すことも叶わない。
「ああ、アッ…………! やっ…、いやあ、だめ、私、私、だめっ…………!」
女の最も敏感な性感帯を集中的に攻められて、腰から下が蕩けていく。
小ぶりの乳房を先まで緊張させて、ナイアは夢中で首を振った。
美しい瞳からぽろぽろと涙があふれる。
しかしその男性器と女性器からも、歓喜の雫が溢れているのは一目瞭然。
「処女とは思えぬ乱れぶりですね」
巫女姫の痴態をすぐ側でじっと眺めていたクラウディオが、含み笑いをしながら言った。
その声によりナイアは、今更のように観客の存在に気付いて愕然とする。
「いや、いやっ…………!」
アレクシに犯されようとしている、この現実だけでもう十分なのに。
しかもその様を敵国の、このランクーガを攻め落とそうとしている理術師などに一部始終見られるなんて。
だが逃れ様にも身動きままならず、アレクシの舌の回転は速くなるばかり。
「いや………レクシ、様っ…………私、私……あっ、あんっ……」
あふれる愛液を吸い尽くさんばかりに舐めしゃぶられ、中に舌を差し入れられてナイアは息も絶え絶えにあえぐしかない。
ぴくぴくと全身を震わせて、襲い来る絶頂の予感に巫女姫は耐えている。
そう長くは続かないだろう強情を張り続ける、ナイアの可愛らしい姿をアレクシはうっとりと見た。
たった今まで濡れた裂け目を犯していた彼の舌先には、透明な愛液が絡み付き糸を引いている。
「……ナイア様のここはとてもきれいで…………清楚に閉じて、けれど奥からはこんなに蜜があふれて来ていますね……」
糸を引く愛液をぺろりと舐め上げ、アレクシは指先をどろどろに蕩けた肉の狭間に潜らせた。
焦らすように引き抜かれた二本の指には淫らなぬめりが絡み付き、彼はそれをナイアの目の前に掲げてみせる。
「あ…………」
感じてしまった証しを突きつけられ、ナイアは眉根を寄せて押し黙った。
恥らう表情に欲望を刺激されたのだろう。
火傷のことなどまるで嘘だったかのように思える、整ったアレクシの顔立ちに浅ましい陰りが差した。
「ナイア様…………もう、よろしいですね」
低い声にびくりと震えたナイアの足元で、アレクシは中腰の姿勢を取った。
鎧を留め付けたベルトを外し、彼はすでにいきり立った己の肉棒を取り出す。
ナイアのものとなど、比べるまでもない。
天を向いてそそり立つその大きさに、巫女姫はひくりと喉を鳴らした。
「だめ、だめ…………」
怯えきった小動物のように、ナイアは夢中で首を振る。
初めて見たアレクシの男根に、改めて自分が処女を奪われようとしていることを思い知らされた。
しかもこんな……
恐怖のあまり目を逸らすことが出来ないナイアに見せつけるように、アレクシは一物を握ったままゆっくりと膝をついた。
萎えたように放り出されたナイアの片足を、ぐいと引き上げ肩に担ぐ。
続いて華奢な腰を持ち上げ、自分の方へと引き寄せた。
包み込む熱い肉を求める彼のものの先が、ナイアの内股をかすめる。
「……い、いやっ……!」
声を限りにナイアは叫んだ。
ぐしゃぐしゃになった長い白髪を裸身にまとわりつかせながら、最後の抵抗を試みる。
「いやっやめて、お願い、お願いアレクシ様だめっ……! 許して、嫌、お願い助けてっ……!」
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