要姫・8



女性器に浅く潜っていた男根が力を増す。
苦痛の涙を零すナイアを見下ろし、アレクシは一際強く腰を突き出した。
「うあッ………、あ、あああああっ……!」
涙の雫を振りまきながら、ナイアは声も枯れよとばかりに叫んだ。
男の侵入を防いでいた膣内の防壁が、彼の無理強いにより突破されたのは嫌でも分かる。
それだけに留まらず、太い物は巫女の聖域を犯しながら奥へ奥へと進んでいく。
「やァ、あ、あ……! や、アレクシ様やっ…………お願い、うごかッ……、あううっ!」
破瓜の血を内股に伝わせるナイアの細い腰を、息を荒げたアレクシは掴んだ。
そのままじりじりと、ナイアの中を拡張するように己の物を突き入れていく。
「ああ、ナイア様……あなたの中は熱くて、ぬるぬるとしていて……とても良い心地です……」
甘い声でそんな風にささやかれ、更に頭に血が昇った。
初めて男を受け入れる苦痛に耐えているナイアの中を、アレクシは無情に進んでいく。
「……ん、ん…………!」
ようやく、彼の動きが止まった。
だがそれは、アレクシの肉棒がナイアの中に根元まで深々と挿入されたからだ。
傷口を広げられたままでいる苦痛をじっと堪えているナイアの、自分を飲み込んだ箇所を見ながら騎士は満足そうに笑う。
「ふふ、奥まで私のものが入りましたよ…………美しい要姫様……これであなたはもう、ランクーガの擁する巫女ではなくなった……」
陶酔した声でささやき、彼はゆっくりと顔を近づけて来る。
誓いを立てるように優しく口付けられ、顔を両手で挟み込まれた。
真正面から見つめられ、もう一度そっと口付けをされる。
こんなにひどいことをされているのに、真摯なその目で見つめられるとナイアは何も言えなくなってしまった。
「あなたは私の……私だけのものだ…………ああ、夢のようです、ナイア様…………」
もう一度、もう一度、彼は愛しさを込めて接吻を繰り返した。
さながら婚儀の際に交わされる誓約の口付け。
実際アレクシにとって、この行為はナイアとの婚儀に近いのだろう。
巫女を犯し、処女性により守られていた神秘の力を奪い取る。
そうすることによってアレクシは…………己を助けてくれなかった神と国から、愛しい要の姫を寝取ることが出来るのだ。
それはすなわち、バルトフェルトとクラウディオの望みにも繋がる。
「アレクシ殿、まだナイア様は全ての力を失われたわけではないようだ」
繋がった二人を見下ろし、クラウディオはそう言った。
彼が言う通り、まだナイアのランクーガを守護する力は完全になくなってはいない。
それはアレクシも理解しているようだった。
「分かっております。………さあ、ナイア様……私ばかりでなく、あなたも悦くして差し上げましょう……」
両頬を離れた指先が、首筋を辿り胸へと落ちる。
大きな手の平が慎ましい胸のふくらみを包んだ。
「あっ……」
小さな乳房をやわやわと揉まれ、ナイアはかすかにあえいだ。
それを確認し、アレクシはゆっくりと腰を揺すり始める。
「んあっ……、あ、う、くぅ…………ッ」
最初の衝撃は過ぎた。
それでもまだ、痛みは強い。
「やめ、いたッ……! 痛い、やめて、もうやめて…………!」
彼の肉棒によって突き破られたナイアの中は、まだまだ男に馴染んだとは言い難い。
アレクシはきつい締め付けが心地良いようだが、ナイアは痛みを堪えるのに精一杯だ。
「ナイア様…………そのように拒まれてはあなたがつらいだけだ、力を抜いて下さい……」
悦楽にかすれた声でアレクシが言った。
「痛い思いは出来るだけさせたくない……私はあなたを愛しているのです、ナイア様。勝手を申し上げますが、あなたにもこの行為を楽しんで頂きたい……」
そう言うと彼は、いったん腰の動きを止めた。
挿入したものを抜きはしないものの、その指先はナイアの胸を離れ下肢へと伸びる。
「あ……ッ!」
痛みに萎えていた男性器。
アレクシを飲み込んだ女性器へと、彼の手は触れてきた。
「ここがよろしいのでしょう………?」


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