要姫・9
確かめるように言った指先が、男性器の先のくぼみと女性器の頂点の肉芽に触れる。
「ああっ!」
両性の感じる部分を一時に攻められ、思わず甘い声が上がった。
「あ、あ、ん……っ! だめ、アレクシ……ッ、ん……ッ」
快楽に悩ましく眉を寄せたナイアに、堪らなくなったようにアレクシは口付けた。
「んん、ん、んーっ……!」
貪るような深い口付けをしながら、彼はナイアの性感帯を乱暴なぐらいにいじり続けた。
「ふあ、あ、んんッ」
つぼを心得た愛撫に体が蕩けていく。
その隙を突き、アレクシは再び腰を動かし始めた。
「くう…………ッ」
傷口を広げられる苦痛が戻って来て、ナイアはぎゅっと目を閉じる。
その閉じられたまぶたの上に、アレクシは何度も口付けを落とした。
自分の大きさに馴染ませるように、一定の速さで巫女姫の中を穿つ。
そうしているとナイアの膣内も慣れて来たのだろう。
受け入れた男に絡み付き、愛液を分泌させてその動きを助け始めた。
「ナイア様……!」
自在に動けるようになって来たことで、いよいよ歯止めが利かなくなってきたらしい。
舌を絡めて激しい口付けをしながら、アレクシは巫女の両足を抱え上げその腰を引き寄せた。
「んゥ………………!」
更に結合が深くなり、ナイアは苦痛のうめき声を漏らす。
しかし次第にアレクシを受け入れた痛みは、我慢出来ないという範囲のものではなくなり始めていた。
「ん……あっ!」
床の上に投げ出されたナイアの指先が、白い髪がびくんと跳ねる。
男の動きに合わせ、震える乳房の頂点で乳首がつんと硬くなった。
「おやおや」
ナイアの反応の変化に、クラウディオが瞳を細めた。
「もう感じ始めましたか。さすがはアレクシ殿…………いや、ナイア様が存外淫乱なのですかな」
揶揄するような言葉を浴びると、体がかっと熱を持った。
けれど羞恥心も痛みすら振り切って、徐々に自分が快楽を感じ始めていることをナイアも認めざるを得なかった。
「ふぁ、あっ……んっ、あんっ、アレクシ様、だめっ……ああっ」
奥を小突くように突かれる度、唇からは苦痛とあえぎが入り混じったものがあふれてしまう。
彼を受け入れた場所からもまた、はしたない液がとろとろと零れ落ちていた。
繋がった二人の間で屹立した可愛らしい男性器からも、ひっきりなしに先走りが漏れ出ている。
「ナイア様………、ナイア様っ、ああ、嬉しいです、私に感じて下さっているのですね……」
熱を帯びた声でつぶやいたアレクシの手が、再びナイアの肌を這う。
「あッ…………や、触らッ……、ああ、だめっ……!」
乳首を揉まれ、転がされてナイアは切ない声を漏らした。
けれどその声にもあえぎが混じり、悲痛なまでの拒絶は感じられない。
快楽に流されまいと戦うナイアだが、アレクシの巧みな指先は巫女姫の精神の砦をも突き崩していく。
「ここですか、それともここ……? 教えて下さい、どうして欲しいのか…………」
繰り返し奥を突かれながら、感じやすい部分に触れられるたびにナイアの声は一層甘い響きを帯びた。
アレクシの愛撫がうまいからだけではない。
肉欲を満たすためだけでなく、彼が心から自分を欲してくれていることが分かるから。
「ああ、あっ…………あっ、アレクシさまぁ……!」
高まっていく熱と快楽をこれ以上堪えられない。
濡れた裂け目にくわえ込んだ男を力いっぱい締め付けて、ナイアは絶頂を迎えた。
「ナイア様…………!」
一呼吸置いて、アレクシも自分の欲を解き放つ。
快楽の余韻に浸るのも束の間、精液が注がれる感触に気付いてナイアははっとした声を上げた。
「ア、アレクシ様だめっ、あっ、ああぁっ…………!」
叫んでも今更遅い。
大きく息を吐き出しながら、アレクシはナイアにきつく腰を押し付ける。
そうして彼は、たっぷりと巫女姫の最奥に白濁を流し込んだ。
「だ、だめっ、やっ、嫌、私だめっ、赤ちゃん、赤ちゃんが……、んんっ……!」
恐慌状態に陥ったナイアの唇を、駄目押しのようにアレクシが塞ぐ。
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