要姫 第二章・7
「いやっ言わないで、そんなことッ、んんっ、あああッ………!」
無我夢中でナイアが首を振るたび、汗の雫が敷布に飛び散る。
そして男をくわえ込んだ部位からは、アレクシが言う通り愛液が飛び散って薄紅色に染まった太ももを濡らしていった。
濃い桃色をしたナイアの男性器からも半透明の液があふれ、自分の女性器と内に含んだアレクシを伝って敷布を汚す。
「はぁ……っ、あ、アレクシ、さま……ぁ…………」
細い両腕はいまだ理術の鎖に拘束されたまま。
足も無惨に開かれて、その狭間にはぎっちりと太いものが埋まっている。
犯されるふたなり巫女姫の扇情的な姿にごくりと喉を鳴らしてから、アレクシはたまらなくなったように叫んだ。
「ナイア様………、ナイア様っ、さあ、孕みなさい、私の子を………!」
声高らかな宣言と共に、ふくれ上がった男根の先がナイアの子宮を押し上げる。
「あぁあ! あぁ、だめっ、だめーっ…………!」
だめと言いながらも痙攣する女性器が彼を締め上げ、絶頂に導くのをナイアは絶望的な思いで感じ取っていた。
収縮し、弾けた肉棒から放たれる熱い奔流がどくどくと中に注ぎ込まれていく。
「やぁ、赤ちゃんの、素がぁ……っ、来ちゃう…………ッ」
注ぎきれなかった白濁が結合部の隙間からしみ出し、愛液と入り交じって内股を濡らす。
ぷくぷくと音を立てて漏れる精液に子宮の奥まで犯されながら、ナイアは耐えきれず涙を零した。
ナイア自身の二つの性もすでに絶頂を極めている。
ひくひくと震える裂け目と屹立した男性器からあふれ出した蜜が、羞恥と表裏一体の快感の強さを示していた。
「アレクシ様は、本当にナイア様がお好きなのですね。要姫は御子が出来にくいとのことですが、これならさほどお待ちすることもなさそうだ」
最後の一滴までナイアの中に放出しようと、いまだその体を抱き締めて動かないアレクシの背後から聞こえる含み笑いの声。
意味ありげな理術師の言葉に、ナイアは新たな涙を誘われてしまうのだった。
ようやく身を起こしたアレクシが、全身様々な体液にまみれたナイアの裸身を丁寧にぬぐってくれる。
「さあナイア様、少しお腰を浮かせて…………ああ、きれいになりましたよ」
クラウディオの前であられもない場所までぬぐわれることに抵抗する気力も出せないほど、ナイアは疲れ切っていた。
そもそも今更この男の前で恥ずかしがって何になるのか。
たった今目の前で子種を注がれるところを見られているのに。
一刻も早い妊娠を望むアレクシの手により、きれいにぬぐわれた全身の中でそこだけいまだしとどに精に濡れた女性器をさらした状態であるのに。
目を開けているのさえ気怠くて、半分瞳を閉じたままのナイアを見てクラウディオが言った。
「ナイア様はずいぶんお疲れのようです。いけませんよ、このところあまりお食事もされていないとのことですし」
理術により固定された状態であるとはいえ、足を緩く開いて固定された状態のナイアは身じろぐことさえしない。
引かない微熱を残した肌は上気して薄赤く染まっているが、四肢は力なく敷布の上に投げ出されている。
クラウディオの言葉に、アレクシも気遣わしげな表情になった。
「そうですよ、ナイア様。いずれあなたはあなた一人の身ではなくなるのです。しっかりと食べて、丈夫になられなくては」
そう言いながら彼は、それは優しい手付きでそっとナイアの腕をさする。
性的なものの感じられない、ただただ優しいその動きにナイアは目の奥が熱くなるのを感じた。
さっきまで自分を押さえ付け、執拗な腰使いで犯し続けていた男とも思えない。
仮面の騎士と周囲から距離を置かれながらも、何気ない心遣いで自分を守ってくれたままのアレクシがそこにいた。
しかし優しいその手は、微妙に触れ方を変えながら別の場所へと伸びていく。
「あん…………ッ」
いまだたっぷりと男の性を含んだ割れ目に長い指先が触れた。
くちゅりと音を立て、人差し指がぬめりをかき分け奥に入ってくる。
「んぁ、あぁ、いやぁ、だめぇ……っ」
いったばかりでひどく敏感なそこは、細長い異物をきゅうっと締め付けた。
「ここで…………私たちの子を産んで頂くのですから……ね、ナイア様…………」
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