要姫 第二章・16
アレクシの腹に沿うようにして屹立した、ナイアの濃い桃色をした男性器の先に爪先が浅く食い込む。
鈴口をぐりぐりといじられる快楽もさることながら、ナイアは思わぬ事態に混乱していた。
「いやっ、嫌こんなのっ、やめてアレクシ様やめてっ、ああっ!」
ナイアを膝の上に乗せているアレクシが、ふっと胸元に顔を寄せてきた。
背後のアレクシがいじっていない方の乳首を舌先で舐め上げられる。
「ああんッ」
悲鳴と嬌声の中間の声を漏らすナイアの後ろに潜った指が引き抜かれた。
と思ったら、胸元を離れた手が滑ってきて代わりに尻穴に差し込まれた。
「ひいっ」
息を飲んだナイアの耳たぶを、後ろからアレクシが甘く噛んだ。
そうかと思えば前のアレクシはナイアの膣内に深々と差し込んだ指を開き、したたる大量の愛液をこれみよがしにさらして見せる。
次々と入れ替わる愛撫の手に翻弄される。
どちらのアレクシがどこを触っているのか段々分からなくなってきた。
そもそも彼は、当たり前だが一人。
けれどこの状況は、明らかに二人の男に挟まれてもてあそばれているとしか思えない。
おまけにずっとお預け状態だった後ろの穴への愛撫は激しくなる一方。
深く埋められた指で感じやすい部分を擦られるたびに、みっともないほどに声が上がってしまう。
「はぁ…………ッ、ん、アレクシ……、さま、や……っ、私、変、変に……っ」
理術で押さえ付けられていた肉体が、全身の性感帯を絶え間なく這いずる指に舌にどろどろに蕩かされていく。
それを加速させるのは、耳元にささやかれるアレクシの、前後のどちらともつかぬ甘い声。
「予定を変更します。その前にあなたを、私が与える快楽の虜にして差し上げる……」
女性器に差し込まれていた指が抜かれる。
入れ替わりに宛がわれたのは、力強く勃ち上がった前のアレクシの男根だった。
軽く腰を持ち上げられ、わずかに身をくねらせたナイアだが最早その抵抗はないに等しい。
「あっ………、ああぁ…………っ……!」
ぬちゅっ、といういやらしい音をさせながら、巫女姫のそこは楽々と男を根本まで飲み込んでしまった。
「ああんっ……、やんっ、アレクシさまぁ……」
寝台をぎしぎしと軋ませながら、ナイアを膝の上に抱いた格好のアレクシが突き上げてくる。
ぬめる肉壁で彼を締め付けながら、ナイアは奥をえぐられる衝撃に酔ったような声を上げた。
「あっ、あ……、あ…………ッ!?」
粘っこい音を立てながら前を犯されるナイアの背後で、もう一人のアレクシが動き出す。
尻に埋めていた指を引き抜くと、片手で尻肉を割り開いた。
薄く口を開け、ひくひくと震える穴にもう一本の肉棒が宛がわれる。
何をされるかを悟り、ナイアははっと我に返り叫んだ。
「やっだめっ、だめそんなのッ、うあ、あ、あああーっ…………!」
しばらく使われていなかった狭い穴を裂くような勢いで、太いものが後ろから押し込まれる。
一瞬の痛みを簡単に凌駕した快楽に、ナイアの頭は真っ白になった。
「くっ、すごいですナイア様……、なんて締め付けだ………」
前に入れていたアレクシが、急激な締まりに息を詰める。
後ろに入れたアレクシも、想像以上の締め付けにすぐには動き出せない様子だ。
「すごい……な、ああ、でも、よろしいのですね………中が、蠢いている…………」
乳房の質量はあまりないが、ナイアの尻にはある程度脂肪が付いている。
やわらかなその感触を楽しむように、後ろのアレクシが尻肉を揉みしだいた。
「はぁ……っ、はぁん…………」
外側から押されることにより、中にくわえ込んだ熱い男根が肉壁に押し付けられる。
己のものの形を鮮明に味わわせるような行為に、ナイアは甘ったるい息を吐いた。
全身の強張りが解けていく。
それを見計らい、二人のアレクシがいっせいに動き始めた。
「きゃあああッ!」
悲鳴を上げたナイアの体が激しく上下に揺さぶられる。
前と後ろの穴をそれぞれ斜め上に向かって突き上げる二人の男の動きが、ナイアの奥の一番気持ちがいいところでぶつかるのだ。
今までに感じたことのない強烈な快感。
二つの性器は濡れそぼり、快楽の蜜を際限なく漏らし続けた。
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