要姫 第二章・17
「はぁ…………んッ、だめ、こんなのだめえ……」
ずちゅっ、ずちゅっという卑猥な水音が絶え間なく上がる。
しとどに濡れた二つの穴で二本の男根を締め付けながら、ナイアは熱に浮かされたような声を漏らした。
「ごりごりって、中でごりごりって擦れてぇ…………」
なにせ前後の男は二人ともアレクシなのだ。
理術によって実現した同一人物による二本差しは、突き上げるその速度も角度もぴたりと同じ。
一番奥をずんっと突かれる度に、ナイアの体は大きく跳ね白い髪が宙に舞い上がった。
「ここがお好きですね、ナイア様」
「ここも好きでしょう?」
全く同じ二つの声が耳元に響いたかと思うと、伸びてきた指がそれぞれに感じやすいところを捕らえる。
激しい突き上げを受けながら乳首を転がされ、肉豆を摘み上げられるとそのたびナイアは新たな性感に身をよじった。
「ひゃん……っ、あっ、あぁ、やぁ、私ッ、変、変にぃッ」
全身を絡め取るような激しい愛撫。
自分から腰を振らずにいられるのは、ソーンの残した言葉がかろうじて頭の奥に引っかかっているからに過ぎない。
クラウディオの前だということなどとうに意識からは消えている。
「んん、んッ、もうだめ、ごりごりだめぇ、深すぎるのだめぇっ」
絶頂の予感に二穴が一層締まる。
わずかに残った着衣が乱れるのも構わず、ナイアは二人の男に犯される悦びに耽っていた。
けれどアレクシは、それでもまた乱れぶりが足りないと思ったらしい。
「まだ足りないですか、ナイア様」
どっちのアレクシが言ったかは分からない。
しかし暗い響きを帯びたその声には、かすかな苛立ちが込められていた。
「強情な方だ。それとも…………王は、他の男達は……ソーンは、もっと気持ちがいいことをしてくれたのですか……?」
「あぁ…………っ、あっ…!?」
ぴったり合っていた抜き差しに変化が生じた。
片方が抜けば、片方が引く。
そうかと思えばまた同じ間合いで突き込んでくる。
全身に施される愛撫も乱暴さを増した。
控えめな胸のふくらみを鷲掴みにされ、屹立した男性器を扱き立てられる。
女性器の頂点のしこりを捕らえられ、執拗にくにくにといじられる。
予測できない動きに中を擦られ、奥を突かれながらそんな風にされてナイアは狂ったように叫んだ。
「死んじゃう、死んじゃうぅ、だめえ抜いて、どうにかなっちゃう…………!」
びくびくっと全身が痙攣する。
ついに限界を超えた快楽が頂点に達した。
「あああああ……ッ…………!」
二つの性器から極めた証の体液が飛び散る。
同じ証を最奥に注ぎ込まれながら、ナイアはぐったりと全身の力を抜いた。
「あぁ、あ………、やぁ…………、出てる………」
いつしか流れ出していた涙をぬぐいもせず、朦朧としながらつぶやく。
二つの穴の中にどくどくと注がれていくアレクシの白濁が、内部に収まりきらずに染みだして更に肌を汚していく。
その感触にさえ犯されるような思いでいるナイアを、己を抜く様子も見せずに二人のアレクシが腕を回して抱き締めた。
「かわいいナイア様」
「分かりますか? 私のもので、あなたの中が満たされていくのが……」
今なお自分の中で精を放ち続けている男の腕の中、ナイアは声もなくすすり泣いた。
と、不意にがくんと体の向きが変わる。
「え……っ、あっ、あああっ!」
まだナイアの中に自分を入れたまま、正面からナイアを抱いたアレクシが背後に倒れ込んだ。
あるいは尻を犯したままのアレクシが、ナイアの背を押したのかもしれない。
いずれにせよ、ナイアは前にいたアレクシの上に四つん這いになったような体勢になった。
その状態で、後ろから腰を掴まれる。
「ひあ……っ、あっ、ああああっ!?」
涙も乾くような驚きを感じたのも束の間、獣の体勢で尻を貫かれる衝撃がナイアを襲った。
「ア、あああっ! やっ、まっ、まだだめっ、まだだめえ………!」
一度も抜かれてさえいないものが、再び尻穴の中を前後する。
射精したばかりとは思えぬ太さと硬さに中を擦られるたび、いったばかりでひどく過敏になっている体から汗が吹き出した。
その上ナイアの下になっているアレクシも、寝台のきしみを利用して突き上げてくるからたまらない。
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