ぴくの〜ほかんこ

物語

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[218] 冒険のはじまりだ!!・2〜2人の友情〜

ハルカ♪ #1☆2004.02/28(土)14:36
第1話    ☆★少女とパートナー★☆


        「アブル、行くよ!」
        「わかったよ、カナ!」
      ホウエン地方で大活躍したハルカ達4人。彼らが別れてから1週間経った時のことだった。
      ここはホウエン地方から遠く離れた“アルマ地方”の小さな街“ココロ村”。そこにある少女とそのパートナーがいた。
パートナー「カナ、時間大丈夫なのか?」
       パートナーが“カナ”という少女に声を掛けた。
カナ 「大丈夫だよ、アブル。走れば十分に足りるよ!」
       “アブル”と呼ばれるパートナーにカナは返事を返した。
アブル「じゃあ走る?」
キリ 「うん。走ろう!」
         そう言うと、彼らは村の奥に向かって走っていった。

――1時間後
カナ 「はぁ〜、やっぱり村長の話は長いね〜!」
アブル「まったくだ!」
         彼らはさっきまでこの村の村長と話をしていた。村長は年寄りのおじいさん。この村で知らない人はいない、物知りな人だった。
カナ 「でもよく人間の言葉を喋らなかったね、偉いよ!」
アブル「なんだよ!いつもカナが言ってるじゃんか!」
カナ 「まぁ、そうだね!」
         カナのパートナー・アブルは、災いポケモン、アブソルのニックネームだ。いつもいつでもカナと一緒に行動していて、2人はとても仲がいい。ところが、アブルには他のポケモンと違うことがある。それは「人間の言葉を喋る」ことだ。でも『カナ以外の人の前だと、ポケモンの言葉を喋ること。』それが2人のルールみたいなものだった。
カナ 「さてと。村長からの許可がでたんだ。早く準備の続きをやるよ!」
アブル「アイアイサ〜!」
        そうして2人は家に向かって走っていった。

―カナの家・2F―
アブル「カナ、これ入れたら?」
カナ 「そうだね!一応入れとくよ!」
        カナ達は部屋で水色と白のショルダーリュックに何かを詰めている。2人の周りはたくさんな道具や物で囲まれていた。
カナ 「ところでさ、ここにまた戻ってくるのは何時だろうね。」
アブル「さぁ〜。でも絶対1ヶ月は先だね!」
カナ 「かもね!はぁ〜、とうとう明日なんだね〜!」
アブル「そうだね〜!」
         2人は楽しい会話をしながら準備をしていった。時間はその間どんどん進んでいった。
カナ 「・・っと、まあ、こんぐらいかな!!」
          準備が終わった時はもう夕方近くになっていた。
アブル「これからどうするの?」
         アブルはカナの顔をのぞくようにして聞いた。
カナ 「もちろん決まってるじゃないか!ご飯を食べて、風呂に入って、ベッドで寝る!」
アブル「やっぱり…。いつものことだね。」
          そうして彼らは無言になった。カナはベッドの上で横になっていた。アブルは床の上で座っていた。10分ぐらいは経っただろうか。カナはアブルにこう喋った。
        「アブル、明日からヨロシクお願いします!」
アブル「なに改まっちゃってるの?」
カナ 「いいから!細かいことは気にしない!」
アブル「じゃあこっちも言わせてもらうね!しばらくの間ヨロシク!」
カナ 「それだけ!?こっちはちゃんと敬語を使って話したのに…。」
アブル「友達同士なのに敬語を使うのは絶対へんだよ!」
カナ 「何よそれ!友達同士だって敬語を使う時はあるものよ!」
アブル「はいはい、ちゃんと言います!しばらくの間、ヨロシクお願いします!」
カナ 「感情がこもってな〜い!」
アブル「細かいことは気にしない!カナがさっき言ってたじゃん!」
カナ 「それとこれとは違うわよ!」
アブル「別に良いじゃん!」
カナ 「どういうこと!」
アブル「はいはいはい、この話はおしまい!下に行ってるよ!」
          そう言うと、アブルは階段を下りていった。
カナ 「まぁ、いいか!前日から喧嘩ってへんだもんね!」
           カナはそう言って苦笑いした。

        そう。カナとアブルは明日から冒険に出かける。長い長いアルマ地方の冒険へ…!
…つづく♪
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ハルカ♪ #2☆2004.02/29(日)11:30
第2話    ☆★冒険のはじまりだ!!★☆


      ココロ村に新しい朝が再びやってきた。村全体が太陽の光で包まれる。もちろんカナの家も…
          【ピピピピッ!】
カナ 「ふぁ〜、目覚まし時計うるさいよ!」
       そう言ってカナは目覚ましの電源を切った。
カナ 「さてと、もう起きるか。」
アブル「朝からうるさいよ、カナ!」
        アブルは背伸びをしながら言った。
カナ 「だって午前中にはここを出る予定なのよ!目を覚ましておかなきゃ、あとで困るよ!」
         カナはそう言うと、ベッドから下りて着替え始めた。しばらくしてアブルが小声で言った。
アブル「じゃあまた寝てるよ。」
カナ 「ちょっとまった〜!」
        カナはアブルの背中を引っ張った。
アブル「何んだよ!」
カナ 「『何んだよ!』じゃないわよ!アブルも旅の支度をしてよね!」
         そう言ってカナは、部屋から出て行った。カナの後姿を見ながらアブルはこう呟いた。
アブル「旅の準備って言っても、ポケモンにはそんなの無いと思うけど…。」

――AM11:00
カナ 「…っと。よし、持ち物点検はOK!」
アブル「本当に大丈夫なの?」
カナ 「大丈夫だよ!そんなに心配しなくたって!」
         そうしてカナは立ち上がると、リュックを背負って、キャップを被った。そして鏡の前に立った。青のキャップにリュック、Tシャツにパーカーにジーンズ。これらが今カナが着ているものだった。するとカナはアブルの頭をなでながら、
         「じゃあ出発しようか!」
       っと言った。アブルの返事は、
         「わかったって!」
       そのあと、彼らは黙ってゆっくりと部屋を抜けて階段を下り、玄関の前まで来た。すると後ろから女の人の声がした。
ママ 「カナ、アブル、気をつけてね!ときどき電話をちょうだいね!」
         その人はカナのお母さんだった。
カナ 「わかってるよ!」
         そうしてカナは靴を履き、2人は玄関の扉を開けた。
ママ 「いってらっしゃい!」
カナ 「いってきます!」
アブル「アブルル!」
          そういい残すと、2人はお母さんがいる家を後にした。お母さんはカナ達の後姿をずっと見ていた。

         そしてとうとう、2人は村の端っこまで来た。ここから先に行くと次の街にいける。
カナ 「アブル、行くよ!」
アブル「わかったよ!」
          っと2人は走ろうとした瞬間だった。
???「お〜い、カナちゃん、アブル〜!待っておくれ〜!」
         今度はおじいさんの声がした。後ろを振り向くと、村長と村の人たちが立っていた。
カナ 「村長!!それに村のみんな…!」
村長 「カナちゃん、これを持っていくがいい。」
           村長は黄色のプラスチックの箱みたいな物をカナに渡した。
カナ 「村長、これはいったい…?」
村長 「アルマ地方のタウンマップじゃ。ほれ、横に引っ張ってみ!」
          カナは左右に取っ手があるところを引っ張った。すると、そこには地図が一面に描かれていた。
村長 「使い方は使ってればすぐにわかるだろう。」
カナ 「有難うございます。」
           カナは礼をいい、それをリュックにしまった。
少女 「カナ、頑張ってね!」
少年 「ぜったい戻ってこいよ!」
カナ 「ノープロブレム!大丈夫!」
          そうしてカナは友達にVサインを送った。2人は深呼吸を1回すると、
カナ 「いってきます!」
アブル「アブルル!」
         っとみんなに叫んで走っていった。
村長 「気をつけるのじゃよ〜!」
女の人「頑張ってね〜!」
          ココロ村の人たちに見送られながら、彼らは旅立った。これから2人の冒険のはじまりだ!!
…つづく♪
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ハルカ♪ #3☆2004.03/01(月)16:08
第3話    ☆★タウンマップの使い方!!★☆


カナ 「う〜ん…。どうすればいいんだろう…。」
        カナ達がココロ村を旅立ってから数分後のことだった。2人は道端にある大きな岩に座ってる。でもカナは何かに悩まされているようだった。
アブル「ねぇ〜、そろそろ行かない?」
カナ 「まだよ!この使い方をマスターするまでは1歩も動かないんだから!!」
アブル「やれやれ…。」
         カナは村長からもらったタウンマップと睨めっこしている。カナはその使い方を1日でも早く知りたくて1時間近くここに止まっていた。
カナ 「はぁ〜、どうやったら街の名前が出るの!?」
アブル「だ〜か〜ら〜、画面を触ってみたら?って言ってるじゃん!」
カナ 「車のナビでもあるまいし、そんなことしたって何もならないって何回言ったらわかるの!」
アブル「じゃあ試しにやってみるね!」
         アブルはそう言って、カナが持っているタウンマップを奪い、足で次の街が書かれてあるところを触ってみた。
カナ 「もう〜、何すんのよ!」
          カナはタウンマップを取り戻し、再び岩に座った。その瞬間…
       『スリートシティ、ポケモンと人々が仲良く暮らす街』
         何処からかアナウンスの声が聞こえた。
カナ 「アブル、他になんか押した?」
アブル「ぜ〜んぜん♪」
カナ 「…!?」
        カナはまたタウンマップに目を戻した。するとまたビックリする出来事が起こった。
カナ 「何これ!画面が変わった!!」
アブル「ほら!だから言ったじゃん…。」
         タウンマップの画面はスリートシティの街の様子を映し出していた。そう、各街の場所を触ると音声と街中の地図で説明してくれるのだった。
カナ 「すご〜い!PCやショップの場所まで示してある〜!やっぱり今の時代はすごいね〜!」
アブル「これを発見したのは誰のおかげだと思ってるの…?」
カナ 「アブルのおかげよ!サンキュー♪」
アブル「本当に…?」
カナ 「本当よ!感謝してるわよ!」
          そう言うと、カナはタウンマップの画面を元に戻した。そして今度はココロ村とスリートシティの間にある道を触った。すると、またその通りが映し出された。
カナ 「うん、そんなに遠くないわね!遅くても今日中には着くはずよ!」
アブル「近くて助かったよ。」
カナ 「じゃあ一休みも終わったし、そろそろ行こう!」
アブル「はいはいはい!」
           そうして彼らは立ち上がり次の街に向かう方向に向かって進んでいった。カナ達は無事に着くことが出来るだろうか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #4☆2004.03/04(木)14:08
第4話    ☆★初バトル! VSラッタ★☆


        休憩から30分ぐらいたった。カナ達はまだ道を歩いている。
アブル「カナ〜、もうすぐ着くの〜?」
カナ 「まだだよ!さっき言ったばっかりじゃん!」
アブル「ちぇっ!」
         そして2人は無言になった。彼らは周りの景色を見ながら歩いた。ときどきため息もついた。すると、アブルはまたカナに質問をした。
アブル「ま〜だ〜〜?」
カナ 「さっき言ったじゃん!絶対間が40秒しかないよ。」
        そうしてまた2人は無言になった。彼らはまた景色を眺め歩いた。
          【ガサガサッ!】
カナ 「ええ!?何!?」
         2人の近くにある草むらが微かに揺れた。
           【ガサガサガサッ!!】
カナ 「まただ!なんか怪しいよ、この草むら!」
アブル「じゃあおいらが様子を見てこようか?」
カナ 「うん、お願い!」
          そう言うと、アブルは草むらの中に入り込んだ。すると…
          【ラタ―――――!】
        ポケモンの鳴き声が聞こえた。
カナ 「アブル!?いったい何なの?」
          カナは草むらの中でアブルを探した。
アブル「いきなり攻撃するなんて卑怯だぞ!」
???「ラタラッタ!!」
アブル「ここはお前のなわばりだって!?」
???「ラタ!」
アブル「別にいいじゃねえか!なわばりごときで!」
         草むらの中でアブルが誰かと話しているのが聞こえくる。
カナ 「…アブルの声だ!」
          するとカナは声のする方へ走っていった。

アブル「ああ、カナ!」
カナ 「アブル!怪我は無い?」
アブル「うん、平気!」
???「ラタ!」
カナ 「そうそう!ところで、あのポケモンは!?」
アブル「ラッタだよ。こいつなわばりだとかで喧嘩を賭けてきてさぁ、ついでに『いかりのまえば』を喰らってさぁ〜。」
カナ 「『いかりのまえば』…。確かHPを半分にする技でしょ?」
アブル「そう、それだよ!」
ラッタ「ラタラタラッタ?」
            ラッタが2人の目の前に来ながら喋り始めた。
カナ 「なんて言ってるの?」
アブル「『勝負をするか?』だってさ。」
カナ 「アブルはどうする?」
アブル「やるに決まってるじゃん!」
ラッタ「ラタラタ!!」
アブル「『あっちからどうぞ!!』だって。」
カナ 「じゃあ遠慮なく行くよ、ラッタ!アブル、いい?」
アブル「こっちはOK!」
          アブルとラッタは戦う体勢をとった。
カナ 「アブル、かみつく!」
アブル「ブル!」
ラッタ「ラタ〜〜〜!」
           ラッタはよろめきながら倒れた。急所に当たったようだ。
ラッタ「ラタラタ!」
           するとラッタは物凄いスピードでアブルに飛び込んできた。
アブル「ブル〜〜!」
          さっきいかりのまえばを喰らった分、アブルはひん死寸前だった。
カナ 「でんこうせっかか…。なかなかやるのね!次はかえんほうしゃ!」
アブル「ア―ブル――――!」
           アブルの口から出た真っ赤な炎はラッタを包み込んだ。
ラッタ「ラ…タ・・」
アブル「降参だってさ!」
カナ 「まずは1勝貰ったわ!」
          そうしてカナはアブルにきのみをあげて、HPを回復させた。
カナ 「どう?少しは元気になった?」
アブル「まぁ、どうにかな!」
           そして2人は立ち上がって出発しようとしたときだった。
ラッタ「ラタ!」
          ラッタは2人の方へ歩いてきた。
ラッタ「ラタ!ラタラタラタ!」
カナ 「なんて言ってる?」
アブル「『お願い!一緒に連れてって!』。どうする?」
           するとカナはラッタの前に座り込み、頭をなでながら言った。
カナ 「ごめんね。旅立つ時、2人で旅をしよう、って決めたの。だから連れて行けないの。どっちにしても、モンスターボールが無いから…。本当にゴメンネ!」
           そう言うと、カナはポケットからきのみを出した。
カナ 「また会った時、バトルしようね!これが約束のきのみだよ!」
ラッタ「…ラッタ!」
アブル「『わかった!』だってさ。」
カナ 「じゃあ、またどこかで!」
          そうしてカナは立ち上がり、アブルと一緒にラッタの前から姿を消した。そして彼らはスリートシティに向けて歩いていった。
…つづく♪
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ハルカ♪ #5☆2004.03/05(金)17:16
第5話    ☆★ポケモンセンターに到着!!★☆


カナ 「ひっろいね〜〜!!」
アブル「ほんと!ココロ村よりずっと都会じゃん!」
        途中でいろんなハプニングがありながら、カナ達は無事にスリートシティに到着した。そして2人は今、街の入り口に立っている。
カナ 「アブル見て!ビルが何個もあるよ!」
         カナははしゃぎながらそれらに指した。
アブル「わかってるよ!そんなの見たくなくても見えるよ。」
          アブルが渋々言った。
カナ 「ところでさ、まず何処から回る?」
アブル「何処からって、先ずはPC(ポケモンセンター)からに決まってるじゃん!」
カナ 「確かPCって、泊まることが出来るんだっけ?」
アブル「さっきタウンマップで見たばっかじゃん!もう忘れたの?」
カナ 「さっきって、何時間前の話よ!」
アブル「まったく…。」
         そうして2人は少し離れた所にあるPCの中に入っていった。

―ポケモンセンター内―
カナ 「へぇ〜、ここがPCか…。思ってたより広〜い!」
          カナはPCの中に入りながら言った。
アブル「ポケモンやトレーナーがいっぱいだね!」
カナ 「うん、そうだね。」
           2人は周りを見ながら話した。入り口の近くにあるロビーには、たくさんのトレーナー達が会話をしている。その右奥にはカフェテリアと宿泊部屋のドアがそれぞれある。そしてロビーの左奥には、受付みたいなものがあった。そこには看護師さんの着た女の人とポケモンのラッキーがいる。
カナ 「受付みたいなものがあるけれど、試しに行ってみる?」
アブル「さんせ〜い!」
         そして彼らは左奥へと進んで行った。すると女の人が笑顔で迎えてくれた。
女の人「おつかれさまです。ポケモンをお預かりしますか?」
カナ 「あの〜、ここはいったいどんなところですか?」
女の人「あなたもしかして、ここに来たの初めて?」
カナ 「はい。」
女の人「ここは、ポケモンを回復するところよ。そして、それで来たトレーナーさん同士で情報交換したり、旅途中の人がここに来て休むこともあるの。私の名前はジョーイよ。宜しくね!」
カナ 「あたいはカナです。こっちはアブソルのアブル。」
アブル「アブ―ル!」
ジョーイ「アブソルかぁ〜。このアブソル、とても丁寧に育てられてるわね。それに、アブルって言うニックネームも可愛いわ。」
カナ 「有難うございます。」
ジョーイ「カナちゃん、今日はここに泊まっていったらどうかしら?」
カナ 「いいんですか!!」
ジョーイ「ええ。だって旅をしているトレーナーさんのための宿泊所ですもの。遠慮なく使ってね。これが鍵よ。」
           カナはジョーイさんから鍵を受け取った。
カナ 「有難うございます。」
          そうしてカナ達は、宿泊部屋にいった。

―宿泊部屋・10号室―
           カナは部屋に荷物を置いて、隣にあるベッドに倒れこんだ。
カナ 「はぁ〜〜〜。もう動けない!!」
アブル「おいらも…。」
          アブルもカナの隣で横になった。
カナ 「たぶん、もうこのままで寝るかも。先に言っとくよ、おやすみ。」
アブル「また明日ね、カナ。」
           そしてしばらくすると、この部屋は寝息しか聞こえなくなった。カナ達はよっぽど疲れてたんだね。部屋の窓からは夕日の光が流れ込んできた。
…つづく♪
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ハルカ♪ #6☆2004.03/06(土)19:38
第6話    ☆★スリートシティの見学開始!★☆


        カナ達が旅をしてから2日目の朝がやってきた。窓から太陽の光が差し込んでくる。
カナ 「ふぁぁ〜〜!アブル、起きてる〜?」
アブル「こんなに明るいんじゃぁ、誰でも起きるって〜。」
カナ 「だよね〜。…ふぁぁ〜!この方法がいいよ〜!目覚ましよりうるさくなしね〜!」
アブル「言われてみれば…。出発するとき、それで起こされたもんね〜、カナは〜。」
カナ 「よくそんなのは覚えておいてるよね〜、アブルって!」
アブル「誰かさんに言われたくないけどね!」
         アブルはそう言うと伸びをした。カナはベッドから降りて髪を結びなおしてた。しばらくしてカナの口を開いた。
カナ 「アブル、カフェテリアにでも行こうよ!朝はバイキングらしいからさ!」
アブル「わかったよ!でもよくそんなのわかったね!」
カナ 「昨日夜中に起きた時、ついでにっと思ってタウンマップで調べておいたのさ!」
           カナが胸を張って言った。
アブル「さすがだね!カナにしては珍しいよ!」
カナ 「珍しいとは何よ!ほら、行くわよ!」
           カナは部屋から急いで出て行った。
アブル「ちょっと〜、カナ〜!もうちょっとスピード落としてったら〜!」
           アブルも大変だ!

カナ 「PCのご飯って最高だったね!」
          部屋に戻ってきてカナが最初にそう言った。
アブル「たぶん、もうこんな事は無いかもね。」
カナ 「そうかな?他のPCにもあるんじゃない?こういうの。」
アブル「さぁ〜、どうだろう〜ね〜?」
           そしてアブルが言い終わった後、この部屋は急に静かになった。その間、カナはキャップを被ってリュックを背負っている。
アブル「カナ、どうしたの?その格好。」
カナ 「この街を見学するの!アブルも行くでしょ?」
アブル「行くに決まってるじゃん!部屋の中にいると運動不足になっちゃうし。」
カナ 「そうだったね。じゃあ行こうか!」
アブル「アイアイサ〜!」
          そうしてこの部屋に彼らがいなくなった。その後、鍵が閉まる音がした。

―スリートシティ―
          まだ昼ごろになっていないからか、外にはあまり人がいなかった。見た目では小さな子供達が一番多かった。
カナ 「小さな子供達がたくさんいるね。学校でもあるのかな?」
アブル「ここって学校あったっけ?」
カナ 「見てみるよ。」
         そう言うと、カナはリュックからタウンマップを取り出し、横に引っ張った。すると、画面にはこの街の地図が写った。
カナ 「ええっと、学校学校…あった!ここからあまり遠くないみたい!場所は…ここから左方向だね!」
アブル「行ってみるの?」
カナ 「うん!そういえば、学校に登校なんて何年前のことだろう!」
           そして2人は近くにいた子供達の後をついてった。しばらくすると、右手のほうに学校が見えてきた。
少年 「なぁ、早く行こうぜ!今日はふれあいの日だろう!」
少女 「ああ、そうだったわ!走っていきましょ♪」
少年 「いいよ!」
            前にいた子供達が走り出した。
カナ 「いまどきの子は走るの早いね〜!」
アブル「カナもいまどきじゃん!それとも走るのが遅いの?」
カナ 「早いよ!自分で言うのもなんだけど。まぁ、そうだけどね。」
           2人は喋りながら、学校の門の前まで来た。そしてカナは学校全体を見上げながら、
カナ 「なつかし〜!こんなのだっけっけな〜!」
アブル「村のとここのとは、全然違うって!」
カナ 「でもだいたいは似てる気がするんだよね〜!」
アブル「へぇ〜、へぇ〜、へぇ〜。」
            そうして2,3分の間、彼らは学校に登校する子供達や教室で遊んでいる子供達を見ていた。
カナ 「アブル、そろそろ行こうか?」
アブル「行こう!ここで止まってても何も始まらないしね!」
           そしてカナ達がここを去ろうとしたときだった。
???「すいませ〜ん!そこのトレーナーさ〜ん!待ってくださ〜い!」
            学校の校門から、女の先生が出てきた。
カナ 「あの〜、どうしましたか?」
先生 「あなた達、今ひま?」
カナ 「はい、そうですけど…。」
アブル「(暇じゃないって!!)」
先生 「ちょっとお願いがあるんですけれど、いいですか?」
           学校の先生に呼び止められたカナ達。いったい何の用なのか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #7★2004.03/10(水)15:30
第7話    ☆★学校のふれあいの日・1★☆


カナ 「お願いですか…?」
先生 「はい。あ、あの、詳しくは学校の中でお話いたします。」
カナ 「はぁ〜。」
         そして2人は先生のあとについて行き、学校の中に入った。ちょうど、子供達の休み時間のところだった。
カナ 「それで、お願いって何ですか?」
先生 「実は、今日「ふれあいの日」っていう、ポケモンとふれあう授業があるんです。それで、それにくる先生が急な都合でこれなくなってしまって。あなたトレーナーだから、そういうのできるかなっと思いまして。引き受けてもらえませんか?」
カナ 「突然言われても…。」
アブル「(おいらはぜったい嫌だ!どうせ、ちびっ子の面倒見るんだろう!?)」
カナ 「…じゃあ別に良いですよ、あたしでよければ。」
アブル「(ウソ〜〜〜!)」
          アブルは床に倒れこんだ。すると先生は涙目になって、
先生 「本当ですか!!有難うございます!!」
           と言いながら、何回も頭を下げた。
カナ 「それで何をすればいいんで―――」
先生 「ちょうど次の時間なので、私が受け持っている教室でお願いします!場所は…」
アブル「はぁ〜。この先生、人の話を聞けっての!」
          カナと先生の会話を眺めながら、アブルがつぶやいた。
先生 「…です。ところで、あなたの名前は?」
カナ 「あたしはカナ。こっちはアブソルのアブル。」
アブル「アブル!!」
先生 「そう。じゃあカナちゃん、後のことはよろしくね!」
           先生はそう言うと、突き当たりにある廊下を曲がっていった。
カナ 「こんなことになっちゃったけど、アブルはどうする?」
アブル「すっごい嫌だったのに…。カナってば勝手にOK出しちゃうんだもん。」
           アブルはまた落ち込んでしまった。
カナ 「本当にゴメン!授業ならあたし1人で出来るから、アブルはそこら辺散歩しててもいいよ!」
アブル「う〜ん…。カナ1人じゃ心配だから、おいらも行ってあげるよ。」
カナ 「何よそれ!どういう意味!!」
アブル「はいはい。すいませんでした!」
           2人は軽い口げんかをしながら、先生に言われた教室へ急いだ。

―教室・4−C―
カナ 「…というわけです。みんなよろしく!」
            カナ達は4年生の教室で自己紹介をしている。アブルはそのカナの様子を見ていた。
少年 「カナちゃん、質問していい?」
            窓側の席に座っている男の子が手を挙げた。
カナ 「どうぞ。」
少年 「カナちゃんは何歳?ちなみに俺の名前はケンタ!」
アブル「さっそく変な質問だよ。」
           すると、今度は前の席に座っている女の子が言った。
少女 「絶対14歳だよ!」
            またまた今度は、ケンタが女の子に向かって返事を返した。
ケンタ「違うよ、クミ!俺らと一緒の10歳だよ!」
クミ 「10歳だったら今頃お勉強してるよ!絶対14歳!!」
            2人の声が教室中を駆け回る。まるで応援合戦のようだった。その他のクラスメートは2人の様子を見ている。
ケンタ&クミ
   「カナちゃん、何歳なの!!」
           とうとう、彼らはカナに同時に質問した。
カナ 「あたしは10歳でも14歳でもないよ。ちょうど真ん中の12歳。」
           すると教室中が急に静かになった。
クミ 「12歳だって!かっこいいよ!」
            クミの声とともに、教室中が歓声を上げた。
少年 「12歳って、旅をするのにちょうどいい年なんだよな!」
少女 「私も早く12歳になりた〜い!」
           クラスのみんなを見ながら、カナはアブルに話しかけた。
カナ 「はぁ〜。アブル、どうしたらいいと思う?」
アブル「どうしようも無いと思うよ。」
カナ 「先生もきっと大変なんだろうね。」
アブル「これだから、ちびっ子は嫌いなんだよ。」
           授業の先生の代わりをされたカナとアブル。彼らはちゃんとポケモンのことを教えられるのだろうか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #8☆2004.03/10(水)15:30
第8話    ☆★学校のふれあいの日・2★☆


        しばらくして教室がまた静かになった。カナはゆっくり深呼吸をしてから、子供達にある質問をし始めた。
カナ 「このモンスターボールって、何に使うのか知ってる?」
         カナは隣にあった袋を教卓の上に置きながら言った。中にはモンスターボールが数個入っている。
アブル「どうせ、モンスターボールの中にポケモンが入ってんだろう。」
         アブルは独り言をボソッと言った。すると、カナの前の席に座っている女の子が急に立って、質問の答えを言い出した。
少女 「その中にポケモンが入ってるんだよ。校庭にポケモンを出して、みんなで一緒に遊ぶの。それがまた楽しいんだよ!あ、ちなみに、私の名前はヒロミ。ヨロシク!」
          ヒロミはカナにピースをすると、静かに席に着いた。
カナ 「ありがとう。…ええっと、それじゃあ校庭に行こうか。」
ケンタ「どうして?」
カナ 「だってもう時間が無いし…ねぇ…。」
          不安そうに言いながら、カナはアブルの方を向いた。
アブル「勝手にすれば〜。」
カナ 「またそれ〜。ちゃんと答えてよ。」
アブル「ふ〜んだ。」
         2人が喧嘩している間、子供達はその様子をじっと見ていた。そして、
クミ 「カナちゃん、アブルって喋れるの?」
カナ 「(ヤバ!)ううん。…なんで?」
クミ 「だって、アブルが喋ってるのが聞こえてくるんだもん。」
アブル「アブル、アブ〜ル!」
カナ 「ほら、喋ってないよ。気のせいじゃない?」
クミ 「う〜ん、そうかな〜?」
カナ 「そうだよ。さてと、みんな、外に行こう。」
子供達「は〜い!!」
           そうして子供達は、校庭へ走っていった。
カナ 「アブル〜、バレる所だったじゃない!なんでポケモンの言葉を話さないわけ!」
アブル「なんだよ〜。おいらが悪いってわけ!?」
カナ 「ユァライト。その通り。」
アブル「なんだよ。そんなにおいらをいじめて楽しいかよ!」
カナ 「はいはいはい。ほら、あたし達も行くよ。」
アブル「それと、話を流さないでよね!」
          こうして、カナ達も校庭へ向かった。

少年 「ピカチュウ、こっちにおいで!」
ピカチュウ「ピカッ!」
少女 「ルージュラも早く〜!」
ルージュラ「ジュラジュラ〜!」
         あれから子供達はモンスターボールに入っていたポケモン達と遊んでいる。そんな中、カナはアブルに話しかけた。
カナ 「アブルも一緒に遊んでくれば?」
アブル「絶対に遠慮しとく。」
カナ 「そう。」
          カナはまた、子供達の様子を眺めはじめた。
ヒロミ「カナちゃん、こっちに来ないの?」
カナ 「うん。あたしはいいよ。」
ヒロミ「どうして〜?」
カナ 「見ているほうが好きだから。」
ヒロミ「ふ〜ん?」
           ヒロミは不思議がりながら、またポケモンと遊び始めた。
アブル「なんかさぁ〜、このちびっ子達やけにいい子だよね。」
カナ 「そういえばそうだね。」
アブル「なんでだろうね?エリート校かね〜?」
カナ 「そんな言葉、よく知ってるね。」
アブル「まあね〜!」
           するとカナは、子供達のところに歩いていき、終わりの合図をした。
カナ 「もうすぐチャイムが鳴るから、今日の授業はここまで。いい?」
ケンタ「ええ〜!もうちょっと遊ぼうよ!」
クミ 「ケンタ、わがまま言わないでよ!カナちゃんだって困るわよ!」
ケンタ「へ〜い…。」
カナ 「じゃあみんな、ポケモンを戻して。」
子供達「は〜い!!」


先生 「そうですか。いろいろ有難うございます。」
           授業も終わり、カナとアブルは職員室にいる先生に報告しにいった。
カナ 「あんまり教えられなくて、すいません。」
先生 「いいんですよ。私だってまだまだですもの。気にしないで下さい。」
カナ 「はい。じゃあ、あたし達もう行きます。」
先生 「またこのトレーナーズスクールに来てくださいね。」
カナ 「は、はい…。」
          そうして、職員室を出て校庭を抜け、校門の外まで来た。
アブル「カナ、聞いた?」
カナ 「もちろん。ここ、あの有名校だったんだね。」
アブル「だからちびっ子達がいい子だったわけだ。よかったね、有名校の先生になれて。」
カナ 「なんか複雑な気持ちがする。」
           2人はあまり人がいない通りをゆっくりと歩いていった。次はどんなところを回るのだろうか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #9☆2004.03/12(金)16:24
第9話    ☆★スリートシティの町並み★☆


カナ 「アブル、食べないの?これ美味しいのに。」
アブル「人間の食べ物は食べられないの知ってるくせによく言えるね!」
カナ 「でも、果物なら食べられるんでしょ?そう言ってたじゃない!」
        そう言って、カナはアブルの目の前に果物(キウイ)を差し出す。すると、
アブル「カナ、…これ食っていいのか…?」
         よく見ると、アブルの目は太陽みたいにキラキラ光ってる。
カナ 「でも、人間の食べ物は食べない!って言ったじゃない。」
アブル「まぁまぁ、そう難いこと言わないでくださいよ、カナ様。」
カナ 「まったく、キウイのことになるといつもこうだもん。ずっとこのまんまでいいのにねぇ〜。」
アブル「カナ、今なんか言った?」
カナ 「ぜ〜んぜん♪」
          カナは知らん顔をしながら言った。
         カナ達は今、通りにある石階段に腰をかけて休憩している。そこでさっき買ったばかりの新鮮な果物を食べていた。リンゴ、ミカン、バナナなど…。
アブル「カナ〜、いいでしょ〜〜?」
カナ 「別にいいけどさぁ、あたしの分も残しておいてね。」
アブル「たぶんね。」
          そう言うとアブルはキウイを夢中で食べ始めた。実はアブルはキウイが大好き。ずっと食べていても飽きないぐらい好きだった。
カナ 「まぁ、いいけどさぁ。」
           カナはそう言うと、近くにあったリンゴを齧った。
アブル「ごちそうさま〜♪」
          カナはビックリして顔を上げた。アブルの口の周りには、キウイの皮がたくさん付いている。ほんの数秒しか経ってないのに…。
カナ 「早すぎだよ!まさか飲み込んだりしたとか…?」
アブル「そんなわけないじゃん。それよりさぁ、残りの果物も食べてもいい?」
カナ 「はぁ〜〜。ダメに決まってるじゃん。これはしばらくの食料!」
           カナはそう言って、残りの果物を袋に入れると、それをバッグの中にしまった。
アブル「っで、今日のご予定は!!」
カナ 「街を見回るよ。でも今日中にはここを出る。いいね?」
アブル「アイアイサ〜!」
          そして2人はここを後にした。

カナ 「うわぁ〜!都会以上だよ!」
アブル「あそこよりは、まだましだよ。」
カナ 「本当!羨ましいよ!」
           ここは街の中心部付近。だいたいお昼ごろなので、たくさんの人々が歩いている。
カナ 「ほら!ここだよ、ビルがたくさんあるっていったのは!」
           カナはうれしそうにそれらに指を指した。
アブル「確かにねぇ〜。でもまだまだ小さいじゃん。」(詳しくは第5話☆)
カナ 「村にもこういうの創ってほしいよ!」
アブル「でも、きっと何十年は先だろうね。」
            その言葉以来、2人は黙って街並みを眺め歩いた。壁やその落書き、店にレストラン。そしてやっとカナが口を開いた。
カナ 「さてと、そろそろ行く?」
アブル「うん、別にいいよ〜。」
           そして彼らは反対方向に進んでいった。

            だいたい20分ぐらい経った頃、ようやくその目的地に着いた。しかし、ここはまるでココロ村状態だった。
カナ 「…なんか、村に帰ってきた気分。」
アブル「あんな都会街だったのに、印象が崩れたね…。」
             ここには家とお墓ぐらいしかないので、ここの見学はすぐに終了した。

カナ 「よし!もう全部見終わった?」
アブル「だって、タウンマップで確認したんでしょ?」
カナ 「まあね。じゃあそろそろ出発する?」
アブル「いいけど。」
          あれから約1時間かかって全部を見て回った。それでも彼らはピンピンしている。
カナ 「次の街の方向は…」
アブル「ここから真っ直ぐ。」
            カナの変わりにアブルが答えた。
カナ 「そうだね。サンキュウ☆」
アブル「はいはい。」
          そうして、2人は真っ直ぐ歩き出した。次の街がある所に向けて―――
…つづく♪
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ハルカ♪ #10★2004.03/14(日)10:25
第10話    ☆★砂漠での事件!!・1★☆


         カナ達は道を歩いている。その道は全部砂で埋まっている。もちろん道外れのところも。
アブル「カナ〜、なんでここは砂ばっかりなわけ〜?歩きづらいよ。」
カナ 「そうあたしに言われても。あたしだって歩きづらいよ、こんな道。近くに砂漠でもあるのかな?」
アブル「さぁ〜。ところでさ、次の街はなんていう街?」
カナ 「ちょっと待ってね…ええっと、」
          そう言ってカナは、バッグからタウンマップを取り出し、横に引っ張った。すると、画面にはアルマ地方の地図が写っている。
カナ 「確か、さっきの街がここだから…ここかな?」
          そして、だいたいの所を画面に触れた。すると、
         『ササラタウン、マサラタウンの双子街』
           いつも通り、アナウンスが流れた。
カナ 「マサラタウン!?それって何処にあるの?」
アブル「おいらも聞いたことないや。地図に載ってないの?」
カナ 「載ってるかな〜?」
          そう言いながら、画面を元に戻した。
カナ 「でもどうやって調べるの?」
アブル「名前順とかないの?最新のだからあると思うけど。」
           そして、カナは右上の角にあるボタンに触れた。するとそこには、あ行からの街の名前や有名なところが並んである。
カナ 「マサラだから、ま行だね!ええっと……」
アブル「まだ〜?まだ〜?」
カナ 「まだまだ!――――あった!」
          そしてカナはそれに触れてみた。
           『マサラタウン、ササラタウンの双子街』
           またアナウンスが流れた。
カナ 「それだけじゃあ、どんなところか解らないよ。」
アブル「カナ、このボタンは何?」
カナ 「何処?」
アブル「だ〜か〜ら〜、ここだって!」
カナ 「ああ、そこ?ためしに押してみようかな。」
          今度は画面の左上にあったボタンに触れた。
            『マサラタウン、カントー地方にある。オーキド博士で有名な街。多くのトレーナーはここで誕生している』
カナ 「へぇ〜、結構有名なんだね。」
アブル「“マサラ”と“ササラ”、たったの1文字しか違って無いじゃん!」
カナ 「それぐらい似てるんだね。さてと、そろそろ行こうか。」
           カナはタウンマップをバッグにしまった。そして、再び歩き始めた。その直後にアブルが口を開いた。
アブル「カナ〜、頭に砂が付いてるよ〜。」
カナ 「ええ?砂?」
アブル「うん、旋毛の所。…そう、そこ。」
            カナは取った砂を、手のひらに載せて目を近づけた。
カナ 「―――――これ、黄砂だよ。」
アブル「交差?なんで交差が出てくるの?」
カナ 「アブル、字が違うよ!“交差”じゃなくて“黄砂”。文字の通り、黄色い砂だよ。」
アブル「それが何?」
カナ 「だって黄砂が飛んでくるってことは、近くに砂漠があるって事だよ。だから、もうここは砂漠だよ思う。」
アブル「なんで?」
カナ 「だって、さっきからここ1面砂ばかりだし、ちょっと蒸し暑くなってきたしね。おまけに、地平線の向こうに砂丘みたいなものがあるもの。」
           そう言って、カナはそれがある所に指を指した。
アブル「あぁ、本当だ!」
カナ 「ねえ、ひどくならないうちに、早くここから出たほうがいいんじゃない?」
アブル「うん。おいらも賛成かも。」
            そうして、走りにくい砂ばかりの砂漠の中を彼らは走り出した。どこまでも走り続けた。靴に砂が入ってもひるまず走り続けた。休憩もせずに…。
カナ 「たぶん、もうすぐでここを出られると思うよ。」
アブル「だったらスピード上げる?」
カナ 「上げよう!」
           そして2人は1段とスピードを上げた。
             ―――その時だった
          強い風がカナ達を襲った。その風で砂があたりに舞い散る。
カナ 「なんで風が急に起こるわけ?」
アブル「砂漠に自然現象が勝手に起こっても不思議じゃないよ〜!」
カナ 「砂に当たって痛い!」
アブル「おいらもだよ。……って、カナ!下を見て!!」
カナ 「何?…って、何これ!?どうなってるの!」
アブル「そんなことより、早くでないと大変なことになるぜ!」
           そう。カナ達はあの強い風で舞い散った砂が、足元に埋まってしまい、動けなくなってしまったのだ。
カナ 「いったいあたし達どうなるの〜!?」
…つづく♪
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ハルカ♪ #11☆2004.03/14(日)11:29
第11話    ☆★砂漠での事件!!・2★☆


         砂漠の砂で足元が埋まってしまったカナ達。いったい彼らはこれからどうするのか…。
カナ 「アブル、このままじゃ頭まで埋まっちゃうよ。」
アブル「そんなのわかってるって!」
カナ 「もしかして、なんかいい方法見つけたとか?」
アブル「もっちろん!」
カナ 「どんなの?」
アブル「かまいたちを使うんだよ!」
カナ 「そうか!かまいたちで砂を吹き飛ばすんだね!」
アブル「そういうこと!じゃあさっそ」
カナ 「アブル、かまいたち!(やっぱりこれを言わないと)」
アブル「(…)アブ〜〜〜ル!!」
           アブルのかまいたちは、足元の砂を一瞬にして吹き飛ばした。しかし、
カナ 「またこっちに来る!」
アブル「やっぱ逃げるしかないか。」
          再び砂嵐がこっちに向かってくた。2人は素早くその場を離れた。彼らが振り向いた時には、小さな砂丘が出来ていた。
カナ 「危なかった〜。この状況じゃあ、どこかで非難したほうがいいね。」
アブル「ああ、そうだな。」
           そして砂風の中、彼らは洞窟みたいな穴を探し始めた。ときどきひるみながらも…。
カナ 「アブル〜、あったよ〜!」
          カナはアブルに呼びかけた。カナが指している先には、ちょうど2人入れる小さな洞窟だった。
アブル「う〜ん。嫌だけど入れないよりはマシだ。そこでいいよ〜!」
カナ 「わかった。」
           そうして2人はその洞窟へ急いだ。

カナ 「なんか思ったより狭いね。」
アブル「うん。これで生活するってのかよ。」
カナ 「ほんの少しなんだから、我慢しなくちゃ。」
アブル「へ〜い。」
            アブルは嫌々そうに返事した。すると、カナは果物が入った袋を取り出した。
アブル「カナ〜、キウイってあるの〜?」
カナ 「アブルが食べたので最後!もう無いよ。でもその代わりにポケモンフーズがあるけど。」
アブル「じゃあそれで我慢する…。」
           アブルはかなり落ち込みながら言った。カナはバッグからポケモンフーズが入った缶を取り出すと、小さな器にそれを入れた。
カナ 「ほら、あっちにいったらキウイを食べさせてあげるからさ。」
アブル「あったらの話でしょ。」
カナ 「―――アブル、いい加減にして!これ片付けるよ!」
アブル「はいはい、すいませんでした。」
            アブルはそう言うと、カナが持っている器を横取りして食べ始めた。カナも袋から果物を出して食べ始めた。
アブル「カナ〜、あっちに着いたら何をするの〜?」
カナ 「まだ決めてない。あっちに着いたら何か考えるよ。」
            カナはそう言いながら、砂嵐が舞っている様子を見ていた。やむ様子は今のところまだ無い。そんな中彼らはもくもくとご飯を食べてる。
            ―――それから数分後
           外の様子もだんだんよくなっていった。
カナ 「アブル、砂嵐やんだみたいだよ。」
            カナはそう言うと外に出た。
アブル「本当だ!ねぇ、もう行くの?」
カナ 「もちろん。またひどくならないうちにね。それでいい?」
アブル「うん。」
           そうしてカナはバッグにいろんなものを詰めてバッグを背負った。
カナ 「アブル、行くよ。」
アブル「アイアイサ〜!」
            2人は洞窟を抜け、砂漠の上をまた歩き出した。次の街、ササラタウン。そこはどんな街だろうか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #12☆2004.03/15(月)16:56
第12話    ☆★自然がいっぱいササラタウン!★☆


カナ 「はぁ〜、やっと着いた〜。」
アブル「道のりが長かったよ。」
カナ 「ああ。そう言えばそうだね。」
         そう言うと、彼らはこの街、ササラタウンを見渡した。
          ササラタウンは余り大きくない街だった。街には大きな研究所が街の中心部に置いてあり、その隣にポケモンの牧場がある。そして森林や草木も多く自然豊かな街だ。
アブル「カナ〜、タウンマップは見なくていいの〜?」
         アブルはカナの顔を覗き込みながら言った。
カナ 「今見ようとしてたところだよ。言われなくてもわかってる。」
          そうしてカナは、バッグからタウンマップを取り出した。
カナ 「ええっと、こうやって……っと。」
         すると画面にはササラタウンの全体地図とその説明が写し出された。
カナ 「なになに。“町の中心部の研究所にはたまにオーキド博士が見学にこられる”って書いてあるけど。」
アブル「『見学にこられる』って言うのかよ。他には?」
カナ 「“只今ポケモン自慢コンテストを開催中”とか“旅人大歓迎”とかとか。」
アブル「なんかくだらないものばっかりだな。」
カナ 「そうかもね。アブル、最初に研究所に行ってみようよ!どうせ行くところないんでしょ?」
アブル「それにさんせ〜い!」
カナ 「じゃあ行こう!」
           そうして2人はオーキド研究所に向かって歩き出した。

―オーキド研究所―
カナ 「アブル、ここって勝手に入っていいと思う?」
          2人は研究所の目の前にいる。今ドアを勝手に開けて良いのか悪いのかを相談している。
アブル「う〜ん。いいんじゃない?でも――」
カナ 「じゃあ入ってみよう!断られたら断られたで、引き返せばいいんだから。」
           そう言うとカナは扉を開けて研究所の中に入っていった。
アブル「…ってカナ〜!勝手に入れって意味じゃないよ〜!戻ってこいよ〜!!」
           アブルは急いでカナを追いかけた。扉を抜けるといきなりカナが呆然と立っている。研究所を見渡してるんだろう。
アブル「カナ〜!ぶつかる〜〜〜!」
カナ 「ええ!?」
            カナは急いでその場を避けた。
カナ 「ふぅ〜。危機一髪!って所かな?」
アブル「カナ〜!って、うわぁ〜〜!」
           【ガ――――ン!】
           大きな音が壁のほうから聞こえてきた。カナは急いでアブルの所に駆けつけた。
カナ 「アブル、大丈夫?」
アブル「いててて…大丈夫どころじゃないよ!カナは入り口付近で立ってるのが行けないんじゃん!おかげで壁にぶつかったよ。」
カナ 「アブルが走って入ってくるのが行けないんじゃん!歩いて入ってきてよね!」
アブル「なんだと〜〜!!」
             っとその時だった。
???「こら、2人ともやめるのじゃ!」
            おじいさんっぽい人が2人に話しかけた。それを聞いた2人は大人しくなった。
???「君のアブソルは喋れるのか。いい能力を持っているのぉ。」
アブル「(ヤバッ!)」
カナ 「あの〜、すいませんがあなたは…?」
???「おお、スマンスマン!わしの名前は、オーキドじゃ。みんなからはポケモン博士と呼ばれておる。」
カナ 「もしかして、あのオーキド博士ですか!?は、初めまして!あたしはカナです。こっちはアブソルのアブル。」
           カナは立ち上がった。ちょっと緊張気味だ。
オーキド「カナ君とアブルじゃな?こちからこそ初めまして。」
アブル「(何調子に乗ってるんだか)」
           そしてオーキド博士は、アブルの頭をなでながらカナに質問をした。
オーキド「さっきの喧嘩を聞いてたよ。カナ君のアブルは人間の言葉を話せるのじゃな。」
カナ 「い、いえ!気のせいですよ!ねぇ〜、アブル!」
アブル「ア、アブル!」
オーキド「大丈夫、黙ってておるから、本当のことを話してみてくれないか?」
カナ 「はい…。」
           ササラタウンに到着したカナ達。そしていきなりあったオーキド博士。この街ではどんな事が起こるのか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #13★2004.03/16(火)14:40
第13話    ☆★ポケモンと言葉★☆


カナ 「アブルは、人間の言葉を話せます。」
         あれからカナ達は、研究所の奥にあるイスに座りオーキド博士と話の続きをしている。
オーキド「そうか。」
         オーキド博士はため息と一緒に言葉を出した。
オーキド「話に戻ろう。それでいつから話せるようになったんじゃ?」
カナ 「アブルは、私が6歳の時に初めて捕まえたんです。その時から喋ってました。でもこのことは今のところ、あたしとアブルしか知りません。」
オーキド「なるほど。アブルはいつから話せるようになったか覚えているか?」
アブル 「う〜ん。たぶん生まれた時から話せたんじゃん?あまりよく覚えてないけど。」
オーキド「そうかそうか。」
         その言葉を最後に、永い沈黙が流れた。3人とも下を見ている。すなわち俯いている。
カナ 「オーキド博士、こんなことを聞いてどうするんですか?」
          カナは急に顔を上げてオーキド博士に質問をした。
オーキド「この世界にはポケモンがたくさん生息しておる。
ここアルマ地方もその1つじゃ。そして最近の研究でわかったんじゃが、どうやらポケモンの中に、人間の言葉を喋れるポケモンが出てきたみたいなんじゃ。
そのポケモンは、生まれた時からか何かの遺伝子に巻き込まれたかで喋れるという仮説に分けられているんじゃよ。カナ君のアブルは喋ることが出来るから、それを元に何か研究できないかと思ってなぁ。」
カナ 「そうなんですか…。」
オーキド「今現在では、約20種類のポケモンが発見できておる。たぶんこれからの研究で増えていくだろう。」
アブル「ふ〜ん。」
オーキド「でも、アブルがわしの質問に答えてくれた。少しは参考になりそうじゃ。アブルありがとう。」
アブル「べ、別に〜。」
           そう言うとアブルの顔が赤くなった。
カナ 「へぇ〜、アブルも顔が赤くなる時があるんだ〜。」
アブル「『へぇ〜』とはなんだよ!TV番組じゃないんだからさ!」
カナ 「ゴメンゴメン!」
オーキド「さてと、次はホウエン地方に行かなければなぁ。」
          オーキド博士は立ち上がりながら言った。
カナ 「ホウエン地方?」
アブル「それは何処?」
オーキド「ここからずっと南にあるんじゃよ。結構遠いぞ。」
カナ 「そこには有名なものとかありますか?」
オーキド「う〜ん、そうじゃな…。“フエンせんべい”が有名じゃな〜。そうそう、話は別じゃが少年少女の4人組がアクア団をついこの間倒したそうじゃよ。」
           すると、カナは急に立ち上がり、
カナ 「ほ、本当なんですか?」
オーキド「確か…『ハルカ』と『タクヤ』、『ユイカ』に『カオリ』の10・11歳の子達じゃ。結構話題になったそうじゃよ。」
カナ 「じゅ、10歳と11歳ですか!!」
アブル「カナとだいたい2つ違いじゃん。なかなかやる〜!でもなんでそんなに興味があるわけ?」
カナ 「別にいいじゃない!」
          そしてオーキド博士は腕時計を見ると、
オーキド「おお、もうこんな時間じゃ!それではまた会おう、カナ君。」
          オーキド博士はそう言うと早歩きで研究所を出て行った。
カナ 「なんか面白い人だったね。」
アブル「そうか〜?質問に答えるの面倒だったしな〜。」
カナ 「アブル、そろそろ行く?」
アブル「何処へ?」
カナ 「街を見学するよ。せっかくだもんね。」
アブル「やっぱり。」
           そうして彼らは研究所を後にした。
男の人「あれ!?いつの間にかに博士達がいなくなってる!」

カナ 「やっぱり外の空気は最高だね。」
          カナはゆっくりと深呼吸した。
アブル「本当だよ。昼寝でもしたいよ…ふぁ〜!」
カナ 「ちょっと、ここで寝るって言われても困るよ。」
アブル「はいはい。」
           そして彼らは目の前にある通りに沿って歩き出した。この街はどんなところだろうか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #14☆2004.03/17(水)16:06
第14話    ☆★少年のヒサシとカナ★☆


店員 「有難うございます。またのお越しを。」
         カナ達は店を後にした。
カナ 「これでまた食料の心配は無いね。」
アブル「ちゃんとキウイ買った〜?」
カナ 「買いました。1,5個だけど。」
          するとアブルは首をかしげた。
アブル「1,5…?0,5は何なの?」
カナ 「半分よ、半分!だってキウイって高いからさぁ。」
アブル「たったそんぐらいで?」
カナ 「それに、あたしが買ったのでキウイは最後だったしね。」
         するとアブルはため息をつきながら、
アブル「はぁ〜〜。キウイへの道は遠いな。」
          っとつぶやいた。
        彼らはさっきまで店で買い物をしていた。旅先のための食料とパン。
アブル「カナ〜、次は何処に行くの?」
カナ 「あたしもそれ思ってたところ。どうしようか。」
         そうして2人が悩み始めた。すると、そこに少年が近寄ってきた。
少年 「君達、もしかして旅人なのか?」
カナ 「まぁ、旅人といえば旅人だね。どうして?」
          少年はビックリした顔でこう叫んだ。
少年 「やっぱり!今この街で旅人が来た!って噂になってるんだ!噂は本当だったんだ!」
          少年がそう叫ぶと、周りにいた人たちが一成に振り向いた。
女の人「あら!あの人さっきこの街に来た方よ!」
少女 「本当だわ!ねぇ、サイン貰っちゃおうかしら?」
         そして一成に人々はささやきだした。
アブル「カナ、なんか不味いことになった?」
カナ 「うん、そうみたいだね。」
          彼らは困った顔で小声で言い合った。
少年 「ほら、何してんだよ!ここから離れるぞ!」
         少年はカナの腕を引っ張るとそのまま走り出した。アブルはその後ろから追いかける。真っ直ぐに行き、右に曲がり、左に曲がり…。
カナ 「ちょ、ちょっと、どういうつもりなの?」
少年 「それはあとだ!今は逃げるのが優先だ!」
            少年はまるで近くにいる人に呼びかけているようだった。
カナ 「(逃げる?――いったいどういうこと?)」
          カナは走ってる間ずっと不思議に思っていた。

少年 「ここなら安心だ!さぁ、入れよ!」
         着いた場所は物置の倉庫みたいなところだった。外はすごく明るいのに中はすごく暗い。カナ達はその中へゆっくりと足を運んだ。
カナ 「ここは何処?」
少年 「俺の秘密基地さ!」
           そう言うと少年は、ランプに火を点けた。そしてそれを段ボール箱のテーブルに置いた。
カナ 「そういえばさ、あなたの名前は?」
少年 「俺の名はヒサシ。呼び捨てでいいからな!君達は?」
カナ 「あたしはカナ。こっちはアブソルのアブル。こっちも呼び捨てでいいよ。」
アブル「アブ〜!」
ヒサシ「そうか、よろしくな!」
          ヒサシはカナにVサインを送った。
カナ 「ヒサシ、どうしてあたし達をここに連れてきたわけ?」
ヒサシ「実はさ、旅人、つまりカナとポケモンバトルをやってほしいんだ!だから連れてきたのさ。」
カナ 「ふ〜ん。じゃあ『ここから離れるぞ!』ってどういうこと?」
ヒサシ「さっきも言ったように、この街で旅人が来たことが噂になってるんだ。どうせあいつら達のことだから、ええっと…なんて言ったらいいんだ…?」
カナ 「だいたいのことはわかったよ。要するにポケモンバトルをするって事でしょ?」
ヒサシ「まぁ、そういうことだな…。」
           すると、ヒサシの顔がほんのり赤くなった。
カナ 「どうした?風邪引いてるの?」
ヒサシ「い、いや。どうってことないぜ!」
           そしてヒサシはそっぽを向いた。
アブル「(カナには男心がわかんないんだなぁ〜)」
            アブルはそう思ってため息をついた。
カナ 「ところでさ、バトルっていっても何処でやるの?」
           カナはそう言ってヒサシの方を見た。
ヒサシ「大丈夫!ちゃんとフィールドは用意してあるからさ!俺についてこい!」
            そうしてカナ達は、ヒサシの後をついて行った。ヒサシは倉庫の隅っこにある大きい箱を動かした。するとそこには、ぽっかりと大きい穴が空いている。どうやらどこかの道とつながっているらしい。
ヒサシ「この中を入るんだ。気をつけろよ。」
カナ 「うわぁ〜、ずいぶんと大きい穴だ。」
           カナはヒサシの後についた。その後ろにアブル。ヒサシの言っているバトルフィールドとはいったいどんなところだろうか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #15☆2004.03/18(木)16:52
第15話    ☆★カナVSヒサシ 暑い熱いバトル!★☆


ヒサシ「ここさ!」
         ヒサシはポケモンリーグぐらいの大きさのバトルフィールドを指した。
カナ 「す、すごい…。」
アブル「ア、アブ〜。」
         2人はビックリして震えた声を出した。
ヒサシ「さぁ約束どおり、バトルしようぜ!」
カナ 「望むところ!」
          そうして彼らはそれぞれの位置に立った。
ヒサシ「ルールは、1対1のフリーバトル。それでいいか?」
カナ 「オールライト、わかったよ。」
ヒサシ「じゃあ始めるぜ!ヒマナッツ、いけ!」
ヒマナッツ「ヒッマ!」
カナ 「アブル、よろしく。」
アブル「アブル!」
          2匹のポケモンはフィールドに繰り広げられた。
ヒサシ「そっちからでどうぞ!」
カナ 「じゃあ遠慮なく。アブル、きりさく!」
アブル「アブ!」
         アブルの攻撃はヒマナッツに見事急所に当たった。
ヒマナッツ「ヒマ…。」
ヒサシ「いきなり大ダメージだな。ヒマナッツ、メガドレインだ!」
ヒマナッツ「ヒマ―――!」
アブル「アブ〜〜〜!」
          メガドレインはアブルの体力をたくさん吸い取った。そしてその半分がヒマナッツの体力になった。
カナ 「どっちとも急所に当たったってわけか…。なかなかやるね。アブル、次はフラッシュ!」
アブル「アブル――!!」
         アブルからとてもまぶしい光が出た。その光は目をつぶったヒマナッツを包み込む。
ヒマナッツ「ヒマ…!」
          ヒマナッツはまだ目をつぶっている。
ヒサシ「ちっ!命中率を下げられたか。」
カナ 「さぁ、どうする?」
ヒサシ「…ヒマナッツ、にほんばれ!」
ヒマナッツ「ヒ〜〜〜マ!」
          さっきまでのいい天気が、突然ひざしが眩しくなった。
カナ 「まぶし〜!」
アブル「こっちもフラッシュされたみたいだよ。」
ヒサシ「ヒマナッツ、このままソーラービームだ!」
ヒマナッツ「ヒマ!ヒ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
           ヒマナッツは物凄いスピードで光を集めだした。
カナ 「罠にはめられた!このコンボ技、あたったらそうとうのダメージだよ!」
アブル「じゃあどうすればいいんだ?」
カナ 「う〜ん…アブル、こっちははかいこうせん!」
アブル「アブ〜ル!」
          そしてアブルが攻撃の体勢をとったとき、
ヒマナッツ「〜〜マ―――――!!」
           ヒマナッツの攻撃が先制を取った。
アブル「…アブ…。」
カナ 「アブル!」
          コンボ技のおかげで技の威力が上がり、アブルの体力を大幅に減らした。
カナ 「どうすれば…。そうか!こっちもコンボ技を使えばいいんだ!」
アブル「何の?…はぁ〜はぁ〜。」
カナ 「“にほんばれ”は炎タイプの技の威力が上がる。だからこの技を使うんだよ!アブル、かえんほうしゃ!」
アブル「アブ〜〜〜〜ル!」
          アブルのかえんほうしゃはヒマナッツを一直線で当てる。空では日差しがとても強い。
ヒサシ「ヒマナッツ!?」
ヒマナッツ「……ヒマ。」
            ヒマナッツは力尽きて倒れた。
カナ 「よし!これで1勝貰った!今のところ2勝0敗ね。アブルお疲れ様。」
アブル「死ぬぜ絶対…はぁ〜。」
ヒサシ「いいバトルだったよ!」
           ヒサシはヒマナッツを戻しこっちに向かって歩いてきた。
ヒサシ「今回は負けたけど、次会った時はぜってー負けねーからな!」
カナ 「こっちだって、またもう1勝貰うよ。」
            そうして2人は互いに握手をした。とても難い握手だった。そしてしばらく経ってカナが口を開いた。
カナ 「じゃあ、もうそろそろ行くよ。」
ヒサシ「また会おうな、カナ!」
カナ 「ええ。」
           そうしてカナはアブルと一緒に歩き出した。その姿をヒサシはいなくなるまでずっと見ていた。
…つづく♪
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ハルカ♪ #16☆2004.03/19(金)10:12
第15話    ☆★旅人の歓迎パーティ★☆


カナ 「お願いします。」
ジョーイ「はい、お預かりします。」
         あれからカナ達はそのままPCに直行。今はアブルをジョーイさんに預けている。ジョーイさんはアブルを受け取ると
奥にある部屋に入っていった。しばらくして戻ってきたジョーイさんはカナにある質問をした。
ジョーイ「もしかしてあなた、今日この街にきたの?」
カナ 「はい、そうですけれど…それが何か?」
ジョーイ「聞いてるかもしれないけれど、明日この街であなたの歓迎パーティをするみたいなの。」
カナ 「ええ!」
         カナは思わず大声を出してしまった。周りにいた人達がカナに視線を合わす。そしてまた元に戻す。
ジョーイ「大声出しちゃだめよ。」
カナ 「す、すいません。」
ジョーイ「ゴメンネ、そんなに落ち込まないで。ところで、あなたの名前は?」
カナ 「あたしはカナ。こっち…じゃなくて、さっき預けたポケモンがアブソルのアブルです。」
ジョーイ「そう。宜しくねカナちゃん。」
カナ 「ジョーイさん、今日ここに泊まっていってもいいですか?」
ジョーイ「ええ。いいわよ。あの扉を入ってすぐ右の所にある部屋を使ってね。」
         そう言ってジョーイさんは、入り口の奥にある部屋指差した。
カナ 「はい。」
          カナがそう言った瞬間にチャイムみたいな音がカウンターの奥にある部屋から鳴った。ジョーイさんはすぐにその部屋に駆けつけ、アブルを連れてきた。
ジョーイ「アブルはすっかり元気になりましたよ。」
カナ 「有難うございます。」
         そしてカナはアブルと一緒に部屋に向かった。


――翌日
カナ 「アブル、もう行くよ。」
アブル「はいはい、わかってます!」
          2人は朝食の残りのパン飲み込むと、走ってPCを抜けた。今日は歓迎パーティの当日。彼らはすっかり寝坊してしまい、遅刻ギリギリになんとか着いた。
カナ 「はぁ〜〜。間に合った!?」
アブル「たぶんな。はぁ〜はぁ〜。」
カナ 「そういえばさ、アブルは―――」
           「みなさ〜ん、お待たせいたしました〜!」
          カナが喋っている途中に、どこからか声が聞こえてきた。気がつくと彼らの周りを人々が囲んでいる。
           「私の名はエイ・ギョウチュ。みなさんヨロシク〜!」
          すると、物凄い歓声が起こった。耳が痛くなるほどだ。
エイ 「こちらに、昨日来られた旅人さんとそのパートナーさんがいます。」
           またまたうるさい歓声が起こった。
エイ 「みなさん、お静かに!旅人さんが嫌がるでしょ〜!」
          エイ・ギョウチュの声で人々は静かになった。
エイ 「ではでは、お名前を聞かせてください〜!」
カナ 「あたしはカナ。こっちはアブソルのアブル。」
アブル「アブ〜ル!(うるさい連中だな)」
エイ 「カナさ〜ん、アブルさ〜ん。今日はこのパーティにお越しいただいて有難うございま〜す!」
カナ 「“お越し”じゃなくて“無理やり来た”の方があってると思うけど。」
アブル「確かに…。」
          2人は小さな声でささやきあった。
エイ 「まず〜、住民代表のヒサシ君から、カナさん達に〜プレゼントを差し上げちゃいま〜ス!」
           すると、ヒサシが小さな箱を持って前に出てきた。
ヒサシ「ほらよ!」
          そう言いながらヒサシは、プレゼントをカナに渡した。カナは赤くなっているヒサシに声を掛けた。
カナ 「また顔赤くなってるよ。家で休んだほうがいいんじゃない?」
ヒサシ「う、うるせ〜!お前には関係ないよ!」
           そうして、ヒサシはこの場から去った。
エイ 「カナさ〜ん、気悪くしたらすいませ〜ん!」
カナ 「いえ、大丈夫です。それよりも、これ開けてみてもいいですか?」
エイ 「どうぞ〜!」
          カナは箱の包み紙を取り箱を開いた。
カナ 「うわぁ〜!」
アブル「マジですごい…。」
           中身はカナとアブルのツーショットカンバッチ。ちょうど笑いながら走っている所だ。見ているほうも温かくなってきそうだ。
カナ 「でもこれ、いつ撮ったんですか?」
エイ 「き、気にしないくださ〜い!」
          エイ・ギョウチュは焦っている。
カナ 「とにかく礼をいいます。」
           そう言ってカナは頭を下げた。
エイ 「さぁ〜、今日はみんなで盛り上がりましょ〜〜!」
          そう言うと、周りの人たちは騒ぎ出したり踊り始めた。そんな中カナとアブルは不思議そうに話し始めた。
アブル「なんか怪しくない?」
カナ 「うん。この中に写ってるあたし達って、1年前ぐらいの奴じゃない?だって着ている服が違うし。」
アブル「おいらだって、角がピカピカに光ってるし…。」
カナ 「アブル、それっていやみ?」
アブル「まぁ、気にしない!」
カナ 「今日の喧嘩はこのぐらいにしとくよ。せっかくだし今日はおもいっきり楽しもう!」
アブル「OK!」
           そして彼らは人ごみの中に消えてった。その後姿を見ながら、ある人がこうつぶやいた。
          「久しぶりだな、カナとアブル。」
…つづく♪
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ハルカ♪ #17☆2004.03/19(金)19:02
第16話    ☆★カナの思ったこと…★☆


男の人「カナ様、お飲み物はいりますか?」
女の人「どんどん申し付けてくださいね!」
         今はまだパーティの途中。カナ達はいろんな人達に声を掛けられたりサインを申し込んだりされていた。
カナ 「アブル、ついでに街見学しようよ!」
アブル「やっぱそうきたね。ということは、」
カナ 「見学したら街を出る。」
アブル「予想どうりだ♪」
         そして2人はこっそりとこの場を離れ、外部の方へ走っていった。
カナ 「よかった。誰にも見つかってないみたい。」
アブル「これも運のうちだよ。」
カナ 「だね。」
          そして彼らはスピードを上げ、外部のほうに行った。でもその様子をあの人に見られてるとは気がつかなかった。

カナ 「へぇ〜、ここってあそことあまり変わんないんだね。」
         カナは360度見回しながら言った。
アブル「うん。すっごい似てる〜!」
          アブルもカナの後に続いて言った。すると、後ろのほうで聞き覚えのある声がした。
少女 「ああ!あの子、カナ様じゃない?」
         近くにいた人達は一成にカナの方を向いた。
カナ 「やばくない?」
アブル「それ言えてる…。」
         そして2人は急いでこの場を離れようとした。すると向こうのほうから誰かの声が聞こえた。
???「カナ様〜!まってください〜!」
          あのパーティ会場にいた男の人と女の人だった。2人は走ってこっちに向かってくる。そして気がつけばここに到着していた。
男の人「カナ様、待ってください!どうして逃げるんですか?」
女の人「なんでも申し付けていいと言いました。どんどん言ってください!」
         その場を立ち去ろうとしていたカナ達は立ち止まった。そして彼らの方を向くと、
カナ 「じゃあ1つ聞きます。どうしてあたしを神様みたいな扱いをするんですか?」
男の人「お教えします。ここの街は、めったに旅人が来ないんです。来るとしても1年に2回ぐらいで。」
女の人「その原因は私達にもわからないんです。」
男の人「だから、ここに来た数少ない旅人さん達を優しく歓迎しているんです。」
女の人「その成果があの歓迎パーティなんです。わかり難いですけれど、わかってもらえたでしょうか?」
カナ 「なんとなくです。この話を聞いてわかったんですけれど、どうしてこの街に旅人達が来ないのかわかりましたよ。」
男の人「ほ、本当ですか?」
女の人「是非教えて下さい!」
         カナは彼らの前に立って話し始めた。
カナ 「さっき、『優しく歓迎している』と言いましたよね?だからだと思いますよ。」
男の人「それはどういう意味ですか?」
カナ 「はっきり言って、あなた達の歓迎の仕方はちょっとしつこすぎます。だからここに来た旅人達は嫌になり、それを仲間に告げ、またその仲間が他の仲間に告げて、その繰り返しをしてここの噂が広がり、ここに来る旅人が少なくなった。どうですか?」
         カナはそう言って周りを見渡した。誰も喋らない。
カナ 「あたし達、用があるのでこれで失礼します。」
アブル「アブ〜ル!」
          2人は頭を下げると、街のはずれの方へ向かって行った。周りにいた人達はその様子をじっと見ていた。

アブル「カナ〜、いいの〜?街見学今からでも出来るよ!」
カナ 「いいんだ。また大騒ぎになると困るし。」
アブル「しかし、よくあんなはっきり言ったね〜!」
カナ 「この街の発展のためさ。アブル、そろそろ行こう!」
アブル「了解♪」
          そしてカナはアブルとともに歩き始めた。目的地は次の街!けれど、まだあの人の存在に気が付いてないカナ達。いったいどうなるのか?
…つづく♪
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ハルカ♪ #18☆2004.03/21(日)11:52
第17話    ☆★カナとアブルの危機!★☆


アブル「そう言えばさぁ〜、次の街はどんなところ?」
         次の街に向かって歩いている時、アブルはカナに話しかけた。カナは立ち止まり、バッグを置いてタウンマップを探している。
カナ 「次の街は…あった!今度は海沿いの街だね。」
         そう言うとカナはその街の所を触れた。
           『サザンシティ、海沿いの街』
          そしていつもどおりアナウンスが流れた。
アブル「ま〜た具体的に言わないよ。」
カナ 「そういう時は、左上のボタンを触れるんだったっけ?」
         カナはそのボタンに触れた。すると、
           『サザンシティ、隣にあるウォーターランド行きの船がある。大きな港もあってたくさんの船乗りがここで休憩する。』
          またアナウンスが流れた。
カナ 「ウォーターランド?国の名前?」
アブル「島の名前じゃないの?」
カナ 「だったら“ウォーター島”とかになるんじゃない?」
アブル「細かいところは、気〜に〜し〜な〜い〜の!」
カナ 「はいはい。」
          カナはそう言って微笑した。
アブル「そろそろ行く?」
カナ 「そうしようか。」
           そしてカナはタウンマップをバッグにしまって再び歩き出した。

――それから30分後
アブル「カ〜ナ〜、ま〜だ〜?」
          アブルはすっかりばてていた。
カナ 「何回言ったらわかるの?砂漠のときより近いんだから大丈夫!ってさっき言ったばかりじゃない!」
アブル「すいませんでした!」
          そうして2人は無言になった。その時、誰かの声が聞こえてきた。
           「やっと来たか…カナ。そしてアブル。」
アブル「誰だ!」
           アブルは聞き取れたのか、辺りを見渡しながら叫んだ。
カナ 「どうしたの?急に顔色変えちゃって。」
アブル「おいら達、誰かに付けられてるのかも知れない。」
カナ 「ええ!?」
アブル「さっき誰かの声が聞こえた。」
カナ 「気のせいなんじゃない?」
アブル「ポケモンは人間より遥かに耳がいいんだ!間違えない!」
カナ 「そう…。」
           すると、また声が聞こえてきた。
           「今度はカナにも聞こえるだろう。とうとう来たんだな、2人とも。」
アブル「何処にいる!」
           アブルが叫んでも返事が無かった。
カナ 「アブル!」
アブル「わかってるって!」
            2人は顔を見合わせ頷いた。そして走り出した。
カナ 「街はもうすぐで着くと思う。」
アブル「OK!」
           すると、目の前に街が見えてきた。
カナ 「あそこだよ!」
アブル「スピード上げる?」
カナ 「上げよう!」
           2人は急いで走った。しばらくして、街に入った。
カナ 「ふぅ〜、疲れたよ。」
アブル「おいらも…。」
カナ 「でも、さっきのってなんだったんだろう?」
アブル「さぁ〜。それより何でおいら達のこと知ってるの?」
カナ 「わからない。」
           「君らの事は小さい時から知っている。」
カナ 「そう、確かこんな声だったよね。…って、その声だよ!」
アブル「カナ、そこそこ!」
           その人はいつの間にか彼らの目の前にいた。
            「初めまして!それとも、お久しぶりかな?」
…つづく♪
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ハルカ♪ #19☆2004.03/22(月)14:56
第18話    ☆★カナとアブルvsあの人とブラッキー★☆


        「初めまして!それとも、お久しぶりかな?」
          “あの人”がカナ達に微笑しながら2人に話しかけた。
カナ 「あ、あなたは…。」
アブル「アブル!!」
        「そう。私はエイ・ギョウチュ。あの歓迎パーティの司会者で〜す!どう、驚きました?」
           カナ達は驚きすぎてその場で固まっていた。しばらくしてカナが喋りだした。
カナ 「もしかして、アブルが誰かに付けられてるて言った人って、エイ・ギョウチュさん?」
エイ 「ピンポ〜ン!カナさんの言うとおりよ!」
アブル「アブル!」
           アブルはエイ・ギョウチュを睨んだ。
エイ 「アブルさ〜ん、ちゃんと日本語で話しましょう〜!」
          エイ・ギョウチュは当たり前のようにアブルに言った。
アブル「…なんで、なんでおまえが知ってるんだ!?」
エイ 「やっと喋ってくれたのね〜!だってここに来る道をお2人さんだけで歩いている時、アブルさんが喋ってたからね。それを聞いちゃったってわけ!」
アブル「聞かれてたのか…。」
          そしてエイ・ギョウチュは一歩一歩アブルに近づいた。
カナ 「アブル、フラッシュ!」
アブル「アブル――!」
          アブルから出た光がエイ・ギョウチュを包み込んむ。
エイ 「くっ!あなた達やる気みたいね。」
           エイ・ギョウチュは目を擦りながら言った。
カナ 「もう降参したら?」
アブル「おいら達には絶対勝てないよ!」
エイ 「それどうかな?やってみる?」
カナ 「ええ、いいけれど。」
           すると、エイ・ギョウチュはモンスターボールを取り出した。
カナ 「でも場所はどうする?」
エイ 「ここでどう?」
カナ 「何言ってるの?周辺には銅像や家がある。もし壊したり欠けたらどうするわけ?」
           カナは周囲にある家や銅像を指しながら言った。
エイ 「だったら壊したり欠けたりしないようにすればいいこと。さぁ始めるよ!いけ、ブラッキー!」
ブラッキー「ブラ―ッ!」
カナ 「アブル、よろしく!」
アブル「OK!」
           エイ・ギョウチュとカナは気付いていないが、2人と2匹を野次馬の人達で囲まれていた。
カナ 「こっちから行かせてもらうよ!アブル、かえんほうしゃ!」
アブル「ア―ブル―――!!」
           アブルは真っ赤な炎を勢いよく発射した。
ブラッキー「ブラ!!」
エイ 「カナさ〜ん、マイブラッキーをいじめないで!」
カナ 「いじめてなんかいない!これはポケモンバトル!」
エイ 「何回言ってもわかんないみたいね。ブラッキー、あやしいひかり!」
ブラッキー「ブラ〜〜!」
アブル「…アブ?」
           アブルは混乱してしまった。
カナ 「アブル!」
エイ 「この調子よ!次はかみつく!」
ブラッキー「ブラ―!!」
            ブラッキーのかみつくはアブルに大ダメージを食らわせた。
アブル「アブ…ル。」
エイ 「どう?今は手加減してるんだけど〜!」
カナ 「アブル、もう1度かえんほうしゃ!」
アブル「アブ?…アブ!!」
            アブルはわけもわからず自分を攻撃した。
カナ 「アブル!正気に戻って!」
エイ 「そんなこと言ったって、アブルさんには通用しないよ!
ブラッキー、アブルにかみくだくよ!」
ブラッキー「ブラ〜!」
カナ 「アブル!」
アブル「…アブ。」
            今度はかみつくより大きなダメージを食らった。
カナ 「アブル、かまいたち!」
アブル「アブ――――――――」
エイ 「な、何が起こったの?」
            風がアブルの体を取り巻く。そして、
アブル「―アブ〜〜!!」
            風がブラッキーの体をきりさく。
ブラッキー「ブラ…。」
エイ 「ま、マイブラッキー〜〜!」
            ブラッキーはひんしに近い状態だった。エイ・ギョウチュは少し涙ぐんでいった。その様子をカナとアブルが見ている。
カナ 「さぁ、降参しますか?エイ・ギョウチュさん?」
            カナはエイ・ギョチュの顔を見ながら言った。
…つづく♪
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ハルカ♪ #20☆2004.03/23(火)14:17
第19話    ☆★2人の友情パワー!★☆


カナ 「さぁ、降参しますか?エイ・ギョウチュさん?」
エイ 「ま、まだまだやるわよ!ブラッキー、つきのひかり!」
ブラッキー「ブラ〜〜〜〜ッ!!」
          するとブラッキーは、黄色の光に包まれた。しばらくすると光が無くなり、中から出てきたのはピンピンしてるブラッキーだった。
カナ 「回復技で体力を取り戻した…。アブル、もう一回かまいたち!」
アブル「アブ――――アブ〜〜!」
          刃物のような風がブラッキーの体を切り裂いていく。
エイ 「ブラッキー、またまたつきのひか・・」
カナ 「ちょうはつ!」
エイ 「・・り!」
          エイ・ギョウチュの指示が遅かった為か、ブラッキーは回復しない。
エイ 「なんで、なんでなの?」
カナ 「“ちょうはつ”は攻撃技しか出来ない様にする。これでつきのひかりが使えなくなった。どう?そろそろ降参しますか?」
エイ 「まだまだよ!ブラッキー、かみくだく!」
ブラッキー「ブラ〜!」
          もう体力が少ないアブルにブラッキーはダメージを与えた。
カナ 「アブルの体力もあとわずか…。」
エイ 「そっちこそ降参しなさ〜い!」
カナ 「余計なお世話!アブルとどめよ!全力パワーでかえんほうしゃ!」
アブル「ア――ブル―――!」
          今までのかえんほうしゃより炎が大きい。もちろん威力も高い。
エイ 「ブラッキー〜!!」
          ものずごいダメージを食らったブラッキーは体力を大幅に落としている。
ブラッキー「ブラ!……ブラ…。」
エイ 「マイブラッキー!」
          ブラッキーは先頭不能になった。
カナ 「これであたし達の勝ち。今のところ3勝0敗ってところね。」
アブル「はぁ〜はぁ〜はぁ〜。」
エイ 「戻ってブラッキー。」
          そうしてブラッキーをボールに戻す。
エイ 「どうして?あんなに体力が少なかったのにアブルはどうして勝てたの?」
カナ 「アブルは頑張るって言ったから。」
アブル「アブ〜!」
エイ 「アブルは喋ってないわ。話してないよ。なのにどうして…?」
          エイ・ギョウチュは座り込んだ。そしてカナはアブルの頭をなでながら返事を返した。
カナ 「アブルとあたしは友達だから。親友だから。」
エイ 「だから何?」
カナ 「あたし達は友情で心がつながってるから、何も言わなくても分かりあうことが出来る。わかったかしら?」
          そしてエイ・ギョウチュは立ち上がった。
エイ 「ふん。あなた達のおかげで時間が稼げたわ。感謝する。」
          エイ・ギョウチュはそう言うと、ポケットから笛を取り出した。
            【ピ―――♪】
          笛を吹くと、海のほうからヘリコプターが飛んできた。
エイ 「機械の準備があってね。あなた達に無駄なたくさん質問をしたり、バトルを長続きさせたの。おかげで完璧になった!」
          そしてエイ・ギョウチュはヘリコプターに向かって叫んだ。
エイ 「もういいわよ!」
          すると、ヘリコプターからはしごが下りてきた。それと同時に、丈夫そうな網が落ちてきた。
アブル「うわぁ〜!なんだ!?」
カナ 「(もしかして…)アブル、逃げて!!」
アブル「へっ!?…って、うわ〜!」
カナ 「アブル!」
アブル「カナ〜!」
          アブルは落ちてきた網にかかってしまった。網はアブルと一緒に再びヘリコプターの中に入った。そして、
エイ 「このアブルを返して欲しければ、ウォーターランドまで来てね〜!」
          エイ・ギョウチュが言うと、ヘリコプターは海の向こうに飛んでいった。
カナ 「アブル〜!!」
          カナは野次馬達を通り、砂浜に向かっていった。
カナ 「どうして…どうして…。」
           カナは涙を浮かべていた。
カナ 「アブル〜〜!」
…つづく♪
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ハルカ♪ #21★2004.03/24(水)17:45
第20話    ☆★彼らの出会い…★☆


カナ 「アブル……。」
         あれからカナは、さっきの所に戻り、銅像に腰をかけていた。
カナ 「これからどうすればいいの…?」
         そう呟くとカナの目から涙が一粒流れ落ちた。
カナ 「はぁ〜…」
???「お嬢さん、こんなところでどうしたんですか?」
カナ 「ええ!?」
         カナは俯いていた顔を上げると、そこにはお爺さんとキャモメがいた。
お爺さん「わしはハギ。ホウエン地方から来たんじゃ。こっちはピーコちゃんだ。」
ピーコ「ピー!」
カナ 「あたしはカナです。」
ハギ 「そうか。カナちゃんはウォーターランドに行くのかね?」
カナ 「…!?」
ハギ 「さっきの男の人の話を聞いてたんじゃよ。アブルを助けに行くんだろう?」
カナ 「は、はい。」
ハギ 「わしもちょうど、そこに用があってな。どうじゃ、一緒に行かないか?」
         すると、カナは涙を拭き立ち上がった。
カナ 「いいんですか?」
ハギ 「別にいいんじゃ。困っている人に手助けをする。それはとても気持ちがいいからじゃな。」
カナ 「あ、ありがとうございます!」


ハギ 「準備はいいか?」
カナ 「はい!」
         ここはさっきの所から歩いて5分ぐらいにある船乗り場。2人は運転室で出発の合図をしていた。そして、
ハギ 「行くぞー、ピーコちゃん!!」
ピーコ「ピーピー!」
          船はゆっくりと動き出した。そしてどんどんスピードを上げていき、しまいには物凄く速くなった。
ハギ 「カナちゃん、スピードは大丈夫かね?」
カナ 「はい。あの〜、外に行っていいですか?」
ハギ 「もちろん、いっておいで。」
          カナは部屋の扉を開けると、日当たりのよい外へ出て行った。
カナ 「…ふぅ〜…。」
           ため息をつきながらカナは手すりの方へ向かった。
カナ 「アブル…なんか昔のこと思い出すよ…。」


――6年前のこと
カナ 「父さん、母さん、ポケモンを捕まえに行ってくる!」
パパ 「待ちなさい。パパと一緒に行こう。1人じゃ危ないから。」
カナ 「は〜い。」
          カナはお父さんと一緒に家を出た。
カナ 「母さ〜ん、行ってくるね〜!」
ママ 「気をつけるのよ〜!」
           カナは笑顔でお母さんに手をふると、走っていった。
          この時、カナは6歳。初めてモンスターボールを買ってもらい、ポケモンを捕まえに行くのを待ち遠しかったのだ。
カナ 「よ〜し、このまま前進だ!」
パパ 「カナ〜、転ぶなよ〜!パパはここで待ってるからな!」
カナ 「わかった〜!」
          そう言ってカナは目の前にあった草むらに飛び込んだ。
カナ 「ポケモンさ〜ん、何処にいるの〜?」
           カナはさっそくポケモン探しを始めた。
            【ガサガサッ!】
カナ 「ポケモン…さん?」
???「…ブル。」
          何処かからポケモンの声が聞こえた。
カナ 「何処〜?」
???「…アブル!!」
カナ 「うゎ!」
          草むらから出てきたのは、あの災いポケモンのアブソルだった。カナはビックリしてしりもちをついた。
アブソル「アブル〜〜!」
カナ 「も、モンスターボールを投げるんだったっけ?」
          そしてカナは立ち上がると、モンスターボールを取り出した。
カナ 「いっけ〜〜〜!」
           カナが投げたモンスターボールは、アブソルを吸い込んだ。そして、
            【カタカタカタ…コン!】
           赤いランプが消えたボールをカナは再び手に持った。
カナ 「や、やった〜!初めてのポケモンだ!パパに見せてあげよう〜っと!」
           そうしてカナは喜びながらお父さんのところに走って行き、アブソルを出した。
パパ 「あ、アブソルを捕まえたのか!?」
カナ 「うん!一回投げただけで捕まえられちゃったんだ!簡単だったよ!」
            するとお父さんは俯きだした。
カナ 「どうしたの?」
パパ 「う・・うん。大丈夫だ。」
???「災いポケモンだから危険だ。っと言いたいんだろう?」
パパ 「だ、誰だ!?」
           周りを探しているお父さんに、カナは優しく声を掛けた。
カナ 「ねぇ父さん…アブソルが喋ってるよ・・。」
パパ 「そんな馬鹿――――」
アブソル「ポケモンの中には喋れるポケモンとそうでないのがいる。それを覚えておきな。」
           2人は驚いて口を開けたままだった。その間、時は静かに過ぎていった。
…つづく♪
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ハルカ♪ #22☆2004.03/24(水)17:44
第21話    ☆★カナとアブルの過去…★☆


カナ 「す、すごいよ!アブソル!あたしもっと気に入ったかも♪」
パパ 「し、しかし…」
アブソル「大丈夫だ。おいらは悪いことはしない。アブソルは全員悪い奴らじゃないからな。」
カナ 「父さん、いいでしょ?」
          カナはお父さんの顔を見た。
パパ 「…わかった。カナの好きな通りにやりな。」
カナ 「有難う!アブソル、戻って!っと、父さん、帰ろう!」
パパ 「わかったよ!」
          そして彼らは家に帰った。カナの手にはモンスターボールがちゃんと握り締めてある。
ママ 「お帰りなさい。結構早かったわね。」
パパ 「カナ、2階に行ってなさい。ママ、話があるんだ。」
カナ 「う、うん。」
          カナは歩いて2階に行った。
パパ 「実はな―――」

カナ 「アブソル、出てきて!」
アブソル「何のようだ?」
          モンスターボールからアブソルが出てきた。
カナ 「アブソルって、何かニックネームつけて欲しい?」
アブソル「どっちでもいいけど。」
カナ 「ふ〜ん。じゃあ、ずっと考えてたんだけど、『アブル』ってのはどう?」
アブソル「アブル…?」
カナ 「なんかそのほうがいいんだ!何故か知らないけれど、アブルってのが似合う気がするの!…ダメかな?」
アブソル「別にいいけど。」
カナ 「じゃあ、アブルに決定ね!これからヨロシクね!」
アブル「ああ、こっちこそよろしく。」
          こうして、アブソルの名前が決まった。するとカナはアブルの頭をなで始めた。
カナ 「アブル、なんでモンスターボールの中にすぐ入ったの?」
アブル「なんか、君から感じたんだ。ところで、君の名前は?」
カナ 「ゴメン忘れてたね。あたしはカナだよ。話し戻るけど、いったい何を感じたの?」
アブル「わからない。でもなんかを感じた。この人なら大丈夫だってことを。」
カナ 「へぇ〜。あとさ、アブルはポケモンの言葉も話せるの?」
アブル「話せるよ。」
カナ 「どんな時に?」
アブル「今まではめったに喋らなかった。」
           アブルは少し悩み始めた。カナは顔を覗き込み、
カナ 「なんで悩んでるの?」
アブル「なあ、これから、おいらとカナと…あれ!?あと1人いなかった?」
カナ 「ああ、父さんのこと?」
アブル「そうそう、カナの父さんだけの秘密。ってのはどう?おいらが喋れるって事。」
カナ 「いいよ。あんまり広がると、困るモンね。マスコミとか。」
アブル「だから、それ以外がいる時は、普通の言葉で喋る。あとバトルも。」
カナ 「OK〜!決まりじゃん♪なんか母さんだけってもなぁ〜。でも口堅くないから言ってもだめだな。」
           カナが言い終わった時、
ママ 「カナ、あなたのことよくわかったわ。」
            お母さんが部屋に入ってきたのだ。カナ達はビクっとした。
カナ 「な、何…?」
アブル「(聞かれて立って事はないよな?)」
ママ 「…いいわよ、カナの初めて捕まえたポケモンでしょ?災いとかそんなの関係ないわ。母さんは賛成するわよ。」
           お母さんは、カナに負けたっという表情で話した。
カナ 「あ、有難う!」
パパ 「よかったな!」
カナ 「うん。あとね、アブルって名前にしたの!」
アブル「アブッ!」
ママ 「いいんじゃない?」
パパ 「アブル…いい名前じゃないか!よかったな、アブル!」
アブル「アブル!」
          アブルは少し微笑んだ。
カナ 「あ、そうそう、父さん!あの…」
パパ 「わかってる!あのことだろう?」
           お父さんは頷いた。
ママ 「あのことって何よ!」
パパ 「ちょっとな!」
            そうして、この家は笑いに包まれた。いつまでも、楽しそうに…。


カナ 「結局、母さんは何も知らなかったけどね…。」
           カナはそう呟いた時だった。
ハギ 「お〜い、見えてきたぞ〜!」
            部屋の中からハギの声がした。カナは急いで進行方向を向いた。
カナ 「あれが…、ウォーターランド!?水の国じゃないの!?」
ハギ 「最近、あんな状態になってしまったようだ。島の住民も困っているようじゃよ。」
カナ 「うそ…!」
            カナは思わず口に手を当ててしまった。

           カナ達が見たのは、水の国・ウォーターランドではなく、まるで、炎の国・ファイヤーランドだった。
           この島でアブルを探し出すことが出来るのか?そして、エイ・ギョウチュとは、いったい何者なのか?
…完♪…
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ぴくの〜ほかんこ