ぴくの〜ほかんこ

物語

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[262] 冒険のはじまりだ!!・2〜奴らの野望〜

ハルカ♪ #1☆2004.03/28(日)16:06
第22話    ☆★大きい真っ黒な鉄塔★☆


ハギ 「着いたぞ。」
カナ 「はい。」
         ポケモントレーナーのカナは、船乗りの老人・ハギと一緒に、水の国ウォーターランドに来た。今は船乗り場にいる。
ハギ 「さて、ここからは別行動じゃ。わしの用はすぐに終わるから、いつでもここに戻ってきても大丈夫じゃ。」
カナ 「わかりました。有難うございます。」
ハギ 「アブルを連れて必ず帰ってくるんじゃよ。」
カナ 「はい。」
         アブルとは、カナのパートナーのアブソルのニックネーム。アブルは今、悪い奴らにさらわれてしまい、ここの何処かにいる。
カナ 「じゃあ、また後で会いましょう。」
ハギ 「わかった。」
         そうして、2人とも別行動に入った。


カナ 「まずは、手がかりをつかもうかな。でも、こんな状態じゃあ…。」
          そう言って、カナは周りを見渡した。
         ここは、何かの原因で、炎の国ファイアーランドになってしまった。気温は30℃ぐらいで、あちらこちらに小さな炎がある。そのせいか、人一人外にいない。
カナ 「どうせ家を訪ねてもドアを開けないだろうし、見渡す限り誰か出てきそうな気配じゃないし…。どうすればいいんだろう。」
         カナは途方に暮れていた。っと、その時
???「なぁ、奪ったアブソルって、どこにいるんだ?」
???「あたいに聞かないで!でも、あそこにある大きな鉄塔の中にあるってのは聞いたけれど。」
         男女2人の声が何処からか聞こえてきた。
カナ 「鉄塔…もしかしてあそこの…?」
          カナは自分の左方向にある黒い塔を見た。
カナ 「あそこに、アブルが?…行ってみるかちはありそう!」
         そして、カナは鉄塔に向かって走り出した。
男 「そういえば、誰かの走る音がしたけれど。」
女 「ばーか!ここには見ての通り誰もいないのよ!」
男 「それもそうか!」

―鉄塔―
カナ 「うゎ〜!首が痛くなるよ!」
         真っ黒で真っ直ぐに聳え立つ鉄塔。カナはゆっくりと中に入っていった。
          中はコンクリートの床に鉄の骨組みしか見えない。
カナ 「本当にこんなところにアブルがいるのかな…?」
         カナはそう言って首を傾げた。
???「あ〜ら、カナさん久しぶり〜!」
          どこからか声が聞こえた。
カナ 「もしかして…」
???「そう。私はエイ・ギョウチュよ〜!」
カナ 「また出たよ…。って、何処にいるの!」
エイ 「上にあるスピーカーから声を出してま〜ス!」
         カナは上を見上げた。そこには、黒いスピーカーがあった。
        エイ・ギョウチュは、アブルをさらった人。しばらくの間、カナとアブルをつけてた人でもある。
カナ 「アブルは何処!?」
エイ 「アブルさ〜んは、一番上の階にいま〜す!是非来てね!」
カナ 「『是非来てね!』じゃなくて――――」
エイ 「あら!もうバッテリーが無いみたい!っということで、また今度お会いしましょう!」
            【ブチッ!】
カナ 「いったい何で話してたの?バッテリーなんてあるのかな〜?って、そんなこと言ってる場合じゃなかった。」
         カナは一番上の階を見つめた。
カナ 「あそこにアブルが…。よし、もうひと頑張りだ!」
          そうしてカナは、上へ行く階段を上り始めた。階段は螺旋階段。さすがに気合が入っていたカナも、目が回ってしまうほどだ。
カナ 「いったい何処まで上るの…はぁはぁ…。」
         カナはもうダウンしている。
カナ 「でも、でもこれもアブルのため。頑張らなきゃ!」
          カナは少しスピードアップしてまた階段を上った。

――その頃最上階は
アブル「おい、エイ!カナに何をするつもりだ!?」
         アブルはエイ・ギョウチュに向かって叫んだ。
        アブルは、カナが捕まえた時から喋ることが出来る。でも、それを知ってるのは、カナ・エイ・カナの父さんだ。
エイ 「安心して!今はカナさんをここに誘導しているの。」
アブル「それでどうするつもりだ!」
エイ 「問題はそれなの〜!どうしようかしら?」
アブル「カナに手を出したら、絶対許さないからな!」
         アブルはそう言ってエイ・ギョウチュを睨みつけた。アブルとカナは、再びここで会えることが出来るのだろうか。
…つづく♪
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ハルカ♪ #2☆2004.03/31(水)11:35
第23話    ☆★再び vsエイ・ギョウチュ!★☆


         最上階へ向かうため、階段を駆け上がっているカナ。カナの目の前には、階段の終わりが。そして…、
カナ 「はぁ〜はぁ〜…こ、ここ…最上階・・?」
         カナは最上階、鉄塔の天辺付近に着いた。目の前には、大きな扉がある。中は大きい部屋になっているようだ。
カナ 「ここに、アブルがいる。もしかして、エイ・ギョウチュも?」
          そう呟くと、カナは深呼吸をし始めた。そして扉をおもいっきり開けた。
カナ 「アブル!助けに来たよ!」
アブル「カナ!!」
         アブルはカナに近寄ってきた。カナはアブルの隣に座り込む。
カナ 「大丈夫?怪我はない?」
アブル「心配しすぎだって!あいつに何もされてないよ!」
カナ 「あいつ?エイ・ギョウチュもいるの?」
アブル「今はどっかに行ったけど。」
カナ 「そう。よかった〜!」
         すると、カナはアブルに抱きついた。
カナ 「ごめんね…あたしが油断してなければ、こんなことにならなかった。」
アブル「あれは、いきなりだったもん。しょうがないよ!」
カナ 「そうだね。そうだよね!」
         カナは笑顔でアブルに返事を返した。その次の瞬間!
???「カナさ〜ん、お久しぶり〜!何時間何分何秒ぶりかしら〜?」
カナ 「またあいつだ。何処にいるの!?」
アブル「カナ!あそこ!」
          カナは部屋の隅っこにある大きい柱の上を見た。
???「サザンシティで見たのを最後だったわね〜!アブルさ〜ん、カナさんには何にも手出ししてないから、安心してちょうだ〜い!」
アブル「それは有難うございます、エイ!」
          アブルはいやみっぽく言った。
エイ 「アブルさんが私に敬語を使ったの初めて〜!」
カナ 「何怒れてるの?」
エイ 「そのことは、気にしないで下さ〜い!」
カナ 「はいはい。」
          すると、エイ・ギョウチュは柱から下りてきて、
エイ 「カナさ〜ん、アブルをかけてもう1度バトルよ〜!」
カナ 「別にいいけど。でも、この前言ったはず。あたし達の友情パワーに勝てないって。」
アブル「そうそう。」
エイ 「やってみなきゃ分からないじゃない!今度の相手は、ナゾノクサよ!」
ナゾノクサ「ナッゾ!」
          モンスターボールからナゾノクサが出てきた。
カナ 「アブル、行ける?」
アブル「オフコース、もちろん!」
カナ 「それって、あたしの真似?」
アブル「別にいいじゃ〜ん♪」
エイ 「あの〜、こちらのこと忘れてるんですけれど…。」
カナ 「忘れてないよ!そっちからどうぞ!」
エイ 「いっくわよ〜!ナゾノクサ、しびれごな!」
ナゾノクサ「ナゾ〜!」
          ナゾノクサはオレンジ色の粉をアブルにふりかけた。
アブル「ア…ブル。」
カナ 「なかなかやるじゃない!アブル、かまいたち!」
アブル「アブ――――」
          アブルの周りを風が包み込む。
アブル「…アブ…。」
カナ 「何?どうしたの?」
エイ 「カナさ〜ん、しびれごなのこと覚えてる?」
カナ 「もしかして…」
エイ 「そうよ〜!アブルはしびれて動けないのよ!」
アブル「アブ・・。」
エイ 「だったらこっちのもの!すいとる!」
ナゾノクサ「ナゾ〜〜〜!」
アブル「アブ!」
           アブルから体力を吸い取った。
カナ 「こっちもいくよ!アブル、かみつく!」
アブル「アブ!!」
           アブルはナゾノクサにおもいっきりかみついた。
ナゾノクサ「ナゾナゾ〜!」
           ナゾノクサはアブルを払おうとしている。
エイ 「もぅ〜。しつこいわね!ナゾノクサ、メガドレイン!」
ナゾノクサ「ナゾ〜〜〜!」
           メガドレインはさっきより体力を多めに吸い取った。その衝撃でアブルはナゾノクサから離れた。
アブル「ブル…。」
           アブルは疲れきっている。
カナ 「アブル!」
エイ 「ナゾノクサ、あの技も使うわよ!ギガドレイン!」
カナ 「ギガドレイン!?」
ナゾノクサ「ナゾ〜〜〜!」
           さっきよりも多く吸い取った。3回連続だからか、アブルはもう限界まできている。
エイ 「カナさん、どうしますか?」
カナ 「…いちかバチよ!アブル、かまいたち!」
アブル「アブ――――」
           アブルは風を包みこまさせた。
エイ 「ムダよ!アブルはしびれてるのよ!」
カナ 「あたしとアブルは、友情でつながっている。どんなことでも負けたりしない!エイ・ギョウチュさん、アブルを見て!」
エイ 「見て何になる…な、なによこれは!」
           包み込んでいる風がいままでよりとても大きい。一回りの差はあるだろう。
カナ 「アブル!!」
アブル「アブ〜〜〜〜!!」
           大きいかまいたちはナゾノクサをきりつける。ナゾノクサだけではない。エイ・ギョウチュの方まで飛んでくる。
エイ 「うわぁ〜〜〜!」
ナゾノクサ「ナ…ゾ。」
           ナゾノクサは倒れた。
カナ 「よし!これで4勝0敗!だっけ?」
アブル「おいらに聞かれても。それより、」
カナ 「うん・・。知らなかったよ。」
アブル「カナ、ショック大きい?」
カナ 「…かもね。」
           そうして2人は、黒いサングラスのとれたエイ・ギョウチュを見た。それを見て、カナは少しショックを受けた。その正体は、カナのお父さんだったから。
…つづく♪
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ハルカ♪ #3☆2004.04/01(木)17:36
第24話    ☆★エイ・ギョウチュの策略…★☆


         エイ・ギョウチュの正体。それは、カナのお父さんだった。
カナ 「でも、何で父さんがエイ・ギョウチュに化けてたの?」
アブル「おいらもわかんない。」
         2人は小声で呟いていた。
父さん「…うう…。」
カナ 「父さん!?」
アブル「ちょっとヤバくない!?」
         お父さんのうなり声は、部屋中に響き渡った。カナ達は、すぐに駆けつけた。
カナ 「父さん!しっかり!」
アブル「やっぱ、あのかまいたちがいけなかったのかね?」
         アブルはポケモンバトルで、ナゾノクサにかまいたちをするつもりが、風が大きすぎ、お父さんまで攻撃してしまったのだ。
カナ 「だろうね。」
         カナは小さいため息を着いた。
父さん「か、カナか…?それに…アブルも…。」
          お父さんが気が付いたような声で喋った。
カナ 「そうだよ。あたしとアブルだよ。」
アブル「大丈夫〜?」
父さん「ああ、大丈夫だ。それにしても、あんな大きいかまいたちを作るなんて、カナもアブルも成長したね…。」
カナ 「言ったよ。あたし達は友情でつながれてるもん。」
父さん「そうだったな。」
         一区切りついたところで、アブルがお父さんに声を掛けた。
アブル「あの〜、だいたい喋れる程度になってきたら、なんでエイ・ギョウチュに化けてたのか教えてほしいんですけど。」
カナ 「そうそう。なんで?」
父さん「ちょっと休んだら話すよ。」
         そうして、お父さんは深い深呼吸をした。


カナ 「もう大丈夫なの?」
父さん「ああ。」
アブル「それで、なんで化けてたのか、最初っから言ってよ!」
父さん「わかってるって。あれは、3時間前のこと…」

――3時間前
父さん「さてと、仕事が終わったし、家にでも帰ろっかな?」
         父さんは、例の仕事がようやく終わって、早く家に帰る準備をしていた。そして、用意が出来て船乗り場に行った。
父さん「これで、やっと帰れる。家に帰るなんて何年ぶりだろうか?」
???「ふふふ。そこのあなた、ちょっと待ってくださいな。」
父さん「誰だ!?」
         怪しい声がして、父さんは振り向いた。すると、後ろには黒いサングラスをかけて、黒いマントを羽織っている人がいた。
???「私は、エイ・ギョウチュ。あなた、カナさんの父親なんですって?」
父さん「何故カナのことを…もしかして、カナに何か…。」
エイ 「してませんよ〜!でも、これからするつ・も・り!」
父さん「娘に手を出すな!」
         そうして、父さんは奴に向かって叫んだ。そして、返ってきた答えがこうだった。
エイ 「今、カナさんがこちらに向かっているの。この目当てでね。」
         奴はそう言うと、網に入ったアブルを見せた。
アブル「た〜す〜け〜て〜!」
父さん「アブル!?…そのアブルは偽者だな!?」
         偽アブルはすぐにわかった。声が違うし、体型も違かった。
エイ 「あったり〜!でも、本物は私たちが実際にさらったのよ!」
父さん「何!?」
エイ 「アブルさんとその餌で来るカナさんに何もしない。そのかわり、私の言うことを従うのよ。」
         父さんは迷った。でも、自分の娘達をこのままにしてはいけない。そして、父さんは奴の指示に従った。
父さん「そ、それはなんだ?」
エイ 「私に化けるの!でも、いずれあなたの正体はバレるわ。その間に、私たちは次の目的地に行くの。」
父さん「ど、どんなことをするんだ!?」
エイ 「簡単よ!あれを見て!」
         父さんが見た先は、黒くて大きな鉄塔だった。
エイ 「あの鉄塔の最上階に本物のアブルさんがいるの。そして…」
         そう言うと、奴は私に紙と変装グッズが入った袋を渡した。
エイ 「あとは、付録の紙を見てね〜!」
父さん「この袋はどうす―――」
エイ 「あ、そうそう!ちゃ〜んと、あなたの活躍を防犯カメラで見ているからね!それでは、アディオ〜ス!」
         そう言い残すと、奴は去っていった。


カナ 「…だいたいの事情はつかめた。」
父さん「ゴメンな。本当はこんな目に合わせたくなかったんだが…。」
         お父さんはカナ達に向けて土下座した。
カナ 「ううん、気にしないで。父さんは家に帰ってゆっくり休んで。どうせ来週からまた仕事でしょ?」
父さん「よくわかったな。」
カナ 「いつものパターンだよ。それぐらいわかってるよ。」
父さん「やっぱり。…じゃあ、家に帰るよ。」
カナ 「母さんに、ヨロシク言っといて。」
父さん「わかってるよ。冒険がんばれよ!」
カナ 「ああ。」
父さん「アブルもがんばれ!」
アブル「大丈夫って!」
         そして、父さんは黒いマントや黒いサングラスを袋に入れ、床に置いた。
父さん「じゃあ!」
          2人に向かって言うと、お父さんは部屋から抜け出した。
アブル「ほっとした?」
カナ 「まあね。」
アブル「おいら達も行く?」
カナ 「うん。」
         そうして、彼らも部屋から出て行った。アブルを取り戻し、カナのお父さんが策略にはまっていたのが分かった。次は、どんな事が起こるのか?
…つづく♪
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ハルカ♪ #4☆2004.04/02(金)17:27
第25話    ☆★水の宝石と水中の祭壇★☆


アブル「カナ〜、もう一歩も歩けない〜。」
         さっそく、アブルが島全体に響くほどの声を出した。
カナ 「大丈夫だよ。そんな大きい声出せるんだから。」
アブル「誰か〜!水を〜!」
カナ 「あたしは1滴も持ってないよ。」
アブル「はぁ〜〜〜。」
         カナ達は鉄塔を抜け、ハギのいる船乗り場に向かっているところだ。
カナ 「ほら、もうすぐで着くから。ハギさんなら、水とか食料を船に積んであるはずだから、ね?」
アブル「じゃあ、残りの体力を振り絞って…あそこまで走ってやる〜〜!」
         そう言うと、アブルは船乗り場の建物まで走っていった。
カナ 「残りの体力を振り絞るって言っても…10mないと思うんだけど…。」
         カナはアブルの後姿を見ながらため息を吐き、後を追った。

―船乗り場―
カナ 「ハギさん、また会いましたね。」
ハギ 「お帰り。ずいぶんと早かったね。」
         ハギはペットボトルみたいな物を持って、奥から出てきた。
カナ 「そうですか?」
ハギ 「それより、この子があのアブルだね?」
カナ 「はい。アブル、こちらがハギさん。」
アブル「アブ〜ル!」
          アブルは挨拶をした。すると、ハギはアブルの頭を撫で始めた。
ハギ 「いい子だね。ちゃんと育てられているようだね。」
カナ 「有難うございます。」
アブル「アブ!」
         カナもアブルも少し喜んだ。
カナ 「それじゃあハギさん、サザンシティに戻りましょう。」
ハギ 「それなんじゃよ。」
          ハギは急に困った顔をした。
カナ 「何かあったんですか?」
ハギ 「この島全体が暑いせいか、船のところところが溶け出してるんじゃよ。」
アブル「アブル?」
カナ 「…はい!?…」
          2人は意味がよく解らないらしい。
ハギ 「さっき、船に積んであった水を床にかけたんじゃが、1分ぐらいでまた熱くなってしまって…。」
アブル「……。」
ハギ 「この島を、炎の国から開放してあげないと、まず帰るのは難しいじゃろう。」
カナ 「うそ…!!」
アブル「(水が〜〜〜〜〜〜!)」
          2人ともハギの説明を聞いてがっかり。特にアブル。
カナ 「ハギさん、どうすれば水の国に変えられるんです?」
ハギ 「この島の何処かに、“水の宝石”っていうのがあるらしいんじゃ。」
カナ 「水の宝石?」
アブル「アブル?」
ハギ 「丸い球で、水色に透き通ってる宝石じゃ。これを島の中心にある“水中の祭壇”に持っていくんじゃ。」
カナ 「そこって、名前の通り水の中にあるんですか?」
ハギ 「その通り。でも安心せい。そこは不思議な水。入っても息は出来る。でも油断大敵じゃよ。強いポケモンがたくさんいるからな。」
カナ 「それなら大丈夫です。アブルは電気技が使えますから。」
アブル「アブル〜!」
ハギ 「そうか。それなら大丈夫じゃな。」
カナ 「じゃああたし達、水の宝石を捜してきます。ハギさんは、ここで待っててください。すぐに戻りますから。行くよ、アブル!」
アブル「アブル!」
           そうして、2人は船乗り場を出ようとした。
ハギ 「ちょっと待つのじゃ!」
カナ 「!?」
            ハギはカナにゆっくりと近寄ってきた。
ハギ 「噂によると、水の宝石は鉄塔の近辺にあるらしいんじゃ。それは地面の中なのか、それとも箱の中なのかは分からないんじゃが…。」
カナ 「鉄塔…はい、有難うございます。」
           再び、カナ達は走り出した。
ハギ 「頼んじゃよ、カナちゃん。そして、アブル。」

カナ 「アブル、また来たね。」
アブル「ああ。また来るとは思わなかったけど。」
           彼らはまた鉄塔の前まで来た。何も変わったことはない。
カナ 「この近くだから、そんな遠くには無いはずだよ。」
アブル「うん。……ああ!」
           アブルは急に大声を出した。
カナ 「どうしたの?」
アブル「水を貰うのを忘れてた!」
カナ 「そんなことで大声を出さないで!こっちがビックリするじゃない!そんなもの、何処の店でも売ってるよ。」
アブル「もし無かったら…?」
カナ 「次の街まで待つべし。」
アブル「そんな〜〜〜!」
           そうして、アブルは倒れこんだ。
カナ 「アブル〜、早く水の宝石を見つければ、その分水を飲むまでの時間が短縮されるんだから、急いで探せば大丈夫だよ。」
            すると、アブルは急に立ち上がり、
アブル「カナ〜、早く宝石を見つけようよ〜!」
           っと言うと、宝石を探し始めた。
カナ 「さてと、あたしも探すかな。」
            カナも宝石を探し始めた。果たして、カナ達は水の宝石を見つけ出し、水中の祭壇まで運ぶことができるのか!?
…つづく♪
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ハルカ♪ #5☆2004.04/04(日)16:14
第26話    ☆★水の宝石のありか★☆


         水色に透き通っている水色の宝石。カナ達はさっきからそれを探している。
アブル「カナ〜、あった〜?」
カナ 「こっちにはないよ。アブルの方は〜?」
アブル「まったく〜。でも、本当にあるのかな?」
カナ 「あるんじゃない?ハギさんも言ってたし。もう少し探そうよ。」
アブル「了解♪」
         そうして2人は再び探し始めた。そこら辺にある箱の中、土がふかふかな場所、今にも壊れそうな倉庫など。
カナ 「近辺って言われても、どこまでなのか分からないよ。」
          カナはそう言いながら倉庫から出て、アブルの所に行った。
カナ 「アブル、あった?」
アブル「全然無い。カナは?」
          アブルは箱の中から出てきた。
カナ 「暗いから何処に何があるのか分からないよ。」
アブル「じゃあ行ってみようよ。」
         アブルは立ち上がると、あの倉庫へ向かった。
カナ 「ちょっとアブル、また行ってどうするの?暗いんじゃ何処に何があるかすら分からないんだよ。」
          カナはアブルに話しかけた。
アブル「本当は知ってるくせに。おいら“フラッシュ”使えるよ。だから探せるだろう?」
         アブルはちょっと照れ気味だった。
カナ 「有難う!この借りは近いうちに返すから。」
アブル「はいはい。」
          そうして2人はまた倉庫の中に入った。
アブル「アブ!」
         アブルが叫んだ次の瞬間、彼らの周りが明るくなった。
カナ 「アブルも探せたら探して。」
アブル「アイアイサ〜!」
         2人は倉庫のすみずみを探し始めた。しばらくして…
アブル「カナ〜、ここには無かったよ。」
カナ 「はやっ!あとはあたしのところじゃない!」
アブル「あわてるなよ〜。」
カナ 「大丈夫だって。」
         カナはそう言うと、近くにあったロッカーに手を突っ込んだ。すると…
カナ 「何これ?アブル、これって…水の宝石?」
          アブルが見えるように、カナは水色で透き通っている丸い球を差し出した。
アブル「たぶん…これじゃん?」
カナ 「じゃあこれが水の宝石なんだ。光っててキレイ…。」
          カナは思わずうっとりしてしまった。
アブル「って、感心してる場合じゃないよ!早くそれ水中の祭壇へ!」
カナ 「わかってるって!」
          彼らは倉庫から出ると、走って島の中心へ向かった。

カナ 「アブル、この中に祭壇みたいなのがあるよ!」
          カナは大きい湖を指差した。そこは青くて底まで見える。
アブル「本当に、潜るの?」
カナ 「あたり前じゃない!行くよ!」
アブル「ち、ちょっと待ってよ!」
          2人は湖の中に飛び込んだ。水面には綺麗な波紋が出来ていた。
カナ 「ここが、湖の中…。祭壇まで距離があるよ。って、喋れる!」
アブル「息も出来るよ!さすが、不思議な水だね。」
          彼らはゆっくりと下へ落ちていってる。
カナ 「アブル、あの祭壇の前に石垣のアーチがあるでしょ?あそこを泳いで渡るよ。いい?」
アブル「底には足着かないで?」
カナ 「そう。じゃあさっそく行くよ!」
          2人は下にあるアーチを目掛けて泳いだ。
???「ミロ!?」
           何処からかポケモンの声が聞こえてきた。
アブル「何処にいるんだ?」
カナ 「確かハギさん言ってたよね?『油断大敵』って。」
アブル「強いポケモンがたくさんいる。って奴でしょ?」
カナ 「そう。四方八方見てた方がいいよね?」
アブル「だろうな。」
          2人は周りを見ながら下へ向かっていく。すると、
???「ミロ〜〜〜!」
カナ 「避けて!」
アブル「OK!」
          彼らはたいあたりを危機一髪で避けられた。
カナ 「誰!?」
???「ミロ!!」
アブル「あれは、ミロカロス!」
カナ 「ミロカロス?」
アブル「ポケモンの中で一番美しいといわれているポケモンだ。」
カナ 「そんなことより、なんであんなポケモンが襲ってくるわけ?あたし達何もしてないのに…。」
          カナはそう言うと、ミロカロスを見た。
カナ 「あれ?ミロカロスって、あんなだったっけ?」
アブル「なんか何処か違うような…ああ!カナ、あれ見て!」
カナ 「何あれ!?黒いリング…?」
           ミロカロスの首に黒いリングみたいなものがつけてあったのだ。でも何故それが付けられているのかは、奴らしか知らなかった。
…つづく♪
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ハルカ♪ #6☆2004.04/05(月)14:16
第27話    ☆★黒いリング=ブラック★☆


カナ 「あの黒いリング…いったいなんなの?」
アブル「わからない。」
         ミロカロスの首につけてある黒いリング。それはいったいなんなのか?
ミロカロス「ミロ〜!!」
カナ 「また来た!」
          ミロカロスはまた2人にあたってきた。
ミロカロス「ミロミロ〜!」
         そしてそのまま、2人に向かってみずのはどう。
アブル「アブ〜〜!」
カナ 「うわぁ!」
          ここが水中だからか、2人ともあまりダメージはなかった。
カナ 「こっちも行くよ!アブル、でんげきは!」
アブル「ア〜ブル〜!」
           でんげきはは効果抜群。しかも、水は電気を通す、またもや水中の水で通常の4倍の大ダメージを食らった。
ミロカロス「ミ…ロミロ…。」
          ミロカロスは急に動かなくなった。そしてそのまま上へ浮かんでいった。
カナ 「あれ?一発で…?ミロカロスってドラゴンタイプじゃなかったの!?」
アブル「全然違う!水タイプだけだよ!でも、大丈夫かな〜?水中にいるってことすっかり忘れてたよ。」
カナ 「うん、酷いことしちゃったね…アブル、あれ!」
          カナは、水上のほうを指した。よく見ると、たくさんの黒い破片が、ゆっくりと落ちてくる。
アブル「あの黒いリングだね。」
カナ 「うん、取れてよかったね。さてと、バトルしているうちにどんどんアーチまで来てるよ。急ごう!」
アブル「わかったって!」
          そうして彼らはあと20mぐらいの所にある、石垣のアーチを目指した。数秒経ったとき…
???「貴方達ですか?私についていた“ブラック”をとってくれたのは。」
          どこからか誰かの声がした。
カナ 「今度は誰?」
???「私です。ミロカロスです。右を見てください。」
アブル「右?…って、いつの間に!」
          ミロカロスはカナ達に優しく微笑みかけた。
ミロカロス「さっきは有難うございます。おかげで正気に戻ることが出来ました。」
カナ 「ええ?どういうこと?」
ミロカロス「とりあえず、私の背中に乗ってください。水中の祭壇までご案内します。」
アブル「で、でも・・。」
ミロカロス「いいんです。貴方達は私の命の恩人です。話はそれからです。」
カナ 「わかりました。アブル早く!」
アブル「はいはいはい。」
           2人はミロカロスの背中に乗った。すると、優雅な泳ぎで進み始めた。
ミロカロス「改めて挨拶します。私はミロカロス、愛称はティフルです。」
カナ 「あたしはカナ。こっち…って言っても見えないか。さっき戦ったのが、アブソルのアブル。」
ティフル「カナさんとアブルさんですね。宜しくお願いします。」
アブル「(なんか、エイと同じ『さん』付けされてるよ〜。)」
カナ 「ティフル、さっきのことだけど…。」
          カナはティフルの方を覗くようにして見た。
ティフル「私がいつもの様に、湖で泳いでいた時です。突然、黒いサングラスとマントをかけている人が湖中に入ってきたんです。
そして私を、麻酔銃みたいなもので撃ってきました。」
           カナはゴクリと唾を飲んだ。
アブル「黒いサングラスとマント…やっぱりエイの仕業か!」
          アブルは独り言を言った。
ティフル「その後、手に持っていた黒いリングを私にはめました。
その人に話しによれば、その名前は“ブラック”。
それをはめた者は、外れるまで暴走してしまうものらしいのです。」
           ティフルは一気に言った。
カナ 「そうなの…それより、さっきの“でんげきは”、大丈夫だった?」
ティフル「大丈夫です。おかげでブラックをとってくれましたから。本当に有難うございます。」
カナ 「いえいえ。」
           すると、ティフルは少し早く泳ぎ始めた。しばらくして、アブルの口を開いた
アブル「どうしたんだ?」
ティフル「ほら、着きましたよ。ここが水中の祭壇です。」
           そうしてカナ達は、ティフルから降りた。目の前には、石で出来た墓みたいなものがあった。そして、2人は祭壇へ向かった。
カナ 「ここに水の宝石を入れれば、ウォーターランドに戻ることが出来るんだ。」
            カナはそう呟くと、大きな玉が入るくらいの穴に、水の宝石を入れた。
アブル「なんか、何も起こらないよ。」
ティフル「ここでは何も感じません。外に出れば分かるでしょう。」
カナ 「そうなんだ。」
ティフル「帰りも私が送っていきましょう。どうぞ乗って下さい。」
           ティフルはそう言うと、カナ達の側に移動した。
カナ 「有難う。大丈夫?」
ティフル「私は平気です。さっきより早いですけどいいですか?」
アブル「大丈夫けど。」
ティフル「分かりました。しっかりと捕まっててください。」
           すると、一瞬で周りの景色が急に変わった。もう一瞬で、石垣のアーチを抜け出した。
カナ 「なんか何も動いていない感じがする。景色は動いているのに…。」
アブル「ティフルって凄いんだね!」
カナ 「そうだね。」
           カナとアブルは、さっきと一味違う景色を楽しんだ。ティフルもその様子に大変喜んだ。
          炎の国から水の国、ウォーターランドに戻ったこの島。外はいったいどうなっているのか?
…つづく♪
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ハルカ♪ #7★2004.05/16(日)16:20
第28話    ☆★彼らとあの子達のメッセージ!★☆


ティフル「では、水上に行きますよ。」
         ミロカロスのティフルが湖中でカナ達に呼びかけた。
カナ 「はい。」
         カナの声の合図で、3人は浮上した…。
ティフル「どうですか?これが、本当のウォーターランドです。」
          これが3人の中で最初の発言だった。カナとアブルは、口が開いたままだった。
アブル「こ…これが…本当の…?」
カナ 「…信じられない…。」
         彼らはこれを言うのがやっとだった。
ティフル「さっきの暑苦しい気温と違うでしょう?それに、涸れていた川も水を取り戻して元気に流れています。これが、水の国ウォーターランドです。」
アブル「……」
カナ 「……」
         2人は無言のままだった。
ティフル「あの、どうかされましたか?もしかして、あの速さじゃ駄目でしたか?」
カナ 「い、いえ、そんなことじゃないんです。ただ、」
アブル「さっきの景色とまったく違うから…。」
ティフル「そうですか。それでは、ウォーターランドの景色をゆっくりとお楽しみくださいね。」
         そう言うと、ティフルは湖岸に近寄った。そしてカナとアブルはゆっくりと降りた。
カナ 「はい。いろいろと有難うございます。」
ティフル「こちらこそ。では、水上に行きますよ。」
         ミロカロスのティフルが湖中でカナ達に呼びかけた。
カナ 「はい。」
         カナの声の合図で、3人は浮上した…。
ティフル「どうですか?これが、本当のウォーターランドです。」
          これが3人の中で最初の発言だった。カナとアブルは、口が開いたままだった。
アブル「こ…これが…本当の…?」
カナ 「…信じられない…。」
         彼らはこれを言うのがやっとだった。
ティフル「さっきの暑苦しい気温と違うでしょう?それに、涸れていた川も水を取り戻して元気に流れています。これが、水の国ウォーターランド
です。」
アブル「……」
カナ 「……」
         2人は無言のままだった。
ティフル「あの、どうかされましたか?もしかして、あの速さじゃ駄目でしたか?」
カナ 「い、いえ、そんなことじゃないんです。ただ、」
アブル「さっきの景色とまったく違うから…。」
ティフル「そうですか。それでは、ウォーターランドの景色をゆっくりとお楽しみくださいね。」
         そう言うと、ティフルは湖岸に近寄った。そしてカナとアブルはゆっくりと降りた。
カナ 「はい。いろいろと有難うございます。」
ティフル「こちらこそ有難うございます。あなた達は私の命の恩人です。」
         そう言うと、ティフルは微笑んだ。
ティフル「それでは、私はここで。」
カナ 「また遊びに行きます。」
アブル「お元気で。」
         そうしてティフルは、美しい泳ぎ方で湖の底を目指していった。
カナ 「これからどうする?」
アブル「まずは、ハギさんのところに戻らないと。早く水飲みたいし。」
カナ 「そうだね。」
          2人は湖を眺めると、背を向けて歩き出した。

ハギ 「おお、カナちゃんとアブル。大丈夫じゃったか?」
           ハギは船乗り場に再びやってきた彼らに声を掛けた。
カナ 「ええ。大丈夫です。ただ…」
ハギ 「ただ?」
          カナはそう言うと、グタグタになっているアブルを見た。
アブル「カ〜ナ〜〜、水〜〜〜〜!」
カナ 「アブルがこんな状態で…。」
ハギ 「水ならさっき普及してきたから大丈夫じゃ。さあさあ早く船の中へ。」
カナ 「はい。ほらアブル、行くよ!」
アブル「はぁ〜。」
          そうして2人は船の中に乗った。その様子を見ながらハギはこう呟いた。
ハギ 「この子達を見ていると、まるで あの子達を思い出すのぉ。」

カナ 「アブル、生き返った?」
アブル「これでとうぶん大丈夫!」
           船が出発してからアブルは仮眠室で1分ほど水を飲みまくっていた。
カナ 「船が着くまでまだ時間が有るから、ゆっくりしてよ。」
アブル「さんせ〜い!…ん!?なんだこれ?」
           アブルはこの部屋の壁で変なものを見つけた。
カナ 「アブルどうした?」
アブル「なんか文字を彫ってあるよ。ハギさんがやったのかな?」
カナ 「違うと思うよ。だってほら…。」
           カナは掘ってある文字の隣にある文字を指した。
アブル「ハルカとタクヤ…?」
カナ 「『私の夢はポケモンリーグで優勝すること。絶対この夢をかなえるんだから! ハルカ』」
アブル「『俺はポケモンのことをもっと知りたい、もっと中を深めていきたい。 タクヤ』」
           2人は彫ってある文を読み上げた。
カナ 「もしかして、この前言ってた、ホウエン地方を救った子達?」
アブル「この子達もこの船に乗ったんだ。」
カナ 「ねえアブル、あたし達も書いてみる?」
アブル「別にいいけど、おいら書けないよ。」
カナ 「私が書いてあげるからさ。」
           カナはバッグから書き物を出した。
アブル「こんなんでかけるの?」
カナ 「書けるよ。自信はないけど。」
          そうしてカナは文章を書き始めた。それが終わるとアブルの言ったことを書いている。
カナ 「…っと!これでいい?」
アブル「いいんじゃない。」
         2人が満足しているところに、ハギさんの言葉が聞こえてきた。
ハギ 「サザンタウンに着いたぞ〜!」
カナ 「アブル行こう!」
アブル「OK〜!」
         そうして彼らは部屋を飛び出した。
     『いつかこの地方を全部周りたい。ハルカ達ほどじゃないけど。 カナ』
     『おいらはただ平凡に暮らすだけ。カナに何処までも着いていくと思う。 アブル』
…つづく♪
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ハルカ♪ #8☆2004.05/16(日)16:21
第29話    ☆★買い物日和のサザンシティ!★☆

カナ 「アブル、もういいでしょう?」
アブル「……はぁ〜!しばらくはこれで保つな!」
         ハギさんと別れて数分経った。カナとアブルは、港の近くにあるベンチで休憩を取っている。
カナ 「アブル、もしかして…これ全部飲んだ?」
アブル「あったりまえじゃ〜ん!」
カナ 「『あったりまえじゃ〜ん!』って言う問題じゃないよ。」
アブル「誰だって、水1リットル飲みたい時はあるよ!」
カナ 「たまにはね。」
         そう。アブルはカナが買ってきた水を飲んでしまったのだ。それを見てカナは、少し呆れているようだ。
カナ 「そうそう。アブル、この街でどこか廻りたいところある?」
アブル「カナは?」
カナ 「う〜ん…行きたいところがあるにはあるんだけど…。」
         カナは首を傾げた。アブルはベンチから降りてカナの前に来た。
アブル「別においらはいいけど。何処に行くの?」
カナ 「つ、着いていけば分かると思うから。ほら、置いてくよ。」
アブル「…?」
         今度はアブルが首を傾げた。そして不思議に思いながらカナの後を追った。道では、たくさんのふなのりが街を見回っている。
カナ 「“ふなのり達の休憩の場となっている”。それは本当なんだね。」
アブル「タウンマップがウソをつくわけないじゃん!」
カナ 「だよね。それにしてもこの街、全部シンプルだね。」
アブル「言われてみれば…。」
         アブルは辺りを見渡した。確かに、あたりは大きいビルとかマンションとかがない。
カナ 「まるで、ふなのり達のためにこうしたとか?」
アブル「それありえるよ…。」
         いろんな話をしながら、2人はカナの目的地に向かっていった。

―店の中―
         着いた場所は、「ポケモンTHEショップ」という店だった。いったい何が売ってるのだろうか…?
アブル「カナ〜、こんなところで何するの〜?」
カナ 「見てれば分かるって!」
         そう言うと、カナは奥にある棚へ向かった。
アブル「…?」
カナ 「ええっと……あった!!」
アブル「あったの?」
カナ 「うん!ずっと前から欲しかったものなんだけどね。」
          するとカナは、アブルにそれを見せた。
アブル「…ああ!思い出した!もしかして、旅途中であったら買いたい!って言ってたやつ?」
カナ 「覚えてたんだ〜!そうだよ。あれだよ。」
          カナは嬉しそうに微笑んだ。カナが欲しかったもの、それは“サザンシティ限定アクセサリー”。
アブル「覚えてるって言っても、カナの話を聞いてれば誰でも覚えると思うんだけどさぁ〜。」
カナ 「そうかな?まぁ、いいんだけど。じゃあ買ってくるよ。」
          そう言うと、カナは会計のほうへ行った。
アブル「もしかして、これで買い物終わり?かな…。」
           しばらくして、カナがバッグに袋を詰めながらアブルの所に来た。
カナ 「おまたせ!いったん外に出よう。」
アブル「わかった。」
          そうして彼らは、店の外に出た。人の数はやや多めだ。
アブル「この他にも行く所ある?」
カナ 「あとは、食料を買うだけかな?」
アブル「まさか、あの不味い、ポケモン携帯食料なんて買わないよね!?」
カナ 「果物だよ。さっき休んでいる時に全部食べちゃったから、また買うわけ。行くよ!」
          そう言うと、カナは再び歩き出した。アブルもその後に続いた。

アブル「カナ〜、おいらに持たせないでよ〜!」
カナ 「まって!あと少し……っと!アブル、有難う。」
          いつもの口喧嘩をしながら、2人はフルーツ屋から出てきた。
アブル「ところでさ、いつ次の街に行くの?」
カナ 「今だけど。…あれ?言ってなかったっけ?」
アブル「別にいいけど。この街港しかないんだもん。つまんないよ〜。」
カナ 「そういうと思った。じゃあいきなりだけど、もう行くよ。」
アブル「OK!」
          そうして2人は、次の街がある方角を歩き出した。ちょっと早い気もするが…。さて、次の街ではどんなことがあるのか?
…つづく♪
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ハルカ♪ #9☆2004.05/16(日)16:22
第30話    ☆★喋れるピィ!?★☆

         カナ達はとある道を歩いている。
       『クタータウン、時間をゆっくり刻む街』
カナ 「時間を刻む?そんな街あるんだ〜。」
アブル「おいらも聞いたことないよ。」
         タウンマップのいつものアナウンスを聞いたカナ達は、お互いビックリしあった。
カナ 「アブル、地図を見ると、今回も海沿いだよ。」
アブル「また〜!?」
カナ 「でも、この前より海に近くないよ。1キロは離れてるんじゃない?」
         そう言うと、カナはタウンマップをアブルに見せた。
アブル「確かに…。」
カナ 「また向こうに着いたら見るから、いったんしまうよ。」
         カナはバッグにマップをしまった。
カナ 「とにかく先に急ごう。どんな街か見てみたいしね。」
アブル「わかったよ。」
          2人は歩くスピードを上げた。
カナ 「アブル、向こうに着いたらまず何処に行く?」
アブル「一番最初はポケモンセンターっ!体力消耗してるからね。」
カナ 「それにもう薄暗いよね。ウォーターランドで時間を使いすぎたかな?」
           【ピィ〜ピィ〜!】
カナ 「ん?何か声しなかった?」
アブル「『そうそう!』って言ってたよ。でも何のことで?」
           【ピィ〜ピピ〜?】
アブル「『まだ気付かないの?』だってさ。」
カナ 「アブルがこの声分かるなら、この声はポケモン?何のポケモンだか分かる?」
アブル「そこまでは分からないよ。」
           【ピィピィピィ〜、ピピピィ〜ピィ〜!】
カナ 「今度は?」
アブル「『だから、私はピィよ!』」
          アブルが言うと、右の方向からピィが出てきた。
ピィ 「ピィピィピィ〜?」
アブル「おいらはアブル。こっちはカナ。」
カナ 「もしかして、『名前は?』って聞いた?」
アブル「正解!」
ピィ 「へぇ〜、アブルって喋れるんだね〜!同じ仲間だ!」
カナ 「……え?」
          するとピィは、カナ達の前に来た。
ピィ 「私も喋れるポケモンの中に入ってるよ。」
カナ 「もしかして、喋れるの?」
ピィ 「だからそう言ってるじゃん!」
アブル「喋れるポケモンに出会ったのは、これで3種類目だな。」
          ポケモンの中で喋ることの出来るポケモンは、今現在20種類ぐらいで、それらは全部、同じ理由で喋れるようになった訳
じゃないらしい。
カナ 「あなたはここで何をしているの?」
ピィ 「私は、クタータウンを目指しているの。」
アブル「おいら達と一緒だな。」
ピィ 「そうなの。じゃあ話は早いわ!一緒に行きましょうよ♪」
          ピィはそう言うと、先頭を取って走り始めた。
カナ 「ちょ、ちょっと待って!」
アブル「あのピィ、走るの早いな。」
           2人はピィの後を追った。

――2分後
カナ 「はぁ〜はぁ〜はぁ〜。」
アブル「走るの…速すぎ…だよ…。」
ピィ 「ねぇ、2人とも!ほら見て!」
          カナとアブルはゆっくり前を向いた。
カナ 「こ、ここがクタータウン?もっと時間がかかるのかと思ってたよ。」
アブル「確かに時間を刻んでいるみたいだ。」
          この街の第一印象は、時計台があちこちにあること。人と同じ高さから、マンション20階建ての高さまで、高さはさまざま
だった。
カナ 「先ずはポケモンセンターだよね。ピィも一緒に…?」
アブル「どうしたの?」
カナ 「ピィがいないよ。何処に行っちゃったんだろう。」
          カナは辺りを見渡した。けれど、ピィの姿はなかった。
アブル「そのうち何処かから現れるよ。それより、ポケモンセンターに行こうよ。」
カナ 「うん…。」
           そうして2人は、PCに向かった。さっきのピィはなんだったのか?時間を刻むとはいったい…?
…つづく♪
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ハルカ♪ #10★2004.07/20(火)17:02
第31話    ☆★時を刻めるクタータウン★☆


カナ 「アブル、急いで!」
アブル「カナ、早すぎだよ〜!」
カナ 「誰かが寝坊したからでしょ!」
アブル「はいはいはい。」
         2人は走ってPCを出て行った。そのわけは?
アブル「ああ!!」
        アブルは大声を出し、その場に立ち止まった。
カナ 「はぁ〜。省略できると思ったのに〜!でも、いっちゃったものは帰ってこない。仕方がないね。」
         カナは、通り過ぎたバスを見送りながら言った。そう、彼らが走っていたわけは、バスに乗り遅れるからであった。
カナ 「しかたない、歩くか。だいたい50分ぐらいだけど。」
アブル「バスを2時間待つよりはマシだね。」

         ところで、今日の目的地は、この街のシンボル“時計台”。中心に建っている、とても大きい時計台だ。
カナ 「タウンマップによると、あそこには、時の妖精セレビィがすんでいるらしいよ。」
         カナが手元にあるタウンマップをいじくりながら喋っている。
アブル「へぇ〜!本当にいるのかな?」
カナ 「いるんじゃない?」
         会話が終わると、2人の歩くスピードが速くなった。そして、最終的には走り出した。
カナ 「アブル〜、おいてくよ〜!」
アブル「カナ〜、速いよ〜!」
          走っているのはちょうど商店街。左右には見たこともないポケモンだたくさんいる。
デンリュウ「デンリュー!」
ムウマ「ムマ?」
カナ 「みんな可愛い〜!こんなポケモンもいたんだ〜!」
アブル「カナ、見るところが違うよ!」
          ポケモン達はカナとアブルを不思議な目で見ていた。もちろん、それは彼らは知らない。

しばらくして…
カナ 「すご〜い!」
          ようやく時計台に到着した。時計台をよく見ると、教会がそのまま細長くなったものみたいだ。
アブル「入ってみよう。」
カナ 「うん。」
           入ってみると、鉄の骨組みが丸出しだった。しかも薄暗い。
カナ 「うわぁ〜、手が真っ黒だ!煤ってことは、中に暖炉と煙突でもあるのかな?」
アブル「わかんない。でも」
???「こら〜!誰だ、この中にいるやつは!!」
カナ 「何何何!?」
アブル「とにかく隠れるところを探そうよ!」
          2人は走る音が聞こえないように、隠れ家を探した。そして、
カナ 「アブル、この暖炉は?」
           カナが指した先には、暖炉があった。
アブル「早くその中に隠れよう!」
???「ここか!!」
          斧を片手に持ったおじさんが、この部屋にゆっくり入ってきた。
おじさん「ここじゃねえか。」
           そして、ここから遠ざかる音がゆっくりと響いた。
カナ 「ふぅ〜!助かった〜!」
???「あら、貴方たちじゃない!ここにいたの?」
          カナはびっくりして思わず下を見た。するとそこには…
アブル「ピィ!ここにいたのか!」
ピィ 「ちょっとここに用があってね!ねぇ、ちょっと付き合ってくんない?」
カナ 「何を?」
ピィ 「まずは、この暖炉から出てくれない?」
          カナ達はいったん暖炉から出た。すると、ピィが不思議な光を暖炉の中に送り込んだ。一瞬にして暖炉は、緑色に染まった。
ピィ 「さぁ、早くこの中へ。」
アブル「いったい何をするつも」
ピィ 「話は後々!!」
           そして、2人はピィに無理やり暖炉の中に入れられた。カナとアブルは、何が起こったのかがまだ把握できてなかった。しかし、これが事件の始まりだといってもいい。
…つづく♪
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ハルカ♪ #11★2004.08/14(土)11:16
第32話    ☆★奴らの野望★☆


        緑色の光が収まると、ピィは暖炉の中から出て行った。
ピィ 「…うん!カナ達、出てきて!」
         ピィの合図で、カナとアブルも暖炉から出てきた。
カナ 「いったい何が起こったの?」
ピィ 「あのね、私達はタイムスリップをしたの。この暖炉でね。」
        っと言って、ピィは暖炉を指した。
アブル「タイムスリップ?」
ピィ 「そうよ。あの緑色の光は、セレビィの光なの。あの光を利用すれば、タイムスリップ、すなわち時渡りができるってわけ。」
カナ 「ふ〜ん。」
ピィ 「っで、今はさっきの2時間前。」
アブル「2時間前に何の用があるんだよ。」
ピィ 「ちょうど私がいなかったときなんだけど、変な奴らがこの部屋に入ってきたみたいでさ。何をしたか確かめたいわけ。」
カナ 「あとどのくらいで来るの?」
        カナがピィに質問したときだった。
 男 「この部屋で何をするんです?」
 女 「何もありませんけれど。」
         男女10人ぐらいの集団が入ってきた。その中には、ド派手な格好をしている人が1人いた。黒いサングラスをかけ、黒いマントを羽織って…。
カナ 「ピィ、隠れなくていいの?」
ピィ 「あの人たちからは、見えないの。隠れなくても大丈夫。」
アブル「あの派手な格好をした奴、どっかで見たような?」
         すると、派手な格好をしている人が、暖炉に近づいた。カナ達は、その場から離れた。
ピィ 「でも、彼らはぶつかった感覚はするから、ぶつからないように気をつけてね。」
アブル「OK!」
カナ 「了解♪」
         そして、あの男は暖炉の中を隅々まで調べた。
 男 「異常はありましたか、エイ様。」
          その男の名が、したっぱの口から吐き出した。
カナ 「…エイ?」
アブル「もしかして、エイ・ギョウチュ!?」
カナ 「そうかもね。」
         あの男…いや、エイはしたっぱに向けてあることを話し出した。
エイ 「やっぱりね〜!この暖炉は、時渡りできる仕組みになってるわ〜!ってことは、やっぱりこの街にセレビィがいるってことね。
みんな〜、私達の野望、忘れてないわよね〜!?」
全員 「もちろんです。」
 女 「私達、エメル団の目的は、時を支配すること。そして時間を操ること。」
エイ 「よく言ったわね〜!」
         その様子を見ていたカナ達は、息を呑むほどびっくりした。
カナ 「時を支配することなんだ…。」
アブル「エメル団…初めて聞いたよ。でも、なんかかっこ悪い名前。」
ピィ 「本当よ。ロケット団の方がまだマシだわ!」
カナ 「ピィ、そこで怒鳴らなくても…。」
         その間、エイは、部屋中をぐるぐる回っていった。運良く、カナ達のところは避けて通った。
エイ 「みんな〜、この部屋に誰かいるみた〜い!みんな一斉に、この部屋の隅々を移動して〜!」
全員 「わかりました。」
アブル「ち、ちょっとやばい事になってないか?」
カナ 「確かに…。」
ピィ 「みんな、急いで暖炉の中へ!」
         カナ達は、走って暖炉の中に入ろうとしたその時…
ピィ 「きゃっ!」
カナ 「ピィ!」
          ピィは石に躓いて転んでしまったのだ。
ピィ 「私のことはいいから、早く!」
アブル「でも…」
ピィ 「早く!!」
         カナとアブルは、ピィに言われたとおり、暖炉の中に入った。その1秒後、したっぱがカナ達がいたとこを走って通り過ぎたのだった。
カナ 「危なかったね。」
アブル「うん。でも、ピィは?」
カナ 「…!アブル、あそこ!」
          よく見てみると、ピィはしたっぱの足に蹴飛ばされて、壁に叩きつかれた。
カナ 「ピィ!!」
 男 「エイ様、何か音が…。」
エイ 「あそこだな。」
           そうして、エイはしたっぱがさしたところへ歩いて近づいてきた。
アブル「ピィ、何やってるんだ。早く!」
          すると、ピィは…
ピィ 「もう間に合わない。あなた達だけでいいから、元の時間に戻りなさい。」
           そうして、ピィの指先から暖炉にセレビィの光が送られた。
カナ 「ピィ!!なんで…。」
ピィ 「私はもうピィじゃないの。私は…」
          ピィの最後と言葉を前に、カナとアブルは、時渡りしていった。
ピィ「―――だから…。」


           そうして、2人は元の時間に戻った。時計台から出ると、外はうっすらと曇っていた。カナは涙を流し、アブルは空を見上げた。たくさんの人たちが見る中、2人の体勢は変わらなかった。
…つづく♪
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ハルカ♪ #12☆2004.08/19(木)10:26
第33話    ☆★エメル団の最終目的…!★☆


カナ 「…って訳!分かった?」
アブル「どういう意味か分からないよ!」
         あれから2人はやっとの思いでこの街からで脱出できた。街の住民がしつこいって言うほど事情を聞いて聞いてきたのだ。なぜ泣いていたのか、誰かにいじめられたのか、などなど。
カナ 「ねぇアブル、あたし達は今から2時間前にタイム…じゃなくて時渡りしたんだよね?」
アブル「当たり前じゃん。それがどうしたの?」
カナ 「思い出して!時渡りする前、空は晴れてたでしょう。でも時渡りした後の今は…」
アブル「空が曇ってるよ。別にそれが変わったわけじゃん。」
         アブルはごく普通に答えた。しかも呆れ顔で。
カナ 「それなら分かるでしょう?時渡りする前、エメル団はピィを捕まえてなかった。でも、時渡りした後には…」
         カナが話している途中でアブルは口を突っ込み、分かった口調で
アブル「ああ!捕まえてる!ピィを使ってエメル団の活動がもう始まってるってことなのか!?」
カナ 「そういうこと。だから次の街で情報集めをしないと。」
アブル「了解♪」
         そうして、彼らは次の街・フローラシティに向かった。通称「天気を操る街」に。


――今から1時間前の出来事
ピィ 「は〜な〜し〜て〜!!泥棒〜〜!人攫い〜!」
???「あらあら。泥棒と人攫いは違うのを知っといた方がいいわよ。」
         ここは、とある街にある洞窟内。中は蟻の巣みたいに、部屋が何個もある。
ピィ 「ちょっと酷いわよ!エイはどこ〜!!」
???「まずはこのカプセルの中に入ってくれないと困るんだよ。入ったら呼んでくるから。」
ピィ 「…入ればいいんでしょ入れば!!」
         ピィはおとなしくカプセルの中に入った。その時の目は何かを思いついたような感じだった。
???「あら〜!ピィさんまた会えてうれしいわ〜!いいや…セレビィさん?」
         ピィが振り向くと、そこにはエイ・ギョウチュがいた。黒いサングラスに黒いマント、ド派手な格好だ。
エイ 「姿を変えていただけます?セレビィに…!」
         すると、ピィの体はエメラルド色の光に包まれ、光が消えた時にはピィではなくセレビィが座っていた。
セレビィ「あと、私は『エメル』という名前がちゃんとあるの。覚えてよね。」
         エメルはちょっと怒った口調でつぶやいた。
エイ 「それじゃあエメル、私たちが何故あなたを捕まえたか分かる?」
エメル「そんなの分かるわけ無いでしょう!!早く教えなさいよ!!」
         エメルは完全に怒っている。周りの部下達は完全に呆れている。
エイ 「あなたの力を利用して、この世界の時間を操るの。そのために捕獲した…。」
エメル「なんで時間を操るの!そんなの私は絶対認めないよ!」
エイ 「この世界のため…私たちのために時間を操るの。」
エメル「絶対協力しないわよ!私には最終手段があるんだから!」
         エメルは自信満々に叫んだ。もうどこからでもかかって来いって感じだ。
エイ 「最後にもう1つ質問よ。あなたはどうやってピィに成りすましてたの?」
エメル「私には特別『へんしん』という技が使えるの。これでどう?」
エイ 「わかったわ。どうもありがとう!ユリア、スイッチを!」
ユリア「了解!」
         ユリアという部下が、カプセルのスイッチを入れた。エメルは何かをしようと頑張っているが、何も出来ないことに気づく。
エメル「時渡りができない!なんで…?」
エイ 「この装置は技が1つも利かないんですよ!分かりました?」
エメル「くっ…!!」
         装置には長い円筒みたいなのが洞窟の外に飛び出していた。そこから黒い煙が出てきて、空は黒い雲に覆われてしまった。そして、世界中の雲が覆われてしまった。


カナ 「着いた!」
         その1時間後、カナ達は目的のフローラタウンに到着した。そして、街に一歩踏み出すと、
カナ 「アブル、ここから別行動よ!例のやつよ!分かったら連絡をすぐにね!」
アブル「アイアイサ〜!」
         2人の別行動とは何なのか。そして、エメル団の最終目的は…?
エメル「カナ…アブル…信じてるから…!!」
  ―完―
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ぴくの〜ほかんこ