華苗 | #1★2004.04/05(月)15:41 |
---|
第四章の始まり… 【第73話 →124番水道 ポケモンに乗って海の旅】 ナツキと別れ、ラグラージのレインとランターンのリプルスに乗り、 ミナモシティを後にしたユウキ達一行。 現在地は、124番水道。トクサネシティへ向かって、海をわたる3人であった。 レイン『ポケモンに乗って海をわたるってのも、なかなかイイだろ?』 ユウキ「ああ、そうだな!」 ハルカ「本当よね!」 ミツル「ボクも、いい気分だよ!」 リプルス『当然さ!』 ハルカ「ところでレイン、海の水、体に合うの?」 レイン『初めのころは全然ダメだったけど、今はもう慣れた。』 ハルカ「なんで海に住んでいるの?」 リプルス『レインは、ミズゴロウのころ、リーグ公認初心者用ポケモンを育てる施設からはぐれてしまったんだ。』 レイン『いろんなところ歩いてまわるうちに、ミナモについたんだけど、海岸で波にさらわれちまってさ。リプルスに助けてもらったんだ。』 ミツル「そうだったんだ…。大変だったんだね。」 レイン『別にそうでもなかったけどな。リプルスに泳ぎ方教えてもらって、海の奴らとも仲良くなれたし。』 ユウキ「そっか。レインはリプルスの他にどんなやつと知り合いなんだ?」 するとレインは指を折って数え始めた。 レイン『南の海に住んでるホエルオーのホールとか、サニーゴのコーラルちゃん… あと、ルネの海底のラルスじーちゃん。』 ミツル「ラルスじーちゃん…??」 リプルス『ああ、ジーランス長老の事さ。すっごい年寄りで、ホウエンの海の事なら何でも知っているのさ。』 ユウキ「へぇ〜。」 ハルカ「おもしろいわね!」 リプルス『これはお嬢さん!喜んでいただけて光栄です。』 ハルカ「リプルス、『ハルカ』でいいよ。」 リプルス『了解です、ハルカさん…』 ユウキ「ところで、トクサネまであとどのくらいだ?」 レイン『ん〜…あと2、3時間もすれば着くかな。』 リプルス『それまで、ごゆっくり。』 ミツル「そうだね。」 ハルカ「ポケナビの通信機能のチェックでもする?」 ユウキ「そうだな!レイン、リプルス、ちょっと離れて泳いでくれ。」 レイン『このくらいか?』 レインとリプルスは、お互いに数十メートルほど距離をとる。 ハルカ「それじゃ…(ピポッ♪)ユウキ、聞こえる〜?」 通信ボタンを押して、ポケナビに呼びかけるハルカ。 すると、ポケナビからユウキの声が聞こえてきた。 ユウキ『聞こえたぜ、ハルカ!こっちの声は?』 ハルカ「うん、バッチリよ!」 ミツル『よかった!』 そんなことをしながら、一行はトクサネへ進んでいった。 …3時間後。 リプルスが声を上げた。 リプルス『皆さん、トクサネが見えてきましたよ!』 ユウキ「どこかな…あ、あれか!」 海の向こうには、大きめの島がある。 岸はカイナのような砂浜ではなく、浅瀬だった。 ハルカ「あの町にダイゴさんが住んでいるのよね。」 ミツル「そうだね。それに7つ目のジムもあるんだっけ。」 ユウキ「よぅし…ジム戦がんばるぞ!」 レイン『おぅ!がんばって来いよ!』 ポケモンに乗って、海の向こうの町、トクサネへと進んだ。 この町のジムリーダーは、一体どんな人物なのだろうか? つづく |
華苗 | #2★2004.03/28(日)16:30 |
---|
【第74話 →トクサネシティ トクサネ到着、ダイゴの家へ。】 レイン(ラグラージ)『トクサネに到着だぜ!』 リプルス(ランターン)『ハルカさん、気をつけて降りてください。』 ハルカ「う…うん。」 一行は、トクサネシティに到着した。 そして、まず最初にすることは? ユウキ「まずはダイゴさんの家に行こうぜ!」 ミツル「そうだね。」 ハルカ「レイン、リプルス、あなた達は?」 リプルス『僕らはこのあたりで泳いでいますので、ご用があればいつでも呼んでください。』 ハルカ「わかったわ。」 ユウキ「じゃあ、行こうぜ!」 そうして彼らはダイゴの家を探した。 この間の手紙(第三章・62話参照)には、PCの近くの丘に住んでいる、と小さく書いてあったので、迷わず見つけられた。 ミツル「ここだね。表札にも【ツワブキ ダイゴ】って書いてあるし。」 ユウキ「そうだな。」 ハルカ「留守じゃないといいね。」 そう言って、ユウキはインターホンを押した。 『ピンポーン』 そして、しばらくすると… ガチャ。 ダイゴ「はい… あ、君達か。もうトクサネまできたんだね。さぁ、上がるといいよ。」 3人「はい。」 ユウキとハルカとミツルの3人は、ダイゴの家に上がった。 ダイゴ「何もない家ではずかしいけど、とにかく、座りなよ。」 ミツル「はい。」 3人はソファに腰かけた。ダイゴも座る。 ダイゴ「ところで、今日もナツキちゃんがいないんだね。どうしたんだい?」 ユウキ「ナツキとは、ミナモで別れました。」 ハルカ「ナツキは、ミナモに残ったんです。トクサネには、3人だけで来ました。」 ダイゴ「そうなのか。」 そのあと、3人はダイゴの家を見回した。 ダイゴの家には、家具一式以外にはあまり物がなかった。 だが、かべぎわの机に乗った透明ケースには、いろいろな石がたくさん置かれていた。 ユウキ「ダイゴさん、あそこの石、全部ダイゴさんが集めたんですか?」 ダイゴ「そうだよ。この間の『ほのおのいし』や『つきのいし』もあるぞ。」 ハルカ「近くで見ていいですか?」 ダイゴ「いいよ。」 3人は石を近くに行って眺めた。 ダイゴの集めた石は、進化の石や、化石のようなもの、普通のものなど、いろいろあった。 ダイゴ「進化の石は全種類そろったんだ。説明しようか?」 ミツル「はい!」 ダイゴは石を手に取り、説明し始めた。 ダイゴ「このオレンジ色の透き通った石は、『ほのおのいし』。ロコンやガーディ、イーブイを進化させる事ができる。」 ハルカ「そういえばユウキ、ロコン持ってるよね。」 ユウキ「ああ。」 ダイゴ「次の綺麗な青い石は『みずのいし』。綺麗な泉でできた物だと言われているんだ。」 水の石は、青く透き通っていて、まるで海の水をそのまま固体にしたみたいだ。 ミツル「綺麗ですね…。」 ダイゴ「緑色で、稲妻の模様が入った石は、『かみなりのいし』。ナツキちゃんのピカチュウを進化させた石だ。」(第三章・56話。) ハルカ「あの時はびっくりしたわね。」 ダイゴ「葉っぱの模様の入った石は『リーフのいし』だ。クサイハナやウツドンはこの石で進化するよ。」 ユウキ「へぇ〜!」 ダイゴ「黒い石は『つきのいし』。月の力のエネルギーがつまった石だ。カントーのオツキミやまは、月の石に含まれる『月光線』のエネルギーが強い岩場で有名だ。」 ミツル「カントーといえば、ナツキさんはそこから引っ越してきたんだっけ。」 ハルカ「そうね。」 月の石は、夜空のような黒い色。ダークブルーではなく、漆黒だ。 ダイゴ「最後の太陽みたいな形の石は、そのまんま『たいようのいし』だよ。クサイハナはこの石でも進化できるんだ。」 ユウキ「へぇ〜…進化の石ってすごいな!」 ダイゴ「そうだろう? 進化の石は、大自然の恵みだ。ホウエン地方には、こんな素晴らしい石がそこかしこの土に埋まっているんだ。」 ミツル「なるほど。進化の石って、とても素晴らしい物なんですね!」 ダイゴ「ああ。」 嬉しそうにうなずくダイゴ。 石の素晴らしさをわかってもらえて、嬉しいと言っているようだ。 ハルカ「ところで…私のエネコが、この間、石なしでエネコロロに進化したんです。」 ダイゴ「そうなのか。どこかの岩場に含まれた『月光線』のエネルギーを浴びて、進化したんじゃないかい?」 ハルカ「120番道路です。その日は満月だったし。」 ダイゴ「なるほど。月の光にもエネルギーは多少含まれているからな。」 ハルカ「そうなんですか。」 ダイゴ「ああ。…ところで、ジム戦はまだかい?」 話を変えるダイゴ。 ユウキ「はい。」 ダイゴ「それなら、いい練習場所があるよ。」 ユウキ「本当ですか!?」 ダイゴ「ああ。この島の裏の125番水道に、『あさせのほらあな』という洞窟があってね。野生ポケモンも出るし、この町のトレーナーも練習場所としてよく行くんだ。」 ミツル「よさそうだね。明日行ってみようよ。」 ハルカ「そうね。」 ダイゴ「トクサネのジムリーダーは、フウとランの双子兄弟だ。エスパータイプの使い手で、試合形式はダブルバトルだ。あの2人のコンビネーションはかなりのものだから、十分気をつけるといいよ。」 ユウキ&ハルカ「「はいっ!!」」 ミツル「ユウキ君、ハルカさん、今度のジム戦もがんばって!」 ユウキ「おぅ!」 ハルカ「もちろんよ!」 ダイゴから、ジム戦にそなえての練習場所を教えてもらった。 明日は、浅瀬のほらあなで特訓だ! つづく |
華苗 | #3☆2004.03/04(木)17:30 |
---|
【第75話 →あさせのほらあな ジム戦に向けて特訓だ!】 翌朝、トクサネシティの海岸にて。 ユウキとハルカは、インカムのスイッチを入れた。 ハルカ「レインー!リプルスー!」 レインとリプルスを呼ぶハルカ。 すると、2匹は海中から浮き上がってきた。 レイン(ラグラージ)『おはよう。今日はどこまで行くんだい?』 ユウキ「あさせのほらあなまでだ。」 ミツル「乗せて行ってくれる?」 リプルス『お安いご用さ。』 ユウキ達3人は、レインとリプルスに乗った。 ダイゴ「僕も行くよ。エアームド、出て来い!」 エアームド『行き先はどこだ?』 ダイゴ「あさせのほらあなまで、頼むよ。」 エアームド『了解だ。』 ダイゴもエアームドに乗る。 そして一向は、あさせのほらあなへ向かった。 トクサネの裏に回り、しばらく進むと、浅瀬に囲まれた岩場に、洞窟を見つけた。 ユウキ「ここがあさせのほらあなですか?」 ダイゴ「そうだよ。エアームド、戻れ。」 エアームド『わかった。』エアームドはボールに戻る。 ダイゴ「中に入ろう。」 レイン『オレらはここで待ってるよ!』 リプルス『いってらっしゃいませ!』 そして、四人は洞窟の中に入っていった。 〜あさせのほらあな〜 ユウキとハルカはいったんインカムのスイッチを切った。 洞窟の中は、水でいっぱいだった。 ダイゴ「今は満潮なんだな。この洞窟は、潮の満ち干きによって中の海水の量が変わるんだ。干潮の時は足場も乾いているし。」 ハルカ「なるほど。」 ミツル「あ、僕たちの他にも人がいるみたいだよ。」 4人から少し離れた場所では、少女が立っていた。 少女もこちらに気づいたようだ。 少女「あれ、あなた達は?この辺では見ない顔だけど。」 ユウキ「オレはユウキ。」 ハルカ「私はハルカよ。」 ミツル「僕はミツル。旅の途中なんだ。」 少女「そうなの。私はユカリ。もしかしてあなた達、ジム戦の練習に来たの?」 ユウキ「そうだけど、どうしてわかるんだ?」 ユカリ「私もそうだから、なんとなくね。ねぇ、バトルしない?ルールはダブルバトルね。」 ダイゴ「ダブルバトルか。練習には最適だね。」 ユウキ「もちろん受けてたつぜ!」 ハルカ「そうね。ユウキと2人でやりましょうか。」 ユカリ「じゃあ始めるわよ!行ってきて、タマっち、ユキりん!」 タマっち「タマァ〜!」 ユキりん「ユキッ!」 ハルカ「タマザラシとユキワラシね。」 ユウキ「どんなやつなんだ?」二人は図鑑を開いた。(ピッ!) “タマザラシ てたたきポケモン。いつも転がって移動するポケモンだ。流氷の季節に氷の上を転がり海を渡る姿を見かける。” “ユキワラシ ゆきかさポケモン。雪の多い土地でくらすポケモン。春や夏の雪の降らない季節には、鍾乳洞の奥でしずかにくらす。” ユカリ「タマっちもユキりんも、この洞窟でゲットしたのよ!」 ミツル「へぇ〜…二匹とも、ここで出会ったんだね。」 ユウキ「よーし…行け、ゲイル!」 ゲイル(アブソル)「アブルルッ!」 ハルカ「行ってきて、コローネ!」 コローネ(エネコロロ)「みゃ〜お!」 ミツル「ユウキくん、ハルカさん、がんばれ〜!」 ユカリ「まずはユキりん、『あられ』よ!」 ユキりん「ユッキ〜!」」 ユキりんはゲイルとコローネの頭上に、あられを降らせる。 ゲイル「アブルッ…!」 ユウキ「行くぞゲイル!『つるぎのまい』だ!」 ゲイル「アブルルッ!!」 ゲイルは戦いの舞をおどり、自分の攻撃力を上げる。 ハルカ「コローネ、タマザラシに『だましうち』!」 コローネ「みゃおっ!」 ドン! だましうちはタマっちに命中。 タマっち「タマ…!」 ユカリ「がんばって、タマっち!アブソルに『みずでっぽう』よ!」 タマっち「タマ〜ッ!」 バシャッ! みずでっぽうはゲイルにヒット。 ユウキ「よーし…ゲイル、『かまいたち』!」 ゲイル「アブル…」 ゲイルの周りで空気がうずを巻く!そして…空気の刃が相手を襲う! かまいたちはタマっちとユキりんの2匹に当たった。 タマッチ「タマ!?」 ユキりん「ユッキ…!」 ユカリ「がんばって、2人とも!ユキりん、『こごえるかぜ』よ!タマっちは『オーロラビーム』!」 ユキりん「ユッキ〜!!」 タマっち「タ…マ〜!」 凍てつくような冷たい風と、虹色の光線がゲイルとコローネに命中! ゲイル「アブ…ルッ!」 コローネ「みゃう…!」 ダイゴ「単体攻撃技と全体攻撃技をうまく合わせているね。見事だ。」 ハルカ「がんばって、コローネ!ユキワラシに『だましうち』!」 コローネ「みゃ〜お!」 だましうちはユキりんに当たった! だが、ゲイルとコローネはあられのダメージを受けている!」 ユカリ「ユキりん、アブソルに『かみつく』!タマっちは『こなゆき』!」 ユキりん「ユキ〜ッ!!」 タマっち「タマ…タマ〜ッ!」 ユキりんはゲイルにかみつく。 そしてタマっちのこなゆきが、二匹を攻撃! ユウキ「ゲイル、ユキワラシに『きりさく』攻撃!」 ハルカ「コローネはタマザラシに『すてみタックル』!」 ゲイル「アブルルッ!!」 コローネ「みゃ〜おぅ!!」 二匹の攻撃は相手に直撃! この攻撃で、相手の2匹は倒れた。 ユカリ「ああっ!タマっち!ユキりん!」 タマっち「タマ…。」 ユキりん「ユ…キ。」 ユウキ「やったな、ゲイル!」 ゲイル「アブルッ。」 ハルカ「コローネも、ナイスよ!」 コローネ「みゃおぅ!」 ミツル「すごいね、2人とも!」 ダイゴ「なかなかよかったよ。後はコンビネーションが大事だね。」 ユウキ「そうだな…。ユカリ、これから一緒に特訓しようぜ!」 ユカリ「いいよ!いっしょにがんばろう!」 あさせのほらあなで出会ったトレーナー、ユカリ。 ダブルバトルでジム戦の特訓をした。 明日のジム戦では、特訓の成果は発揮できるか!? つづく |
華苗 | #4☆2004.03/05(金)16:35 |
---|
【第76話 →トクサネシティ トクサネジム戦!マルチバトル!〔前編〕】 翌日、トクサネシティのPCにて。 ユウキ「よ〜し!ハルカ、ジム戦がんばろうぜ!」 ハルカ「うん!じゃ、行きましょうか。」 ミツル「2人とも、がんばって!」 ユウキ&ハルカ「「うん!」」 ユウキ、ハルカ、ミツルの3人は、PCを出てジムに向かった。 〜トクサネジム〜 ユウキたちは、ジムへ入った。 すると、ジムの奥にいる2人のよく似た少年と少女が話しかけてきた。 少年「ようこそ、チャレンジャーさん。僕はフウ。このジムのジムリーダーさ。」 少女「あたしはラン。フウと一緒にこのジムのジムリーダーをやってるの。」 フウ「僕たちに挑戦するには…」 ラン「迷路を突破しなくちゃダメだよ!」 ユウキ「迷路…?」 ミツル「あれ?この矢印マークの床、なんだろう?」 ミツルは矢印の書いてある床を踏んだ。 すると…!? ミツル「うわあぁ〜!?」床が動き出して、ミツルが遠ざかっていく! ハルカ「ミ、ミツル君!?」 ユウキ「一体なんなんだ!?」 フウ「その床を踏むと、矢印の指す方向にひとりでに移動するんだ。」 ラン「頭を使わないとダメだよ!」 ユウキ「よーし…やってやろうじゃんか!」 ハルカ「その前に、ミツル君のところに行かなくちゃ!」 さっきミツルが踏んだ床に乗って… ミツルと合流。 ミツル「はぁ〜… びっくりしたぁ。」 ハルカ「これは難しいしかけね…」 ユウキ「よぅし!3人で協力していこうぜ!」 ラン「がんばってね!」 それから3人は、しかけを解くためにジムの中を歩き回った。 ユウキ「うわわゎ!」流されるユウキ。 ハルカ「? 何かしら、このレバー…」 ハルカは床に設置されているレバーを倒した。 すると…ガシャ。近くの矢印の向きが変わる。 ユウキ「そうか!こっちのレバーも!(ガシャ!)」別のレバーを押す。 ガシャ、ガシャ… 3人は、ジムの中のレバーを全部倒してみた。 ユウキ「よーし、行くぞっ!」 矢印の床を踏んでみる。床が動き出して… しばらくすべると。 なんと、フウとランの所にたどりつく事ができた! ハルカ「やったぁ!」 フウ「…! やるね、君達。」 ラン「チャレンジャーさん、お名前は?」 ユウキ「オレはユウキ!」 ハルカ「私はハルカ。」 ミツル「僕はミツルです。でもバトルはしません。」 フウ「わかった。そっちが2人なら…マルチバトルでいこう。」 ラン「ルールは、全員手持ちポケモン一体ずつのバトル。時間は無制限よ。私とフウのポケモンを両方倒すことができたら、あなたたちの勝ち。」 フウ「君達二人が倒されれば、僕らの勝ちだ。さぁ、始めるよ!」 ユウキ&ハルカ「「はい!」」 ミツル「がんばって、ユウキ君、ハルカさん!」 こうして、フウ&ラン対ユウキ&ハルカのジムバトルが始まった! ユウキ「行け、ゲイル!」 ゲイル(アブソル)「アブルルッ!」 ハルカ「コローネ、GO!」 コローネ(エネコロロ)「みゃ〜!」 フウ「アブソルとエネコロロか。それじゃあ、行け!ルナ!」 ルナ「ル〜ナ。」 ラン「がんばろうね、フウ!行ってきて、ソル!」 ソル「ソルルルル…。」 フウがくり出してきたのは、三日月の形をした大きい赤の瞳のポケモン。 ランはそれとは対照的に、太陽のような形のポケモンを出した。 ハルカ「初めて見るポケモンね…」 ユウキ「どんなやつだろう?」2人は図鑑を開いた。(ピピッ!) “ルナトーン いんせきポケモン。満月の時期、活発になる習性。空中に浮いて移動し、赤い瞳は見たものの体をすくませる迫力。” “ソルロック いんせきポケモン。宇宙から落ちてきた、といわれる新種。空中に浮かび音もなく移動する。戦いになると強い光を放つ。” ユウキ「なるほど…」 フウ「僕ら兄弟のきずなと…」 ラン「あなた達とポケモンとのきずな!」 フウ&ラン「「どっちが強いのか、見せてごらんよ!」」 ユウキ「よ〜し!行くぞゲイル、『つるぎのまい』だ!」 ゲイル「アブルルッ!」 戦いの舞をおどり、攻撃力を高めるゲイル。 ハルカ「コローネ、ソルロックに『だましうち』!」 コローネ「みゃおっ!」 そしてコローネはソルロックにダメージを与える。 ミツル「2人とも、がんばれ!」 フウ「よし、こっちからもいこうか!『コスモパワー』!」 ルナ「ルナ〜…」 自分の防御能力を高めるルナ。 ラン「ソル、いくよ〜!『いわなだれ』ッ!」 ソル「ソルルッ!」 ドガドガッ! ソルはゲイルとコローネの頭上に岩を降らせる! 2匹は直撃を受けた。 ゲイル「アブ…ルッ!」 コローネ「みゃお…!」 ハルカ「いきなり大技でくるなんて…」 ユウキ「ゲイル、がんばれ!ソルロックに『かまいたち』!」 ゲイル「アブル〜ッ!」 かまいたちを放とうとする。しかし! フウ「そうはさせないよ!ルナ、アブソルに『さいみんじゅつ』だ!」 ルナ「ル〜ナ〜…!」 ルナはゲイルにさいみんじゅつをかけた! ゲイル「ア…ブ…Zzz…。」ゲイルは眠ってしまった! ユウキ「あっ、ゲイル!」 ラン「ソル、エネコロロに『ほのおのうず』!」 ソル「ソ〜…ルルルッ!」 ゴォッ! ソルは回転して炎を起こし、コローネの周りを取り囲ませる! コローネ「みゃ…!」 ハルカ「コローネ!」 フウ「僕らのコンビネーションに…」 ラン「勝てるかな…?」 ユウキ&ハルカ「「くっ…!」」 予想以上の苦戦を強いられた、トクサネのジム戦。 果たしてユウキとハルカは、フウとランに勝つ事ができるのか!? つづく |
華苗 | #5☆2004.03/05(金)16:36 |
---|
【第77話 トクサネジム戦!マルチバトル!〔後編〕】 ユウキとハルカは、ジムリーダーのフウとランに苦戦している。 2人は勝つ事ができるのだろうか…!? ユウキ「くっ…ゲイル、起きてくれ〜!!」 ゲイル「Zzz…」 ユウキのアブソル・ゲイルは眠らされてしまい… ハルカ「コローネ、ここは耐えて!」 コローネ「みゃ…お…!」 ハルカのエネコロロ・コローネは、ほのおのうずに苦しんでいる。 フウ&ラン「「ソル、ルナ、『めいそう』!!」」 ソル「ソルル…」 ルナ「ルナ…。」 めいそうで、自分の能力を高めるソルとルナ。 ハルカ(まずいわね…コローネは弱っているし、ゲイルは眠っちゃってる…) ミツル「ユウキ君、ハルカさん、がんばって!」 ユウキ「ゲイル〜!起きろ〜!!」 ゲイル「Zzz…」 ハルカ「コローネ、『ほのおのうず』から抜け出せる?」 コローネ「みゃっ!」うなずくコローネ。 そしてコローネは、ほのおのうずをジャンプして脱出。 ハルカ「いくわよ…ルナに『だましうち』!」 コローネ「みゃおっ!」 ドンッ! だましうちはルナに命中。効果はばつぐんだ! ルナ「ルル…!」 フウ「ルナ、もう一度『めいそう』!」 ラン「ソル、こっちもよ!」 ルナ「ルナ…」 ソル「ソルル…」 めいそうでさらに能力を高める2匹。 フウ「ルナ、エネコロロに『サイコキネシス』だ!」 ルナ「ルル〜!!」 強力な技がコローネに直撃! コローネ「みゃ…!」 ハルカ(これ以上攻撃を受けるのはまずいわ…) ラン「ソル、『ソーラービーム』よ!」 ソル「ソルルルルル…」 ソルはソーラービームのエネルギーをためている。 その標的は…ゲイルであった! ユウキ「くっ…!起きろゲイル!起きてくれ!」 ゲイル「Zzz…」 ハルカ「こうなったら…あの技よ!コローネ、『いやしのすず』!」 コローネ「みゃ〜お!」 チリン…チリン… 鈴の音が響きわたる。 この音を聞いて、ゲイルが目を覚ました! ゲイル「ル…アブルッ!」 ユウキ「ゲイル、『ソーラービーム』が来るぞ!」 ソル「ソ〜ル〜!!」 ソーラービームがゲイルにせまる! ゲイル「アブッ!」何とかそれをかわすゲイル。 ユウキ「ふ〜…危機一発だったぜ…。サンキュ、ハルカ、コローネ!」 ハルカ「どういたしまして!」 ラン「『いやしのすず』か…味方の状態異常を治す技ね…。」 フウ「でも、僕らは負けない!ルナ、エネコロロに『サイコキネシス』!」 ルナ「ルナ〜!」 めいそうで威力が倍ほどにもなる、サイコキネシスがコローネを襲う! ミツル「あ、危ない…!」 ユウキ「ゲイル、コローネをかばうんだ!」 ゲイル「アブルルッ!」 ゲイルはコローネの前に立ち、サイコキネシスを受ける。 だが、あくタイプを持っているので、ダメージを受ける事はない。 フウ「なにっ!?」 ユウキ「いいぞ、ゲイル!」 ハルカ「ユウキ、ゲイル、ありがとう!」 ユウキ「さっき助けられたからな!」 ラン(! 感じる… とても強い…彼らのきずなを…) フウ(まさか…僕らのきずなより、彼らのそれが上回っているのか!?) ユウキ「いくぜ、ハルカ!」 ハルカ「OKよ!」 ユウキ「ゲイル、ルナに『かみつく』だっ!」 ハルカ「コローネ、ソルに『だましうち』!」 ゲイル「アブルルッ!」 コローネ「みゃおぅ!」 ラン「…! よけて、ソル、ルナ!」 だが、ランの指示が遅れ、ソルとルナは攻撃を受けた! ルナ「ル…ルナ…。」 ソル「ソ…ル……。」この攻撃で、2匹とも戦闘不能になった。 ユウキ「やった…やったぜ、ゲイル!」 ゲイル「アブルッ。」 ハルカ「コローネも、ナイスファイトよ! コローネ「みゃおっ!」 ミツル「2人とも、よかったね!」 ラン「ごめんね、ソル。ゆっくり休んでね。」 フウ「よくがんばったね、ルナ。戻って。」 ポケモンをボールに戻す。そして2人はこう言った。 フウ「君達には完敗だよ。」 ラン「あたし達に勝った証として、マインドバッジを渡すわ!」 ランが差し出した、ハート型のバッジ2つ。 ユウキとハルカは、そのバッジを受け取った。 ユウキ「ありがとう!これがマインドバッジか…!」 ハルカ「マインドバッジ、GETね!」 ミツル「ユウキ君、ハルカさん、おめでとう!」 ユウキ&ハルカ「「うん!」」 フウ「兄弟のきずなより、君達とポケモンとのきずなの方が遥かに強かったみたいだね…。」 ラン「あなたたちは、もっともっと強くなれると思う!戦ったあたしたちにはわかるわ!」 フウ「これからも…」 ラン「力を合わせて!」 フウ&ラン「「がんばってね!」」声を合わせていう、フウとラン。 ユウキ「ああ!」 ハルカ「もちろんよ!」 ミツル「その意気だよ!」 フウ「またトクサネに来たら、」 ラン「顔を見せてね!」 ユウキ&ハルカ「「はい!」」 そして3人は、ジムを出た。 〜PC〜 ユウキたちは部屋を取って休んでいた。 今はPM7:55。夕食の後である。 と、そのとき… ピピピッ! ピピピッ! ユウキ「! ポケナビの着信音?」 ハルカ「誰の?」 ミツル「ユウキ君のだよ。」 ユウキ「ん。誰かな?(ピポッ★)」 ポケナビのボタンをプッシュ。すると… 『ヤッホー!みんな元気ぃ?』 陽気なその声の持ち主は。 ハルカ「ナツキ!?」 ナツキ『ピンポーン!その声はハルカだね?』ナツキからの通信だ。 ハルカ「そうよ。ねぇ、コンテストの練習は?」 ナツキ『絶好調よ!し・か・も!ついさっきアッシュ(サンド☆)が進化したのっ!』 アッシュ『サドッ!』 ユウキ「えぇっ!?進化したのか!」 ハルカ「サンドの進化系は…サンドパンね。」(ピッ♪) “サンドパン ねずみポケモン サンドの進化系。背中を丸めるとトゲトゲのボールみたい。トゲにさされてひるんだ相手に飛びかかり、するどいツメでばりばりひっかきまくるぞ。” ずかんのグラフィックは、黄土色の体に茶色いトゲトゲがたくさん。 鋭いツメを持つポケモンだ。 ミツル「図鑑では茶色だけど…アッシュは何色なんだろう?」 ナツキ『アッシュはね〜。赤茶色よ!』 アッシュ『パンッ!』 ユウキ「そっか〜!よかったな、ナツキ!」 ナツキ『うん!コンテストはあと3日後なんだ!』 ミツル「こっちでは、ついさっきユウキ君とハルカさんが7つ目のバッジをGETしたところなんだ!」 ナツキ『へぇ〜!すごいじゃない!』 ユウキ「ちょっと苦戦したけどな。な、ハルカ。」 ハルカ「うん。トクサネのジムリーダーはダブルバトルなの。私達の場合はマルチバトルだったわ。」 ナツキ『そうなんだ!よかったわね。…と!長電話になるから、そろそろ切るね!』 ユウキ「ああ、またな!」 ミツル「じゃあね!」 ハルカ「コンテスト、がんばって!」 ナツキ『うん、バイバイ!』 アッシュ『サドッ!』 そして、通信は切れた。 ユウキ「ふぅ〜!じゃあ、8時でちょっと早いけど、そろそろ寝るか。」 ミツル「そうだね。ふぁ〜…。」 ハルカ「おやすみ。」 部屋の明かりが消える。数分後、ベッドからしずかな寝息が3人分聞こえてきた。 …そのころ… トクサネから遠く離れた南の海に、ぽつんと浮かぶ島。 そこで2匹のポケモンが話をしている。 『そろそろか…。オレ達も活動を始めようか?』 『そうだね。あたし、ちょっと待ちくたびれちゃった。』 『ホウエンの平和を影から見守るのが仕事のオレ達だが…少々表に出る事もなければな。いくぞ!』 『あ、待ってよお兄ちゃん!』 そして、その2匹は、島を飛び立つ。 そこから北東の方角の町を目指して。 7つ目のリーグバッジ、マインドバッジを手にしたユウキとハルカ。 …今夜、運命が動き出す。 つづく |
華苗 | #6☆2004.03/06(土)12:38 |
---|
【第78話 夢幻の竜の夢】 深夜のトクサネシティ。人気はなく、静まり返っている… そこへ、2匹のポケモンが舞い降りた。 『ここだね。あの2人のいる場所…』 『ああ。』 そう言い、姿を消した。…いや、透明になった。 そしてPC内へと入っていく。ドアをすり抜けて… そして、2匹はある部屋に入り込む。 3人の少年少女のトレーナーの寝ている寝室だ。 『始めるぞ…』 『うん。』 2匹は何かを始める。 流れる沈黙。そして… ユウキ「あれ?ここは…」 ユウキがたっているのは、何もない、白い世界。 ハルカ「! ユウキ!」 ハルカの姿だけが、そこにあった。 ユウキ「ハルカ!ここ、どこだろう…」 ハルカ「夢の中…?」 そうハルカが言った、次の瞬間。 ヒュウゥッ! 風が吹いたような音がした。そして… 2人の目の前には、2匹のポケモンが。 鳥のような、竜のような… どちらかのようで、どちらでもないような。 片方は青と白の体、真紅の鋭い瞳。 もう片方は赤と白の体で、青い方と比べると、少し体が小さい。 大きい琥珀色の瞳のポケモンだ。 ハルカ「まさか、ラティアスにラティオス…!?」 〈ああ、種族名だがな。オレはラティオス。〉 〈あたしはラティアスよ。〉 心の中に語りかけてくるような声だ。 ユウキ「え〜と、図鑑…あれ? ないぞ。」 ラティオス〈図鑑か。オレたちポケモンのデータを見る機械だな。だが…オレ達の詳しいデータなど人間には知られていない。〉 ラティアス〈人間や、あたし達以外の種族のポケモン達に気づかれないように、ひっそり暮らしている身だからね。〉 ハルカ「ずっと前に物語で読んだけど、実際に見ることができるなんて感激!」 ユウキ「データがないのか…珍しいポケモンなんだな。」 ラティアス〈まぁね♪〉胸を張るラティアス。 ラティオス〈…と、前置きはここまでだ。お前達はそろそろ気づかなくてはならない。自分自身の運命に…〉 ユウキ&ハルカ「「??」」 首をかしげる2人。 ラティオスは射抜くような鋭い視線を2人に向ける。 ラティオス〈お前達は、ホウエンにせまる危機から、この世界を救う…〉 ラティアス〈言わば、救世主サマってわけ。〉 ユウキ「え…オレ達が?」 ハルカ「危機って…何なの?」 ラティアス〈今、悪しき者の手によって、よみがえらんとする大地と海の化身…その2匹の引き起こす、天変地異…〉 ラティオス〈暴れる化身を鎮めんとする、紅色の珠玉と藍色の珠玉。その珠玉を扱えるのは、お前達だけだろう…〉 ユウキ「悪しき者…?天変地異…??」 ハルカ「なんで…あの玉は私達にしか扱えないの?」 ラティオス〈じきに分かるだろう。〉 ラティアス〈そうね。それに…きっとあなた達ならあの方にも認めていただけるわ。〉 ユウキ「あのお方…?それって誰なんだ?」 ラティオス〈それもじきに分かるだろう…さぁ、きょうのところはもう終わりにしようか。〉 ラティアス〈そうだね。じゃあまたね、救世主サマ!〉 体が透けて、徐々に消えていく2匹。 ユウキ「ま、待てよ!お前達、一体なんなんだ!?」 ラティアス〈…お兄ちゃん、名乗るくらいはいいよね。〉 ラティオス〈まぁな。〉 ラティアス〈あたしの名前はディアー。〉 ラティオス〈オレはディークス…〉 ディアー&ディークス《ホウエンの平和を守る者…》 ハルカ「ディアー…ディークス?」 2匹は消えた。 それっきり、二人の意識も途絶えた…。 早朝5:00。ユウキとハルカは目を覚ました。 ミツルはまだ夢の中だ。 ユウキ「ん…なんだ、まだ5時じゃんか。もう少し寝ようかな…」 ハルカ「あ、ユウキも起きたの?」 ユウキ「あ、ハルカ、おはよう。オレ、なんか変な夢見てさ。」 ハルカ「私も。ユウキのはどんな夢?」 ユウキ「ラティアスとラティオス…ってポケモンが出てきた。ハルカも一緒にいたぜ。」 ハルカ「えっ!?私もその夢見た!」 ユウキ「マジ!?なんかオレ達がホウエンの救世主だ、とか…」 ハルカ「あと、紅色の珠玉と藍色の珠玉は私達にしか扱えない、とか…」 ユウキ「どういうことだろう?」 ハルカ「とりあえず…ポケモン図鑑っと!(ピッ♪)」 “ラティアス、ラティオス むげんポケモン。人の夢の中に入る事ができるといわれているが、詳細は不明。” この説明を聞いて、2人は驚く。 ハルカ「人の夢の中に…!?」 ユウキ「じゃあ、オレ達が見た夢って…」 ハルカ「夢じゃなくて、現実かもしれない…」 …………… その後、先に起きた2人はまた眠ろうとしたが、なかなか寝付けなかったので、それからミツルの起きるまで、話し合いを続けていた。 AM6:30。ミツル起床。 ミツル「ふぁ〜…あ、ユウキ君にハルカさん、もう起きてたんだね。」 ユウキ「おぅ。」 2人はすでに着替えも済ませていた。 ミツルは大きく伸びをする。 ミツル「んん〜!今日はどうするの?」 ハルカ「とりあえず、またダイゴさんの家に行こうと思うの。」 ユウキ「ミツルも早く着替え済ませろよ。」 ミツル「うん。」 ユウキ(昨日のヘンな夢…ダイゴさんは何か分かるかな?) ハルカ(あの2匹のポケモンのことも…) 2人の夢の中に出てきた、謎のポケモン・ラティアスとラティオス。 この夢は一体、何を暗示するものなのだろうか…? つづく |
華苗 | #7★2004.03/24(水)12:24 |
---|
【第79話 ルビーとサファイア】 昨夜の晩、不思議な夢を見たユウキとハルカ。 その夢の事を、ダイゴに相談する事にした2人。 PCでの朝食もろくに食べないまま、3人はPCを出て、ダイゴの家に向かった。 『ピンポーン』インターホンを押す。 しばらくして、ワイシャツ姿のダイゴが出てきた。 ダイゴ「あれ、君達か。こんな朝早くからどうしたんだい?」 ユウキ「ちょっと気になる事があって。上がっていいですか?」 ダイゴ「いいよ。どうぞ。」 3人は家の中に入る。 そしてこの間と同じく、ソファに座った。 ダイゴ「…で、その気になる事って、一体なんなんだい?」 ハルカ「昨日、不思議な夢を見たんです。」 ユウキ「オレも。しかもその内容が、ハルカのと同じだったんです。」 ミツル「僕は見なかったけど…」 ダイゴ「それはどんな夢なんだい?」 ユウキとハルカを見つめながら、ダイゴが言った。 ユウキ「ラティアスとラティオスって言うポケモンが出てきて…」 ハルカ「私とユウキが、この世界の救世主だ、って言ってました。」 ダイゴ「!?」驚きの表情を見せるダイゴ。 ハルカ「何か…知っているんですか!?」 ダイゴ「ああ。彼らは…伝説のポケモン。僕も実物を見たことはないんだ。いろいろ不思議な力を持っていると言われている。自分の見たことや考えたイメージを相手に映像として見せたり、姿を変えたり、消したり、人の夢の中に入ったり…ね。」 ミツル「そういえば…ユウキ君もハルカさんも、その夢の事、はっきり覚えてるんだね。」 ユウキ「うん。だけど、それがどうかしたのか?」 ミツル「夢ってさ、あいまいな物じゃない?見てもすぐ忘れちゃったり、あんまり覚えていられなかったり。でもさ、2人の場合ははっきりと覚えてる。」 ハルカ「そういえば…そうね。」 ダイゴ「きっとあの2匹が、夢を忘れないようにしたんだろう…」 ダイゴはユウキとハルカの顔をまじまじと見つめる。 ユウキ「ダイゴさん?」 ハルカ「私達の顔、ゴミでもついてるんですか?」 ダイゴ「いや、そういうことじゃなくて…」 一息ついて、ダイゴは言った。 ダイゴ「僕が思うに…2人は、伝説のトレーナー、ルビーとサファイアにかかわりがあるんだと思う。」 ミツル「伝説のトレーナー…」 ユウキ「ルビーと…」 ハルカ「サファイア…?」 ミツル「その人たちって…一体どんな人なんですか?」 ダイゴ「このホウエンを救ったといわれる、凄腕のトレーナーだよ。2人は名の通り、ルビーは真紅の瞳、サファイアは深い青の瞳なんだ。そして、君達2人もね。」 ユウキ「え…?」 2人は、顔を見合わせる。 ハルカ「ユウキの瞳…真っ赤な色してる。」 ユウキ「ハルカのは…青いよな。」 ハルカ「でも、そのときホウエンに起きたことって?」 ダイゴ「それは―――…」 その時。 ピピピピピピピッ! ダイゴの電話の音だ。 ダイゴ「ちょっとごめん。(ピッ☆)もしもし? …はい、 …えっ!? そうですか。 …すぐそちらに向かいます!」 そして、電話を切る。そして、いつもの黒いスーツを着た。 ユウキ「どうしたんですか?」 ミツル「まさか、また!?」 ダイゴ「ああ。カイナシティにマグマ団が現れたんだ。ともかく、急ぐぞ!」 そして4人は、家を出る。 ダイゴ「君達、カイナシティは分かるかい?」 ハルカ「はい。」 ダイゴ「それなら…案内する事もない。が、飛んでいくのは時間がかかるな…」 ハルカ「そうだ!ヒスイ、GO!」 ヒスイ(キルリア)「キルッ!」 いきなり、ポケモンを出すハルカ。 ハルカ「『テレポート』で行けば早いです!」 ミツル「そうか!それなら…行くんだ、ミライ!」 ミライ(キルリア)「キルルッ。」 ミツル「みんな、なるべく一箇所に固まって、ミライとヒスイにつかまって!」 ユウキ「ああ!」 2匹のキルリアと、ユウキたち4人は一箇所に集まる。 ハルカ「行くわよ…離れないでね!」 ミツル「『テレポート』!」 ヒスイ&ミライ「「キル〜ッ!」」 4人と2匹の体が、光に包まれる。 次の瞬間には、彼らの姿は消えていた。 カイナシティにマグマ団が現れた! 今度の目的は、一体…? つづく |
華苗 | #8★2004.03/09(火)18:12 |
---|
【第80話 →カイナシティ かいえん1号盗難事件!?】 人とポケモンの行きかう港、カイナシティ。 そんなカイナのにぎやかな市場に、ユウキ、ハルカ、ミツル、ダイゴの4人と、2匹のキルリアが突然現れる。 ハルカ「ありがとう、ヒスイ!戻って。」 ミツル「ミライも、ご苦労様。」 ヒスイ&ミライ「「キルッ!」」 ポケモンをボールに戻し、そのあと4人は走り出した。 目指すは、カイナの船乗り場。 ダイゴ「クスノキ館長の設計した潜水艇、『かいえん1号』。マグマ団は、それを狙って来たらしいんだ。」 ユウキ「そっかー…でも、潜水艇盗んで、どこに行くんだろう?」 ハルカ「潜水艇盗むんだから、当然海でしょ。」 ダイゴ「つけ加えれば、深海…海のとても深いところだろうね。普通に海に行くなら、船でも行けるんだし。」 ミツル「なるほど。」 話しながら走っているうちに、船乗り場に着いた。 そこには、見覚えのある人影が。 クスノキ「あっ、君達は!」 ユウキ「久しぶりです、クスノキさん。」 クスノキ「ついこの間、海底調査から帰ってきたところなんだが… そこを狙われて、マグマ団が!」 ハルカ「追い払いましょう、ダイゴさん!」 ダイゴ「あぁ!」 4人は船乗り場に入っていった。 そこには…赤い装束の、マグマ団の姿が! ホムラ「おや?誰かと思えば、この間のガキか。」 ユウキ「ガキじゃない!オレはユウキだ!」 ダイゴ「かいえん一号を盗んで、どうするつもりだ!」 ホムラ「フフ…これはいえないな。お前らに我らの計画を邪魔されては困るのでね。」 ユウキ「潜水艇を返せよ!」 ホムラ「返せといわれて素直に返すやつがいるか? 行け、グラエナ、マグカルゴ!」 グラエナ「ガルル…!」 マグカルゴ「マ〜グ!」 ホムラ「あいつらに攻撃だ!」 グラエナ「ガルッ!」 マグカルゴ「マグ!」 グラエナは「とっしん」でこっちに突っ込んできた! マグカルゴの炎攻撃も降り注ぐ! ハルカ「きゃっ!危ないわね!アール、GO!」 アール(ワカシャモ)「シャーモ!」 ユウキ「行くぞ、ルクス!」 ルクス(ライボルト)「ライボォル!」 ミツル「マリン、行けっ!」 マリン(ルリリ)「リルッ!」 ハルカ「アール、グラエナに『にどげり』!」 アール「シャモッ!」 ドカッ! ズガッ! グラエナに思いっきり蹴りつける。 グラエナ「ガウ…!」 ミツル「マリン、マグカルゴに『あわ』攻撃!」 マリン「ル〜リッ!」 マリンは口から泡を吹きかけて攻撃した。 マグカルゴ「マグ…!」 ユウキ「ルクス!『10まんボルト』!」 ルクス「ライボ〜ルッ!」 ルクスは強い電撃を相手に浴びせる。 だが… ホムラ「よし、よくやった!戻れ!」 ポケモンをボールに戻すホムラ。 そしてかいえん1号に飛び乗る。 ホムラ「フフ…オレはおとり。お前らとバトルしている間に潜水艇を出発させる準備をしておいたんだ。」 ユウキ「なんだって!?」 ダイゴ「そういうことか…」 ホムラ「残念だったな!はっはっは!」 そういい、かいえん一号の中に入っていく。 やがてかいえん1号は水中にもぐり、姿を消した。 クスノキ「ああ…かいえん1号が!」 ハルカ「すみません、クスノキさん!」 ユウキ「かいえん1号を取り戻せなくて…」 クスノキに頭を下げる2人。 アール「シャモ…」 ルクス「ライ…。」 クスノキ「…いいや、君達は謝らなくていいんだ。警備が手薄になっていたから、それはこちらの責任だし…本当に悪いのは、かいえん1号を盗んだマグマ団だよ。」 ダイゴ「…クスノキ館長、僕らが来る前にどんな事が起きたのか、詳しく話していただけませんか?」 クスノキ「分かった。ここじゃなんだから、私の事務室で話をしよう。」 一同「はい。」 〜事務室〜 クスノキ「まずは…海底を調査してたときの話からだ。」 ユウキ、ハルカ、ミツルとダイゴの4人は、真剣に話を聞き始めた。 クスノキ「私の率いる海底調査隊は、かいえん1号に乗って、ホウエンの東半分を占める広い海洋を調査していたんだ。調査を続けて数週間したころ、ルネシティの近くの海溝に、古代のポケモンが住んでいると思われる、洞窟を見つけたんだ。」 ミツル「そのポケモンって…?」 クスノキ「まだ分からないんだが、もしかすると、ホウエンに伝わる話に出てくる、大地と海の化身の可能性がある。」 ユウキ「それって、グラードンとカイオーガのことかな?」 ダイゴ「そうだな。」 クスノキ「その後、カイナへ戻り、調査の内容をまとめて、ホウエン中に報道したんだ。きっとやつらは、この事をかぎつけたんだろうな。 その数日後…今日にあたるが、やつらはカイナに現れて、さっきの通り、かいえん1号を奪って行ってしまった…」 ダイゴ「奴らはなにか、変な事を言っていませんでしたか?」 クスノキ「そういえば…『もうすぐ…陸の力を我らの物にできるんだ!』とか言っていた気がするな…やはり、あの洞窟には伝説のポケモンが眠っているのだろうか…」 ダイゴ「その可能性は十分ありえますね。」 ユウキ「あいつらがその洞窟を見つけて、伝説のポケモンをゲットしちゃう前に、今すぐ先回りして、やめさせないと!」 ダイゴ「いや…少し様子を見よう。やつらも一度、自分たちのアジトかどこかで作戦を立てていると思う。ここは、明日まで待とう。」 ハルカ「でも、それでもし大変なことになったら…!」 あせった様子のハルカを、ミツルがとめる。 ミツル「ハルカさん、ダイゴさんの言うとおり、待ちましょう。僕たちだって、何の準備もなしにはいけないんだから。」 ハルカ「…! そうね。」 クスノキ「まだ聞きたいことはないかい?」 ユウキ「クスノキさん、その洞窟って、潜水艇がなくちゃ行けないんですか?」 クスノキ「ポケモンの力で、深い海の中にいける技ならあるよ。その技は…『ダイビング』。」 ハルカ「その技って、水ポケモンなら誰でも使える技なんですか?」 クスノキ「いや、水ポケモンなら何でも、というわけじゃない。水中で暮らすポケモン…主に海に住むポケモンなら大丈夫だろう。」 ハルカ「そっか…じゃ、私のコーラス(ペリッパー)は無理そうね。」 ミツル「マリンは大丈夫かな?」 マリン「ルリリィ♪」 ダイゴ「きっと大丈夫だよ。」 クスノキ「さて、ほかに聞きたい事はないかな?」 ダイゴ「あとは特にありません。」 クスノキ「そうか。またいつでも来るといいよ。私は残った仕事に取りかからねば…」 ユウキ「はい!」 ハルカ「ありがとうございます。」 一行は事務室を出た。 そして、カイナの街中で、これからのことを考えている。 ユウキ「まず、トクサネに戻って休もう。」 ハルカ「明日から、洞窟を探しましょ。」 ミツル「え…と、ポケナビ…(ピポッ!)海底洞窟は…ルネシティって言う町の近くみたいだよ。」 ダイゴ「よし。明日から、散策を始めよう!」 3人「おーっ!」そろって掛け声をかける3人。 マリン「リルッ!」ミツルに抱かれていたマリンの、かけ声をかける。 …と、その時! ピカ―――――ッ!! マリンの体が突然光った! ミツル「うわっ!?」 ハルカ「もしかして、進化するの!?」 光がおさまると、マリンは、体がそのまま一回り大きくなったような姿になった。 ただし、しっぽは前より小さくなっていたが。 ハルカ「ルリリの進化系、マリルね!」 ダイゴ「きっと、さっきのバトルで急激にレベルが上がったんだろうな。おめでとう、ミツル君。」 ミツル「はい!」 マリン(マリル)「リルリルゥ!」 ユウキ「ルリリは進化すると、水タイプになるんだっけ。」 ハルカ「そうね。」 ミツル「そうなんだ。マリン、これからもよろしく!」 マリン「ル〜リィ♪」 かいえん1号は、マグマ団に奪われてしまった。 だが、ミツルのルリリ、マリンが進化することができた。 明日からは、ホウエンの海洋を探索だ! つづく |
華苗 | #9★2004.04/11(日)15:44 |
---|
【第81話 →127番水道 海洋探索中に…!?】 一行はそのあと、カイナからトクサネへと戻った。そして、その翌日。 ユウキ、ハルカ、ミツル、ダイゴの4人は、トクサネの海岸にいる。 ユウキ「レイン〜!リプルス〜!」 ユウキが海に向かって大声で呼びかける。すると、2匹がやってきた。 レイン(ラグラージ)『おっ、今日はどこまで行くんだい?』 ハルカ「海底洞窟に行きたいんだけど、場所分かる?」 リプルス(ランターン)『うーん…それは僕らも存じません。』 ミツル「そっか…じゃあみんなで探そう!」 ユウキ「おっし!じゃあさっそく『ダイビング』で…」 ユウキはそう言いかけたが、ハルカが止めた。 ハルカ「ちょっと待って。それじゃ効率が悪いわ。空から海溝を探してからにしなくちゃ、目星がつかないわよ。」 ユウキ「あ、それもそうだな。ハルカ、頭いいな。」 ハルカ「そうかな?」 ダイゴ「確かにいい考えだね。じゃあ僕はエアームドに乗って探すよ。」 ミツル「それで決まりだね。僕もスカイを使おう、出て来い!」 スカイ(チルット)『ミツル、ボクは何をすればいいの?』 ミツル「ダイゴさんと一緒に、海の深いところを探して。」 ダイゴ「海溝のあるところは、水面の色が濃く見えるからね。」 スカイ『わかったよ!』 ユウキとハルカとミツルの3人は、レインとリプルスの背に乗った。 ダイゴ「まずは127番水道のあたりを探そうか。」 ユウキ「そうですね。それじゃ…出発だ!」 ハルカ&ミツル「「おーっ!!」」 一行は、127番水道へと進んだ。 〜127番水道〜 スカイ『ここら辺は海の色がこいよ〜。』 スカイが空から海を眺めながら言った。 ハルカ「でも、マップとは場所が違うわね。」 ポケナビでホウエンのマップを確認しながら、ハルカが言った。 スカイ『そっか〜…』 ダイゴ「この辺ではないようだな。場所を少し変えてみようか。」 エアームド『…ん…?』エアームドが何かに気づいたように首をひねる。 ダイゴ「どうした、エアームド?」 エアームド『向こうから何か来る…』 レイン『ん?あれのことか?』 レインの見た方向からは、ポケモンの影が。 リプルス『…! あれは、キバニア!』 ユウキ「キバニア?」ユウキは図鑑を開いてみた。(ピッ☆) “キバニア どうもうポケモン。発達したアゴとするどくとがったキバは、船底をかみちぎるほどの破壊力。キバニアに襲われしずんだ船は多い。” その説明を聞いて、全員青ざめる。(レインやリプルスはもともと青いが。) ミツル「それって…危険だよ!」 レイン『ああ、急いで逃げなくちゃな!』 そう言い、後ろを振りかえるが…!? ハルカ「後ろからも来てるわ!」 ダイゴ「なんだって!?」 キバニア「キバッ!」 前後からキバニアの大群にはさまれてしまった。じょじょに囲まれていく…! リプルス『くそっ…食らえ、『10まんボル…』』技を出そうとするリプルスだが。 レイン『リプルス、よせ!ユウキたちまでしびれちまうぞ!』 リプルス『あっ、そうか…』 ハルカ「リア、GO!『うたう』よ!」 リア(チルタリス)『わかりました! ル〜チル〜♪チ〜ルル〜♪チ〜ルチル〜♪』 キバニア「キ…バ…Zzz…。」 リアの歌を聞いたキバニアの大半は眠ってしまったが、眠らずに起きているキバニアが襲ってきた! キバニア「キバッ!」 リア『く…!』リアが攻撃を受けた。 スカイ『よぅし、ボクもだ! チ〜ルル♪チ〜ルル♪チ〜ルルル〜♪』 スカイの歌を聞いて、起きていたキバニアが次々眠っていく。 だが、キバニアはまだまだいる! ミツル「リュクも、いくんだ!」 リュク(ジュプトル)『了解だ!『リーフブレード』っ!』 リュクは腕に生えた葉で、キバニアに切りつける。 ザシュッ!! キバニアは一撃で戦闘不能になった。 だが、やはりキバニアはなかなか減らない。 リュク『次は…『れんぞくぎり』!!』 ザシュッ! ザシュッ!! ザシュッ!! 次々に切りつけて数を減らそうとするが、やはりなかなか減らない。 そのうち、キバニアがリュクをかわして襲いかかってきた! リア『きゃあっ!』 リプルス『うわっ!』かみつく攻撃を受けている。 ダイゴ「エアームド、『スピードスター』だ!」 エアームド『承知…!』 エアームドの飛ばした星型の光線が、キバニアを直撃! だが、やはり数は減らない。 リュク『くっ…リア、下がってろ!後ろから奴らを攻撃だ!』 リア『は…はい!『りゅうのいぶき』!』 キバニア「キバッ!?」 リアの攻撃も見事決まる。 その時、スカイはこんなことを考えていた。 スカイ(お姉ちゃんやみんなはすごいなぁ…僕なんてきっと足手まといになるだけ…) リュク『『れんぞくぎり』!』 キバニア「キバッ!」だが、キバニアはまた襲いかかってきた! レイン『ここはオレが!『まもる』!』 味方の前に出て、攻撃を防ぐレイン。 スカイ(そうか…戦う力はなくても、守る力なら僕にもあるかな?) 残り少なくなったキバニアが、リアに襲いかかる! リア『きゃっ!?』 スカイ『あ…お姉ちゃんっ!』 とっさにスカイはリアの前に出て、攻撃を受けた! スカイ『う…っ!』 リア『スカイ!あなたは前に出てはダメよ!』 スカイ『お姉ちゃん…ボク、たたかう力はないけど…』 傷ついた体で、話すスカイ。 スカイ『でも、お姉ちゃんを守りたい!そのための力がほしいんだっ!』 リア『スカイ…!』 …と、その時! ピカ―――――ッ!! スカイの体が白く光った! そして、その光は形をかえていく。 光がおさまると、スカイはリアと同じ、チルタリスになっていた。 ミツル「進化…したんだね? やったね、スカイ!」 スカイ『うん!』 キバニア「キバァ…!」キバニアはスカイに向かってうなる。 スカイは負けじとキバニアをにらみつける。 スカイ『お姉ちゃんを傷つけるやつは…ゆるさないっ!『りゅうのいぶき』っ!』 攻撃はキバニアに直撃。この攻撃で、キバニアの数が減っていく。 ダイゴ「エアームド、『どくどく』!」 エアームド『了解!』 エアームドはキバニアにもうどくを与え、弱らせる。 リュク『『リーフブレード』!』 レイン『『みずでっぽう』だっ!』 次々と攻撃を受けて、引き返していくキバニア。 そして、残るはあと1匹だが… キバニア「キバッ!? キバッ!?」 とたんに弱腰になって…ついに逃げ出してしまった。 レイン『はぁ―――っ…どうなることかと思ったぜ。』 大きくため息をつくレイン。 スカイ『お姉ちゃん!大丈夫?』 リア『私はいいの…スカイ、あんなに無茶して。傷だらけじゃない。』 スカイ『いいんだ。ボクはお姉ちゃんが傷つくのが一番悲しいんだから。』 リア『もう…本当に、優しい子ね…。』 ダイゴ「何はともあれ、一件落着かな?」 エアームド『ああ。』 ユウキ「ミツル、よかったな!スカイが進化して。」 ミツル「うん!スカイ、おめでとう!」 スカイ『ありがとう!』 ハルカ「リア、大丈夫?キズぐすり使うわ。」 リア『大丈夫です。私はまだ戦えます。』 リュク『無理するなよ…体力減ってるだろ。』 そうリアに言うリュク。 リア『リュクさん…ありがとう、心配してくれて。』 リュク『べ…別に心配なんて…』 レイン『それはともかく。さぁ、移動だ!』 リプルス『またキバニアに襲われても困るしね。』 ミツル「スカイ、リュク、いったん戻って。」 ミツルは2匹をボールに戻す。 ハルカ「リアも休んでいて。」 リア『はい。』 レイン『それじゃあ移動するぜ!』 リプルス『行きましょう!』 ミツルのチルット、スカイが進化し、ハプニングを切り抜けた。 そして、海での探索を続ける一行であった。 つづく |
華苗 | #10☆2004.04/11(日)15:46 |
---|
【第82話 →すいちゅう 『ダイビング』で海底探索!】 ユウキ達4人とポケモン達は、海底洞窟を探している。 現在地は128番道路。127番道路を少し南に行ったところだ。 ハルカ「どうやら、海底洞窟はこのあたりの海底にありそうね。」 ハルカがポケナビのマップを見ながら言った。 マップには“128ばんすいどう かいていどうくつ” と表示されている。 ユウキ「じゃあここで『ダイビング』するか?」 レイン(ラグラージ)『そうだな。ちなみにオレは定員2人までOKだぜ。』 リプルス(ランターン)『僕は一人だよ。』 ダイゴ「困ったな…僕は『ダイビング』を使えるポケモンを持ってないんだよ。」 ミツル「よーし、マリン、出てこい!」 マリン(マリル)『キャッホ〜! マリンちゃん登場っ♪』 最近進化したマリンは、ようきでハイテンション。 ミツル「マリン、『ダイビング』は使えるかい?」 マリン『つかえるよ〜。』 ミツル「ボクはマリンを使うよ。ダイゴさんはレインに。」 ダイゴ「ありがとう。エアームド、戻れ!」 ダイゴはエアームドをボールに戻し、レインの上に着地。 レイン『それじゃ、行くぜ!』ダイビングしようとするレイン。 ハルカ「あ!ちょっと待って。『ダイビング』って、海にもぐるのよね。」 リプルス『そうです。』 ハルカ「私達、息続かないんじゃない?」 ユウキ「あ、そういえば…」 レイン『大丈夫。やってみりゃどういうもんかわかるさ!』 リプルス『行くよ、レイン、マリン。』 マリン『おっけー♪ せぇの…』 3匹『『ダイビング』っ!』 4人を乗せたレインたちは、水中へともぐっていった。 〜すいちゅう〜 ユウキ「…? あれ? 息ができる…」 ミツル「なんでかな…しゃべることもできるよ。」 リプルス『君達、まわりを見てみなよ。』 リプルスにそういわれ、まわりを見回す。ハルカが何かに気づいた声を上げた。 ハルカ「私達、何かに包まれている…!?」 レイン『空気の層さ。この中では息もできる。』 ダイゴ「すごいね…服もぬれていない。」 と、そこへ。 『おお? レインにリプルスじゃないか。』 前の方から、硬そうな体のみずポケモンが現れた。 レイン『あっ!ラルスじーちゃん!』 ラルスと呼ばれたそのポケモンが、レインに返事を返す。 ラルス『相変わらずなれなれしい若造じゃ。レイン、リプルス。人間なぞ連れて、どこへ行く?』 リプルス『長老。われわれはこの方々を、海底洞窟と言う所へお連れする途中なのです。』 そこへハルカが口をはさむ。 ハルカ「ねぇ、ラルスって、レインが前に言ってたジーランスの名前よね。」 レイン『ああ。』(第73話参照。) ハルカ「ジーランスかぁ…初めて見るわ!」ハルカは図鑑を開いた。(ピッ♪) “ジーランス ちょうじゅポケモン。深海調査で発見された珍種。ごつごつした岩のようなうろこでおおわれ、海底の水圧にたえる体を持つ。” ユウキ「へぇ〜。珍しいポケモンなんだ。」 マリン『おじーちゃんポケモンだ!』 ラルス(ジーランス)『ふむ、海底洞窟か。あそこは…大地と海の化身の眠れる場だと言われているが。』 ダイゴ「化身の眠れる場…!やはり、マグマ団はそこに向かったんだ!」 ハルカ「じゃあ、アクア団は…?」 ダイゴ「おそらく、自軍のみずポケモンを使って、海底洞窟に向かった…だろうな。」 レイン『じーちゃん、場所知ってんなら案内してくれよ!』 ラルス『フン、お前には教えてやる気にはなれんな。』 そっぽを向くラルス。 リプルス『長老、そんなことをおっしゃらずに。あとで僕が『でんじは』でお体をマッサージして差し上げますから。』 ラルス『ふむ…それなら。最近からだが思うように動かなくてのぅ… ほれ、ついてくるのじゃ。』 そういい、どこへともなく進みだした。レインもリプルスも後を追う。 ユウキ「(ヒソッ)レイン、ラルスって何歳なんだ?」 レイン『(ヒソッ)さぁ…?でも、確実に100歳いってるな。年取ってるせいで動きも鈍いしな。』 ラルス『何かいったか?』 レイン『いーや、なんでもないよ。』 それから、しばらく海底を進んだ。 リプルスの触手のライトで、辺りを照らしながら…進む。 ラルス『見えてきたぞ…ほれ、海溝のカベを見てみぃ。』 ミツル「カベ…? あ、穴か開いてる!」 ミツルの言うとおり、そこには潜水艦でも通れそうなほど大きな穴が開いている。 ラルス『あそこを通った先じゃ。』 一行は、その穴をくぐりぬけた。 そこにあったものは…!? ダイゴ「これは…かいえん1号!」 そこには、盗まれたかいえん1号が止まっている。 ハルカ「マグマ団は、ここから浮上したのかしら…」 マリン『じゃあ、あたしたちも浮上するよっ!』 レイン『おーっし!』 4人+4匹は、海底から浮上! そして…!? マリン『あーっ!どうくつはっけ〜ん!』 そこは広い部屋のようになっていて、カベには洞窟の入り口のような穴が! 水辺にレインとリプルス、マリンとラルスが着く。 ユウキ「ありがとう、みんな!」 レイン『なんてことないさ!早く行くといいぜ!』 リプルス『僕らはここで待っています。』 マリン『ミツル、気をつけてね!』 ラルス『無事に戻って来るんじゃぞ、人間…』 ミツル「いって来るよ!」 ダイゴ「さて…急ごう!」 ハルカ「はい!」 海底洞窟を見つけたユウキ達一行。 悪の組織の野望を阻止することができるか…? つづく |
華苗 | #11☆2004.04/11(日)15:47 |
---|
【第83話 →かいていどうくつ 悪の組織との戦い】 一行は、かいてい洞窟の中を進んでいく。 どんどん奥へ…奥へと走る。 走りながら、ユウキが口を開いた。 ユウキ「そういえば、ダイゴさん、昨日言ってたルビーとサファイア…ホウエンを危機から救ったんですよね?」 ダイゴ「ああ。」 ハルカ「その危機って、一体何なんですか?」 ダイゴ「フヨウのことは…覚えているかい?」 ミツル「フヨウ…おくりびやまにいた、あの女の人だね。」 ダイゴ「ああ。あの時フヨウが語った言い伝え…あれは、実際にホウエンに起こった出来事なんだ。」 3人「えっ!?」 驚くユウキ、ハルカ、ミツルの3人。 ダイゴ「そして…その危機こそが、グラードンとカイオーガの起こした天変地異なんだ!」 ユウキ「そうだったのか…」 ハルカ「なんとしてでも、止めなくちゃ!」 ミツル「うん!」 そこへ… マグマ団員「お前ら…ブラックリストのガキども!」 マグマ団員「よぉし…ここでオレ達がこいつを捕まえれば、一気に幹部昇進だ! いけ、ポチエナ、ドンメル!」 ポチエナ「バウッ!」 ドンメル「めるる〜。」 ダイゴ「く…急いでいるときに…!」 ユウキ「カシス、行けっ!『しんそく』!」 カシス(マッスグマ)「マアーッス!」 ドガッ! カシスは目にも留まらぬ速さで相手のポケモン達にタックル! ポチエナ「バ…ウゥ…。」 ドンメル「め…る…。」 急所に当たったのか、一撃で倒れる2匹。 マグマ団員「い、一撃…!?」 マグマ団員「ひいぃっ!」 したっぱ達は、一目散に逃げていった。 カシス「マッス!」 ユウキ「カシス、よくやった!」 そしてまた走りだそうとしたが…今度は。 アクア団員「お前達か、我々にたてつく奴らは!行け、ズバット、キバニア!」 今度はアクア団のしたっぱが勝負を仕掛けてきた。 ハルカ「ランス、GO!『メガドレイン』!」 ランス(キノガッサ)「キノ〜ッ!」 ランスは相手の体力を吸い取っていく! キバニア「キバァ…。」 キバニアは一撃で倒した。だが、ズバットが襲いかかってくる! ズバット「スバーッ!」 ミツル「ミライ、行け!『サイコキネシス』だ!」 ミライ(キルリア)「キ〜ル〜!!」 強力な念力で、ズバットはノックアウト! ズバット「ズ…バァ…。」 アクア団員「く…くそ〜!」逃げ出すアクア団員。 ダイゴ「待て!」 ダイゴは団員の手首をつかんだ。 ダイゴ「アオギリの居場所はどこだ…?」声のトーンを落として言う。 アクア団員「し…知らねぇな!」 ダイゴ「言うんだ、さもないと…」相手をにらみつけるダイゴ。 アクア団員「う…わかったよ!リーダーは最深部に向かっている。」 ダイゴ「最深部か…」ダイゴはつかんでいた手を離す。 アクア団のしたっぱは、逃げていった。 ダイゴ「よし、洞窟の最深部に急ぐぞ!」 ミツル「はい!」 4人はまた、走り出した。 そのころ… イズミ「リーダー・アオギリ! 先ほど、連絡がありました!」 アオギリ「何だ?」 イズミ「ブラックリストの少年少女らと、黒いスーツの男が、こちらに向かっているとの事です!」 アオギリ「わかった。イズミ、ここに待機だ。奴らを迎撃しろ!」 イズミ「了解しました。」 アオギリ「わたしは先に最深部へ向かおう。」 アオギリは走っていった。 少しして、イズミが口を開く。 イズミ「まさかこの場に居合わせるとはね…ホムラ。」 ホムラ「イズミか。…おっと、やつらの足音か?」 タタタタタ… 走ってくる足音。 そして。 ダイゴ「お前達は…組織の幹部か。」 ホムラ「いかにも…ここから先へは通さん!行け、マグカルゴ、グラエナ、ゴルバット!」 3匹のポケモンを繰り出す。 イズミ「わたくしも、今回は手加減なしです!行くのです、サメハダー、シザリガー、ゴルバット!」 合計6匹、幹部のポケモンたちが繰り出された。 ユウキ「く…急いでるのに…」 ダイゴ「ここは僕が残る。」 ミツル「僕も残ります!」 ユウキ&ハルカ「「オッケー!」」 ホムラとイズミと敵のポケモンたちをすり抜け、先へと進む2人。 ホムラ「く…!待てっ!」 追おうとするホムラだが… ユウキ「ユナ、行け!『ほのおのうず』で道をふさぐんだ!」 ユナ(ロコン☆)「コォ〜ンッ!」 ほのおのうずは道の真ん中で燃え上がり、道をふさぐ。 ユウキ「いいぞ、ユナ!」 ユナ「コォンッ!」 そのまま、2人は奥へと走っていった。 イズミ「今は邪魔者の片割れを始末するのが優先です!」 ホムラ「ちっ…!」 こうして、ダイゴ&ミツルとホムラ&イズミのバトルが始まった! ミツル「行け!ミライ、ココア、ミルク!」 ミライ「キルッ!」 ココア(プラスル)「プララ!」 ミルク(マイナン)「マ〜イ!」 ダイゴ「行くんだ、ボスゴドラ!」 ボスゴドラ「ゴッド〜ラ!!」 鋼と岩でできたヨロイのような体を持った、体の大きいポケモンだ。 ミツル「あれ…ダイゴさんは1匹?」 ダイゴ「これで十分さ。さぁ、かかってくるといい!」 ホムラ「ちっ…ナメやがって…マグカルゴ、グラエナ、ゴルバット、ボスゴドラに総攻撃!」 イズミ「サメハダー、シザリガー、ゴルバット、あなたたちは、そこの少年のポケモンを攻撃です!」 ミツルを指差して言うイズミ。 敵の攻撃がせまる! ダイゴ「ボスゴドラ、受け止めろ!」 ボスゴドラ「ドラッ!」 味方の前に立ち、攻撃を受け止めるボスゴドラ。 だが、ボスゴドラはピンピンしている! ホムラ「何っ!?」 ダイゴ「はがね・いわタイプの体には生半可な攻撃じゃ通らないさ!」 ミツル「すごいや…よーし! ココア、ミルク、相手に『でんじは』!ミライは『さいみんじゅつ』だ!」 ココア「プラ!」 ミルク「マイ!」 2匹は敵にでんじはを浴びせ、「まひ」させる。 さらに、ミライは敵のポケモンを眠らせた! サメハダー「サ…メ…!」 マグカルゴ「Zzz…。」 ダイゴ「いいぞ、ミツル君。ボスゴドラ、『ドラゴンクロー』で攻撃だ!」 ボスゴドラ「ゴド…」 ボスゴドラは巨大なツメに力を込める。そして… ボスゴドラ「ド…ラ〜ッ!!」 鋭く重たいツメで、相手のゴルバットたちを攻撃! ゴルバット「バ…ット…。」 一撃で戦闘不能になったようだ。 ホムラ「なんだと…!?」 イズミ「かまいません!サメハダー、キルリアに『かみくだく』!」 サメハダー「サ…メ…ハ――ッ!」 ミライ「キルッ…!」 かみくだく攻撃を受けて、苦しそうなミライ。 ミツル「がんばれ、ミライ!マグカルゴに『ゆめくい』だ!」 ミライ「キル…キールーッ!」 ミライは、眠っているマグカルゴの夢を食べ、体力を回復! 同時に大きいダメージを与えて、マグカルゴを倒した。 ダイゴ「ミツル君、ボスゴドラに『てだすけ』してくれないか?」 ミツル「わかりました!ココア、ミルク!ボスゴドラに『てだすけ』!」」 ココア「プラーッ!!」 ミルク「マ〜イ〜!!」 2匹の体から青い光が出て、ボスゴドラの体を包む! ダイゴ「これで決めるぞ…『はかいこうせん』!!」 ボスゴドラ「ゴド…ラ――――ッ!!」 ズドーンッ!! はかいこうせんは相手のポケモンに直撃! 敵のポケモンは全員戦闘不能。一気に勝負を決めた。 イズミ「そんな…わたくしがこんなに簡単に負けるなんて…!」 ホムラ「お前…一体何者だ!」ダイゴに向かって声を荒げるホムラ。 ダイゴ「僕はツワブキダイゴ。これだけ言えばわかるだろう?ボスゴドラ、戻るんだ。」 ミツル「ダイゴさん、行きましょう!ミライたちもついてきて!」 ミライ「キルッ!」 ダイゴ「ああ!」 2人とポケモン達は、ユナの炎の消えた後を走っていった。 …しばらくして、イズミが口を開く。 イズミ「ツワブキダイゴ…どうりで!」 ホムラ「厄介なやつを敵に回したな…ポケモンリーグチャンピオンの、ダイゴを…!」 … そのころ、ダイゴとミツルはユウキとハルカを追って、洞窟を走っていた。 ミツル「はぁ…はぁ…さすがに走りっぱなしはきついよ…」 ダイゴ「がんばれ、ミツル君。」 ミライ「キル…!?」いきなり、ミライが立ち止まる。 ココア「プラ?」 ミルク「マイ?」 ミツル、「どうしたんだい、ミライ?」…と、その時! パァ―――――ッ!! ミライの体が白く光った! ダイゴ「これは…進化!」 光は少しずつ形をかえていき…光がおさまると。 そこには、白いローブを着たような感じの、赤い瞳、緑の髪の女性のようなポケモンがいた。(ミライは♂だが。) ダイゴ「ラルトスの最終進化系…サーナイトだな。」 ミツル「サーナイトかぁ!立派になったね、ミライ!」 ミライ(サーナイト)「サァ〜。」ミライは嬉しそうにうなずいた。 ダイゴ「さぁ、急ごう。」 ミツル「はい!」 …さらにそのころ、ユウキとハルカの2人は、どうくつの奥深いところにいた。 ユウキ「はーっ… はーっ… マツブサ!アオギリ!」 息を切らしながらしゃべるユウキ。 マツブサ「おぅ、お前はこの間の。」 アオギリ「こんな所まで追いかけてくるとはね。」 ハルカ「紅色の珠玉と藍色の珠玉を返して!」 アオギリ「それはできない。カイオーガを復活させるために必要な道具だからな…」 マツブサ「オレ達組織の偉大な計画を邪魔するつもりなら…ここで始末してやろう!」 どうくつの最深部で、組織のリーダーを見つけた2人。 大地と海の化身の復活を、なんとしてでも阻止せよ! つづく |
華苗 | #12☆2004.04/11(日)15:47 |
---|
【第84話 組織のリーダーとの戦い!】 洞窟の最深部…そこにマツブサとアオギリがいた。 ユウキとハルカと、組織のリーダーのバトルが始まる! アオギリ「目的は違うが、お互いこいつらが邪魔者だということには変わりない。」 マツブサ「こいつらを一緒に始末してやろうってこったな!よし…行け、グラエナ!」 グラエナ「グルルルゥ…!」 アオギリ「クロバット、行け!」 クロバット「バット!」 ハルカ「クロバット…ゴルバットの進化形ね。」(ピッ♪) “クロバット こうもりポケモン。耳をすまさないと聞こえないほど小さな羽音でねらったえものにしのびよるぞ。後ろ足の羽で枝につかまり休む。” ユウキ「よーし…ルクス、行け!」 ルクス(ライボルト)「ライッ!」 ハルカ「コーラス、GO!」 コーラス(ペリッパー)「ペリッ!」 アオギリ「クロバット、『エアカッター』!」 クロバット「バ――ット!」 空気の刃がルクスとコーラスにダメージを与える。 ハルカ「コーラス、『つばさでうつ』攻撃!」 コーラス「ペリィッ!」 バシッ! 翼を広げて、そのまま敵にたいあたり。 グラエナにダメージを与えた。 グラエナ「ガル…!」 マツブサ「グラエナ、『シャドーボール』!」 グラエナ「ガルッ!」 黒いエネルギーのかたまりが飛んでくる! ユウキ「ルクス、かわせ!」 ハルカ「コーラスも、かわして!」 攻撃をかわす2匹。 ルクス「ラーイッ!」 コーラス「ペリッ!」 アオギリ「クロバット、ライボルトに『どくどくのキバ』!」 クロバット「バァ――ット!」 クロバットが鋭いキバでルクスの体にかみついた! ルクス「ラ…イ…!」苦しむルクス。 ユウキ「ルクス!どうした!?」 ハルカ「これは…『もうどく』状態!普通の『どく』よりも受けるダメージが大きいわ!」 ユウキ「えっ!?」 ルクス「ラ…イ〜…。」 ルクスは地面に足をついて、苦しそうにうめく。 ユウキ「短期決戦だ、ハルカ!」 ハルカ「わかったわ!コーラス、『みずでっぽう』!」 コーラス「ペリィ〜!!」 コーラスは相手2匹にみずでっぽうをあびせる。 アオギリ「ふん、そんな攻撃では私を倒すことはできないぞ?」 ユウキ「そいつはどうかな?ルクス、『10まんボルト』!!」 ルクス「ラ…イ…ボォ〜ルッ!」 ルクスが放った強い電撃が、敵のポケモン達に直撃! グラエナ「ガ…ル!?」 クロバット「バッ…ト!」2匹は大きいダメージを受けた。 アオギリ「なにっ!?そうか、水は電気を良く通す…」 マツブサ「さっき水を浴びたせいで感電しちまったか…!」 ユウキ「ハルカ、あとはまかせた!」 ハルカ「オッケー!コーラス、『なみのり』攻撃!」 コーラス「ペリーッ!!」 コーラスの作り出した大波が、敵に命中! この攻撃で、グラエナとクロバットは倒れた。 アオギリ「く…戻れ、クロバット。」 マツブサ「グラエナ、戻れ! …お前達、ガキのくせになかなかやるな! どうだ、オレ達の仲間にならないか?」 ユウキ「そんなのごめんだ!」 ハルカ「おことわりするわ!」 マツブサ「フフ…それならバトルを続けるぞ!行け、バクーダ!」 バクーダ「バク〜!」 アオギリ「サメハダー、お前もだ。」 サメハダー「サメッ!」 ユウキ「2匹とも戦ったことある相手だな。」 ハルカ「そうね。」 アオギリ「だからといって、甘く見てもらっては困るな。我らの本当の恐ろしさを見せてやろう!サメハダー、『ちょうはつ』だ!」 サメハダー「サメッ!」 ユウキ「『ちょうはつ』? 何だその技。」 アオギリ「『ちょうはつ』とは…相手を挑発して、攻撃をさせる技!」 ハルカ「えっ!?」 ルクス「ラ…ラィ…ボォ〜ルッ!」 コーラス「ぺ…リィ〜!!」 ちょうはつに乗ってしまった2匹は、勝手に攻撃を始めた! ユウキ「ルクス!動くな!毒にやられるぞ!」 ハルカ「コーラス、止まって!」 だが、2人がいくら叫んでも、2匹は攻撃をやめない。 ルクスの放った電撃と、コーラスの風が敵にぶつかる! バクーダが攻撃を受けたが…!? バクーダ「バクッ!」 バクーダの体力は、まだ有り余っている! マツブサ「バクーダには電撃は聞かない!体力も高いからな! バクーダ、『マグニチュード』!」 バクーダ「バク〜ッ!」 バクーダはじめんを揺らして地震のようなゆれをおこす。 マグニチュードを受けたルクス。毒のダメージもたまって、戦闘不能。 ルクス「ライ…。」 ユウキ「くそ…ルクス、戻れ!行け、ウィング!」 ウィング(オオスバメ)「スバァ!」 アオギリ「サメハダー、『ロケットずつき』!」 サメハダー「サメェ…」 サメハダーは頭を前に突き出し、攻撃の態勢をとる。 ユウキ「ウィング、サメハダーに『つばめがえし』!」 ウィング「スバ――ッ!」 ウィングの攻撃で、サメハダーはダメージを受ける。 だが、サメハダーのさめはだにさわったせいで、ウィングにもダメージ。 ウィング「スバ…!」 サメハダー「サメェ―――!!」 そして、サメハダーのロケットずつきが直撃! ウィングは大きいダメージを受けた。 ユウキ「こんなときこそこの技だ! バクーダに『がむしゃら』!」 ウィング「ス…スバー!!」 体力をふりしぼり、バクーダに大ダメージを与えるが…! マツブサ「攻めが甘いな!バクーダ、『ねむる』!」 バクーダ「Zzz…」バクーダは眠り始めた! ハルカ「『ねむる』…自分からねむって、体力を全快させる技よ!」 ユウキ「なんだって!?」 ウィング「ス…スバ…」 アオギリ「サメハダー、『いばる』だ!」 サメハダー「サーメッ!」 サメハダーはふんぞり返ったポーズをとった。 ウィング「ス…スバー!?スバ?」 いばるを受けて、混乱してしまったウィング。 わけもわからず、自分に攻撃をする! ウィング「スバ〜?」 ユウキ「ウィング!」 そこで、バクーダが目を覚ます! マツブサ「よし…バクーダ、本気の一撃、見舞わせてやれ!『ふんか』!!」 バクーダ「バクゥ〜ッ!!」 バクーダの背中が火を噴き、ひのこや岩のかたまりが飛んでくる! この攻撃を受けて、ウィングとコーラスは倒れた。 さらに、ユウキとハルカの方にも攻撃が飛んでくる! ユウキ「うわぁ――っ!」 ハルカ「きゃあぁー!!」 2人とも攻撃を受けてしまい、その場に倒れる。ハルカはたいした怪我はないものの、 ユウキのほうはダメージが大きく、気を失ってしまったようだ。 ハルカ「ユウキ! しっかりして!」 マツブサ「さぁ、お嬢ちゃん。降参するなら、今のうちだぞ?」 ハルカ「誰が、そんなこと…するもんですか!」 アオギリ「さもなくば… 始末するのみだ!」 ハルカ「く…!」 ユウキが気を失い、絶体絶命のピンチ。 果たしてハルカは、この状況をどう切り抜ける!? つづく |
華苗 | #13☆2004.04/11(日)15:52 |
---|
【第85話 化身復活!? 災いの予感】 ハルカ「リア、ウォン!行って来て!」 ハルカはウォンのボールを取ると、リアのボールと一緒に繰り出した。 リア(チルタリス)「チルッ!」 ウォン(ヌマクロー)「クロォ!」 ハルカ「ユウキが気を失ってるの…だからウォン、私の指示に従って。」 ウォン「クロッ!」 うなずくウォン。 ハルカ「よーし…反撃開始よ!リア、『りゅうのいぶき』!ウォンは『だくりゅう』!」 リア「チルゥ!」 ウォン「クロォ――!!」 マツブサ「やれやれ、こりないな。バクーダ、もう一度『ふんか』!」 バクーダ「バックゥ〜〜!!」 火山弾のような岩が降り注ぐ! だが、ウォンとリアには効果は今一つのようだ。 そのまま攻撃を仕掛ける2匹。 バクーダ「バクッ…!」 サメハダー「サメェ…」 マツブサ「バクーダ、かまうな!もう一度『ふんか』だ!」 バクーダ「バ…クウゥ〜〜!」 みたび、バクーダが背中から炎を吹き上げる。 バクーダの体力が減ったせいで、威力は落ちている。 だが、攻撃はハルカのほうに飛んできた! ハルカ「き…きゃあぁ〜!」頭を抱え、目をつぶるハルカ。 リア「チルッ!」 …だが、いつまでたっても衝撃はやってこない。 ハルカ「…え…?」ハルカが目を開けると。 そこにはリアの姿が。 リアは綿のような翼で、ハルカと倒れているユウキを包み、攻撃を防いでいたのだ! リア「チ…ル…!」 ハルカ「リア!私は大丈夫だから、攻撃に専念して!」 そう言うハルカだが、リアは、ハルカに向かって鋭く鳴いている。 ハルカはそれを聞くためにインカムのスイッチを入れた。 ハルカ「リア、どうしたの?」 リア『ハルカさん、無理しないでください! 今私が受け止めた攻撃…ハルカさんが受けていたら、大怪我をするところでした!』 リアの背中には、その攻撃を受けた傷があった。 ハルカ「リア、あなたが無理して倒れちゃダメ…」 リア『いけません!!』 ハルカの言葉を、大声でさえぎるリア。 リア『ハルカさんまで、ユウキさんみたいに気を失ってしまったら、私達は指示を受けることができません。最後まで無事でいなくてはいけないのは、あなた方なのに!』 ウォン『そうだゼ!』 敵からの攻撃を「まもる」で受け止めながら、ウォンも言う。 ハルカ「2人とも…」 リア『それに…私、今まで皆さんに守ってもらってばっかりで、なんだか自分が情けなくて…。私は…あなたを守りたいんです。そのために、戦わせてください…!』 ハルカ「リア…わかったわ。」 するとリアは、2人をかばいながら敵のほうを向いた。 決然とした、強い表情で。 ウォンにはリアのすることがわかったようだ。 ウォン『リアちゃん、しっかりやれよ! …オレの出番はここまでみたいだナ、ハルカ。』 それを聞いて、ハルカはウォンをボールに戻した。 そして、リアが歌いだした。 リア「チ――ルゥ――… チ――ルゥ――… 」 いつもと違い、低い声で歌うリア。 その歌声を聴いたサメハダーとバクーダは… サメハダー「サ…メ!? サメ…!」 バクーダ「バ…ク…バク…!」 リアの歌声に、苦しんでいる様子だ。 ハルカ「この技って…!」図鑑で技説明を見てみる。(ピッ♪) “『ほろびのうた』。その歌声を聴いたポケモンは、必ず戦闘不能になる。” ハルカ「やっぱり…!」 アオギリ「く…厄介な技を…!」 マツブサ「バクーダ、『かえんほうしゃ』!」 バクーダ「バクゥー…。」 攻撃を指示されるが、バクーダは動くことができない。 サメハダーも同様に。 サメハダー「サ…メ…。」 アオギリ「くそっ…戻れ、サメハ…」アオギリがボールを取り出した、その時! 「『いやなおと』だ!」 どこからか声が聞こえた。そして… キュイイイィィィンッ!! いやなおとが聞こえてきた! アオギリ「く…あぁ!?」 マツブサ「ぅ…わぁ…!!」 いやなおとのせいで、ポケモンをボールに戻すことができない。 リア「チ――ルゥ――… チ… ルー… チ…ル…。」 そのうちに、リアも力尽きて倒れる。 敵味方のポケモンが、全員戦闘不能となった。 ハルカ「でも…今の『いやなおと』って、誰が…!?」 と、そのとき。 ダイゴ「2人とも!大丈夫かい?」 ミツル「ギリギリ間に合ってよかったね、リュク。」 リュク『あぁ。』 ミツルの隣に立っているのは、ジュプトルのリュク。 どうやらさっきのいやな音はリュクのものらしい。 リュク『全く…リアのやつ。『ほろびのうた』なんて…無茶しやがって。』 ハルカ「リア…ありがとう。戻って。」 ハルカはリアをボールに戻した。 その時、ユウキも目を覚ます。 ユウキ「ん…あれ? オレ、どうしたんだ? ハルカ…マツブサとアオギリは?」 ハルカ「ユウキは気絶しちゃってね。リアががんばってくれたの。」 ユウキ「そっか…」 アオギリ「くそ…っ! 戻れサメハダー!」 マツブサ「バクーダ、戻れ!もともとの我らの目的を果たす!」 アオギリ「こんなことをしている場合ではなかったのだ!」 そう言い、2人はおくりびやまで盗んだ珠玉(たま)をかかげる。 ダイゴ「やめろ!今ならまだ間に合う!」 マツブサ「我々の計画を邪魔しようとは…いい度胸だな。今に思い知らせてやるぞ! 蘇り、我が力となれ!グラードン!」 アオギリ「最後に笑うのは、われらアクア団だ!目覚めよ、カイオーガ!」 2つの珠玉が光を放つ! そして…!? ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ……!! 地鳴りがして、洞窟がゆれる! その時… “グオオォォォ――ン!!” 何かの声があたりに響き、そして、彼らの目の前には。 紅いヨロイに身を包んだ、大地の化身、グラードン。 青い巨体の古代の海の化身…カイオーガ。 伝説の2匹が、姿を現わした…! マツブサ「おお…! さぁ、おまえの力を我々に貸してくれ、グラードン!」 アオギリ「カイオーガ、お前の力で、この世界の陸をしずめて、すべてを海に…!」 だが、2つの珠玉がいっそう輝き、辺りは光でうめつくされる! ダイゴ「く…!」 その2匹はもう一声叫んだと思うと、そこから姿を消した。 マツブサ「なっ…! なぜだ!? 藍色の珠玉はグラードンをコントロールすることができるはずなのに…!」 アオギリ「こちらもだ…紅色の珠玉があるのに、なぜ…!?」 ダイゴ「グラードンとカイオーガは、きっとお前たちのことを認めない。」 アオギリ「…! なぜだ!」 ダイゴ「よこしまな心を持つ者があの2匹の力を使おうとすれば、この世界を破滅へと導いてしまうことにもなりかねないんだ…」 その時… ゴゴゴゴッ! 洞窟が大きく揺れる。 そして突然、ゲイルがボールから飛び出した。 ゲイル(アブソル)『ユウキ…』 ユウキ「どうしたんだ、ゲイル?」 ゲイル『このフロアは間も無く崩れるぞ…。』 ハルカ「えっ!?」 ダイゴ「急いで脱出しないとな…」 ミツル「ミライ、お願い!」 ミライ(サーナイト)『わかったよ。』 ユウキ「え、ミライ…? キルリアから進化したのか!」 サーナイトの姿になったミライを見て、ユウキが言った。 ミツル「うん! さぁ、皆集まって!」 一同、ミライとミツルの近くに集まる。 ミツル「ミライ、『テレポート』だ!」 ミライ『了解だよ!』 次の瞬間、そこから彼らの姿は消えていた。 マツブサとアオギリは先に脱出していた。 数分後、洞窟の最深部は崩れ去った。 〜かいていどうくつ 入口〜 そこには、レイン、リプルス、ラルス、マリンが待っていた。 ユウキ達はテレポートでそこに現れる。 そして、外に出ているポケモンをボールに戻した。 ユウキ「レイン、リプルス、マリン! こっから出るぞ!」 レイン『わかったぜ、乗んな!』 全員、水ポケモンの背に乗る。 マリン『せ〜の!』 リプルス『『ダイビング』!』 水中へともぐる一行。 その時、ゲイルの入ったボールから声がする。 ユウキはボール越しにゲイルに話しかけた。 ユウキ「ゲイル、さっきからどうした?」 ゲイル『ユウキ… 災いの予感が、するんだ…』 グラードンとカイオーガが目覚めてしまった。 そして、アブソル・ゲイルの感じた、災いの予感とは…? つづく |
華苗 | #14☆2004.04/12(月)17:16 |
---|
【第86話 →128番水道 天変地異】 128番水道のドーナツ状の浅瀬。 「ダイビング」で海底洞窟から脱出した一行は、その浅瀬に立っていた。 マグマ、アクア団の団員達も一緒に。 ダイゴ「急に日が照ってきたな…」 一同は空を見上げる。 太陽の日差しは、いつもよりも強く、ギラギラと照りつける。 ピピピッ! ピピピッ! ポケナビの着信音だ。 ハルカ「あ、私のだ…(ピポッ♪)はい!」 ポケナビで通信会話する。その相手は… ナツキ『あ、ハルカ?あたし!ナツキよ!』 ハルカ「ナツキ?何があったの?」 ナツキから返ってきた答えは… ナツキ『それが、今さっきコンテストで優勝して、コンテストホールから出てPCに戻ったとこなんだけど。』 ユウキ「うん。」 ナツキ『コンテストの前は気持ちよく晴れてたのに、ホールから出たら、もうすっごい土砂降りで!PCに戻ったころには、全身びしょ濡れだったわ。』 ダイゴ「やはり…ナツキちゃん、大丈夫かい?」 ナツキ『はい。だけど、海のほう見たらカラッと晴れてて。陸じゃ大雨で、海じゃ超快晴みたいね。』 ミツル「うん、今ボクらは海にいるんだけど…いつもより日が照ってて。すぐに日焼けしちゃいそうだよ。」 ナツキ『そっかー。異常気象ね。ポワルンなら戻せるかな? ところで、海のどこにいるの?』 ユウキ「128番水道だけど。」 ナツキ『んじゃ、今からそっちに行こうかな? それじゃ、切るね!』 プツッ! ツー… ツー… 通信は切れた。 ダイゴ「……さて…」 ダイゴが2つの組織の団員を見回す。 ダイゴ「先ほど、珠玉の力で目覚めさせてしまった、大地と海の化身。おそらくホウエン中で起こっている異常気象の原因は、カイオーガとグラードンの力だ。」 太陽は、海を干上がらせんばかりに照りつける。 きっと陸側では、陸を沈めてしまいそうな勢いの大雨が降り注いでいる所だろう。 ダイゴ「これを止めるには、カイオーガとグラードンを再び眠りにつかせるしか、方法はない。」 ハルカ「でも、あの2匹はどこへ…?」 その時、 ピピピピピピピッ! ダイゴの電話が鳴る。 ダイゴ「(ピッ!)はい。 …ああ、君か。 …そうか、目覚めの祠に… わかった。 …ああ。なるべくすぐに、そちらに向かうよ。」 ダイゴは電話を切る。そして口を開いた。 ダイゴ「ルネシティの目覚めの祠という場所の中から、あの2匹のエネルギーが感じられるらしい。きっと2匹はそこにいる!」 ユウキ「じゃあ、そこに行ってそいつらを止めないと!」 ダイゴ「あぁ。マグマ団とアクア団にも、当然来てもらうよ。」 2つの組織の団員は、渋々ながらもうなずいた。 その時、彼らの足元に大きな影が映る。 空を見上げると、そこにはピジョットに乗ったナツキとフヨウの姿が。 ナツキ「やっほ――!! あれ? なんでマクラ団とアクマ団の連中が一緒なの?」 フヨウ「…(汗)マグマ団とアクア団よ。」 ナツキ「そんな細かいこと、気にしない!」 ナツキとフヨウの2人が、ピジョットのゼットに乗っている。 ミツル「ナツキさん! もう着いたんですね。」 ナツキ「あったりまえよ! ゼットのスピードがあれば、ね!」 ゼット「ピジョッ!」 ダイゴ「フヨウ、なんでナツキちゃんと一緒なんだ?」 フヨウ「いきなりすごい大雨降ってきたし、おじいちゃんとおばあちゃんもおかしいって言ってたから、もしかしたらって思って…アタシはひこうタイプ持ってないし、ミナモシティに行ったら、ナツキちゃんに会って、連れて来てもらったの。 ダイゴ! やっぱり…あの2匹が…グラードンとカイオーガが目覚めてしまったのね!?」 ダイゴ「ああ。ついさっき連絡があって、ルネの目覚めの祠から、2匹のエネルギーが出ている、ってさ。」 ナツキ「何? そのグラードンとカイオーガって。」 そんなナツキに言うユウキ。 ユウキ「この間話したじゃないか…ホウエン地方の伝説のポケモンだって!」 ナツキ「あっ、あーあー! 思い出した! …もしかして、 このヘンな天気、そいつらのせいなの!? ミツル「そうらしいんだ。」 ダイゴ「ひとまず、ルネシティに行こう。飛んでいけばすぐだ。エアームド、頼むよ。」 エアームド「エアッ!」 ハルカ「あ、そういえば…私とユウキの鳥ポケモン、全員戦闘不能になってたわよね。」 ユウキ「そ、そういえば…オレ達どうしよう?」 ミツル「スカイ(チルタリス)もまだ1人しか乗せれないだろうし…」 フヨウ「ルネシティなら、海のほうからも入れるわ。ただし、水中からよ。2人は水ポケモンでいくといいわ。」 ハルカ「そっか!」 ユウキ「じゃあ頼むぜ、レイン、リプルス!」 レインとリプルスはうなずく。2人はその2匹に乗った。 ナツキ「ゼット、お願いね。」 ミツル「スカイ、頼んだよ!」 ゼット「ピジョッ!」 スカイ「チルッ!」 一同は、その場を離れる。 そして、ルネシティへと向かっていった。 大地と海の化身を鎮める事は、できるのか!? つづく |
華苗 | #15★2004.04/12(月)17:21 |
---|
【第87話 →ルネシティ 夢幻竜、ラティアスとラティオス】 隆起した海底火山の噴火口に雨がたまってできたという、ここ…ルネシティ。 キャッチフレーズは「歴史が眠る 神秘の町」。 ルネの青空はホウエン一美しいといわれるが、今は空を厚い雲が覆い(おおい)、大雨を降らせている。 この町の人々も、普通ではないこの集中豪雨に不安を感じ、家に閉じこもっている。が… ルネシティのジムの前には、レインコートを着た一人の男がたたずんでいる。美しい青い海の色をした髪の、背の高い男性だ。 どうやら、誰かを待っている様子だ。 男「遅いな…」 …しばらくして、ルネの上空からひこうタイプのポケモン達が現れた。 エアームドに乗ったダイゴ、ピジョットに乗ったナツキとフヨウ。 チルタリスに乗ったミツルと、クロバットにつかまったマツブサ。 その他大勢のマグマ団員。 ダイゴはエアームドから飛び降り、その男に話しかける。 ダイゴ「やぁ、待たせたな、ミクリ。」 そういうと、その男…ミクリは不機嫌そうに返事を返した。 ミクリ「全く…遅いじゃないか。この僕をこんな土砂降りの日に、外で待たせるなんて…」 ダイゴに向かってぶつぶつ言う。 その時、少し遅れてユウキとハルカが湖の中から現れる。 アオギリ率いるアクア団も一緒だ。 ユウキ「うっひゃ〜…すっげぇ大雨!」 ハルカ「ほんとねー…海のほうではカラッと晴れてるのに。」 ナツキ「ん…? あれ! あなたは…こないだのコンテストの!」 ミクリを指差すナツキ。 ミクリ「君は? 僕のファンかい? 人を指差すのはよくないよ。」 ナツキ「ちがうっ!! あたしとコンテストバトルしたじゃない!」 (第三章、68話参照。) 大声で言うナツキ。ミクリはポン、と手を打った。 ミクリ「あぁ…君か。色違いのサンドで僕とバトルした。」 ナツキ「そうよ! それにあたしはナツキ!『君』じゃないの!」 ミクリ「そうカッカしない。美しくないぞ。」 あきれたようなポーズをとるミクリに、ナツキは腹を立てる。 ナツキ「なにが『美しくないぞ』よっ!! あんた何なのよ! 偉そうに!」 ミツル「まぁまぁ、ナツキさん、そう起こらないで…。」 ミツルは止めにはいる。 ナツキ「でも…!」 ミクリ「この僕を知らないのかい? …いいよ、教えてあげよう。 僕はルネシティのジムリーダー・ミクリさ。」 ミツル「え…ジムリーダー!?」 ユウキ&ハルカ「「えぇ―――っ!?」」 ナツキ「なんでジムリーダーがコンテストに…!?」 ダイゴ「まぁ、そのことは置いといて。今はそれ所じゃない。ミクリ、この町にあの2匹がいるのはまちがいないかい?」 ミクリ「あぁ。ルネとその周りの海域だけ、特に日照りと大雨が強いんだ。それに、しょっちゅう弱い地震が来るし。」 フヨウ「やっぱり…うちのおじいちゃんとおばあちゃんもそう言ってた。」 と、その時… ヒュウゥッ! 風が吹いたような音がした。 そして、どこからともなく、赤と青の竜が現れる。 ユウキ「お前は…ディアーにディークス!」 そう、ラティ兄妹のディアーとディークスだった。 ディアー(ラティアス)《またあったね、ユウキ、ハルカ!》 ディークス(ラティオス)《名前を覚えておいてもらえて光栄だ。》 ダイゴ「ラティアスに、ラティオス…」 ミツル「これが、ユウキ君とハルカさんの見たポケモンなんだね。」 ユウキ「あぁ。」 フヨウ「夢幻の竜…」 ミクリ「ラティアスはかわいらしく、ラティオスはかっこいい…どちらもコンテスト向きのルックスだな。」 ディアー《そぉ? あたしそんなに可愛い?》 ディークス《こら、調子に乗るなよ。…さて、本題だ。》 そこにいる全員が、ゴク、とつばを飲む。 ディークス《少年ユウキ、少女ハルカ。改めて言おう。お前達は、この世界を救う者。救世主だ。》 ユウキ「それで、オレ達はこれからどうすればいいんだ? ディアー《そうあせらないの。ちゃんと教えてあげるから! ユウキ、ハルカ、あなた達に秘められし力のことも…。》 ハルカ「私達に秘められた、力…?」 ディアーとディークスの言う、秘められし力とは…? 2人の秘密が、今明かされる! つづく |
このページは http://www1.interq.or.jp/kokke/pokemon/commu/story/222.htm のアーカイブです。