ぴくの〜ほかんこ

物語

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[604] 思い出の冒険の旅・短編連作編

リクト #1☆2005.01/03(月)22:09
新年早々…

殆どの家では、新しい年の始まりを祝う。
グラン達もそうだ。
今回は、新年のグラン達の様子を少し見てみる事にしよう。

「皆さん。新年、あけましておめでとうございます!」
「みんな。今年も宜しく」
フィーユとウェルが、読者達wに向けて新年の挨拶をする。
なに? 見てるのは元旦じゃない。…気にするなそんな事(無理)
「お、フィーユちゃん。着物姿が様になってるねぇ。ウェル君も袴が似合うじゃないか」
「あ、クロトさん。今年も宜しくお願いします!」
2人が声を揃えて言う。
「ああ。宜しく」
新年の挨拶を交わすフィーユとウェル、そしてグランの父親クロト警視。
フィーユの髪は長いが、着物には長い髪は不向きと考えたらしく、1つにまとめて飾り物で留めている状態。
しかし、グランとグロードの姿は見当たらない。
「あれ? クロトさん。グランは何処行ったんですか? 新年なのに」
フィーユが辺りを見回して言う。
「それが、さっきまで袴を着て待機していたんだが…何を考えたのか、突然何処かに行ってしまったんだ。困った息子だな、全く」
クロト警視が言った。すると突然、

ジャジャーン!

「な、何だこの音は!?」
ウェルが辺りを見回す。
この音。多分ギター。しかも何処かで聞いた事あるパターンだ。
「拙者、ギ○ー侍じゃ…」
うめく様に声を出して登場したのは、グラン。
グランの格好は、かなり薄めの着物にギターという、どこからどう見ても○田陽○のコスプレだった。
「グラン! 新年なのに何やってるのよ!?」
「え、隠し芸大会の練習だよ」
「今見せちゃ隠し芸の意味が無いだろ、グラン」
ウェルも言う。
「まさか、グロード君も…」
今度はフィーユが辺りを見回す。
「間違い無いッ!」
グロードは、背広にズボンでビシッと決めていた。
これはどう見ても長○秀○のモノマネとしか思えない(汗)
「…はいはい。今日はモノマネ大会じゃないんだから、さっさと袴に着替える」
フィーユが言った。
「袴着てると動き難いですから!残念!」
グランは完全にモノマネモードに入っている。
「おい。そんな格好してるのグラン。お前だけだぞ」
グロードが言った。
どうすればそんなに早く着替える事が出来たのか不思議。
「拙者のコスプレ、誰にも好評じゃないですから。…切腹!」

ジャ――ン!

「よし。隠し芸大会の練習終了。着替えてくるか」
「最初からそうしなさいよ。みんなお待ちかねよ」

さて、気を取り直して一同が集まったのは、グランの家にある大きな和室。
「さて、みんなから今年の抱負を聞こうか。じゃあまずは…」
「はい、はい、はーい!」
「はい。フィーユちゃん。今年の抱負は?」
クロト警視が言う。
「今年は、もう1つ上の段階を目指す事」
「ふむ。何についてかな?」
「もちろん、恋愛♪」
それを聞いて、グランは頭を抱えた。
「新年早々それかよ。もっと別の事を考えてないのか?」
「別に考えてないわよ。去年は揺れに揺れたから、決意を新たに」
「あっそ。じゃあ次は誰だ?」
グランが言うとグロードが、
「オレは、去年以上にお前ら2人を後押ししてやるからな。そのつもりでいろよな、お2人さん」
「グ、グロードまでそんな事を」
「そうそうか。2人共立派な目標を持っているんだな」
「どこが立派なんだよ、父さん」
グランが苦言した。
「じゃあ次は僕。僕は、今年は文武ポケモン三刀流で頑張っていきたいね」
「なるほど。君ならやれそうだな。じゃあ最後に、グラン」
「え、ボク!?」
グランは心底驚いた様な顔をした。
「みんな抱負を言ったんだ。残るはお前だけだぞ」
「抱負? 特に無いよ」
「無い?」
クロト警視が聞き返した。
「だって、思いつく事1つも無いし。それより早くお年玉くれよ」
「…抱負を言わない者にはお年玉はやらないぞ」
「あ、ひどっ。…分かったよ。言えばいいんだろ。言えば」
グランが言うと、一同一斉に彼に注目。
「ボクは…そうだな。…仲間との絆、もっと深めたい」
「なるほど。グランは仲間を大切にするものな。特に誰との絆だ?」
クロト警視が聞く。
「…どうしても言わないとお年玉くれないのか? 父さん」
「勿論私はそのつもりでいるがな。で、誰だ?」
そしてグランは、ポツリと言った。
「…フィーユ。最初に出会った仲間だし」
「嬉しい事言ってくれるわね。グラン」
グランの方を見てフィーユが言った。
「…そりゃ、どうも」
「コイツ。照れるなって!」
グロードがグランをからかう。
「て、照れてなんかない!」
「ウソ付け」
「なんだよ。まだボクに一度もポケモンバトルで勝った事無いくせに」
「あ? なんだと? じゃあ試してみるか。オレがどれほど強くなったかを!」
「お、いいねぇ。新年最初のバトル、絶対白星スタートしてやる!」
「へっ。後で吠え面かくなよ!?」
グランとグロードは、袴のまま外へと飛び出していった。
「あーあ。今年もまた、騒がしくなりそうだな…」
ウェルが呟いた。

グラン達の1年は、こうして始まるのであった…
つまりは、いつもの調子と変わらないという事である(汗)

           END
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リクト #2☆2005.01/03(月)22:51
思冒童話劇場(出演者は事前に知らされてない←蹴)・金の道具と銀の道具

ナレーション…作者「R(滅)」

あるところに、グランという少年がいました。
その少年はポケモンに関しては大変熱心です。
そんな彼は今、木に吊るしてある的に向かってモンスターボールを投げています。
正確にボールを投げる練習です。
「よし。だんだん中心への命中率も上がってきてるな」
グランは調子に乗って、先程より強くボールを投げました。
すると、ボールはカキンと跳ね返り、近くにあった泉にボチャンと落っこちてしまいました。
「困ったな。空のボール、これしか持って来てない。練習出来ないじゃないか…」
途方に暮れていると、泉の中から光が発せられました。
「あなたの落としたモンスターボールは、金色ですか? それとも銀色ですか?」
泉の中から現れた人物が聞きました。
その人は大変美しい女の人でした。
「ボクの落としたのは、そんな金ピカとか銀ピカじゃなくて普通のモンスターボールですけど」
「そうですか。では、しばしお待ちを」
「って、その外見明らかにフィーユじゃねーかよ」
「そ、その様な人物は知りません。わ、私は泉の精霊ですっ!」
泉の精は、多少慌てた口調で言いました。
(絶対フィーユだ… 声から外見まで、何もかもフィーユだ…)

「お待たせいたしました。あなたが落としたのは、このモンスターボールですか?」
「あー、それですそれです。普通のボール」
グランは何度か頷きました。
「正直者のあなたには、金と銀、両方のボールも差し上げましょう」
「え、マジ? 売ったら大儲け出来るぞ!」
グランは喜んでシュタタッとダッシュしていきました。
「相変わらず単純ね、グランは…」
泉の精の役をしていたフィーユが言いました。実は彼女、あまりこの役は気乗りしなかったようです。
それ以上に、本当に欲張りなのはグランなのかもしれませんね(笑)


あるところに、ユウキという少年がいました。
その少年はちょっと欲張りで、自分に得な事ばかりやっています。
そんな彼は、お小遣いを溜めてようやく購入したピントレンズを眺めながら泉の近くを歩いていました。
すると、何故か石に躓き、ズデッと転んでしまいました。
その拍子に、手に持っていたピントレンズを泉に落としてしまいました。
「あ、オレのピントレンズが!」
ユウキは泉を覗き込みましたが、ピントレンズは沈んでしまったようです。
すると、泉から光が発せられました。
すると、先程グランが出会った泉の精が出てきました。
「あなたが落としたのは、金のピントレンズですか? 銀のピントレンズですか?」
泉の精の問いに、ユウキは胸を張ってこう答えた。
「そのどっちもオレのモノです!」
泉の精は呆れた顔をしました。
「あなたはウソツキです。よって、ピントレンズは返しません」
「なんだと!? 返せよ!」
「そうはいきません。そういうお話ですから」
それを聞いて、ユウキの中で何かがプッツンと切れました。
多分堪忍袋でしょう。
「だから返せって言ってるだろ!」
「きゃあ! 何するの!? 衣装を掴まないでよ!」
「いい加減黙って引っ込めユウキ!」
フィーユが悲鳴をあげると、舞台裏からグランとグロードが乱入してきました(汗)
乱闘開始は避けられません(滝汗)
「黙れ弱腰!」
「劇をメチャクチャにする気か貴様は!」
ユウキとグランは犬猿の仲。ケンカです(駄)
「だからいい加減オレのピントレンズ返せっ!」
それでもユウキは衣装を掴んだままピントレンズ返せと五月蝿いです。
「きゃああっ! やめてっ! 衣装が!」
「いい加減にしろ欲張りウソツキ野郎! 衣装破れるだろうが!」
フィーユは2度目の悲鳴をあげ、グロードはユウキを怒鳴ります。
しかし、結局乱闘はおさまらず、客は全員帰ってしまいました(駄)

そして、途中まで上手くいっていた劇は、残念ながら失敗してしまいましたとさ。めでたしめでたし(蹴)
「めでたくなーいっ! この駄目筆者覚悟しろ!(byグラン)」
「元はといえばそのナレーション自体なってないのよ!(byフィーユ)」
「こらー。何をするー。やめろー。放せー! ボクは天下無敵(違)の作者Rだぞー」

     なんだかワケ分かんないけどEND(ぇ)
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リクト #3☆2005.01/04(火)18:26
迷いのお嬢様

「さて、今日の修行はこれまで…っと」
グランはつい先程までポケモンの修行をしていた。
ここは森の中。かなり深い。
グランはこの森では迷わない。何度も入っているので、構造を覚えていたのだ。
「さて、帰ろうかな…」

グランが、自分の住んでいる町では見かけた事がない人物を見かけたのは、暫く歩いてからだった。
森を移動するのには不便そうな格好をしている。
見た感じ金持ちそうだ。
「あのー、こんな所で何を…」
グランが声をかける。
「きゃああっ! 怪しい人ですわ!」
「誰が怪しい人だ! ボクはごく普通のポケモントレーナーだ!」
いきなり悲鳴をあげられたグランは、憤慨して言った。
「あたくしを連れ去ろうなんて、そうはさせませんわ! 行きなさい、マリルリ!」
「リルーッ!」
マリルリのハイドロポンプだ。
「フーディン。『サイコキネシス』だ」
「フ――ッ!」
グランのフーディンは鍛え方が凄いので、サイコパワーもかなり強力である。
「あっ、マリルリ!」
「さあ、答えてもらおーか。何でいきなりボクに攻撃を仕掛けてきたのかを」
「仕方ありませんわね。気乗りしませんが、教えてもよろしいですわよ」
その言い方にグランはムカッときたが、ここは我慢。
「実はあたくし、この森に入って道に迷ったのですわ」
「へえ。それで?」
「それだけですわ」
「ふーん。あっそー」
グランの返事は適当である。
「なんですの、この言い方。普通は『それは大変ですね』とか言うモノでしょう」
「いや、ボクからすればバカバカしくて」
「な、なんですってぇ!?」
「ボクはこの森を知り尽くしている。だからさ」
「それなら話が早いですわね。あたくしをこの森の出口まで誘導しなさい」
グランは、そうだなーと言って続けた。
「命令口調が気に入らないんだよねー。人に何かを頼む態度じゃない」
金持ちそうな女性は、暫く考えていたが、
「…お願いしますわ。是非あたくしを森の外に…」
「オッケー。で、アンタの名前は?」
「あたくしはセリルと申しますわ」

「そういえば、あなたの名前をまだ聞いていませんでしたわね」
「え、言ってなかったっけ? ボクはグランっていうんだ」
「グランさんですわね。ところで…」
「え?」
「もう少しゆっくり歩いていただけませんこと?」
セリルが注文をつける。
グランは「はぁ?」と言って、
「これでもゆっくりだけど?」
「そんな歩き方は出来ませんわ。お上品に歩きませんと」
「あのな。ボクはどっかの有名な家のぼっちゃんじゃないんだからさ…」
グランは頭を抱えて言った。

暫く歩くと、分かれ道に差し掛かった。
「ちょっと待ってくださいません?」
「今度は何だよ」
「疲れましたわ」
「ええ〜!? まだ30分しか歩いてないんだぞ!?」
グランが驚いて言った。
「あたくしの移動手段は、常に車か馬車ですわ」
「はぁ… しゃーないな」
グランはしゃがんで言った。
「…ほら、乗れよ」
セリルは呆気にとられている。
「…疲れてんだろ。ボクが運んでやる」

グランは、疲れたと言ったセリルを背負って歩き出す。
「あの、さっきは申し訳ございません…」
「え、何の事?」
「会った時、いきなり叫んで…」
「そりゃビックリするって…」
グランが言った。
「あの、グランさんは、好きな人とか、いるんですの?」
「…いきなりそういう事聞かれると、ちょっと答えづらいけど…まぁ、いるかな。でも、何でいきなりそんな質問を?」
「い、いえ。何でもありませんわ…」
「あっそ。それならそれでいいけど。…あー、しんどー…」

「さあ、ここが森の出口だ。…ボクはこれで」
そう言うと、グランは走り去っていった。
セリルは、少しあたりを見回すと、
「隠れていないで出て来たらどうです?」
とだけ言った。
「やっぱ気付かれていたか。…久しぶりだな」
「誰が隠れているのかは把握出来ませんでしたが… まさかあなただったとは驚きですね。…グロードさん」
「覚えててくれたか。…そりゃ、『ポケモンコンテスト』で戦った者同士だしな」
グロードが言った。
「…もう1度聞いておきますが…コンテスト界に戻る気は無いのですか?」
「…オレは、あの敗北以来コンテストからは身を引いた。今はポケモンバトルに思い切り熱中出来る」
「たった一度の敗北で…何故諦めるのです?」
逆にセリルが聞いた。
「オレはコンテストの『たくましさ部門』では今まで負けなしだった。…あの時が来るまではな。そしてあの日、大敗をきっかけにオレはコンテストをやめた」
「…あのまま続けていれば、今頃はさらに強くなっているハズですが?」
「だからと言って、オレはもう『コンテスト』には未練は無い。今は仲間と共に、ポケモンバトルを極めるためにまだ修行中だ」
グロードの表情には、彼の言葉通り未練は感じられない。
「そう…ですか。あなたは戻れと言われて簡単に戻ると言う性格ではありませんものね…」
「その通り。よく分かっているじゃねーか」
「ですがこれだけは言っておきますわ。あたくしはあなたに憧れていましたわ。…あらゆる意味で」
「…そりゃ、どうも」
「では、あたくしはこれで…また何処かで会う事になるかもしれませんわね…」
セリルは、そのまま歩いていった。
「そう言うけど、あの日オレはアンタに負けたんだ。…彗星の如くコンテスト界に現れたアンタにな…」
グロードはポツリと呟いた。

    END
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リクト #4☆2005.01/05(水)20:53
こんなロールプレイングは成り立たない

「で、なんでボク達がこんなカッコしてるんだよ」
「仕方ないだろグラン。気付いたらここにいて、いつの間にかこんなカッコになってたんだから」
グランと呼ばれた少年は全然納得していない様子だった。
「だけどグロード。ボク達はここで一体何をすればいいんだ?」
グランが聞き、グロードと呼ばれた少年は、
「さあ? オレに聞かれても分からない。だけど、風景見た感じ、ここはロールプレイングゲームの世界観に似てるという事は言える」
グロードが言った。
「流石ですね、グロードさん。あなたはよく理解して下さっている」
突然、聞きなれない声が聞こえて来た。
「誰だ!」
グロードが辺りを見回す。
すると、グラン達の丁度真後ろに、1人の人物が。かなり綺麗な人だ。
グラン達より、少し上くらい。
「私はこの世界の案内役を言い付かっている、ミラという者です。以後、お見知り置きを…」
「とにかく、何故オレの名前を知ってる。答えろ!」
グロードが催促する。
「あの、襟首掴まないで下さい…痛いです…」
そりゃ痛いのも当然。襟首掴んで前後にガクガクさせているのだから。
「放してやれよ…敵じゃないみたいだし」
「分かりました話しますから早く放して下さいお願いします…」

「オレ達が『選ばれし者』だって?」
「そんなホラ話、誰が信じるかよ」
「信じるも信じないもあなた方の勝手ですが、その格好はどこからどう見ても勇者と戦士ですね」
言われてみれば、グランの格好は勇者そのものだし、グロードの格好も戦士そのものである。
「ところで、誰か1人足りない様な気はしていないのですか?」
ミラが言った。
「そういえば、最初からフィーユ居ないよな」
グランが言った。いかにも今気付いた様な言い方だ。
「その方は、今は魔王城に捕まっていますよ。助けに行かなくていいんですか?」
「大丈夫だろ、フィーユなら。本編でも何度かマグマ団に捕まっているんだし(第一章参照)」
グランはしれっとした顔で答えた。オイオイ、これじゃ話が成り立たないぞ。
「普通こういう時はヒロインは助けるものでは?」
ミラは不思議そうに聞いた。
「いいよ、面倒だし。フィーユの事だから、隙を見て逃げ出すだろ」
「それではこの話は成り立ちません。嫌でも助けにいってもらいます。作者命令ですから」
ミラは凛とした顔で言った。
しかし、作者命令って何だ作者命令って。
「まぁ、捕われたヒロインを助けるのはロールプレイングの定番だ。お前が行かないでどうするよ」
グロードも言う。
「全然気乗りしないんだけど…」

「で、ボク達は何処行けばいいんだ?」
グランが聞く。もっとも、答えは1つだけだが。
「魔王の城ですよ。そこしかありません」
ミラが答えた。
「ところで、そのピクシー、アンタのポケモンか?」
「はい。ちょっと無口なのがたまに傷ですが…」
言われてみれば、ピクシーは表情を変えないままただ歩いているだけである。

チャララ〜ン☆

「このBGMは、敵出現だな! でも対戦曲が野生ポケモンって…」
『あ! やせいの コラッタが とびだしてきた!』
「ってポケモンかい! スラ○ムとかじゃないのか!?」
「いや、あくまでもポケモンの物語ですから」
「勝手に出てくるな作者!」
グランが叫ぶ。
「まったく、モタモタするなよな…」
そう言ったグロードは、既にコラッタをラグラージで倒していた。
「あ、お前何時の間に!」
「勇者が出遅れてどうします…」
ミラが呆れ顔で言った。
すると、ピクシーが無言でグランに何かを差し出した。
「キ、キズぐすり…」
「この世界ではポケモンを使って戦いますから。…あ、魔王城ですよ」
「って早っ! もう着いた!?」

「で、こういう所は鍵が掛かって…ない!?」
「随分無用心ですね。何かの罠でしょうか…?」
ミラが言った。
「待っていたぞ勇者達よ」
「ってしかももう魔王が出て来てるし! 早っ! 中ボスとかいないの!?」
「しかも魔王の役がウェルかよ」
「いや、僕は結構気にいっているんだが…」
ウェルが言った。
「言われてみれば、悪役の衣装が結構似合って…」
「と、とにかく、この僕を倒さなければ奥には進めない」
ウェルが凄みをかけて言った。迫真の演技とは正にこの事。
「必殺っ! キング○ムセ○バー!」
「うわちょっと意味が違うってグラン…わああっ!」
『まおうは たおれた!』
「あー、弱かった」
グランが言った。
「あの、ポケモンを使って戦うのですが…とりあえず倒したからいいでしょうね…」
オイオイ、いいのか?

「で、いかにもここに捕まっていそうなんだよなー」
グランが言う。
「そんでもって、鍵がかかっていたり…してねーじゃん!」
続いてグロードが一人ボケツッコミ。
「入り口といい、随分無用心ですね」
ミラが続ける。
そして、扉を開ける。
「あ、いた」
「居たはないでしょ居たは。『無事だったか?』くらいな事言えないの?」
「ボクはロールプレイングゲーム滅多にやらないんだよ」
いや、ポケモンだって立派なロールプレイングなのだが。
「こういう系のゲームはね、助けた後に勇者はヒロインを抱きしめるとかくらいの事をするモノなのよ、分かる?」
「ってフィーユ、ロールプレイング詳しかったんだ」
「自慢じゃないけど、1日でクリアしたモノは数知れずなの」
「って、この話ってもはやロールプレイングの原型とどめてないぞ?」
グロードがツッコミを入れた。
確かにロールプレイングの原型はとどめていませんが何か?(爆)
「それ以前に私の出番少ないじゃない。どうなってるのよ作者!?」
「どうもこうもありませんな(滅)」

     END
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リクト #5☆2005.01/05(水)21:31
仕えるべき者の元へ

オレの名前はリク。伝説のポケモンでの戦いを得意とするポケモントレーナー。
オレのポケモン、ミュウツーは、オレに何も言わずにある日突然姿を消した。
そしてミュウツーが戻って来たとき、新たな仲間とめぐり合う事になる。
その時の様子を、今から話そう。

「ようやく…呪縛から解き放たれたか」
この地は、ナナシマのとある洞窟。
「確か私は…闇に操られて…闇と共に…」
記憶を辿りながら呟く。
「そして私を解き放った者は…この地を離れたか」

「…こうしてはいられない。早く戻らなくては… 『リク』の元に…」
そう呟いた者の正体は、ポケモン。
最強との呼び名も高い、ミュウツー。
彼が『リク』と出会ったのは、9年前。
それまで人を信じなかったミュウツーだが、何故か彼は信用する気になれた。
理由としては、自分自身を他のポケモンと変わらないくらいに接してくれたからだろう。
幻だとか、伝説だからなんて特別扱いはしないトレーナー。
彼の手持ちは9年前と比べて随分変わったが、このミュウツーだけは変えようとしなかった。
おそらく『リク』とミュウツーとの間には思い出が沢山あったのだろう。
しかし、数週間前、ミュウツーは突然『リク』の前から姿を消した。
ただ、ミュウツーは特訓の為に2日ほど留守にする事はたまにあっても、数週間もの間『リク』の元は離れていない。
理由としてあげられるのは1つ。例の闇に操られていたからだった。
そして現在、闇から逃れ、トレーナーの元に帰ろうとしている所だったのだ。

「こんなに長い期間、リクの元を離れていたのは初めてだ…早く帰って安心させてやらねば」
ミュウツーは、この9年の間リクの手持ちとして過ごすうち、リクと出会う前まで無くしていた「思いやる心」を手に入れていた。
大事な事を教えてくれたトレーナーなのだ。
まぁ、こんなに長い期間トレーナーの元を離れていたのだから、恐らくお叱りを受けるだろうと思いつつも、出発。
海上を飛んでいると、突然、高速移動中の物体だか生物だか分からないものが通り過ぎていった。
それはミュウツーを追い越したかと思うと、今度はミュウツーに向かって戻ってきたのだ。
これにはミュウツーも戦闘態勢に入らざるを得無い。攻撃の準備に入る。
そしてミュウツーが『シャドーボール』を放とうとした時、
「きゃああっ! ストップストップ!」
突然急ブレーキをかけた。
目の前でいきなり大声を出されたので、シャドーボール発動停止。
「いきなり大声を出すな。何者だお前は!?」
ミュウツーは未だ戦闘態勢を崩していない。
「見て分かりません?」
「分からん」
ミュウツーが斬り返すと、攻撃されそうになった生物は一瞬寂しそうな顔をしたが、すぐに笑顔になって、
「あ、私、ラティアスです。名前は聞いた事あります?」
「知らん。私が知っているのはカントー地方とジョウト地方のポケモンと、ホウエン地方の一部のポケモンだけだ」
「うーん、見れば見るほどそんな感じ」
ラティアスが言う。
「ちょっと待て。それはどういう意味で言ってる」
ミュウツーはムッとして言った。
「想像に任せますよ。ところで、1つ聞きたい事があって追いかけてきたんですけど…」
「手短にしろ。私は急いでいる」
「私の兄様、知りませんか?」
いきなりそんな事聞かれたって分かるワケがないだろ、コイツめ。
「えっと、特徴は…私の体の赤い部分が、青いって事ですね。名前はラティオス。見ればすぐ分かるんですけど」
「知らんな。その様なポケモンは見た記憶が無い」
ミュウツーはそのままカントー本土に向かおうとした。
「ところで、あなたは何故そんなに急いでるんですか?」
「トレーナーの所に戻る所だ。だからお前にかまっている暇は無い」
「もしかしたら…そのトレーナーさんの所に私の兄様が居るかも知れない」
ラティアスが呟く。
「そんなワケあるか。第一何故そう言える」
「私達兄妹は、仕えるべきトレーナーを求めて、別々に各地を移動しているんです」
「…だからといって、リクの所に居るとは思えんが」
「へぇ…あなたのトレーナーさんって『リク』って名前なんですか〜」
「しまった、つい口が滑った」
ミュウツーは焦ってそのまま猛スピードでカントー本土へ向かう。

「こ、ここまで来れば…追いかけてこないだろう…」
ミュウツーは全速力で飛行し、カントー本土に到着。リクが住む小さな町へと戻って来た。
しかし、安心したのはここまで。
「つっかまえたぁーっ♪」
無邪気な声。まさかとは思ったが…
「待ち伏せ作戦、大成功〜♪」
やっぱり。
「お、お前っ…どうしてここに…」
困惑した表情でミュウツーが聞く。
「テレポートで来たんですよ。そして位置の特定は、あなたのサイコパワーで」
確かにミュウツーのサイコパワーは強大なので、敏感なエスパーポケモンにはすぐ気付かれる。
ミュウツーは、しまったと思った。
その時、
「ミュウツー! 戻ってきたのか!」
聞き覚えのある声だ。
「…リク!」
ミュウツーのトレーナー、リクだ。
「お前、何処に行ってたんだよ。オレのパーティ全体も心配してたんたぜ」
「すまない。事情は後でじっくり話す。その前に…」
ミュウツーはラティアスの方を見た。
「あれ? ラティアスじゃん。何でお前がコイツと一緒に?」
「いや、実はかくかくしかじかで…」
「丁度いいや。出て来いよ、ラティオス」
「!?」
ラティアスの予想が当たった。ラティオスはリクの所にいたのだった。
「に、兄様…?」
「ラティアス…?」
「へえ。面白い事ってあるもんだな。兄妹揃ってオレの所に来るなんてさ。な、ミュウツー」
「…嫌な予感がするのは私だけか」

結局、ラティアスの事もリクが面倒を見る事になり、ミュウツーは嫌でもラティアスと一緒にいる事になった。
「…まったく。何故こんな事になるのだ、リク」
「まぁ、そう言うなよミュウツー。仲間が増えてよかったじゃん」
相変わらず呑気なリクは、その後にこう付け加えた。
「えーと、バシャーモとキュウコンはもうCP成立してるし…お前、ラティアスと結構いいCPになるかも知れないぜ?」
そういえば、闇に操られたミュウツーと戦い、解き放ったグランとフィーユとかいうトレーナーのバシャーモとキュウコンも、CP成立してるっぽい雰囲気だった。
バシャーモとキュウコンでは、いつでもどこでも惹かれあうのだろうか。
リクもバシャーモとキュウコンを持っているのだが、あの2人のバシャーモとキュウコンとほぼ同じ状況である。
「何をワケの分からん事を言っている、リク。私は…」
「オレには分かるぜ。お前、微妙にあのラティアスに惹かれてるだろ」
「…リ、リク。何を根拠にそういう事を…」
ミュウツーが聞き返すと、リクが言う。
「さっきからお前の行動を見てたら、無意識にラティアスを目で追ってる。すぐ分かるさ」
ミュウツーは何も言わない。
しかしそう言われてみれば、やはり無意識のうちに、ミュウツーはラティアスを目で追っていたのは事実。
これ以上言うと、またリクにごちゃごちゃ言われそうなので、この辺で撤収する事にした。
「よーし、ラティアス。そろそろ休憩。次、ミュウツーとラティオス、練習バトル開始」

「で、やっぱりラティアス。お前もミュウツーに惹かれてるんだな」
執拗なるリクの尋問攻撃開始。
「やっぱり…というと?」
無邪気な目をしてラティアスが聞く。
「自分で考えな。ほら、2匹のバトル見て、戦い方しっかり勉強しとけよ」
「あ、はい」
そう言ったラティアスは、終始ミュウツーの方に視線釘付けだった。
その態度なら誰だってミュウツーに惹かれていると分かるだろう。
その様子を見て、リクが何かを書いている。
「えーと、これがこうなって…と」
「何書いてるんですか?」
ラティアスが聞く。
「題して…『ポケモンカップリング全集』だ。ハッハッハッ!」
リクは怪しげな笑いをする。
ラティアスは呆れてモノも言えず、再びミュウツーに視線を戻した。
…実は、グランとフィーユ等のキャラを影でいい様に操っているのがこのリクである。
理由は簡単。彼が、そのキャラ達が登場するある物語の作者そのものなのだから。

             END
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リクト #6☆2005.01/06(木)14:52
思い出す過去

その日は、雲1つ無い晴天だった。
それ程大きくはないが、とてものどかな町。
その町の外れには、小高い丘がある。
その丘の頂上には、一匹のポケモンがいた。
『こんないいお天気の日は、外でお昼寝が一番ですね〜』
キュウコンが気持ち良さそうにしていた。
で、その側では騒がしい状態になっている。というのも、
「バシャーモ! 『かえんほうしゃ』だ!」
「ジュカイン! よけて!」
グランとフィーユがポケモンバトルの練習試合をしていたからだった。
『うるさいですね〜。もう少し静かにして下さいよ〜』
だが、グランとフィーユにはキュウコンが何を言っているのか分からないし、仮に彼らがポケモンの言葉が分かるとしても、バトルに夢中で聞こえていなかっただろう。
キュウコンは、早くバトルが終わる事を祈っていた。
「ジュカイン! 『つばめがえし』よ!」
あっという間に、フィーユのジュカインが、グランのバシャーモに攻撃を当てていた。

「やった! 今回は私の勝ち!」
2年かかって初めてグランに勝ったフィーユが言う。
「お前この2年間で随分強くなったじゃん。油断してたボクがバカだった」
「油断大敵よ。さ、もう一勝負!」
「オッケー! 今度は負けないぜ。バシャーモ。お前は暫く休んでろな」

バシャーモは、いかにも眠そうなそして不満そうな顔をして丘に登ってきた。
『こっぴどくやられちゃいましたね、バシャーモさん』
キュウコンがいたずらっぽく言った。
『油断していただけだ。そもそもオレがやられたのは偶然だっただけであって…』
そしてそこから、言い訳になっていない言い訳がくどくどと続く。
この2年で、冷静だったバシャーモは一転。キュウコンの存在がある為か、かなりの意地っ張りになっている。
まぁ、キュウコンがバシャーモの側にいない時は冷静なのだが。
で、一方のグランとフィーユはというと、グラードンとカイオーガを戦わせていた。
グラードンとカイオーガといえば、ホウエンの伝説に残る超古代ポケモン。
特性が対になっているので、雨がザーザー降ったり天気がカラッと晴れになったりの繰り返し。
バシャーモは最初の数秒は興味無さげに見ていたが、出ているポケモンを見るとすぐに表情一変。
『ってお前ら! こんなトコでグラードンとカイオーガを戦わせるんじゃねえ!』
バシャーモがポケモン語で叫ぶ。だが、やっぱりグランとフィーユには分からない。
『言っても無駄か…』
それから暫く、2匹は黙っていた。
そりゃそうでしょう。だってお互い、言う事が見つからないんですから。…残念!(誰)
先に口を開いたのは、バシャーモの方だった。
『ところで1つ聞くが…』
『はい?』
『オレ達と出会う前…お前はどうしていたんだ』
それを聞かれて、急にキュウコンの表情が曇った。
『私が皆さんにあったのは…地割れが起こった時でしたね、確か』
『確かそうだった』
『私は、その近くに住処があって、そこに住んでいたんです。父と母と一緒に』
キュウコンは、そこで一旦言葉を切った。声を低くして続ける。
『でも、あの地割れの影響で住処が無くなり、さらには私の両親まで地割れの犠牲に…』
『…悪い。オレ、お前の事何も知らずに、辛い記憶引き出す様な事聞いちまって』
『いえ、いいんです。…ちょっと、ごめんなさい…」
そう言うと、キュウコンは少し離れた所に走っていった。
――アイツは、精神的にオレより相当大人だ…
ロコンの時は、子供っぽく見えていたが、それは辛い記憶を紛らわすためのモノだったのだ。

『…落ち着いたか?』
『はい。…なんとか』
そうは言っているものの、キュウコンはまだ少し涙目だった。
『…オレは、両親がどんな感じだったかすら知らない。元々初心者用ポケモンだからな。オレだって、本当は両親と共に過ごしたかったが…』
『…じゃあ、両親と共に過ごせただけ、私は幸せ者ですね…』
『だがな、今、オレは寂しくも何とも無い。何故なら…』
『何故なら…なんですか?』
『いや、いい。…言わないでおく』
バシャーモの答えに、キュウコンは不満そうだ。
『えー? 教えてくれてもいいじゃないですか!』
『五月蝿い。そんなにくっつくな』

――何故って? …オレには、大切な仲間がいるからだ。
最初オレは、あのキュウコン鬱陶しいと思っていたが…前言撤回、だな。
今はもっと、こう…別の感情がある。…そう。あそこでポケモンバトルをしている、2人のトレーナーがお互いがお互いに対して抱いている様な。

「よーし。今度はボクの勝ちだ!」
声のする方では、グランのフーディンがフィーユのサーナイトとのエスパー対決を制していた。
「まだまだ! もう1度勝負よ!」
ポケモン達の方はシリアスムードなのに、彼らはテンションが高い。
彼らは、バトルの時はハイテンションになるのだ。間違いない(誰)

         END
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リクト #7☆2005.01/06(木)17:19
強きを欺き弱きを救う

時は江戸。
世間では今、闇の盗人が人々を騒がせていた。
その人物の名は、レイト。
ブラッキーを連れ、夜の闇を駆け抜ける。
しかし、貧しい人々には優しく、盗んだ金や財宝を分け与えているのである。
だが、お役人様達から見れば、悩みの種である。

「ちっ。また出やがったか…」
一人の人物が、またもやレイト出現の瓦版を見て言った。
「親分。早く何とかしないとマズイですぜ」
「そんな事は分かっている、グロード。今考えている所だ」
「でもよ、何でオレ達こんな事してんだ? グラン」
一人が言うと、グロードと呼ばれた人物が答えた。
「仕方ね―よ。時代劇村で体験しているんだから。…あのヤロー、神出鬼没だからやりにくい」
グランと呼ばれた親分という役柄になっている少年が言った。

そんな彼らを、裏通りから見ている人物がいた。
「オレは簡単には捕まらんぜ。…親分さんよォ…」
傍らにいるブラッキーの頭を撫でながら言った。

「も、申し上げます、御奉行様。再び闇の盗人が姿を表しました」
「ええい、何をしておるのだ、役人どもは!」
「も、申し訳御座いませ…ってユウキ! なんでお前が奉行役なんだよ!」
「ム、奉行にたてつくつもりか」
「ぐ…」
グランはどうも気に入らない。いくらアトラクションでも、コイツの部下にだけはなりたくないのだ。
「とにかく、全力をあげて捕らえよ」

「…ったく、なんで奉行役がユウキなんだよ」
「仕方ねーよ。配役決めたのはこのアトラクションの係員なんだしよ」
グランが憤慨し、グロードが諦めたように言った。
「運が悪いと思って諦めるしか無いようね」
「フィーユまでそう言う…」
フィーユと呼ばれた少女は、聞こえないふりをした。
「まぁ、アトラクションが終わるまでの我慢よ。はい」
「で、何で江戸時代なのにジュース出てくるんだよ」
グランがすかさずツッコミを入れた。
「ここは現代よ。アトラクションの中だけ江戸時代なの」
「そんなモンかねー…」

その夜。ところ変わって、ここは御偉い方のお屋敷。
この屋敷の天井裏に、レイトが居た。
「見つけたぜ。…悪徳役人」
レイトが呟くと、ブラッキーも頷く。
一方、レイトの真下では…
「お役人様。こちらがお約束の品でございます」
「ほほう。…越後屋。そちも中々の悪よのう…」
「いえいえ、お役人様程では」
そして2人は、愉快そうに笑う。
そして、レイトが行動を起こした。小声で技名を囁く。
「ブラッキー。『あやしいひかり』だ」
ブラッキーが下の部屋に向かって光を発する。
そして役人達の目が眩んでるその隙に下に飛び降り、貢物をサッと回収した。
「おのれ、何奴!」
「密談とは感心しねーな、悪徳御役人さんよォ」
「貴様、闇の盗人!」
「ここの警備は薄すぎる。誰でも盗みに入れるぜ。この事を教訓にしとくんだな。あばよ!」
レイトは再び、俊敏な動きで天井裏に消えた。
「ええい、曲者だ! であえ、であえぃ!」
役人が叫ぶ。

闇夜の町に連なる家々。
その屋根の上を、レイトは自慢の俊敏な動きで疾走していた。
「…追手か」
「待て! 大人しく捕まれ!」
追ってきたのは、グランとグロード。
「今日こそ逃がさない!」
「無駄だ。お前じゃオレは捕まえられない」
レイトは、さらにスピードを上げた。
「逃がすか! 行け、バシャーモ! 『でんこうせっか』だ!」
「バシャッ!」
バシャーモはレイトの前に立ちはだかった。
後ろからはグラン達が追ってくる。
レイトはフッと笑い、
「これでオレを追い詰めたと思うのは、大間違いだ!」

ボンッ!

「しまった! 煙球か!」
「あばよ、親分さん。今度はもーちっとマシな追いかけ方しろよ」
気付いた時には、レイトは既に上空にいた。ヤミカラスで飛んでいた。
「くそー。逃げられた」
「随分腕利きの奴だ…」

そして次の日。
貧しい人の家の前には、役人の屋敷から奪ってきた物と、一枚の紙が置かれていた。
その紙には、こう書いてあった。

『強きを欺き弱きを救う。闇の盗人・レイト参上』と。

     END
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リクト #8☆2005.01/07(金)18:06
人気番組・ドラゴニックラジオ

「はーい皆さん、お待たせしましたっ! ドラゴニックラジオの時間でーすっ!」
収録されたラジオ放送が始まる時間だ。
「パーソナリティは毎度お馴染み、アリアでーすっ! 早速今週のゲストさんを紹介しちゃいましょう! ハクリュー! 連れて来て」
『どうぞ。こちらです』
喋るハクリューとは珍しい。
「はい。今日のゲストは、ポケモンリーグの優勝者、グランさんでーす! こんばんは!」
「こんばんは。宜しく」
…何故グランがラジオに出ているのかという質問は控えていただきたい。話すと長くなるので省略する(蹴)
「で、本題に入る前に、ボクの方から聞きたい事が」
「はい! なんでしょう?」
「そのハクリュー、何で喋れるんです?」
「うちのハクリューは知能が高いからでーす!」
『わたしの知能を甘くみないで下さいねー』
「あ、そーっすか…」
あっさり納得したグラン。普通なら不思議がるのだが。
「さて、今日の内容第一弾ですが、グランさんの強さの秘訣とは?」
「とにかく日々の鍛錬を怠らない事、かな」
「では、いつもどの様な練習を?」
「仲間と一緒に練習してるんです。戦いがいがありますね」
「そのお仲間さんは、物凄い美少女だと聞きましたが?」
「あのー、何だか話の趣旨ズレてる気がするんですけど」
「そうですねー。ごめんなさーい」

「では、最初に普通のお便り、略して『ふつおた』のコーナーです」
「なんだかありがちだな…」
「では、まず最初のお便りから。ヤマブキシティの、ラジオネーム、テルさんから頂きましたー」
そして、アリアは手紙を読み上げる。
「アリアさん、そしてゲストのグランさん、こんばんは。はーい、こんばんはー」
「どうもー。こんばんはー」
「グランさんに質問なのですが、彼女とかいるんですかー?」

ドガッ!(テーブルに頭ぶつけた←汗)

「しょ、しょっぱなから恋の話かよオイ」
「うちは恋の話はとっても大好きなので」
「パーソナリティの都合かよオイ!」
完全ツッコミ役に転じているグラン。
「では、お答えをー」
「…いるとしておこうか」
「で、お相手は? 例の美少女なお仲間さんですか?」
「…」
これ以上突っ込まれたくないのでグランは黙っている事にした。
『黙ってるって事は、図星って事ですねー』

「では続いてのお便り。ワカバタウンの本名希望、ゴールドさんから」
「なんか、どっかで聞いた事ある名前だな」
「では、内容に。グランさんに質問です。グランさんには彼女がいると聞きましたが、当の彼女はグランさんの事好きなんですか?」

どがべしゃっ!(椅子が倒れた←滝汗)

「こ、このパーソナリティめ… 2発目も恋の話かよ」
「さあ、お答えをどうぞー!」
「好き…なんじゃないかなー」
「それ、ビッグチャンスじゃないですか!」
「はい? 何の?」
「鈍感な人には分かりませんよ♪」
「はいはい。どーせボクは鈍感ですよエエ、ハイ」
『確かに見た目鈍感そうですねー』

「さて、15分って短いですねー。そろそろお別れのお時間になってしまいましたー」
「ってコレ15分番組だったのかよ!」
「パーソナリティは、うち、アリアと、ゲストの」
「グランでしたー…」
「ではまた来週。さよならー!」
『グランさん、始終顔が赤かったですねー』
最後にハクリューツッコミ。絶妙なタイミングである。

放送終了後…
グランの部屋の電話がなっている。
「はーい…」
グランが不機嫌に電話に出る。
「もしもし。私」
「…フィーユか」
「今の放送聞いたよ。もう笑いっぱなし」
「笑えるモンなのかねー、それ」
「笑えたわ。特にハクリューの突っ込みで」
「…突っ込まれたボクはえらいメイワクだったよ…」
グランが言った。
「私、あまりラジオ聞かなかったけど、あの番組は面白いわね。来週が楽しみだわ」
「あ、そうなんだ。…は、はは…」
「ところで、最初のお便りの時の質問、あれなんで正直に言わなかったの?」
「いや、言い難いし」
グランが言うと、
「何言ってるのよ。全然恥ずかしい事じゃないじゃない」
「…そんなモンかねー。ボクには分からない。じゃな」
グランは呟き、静かに受話器を置いた。

       END
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リクト #9☆2005.01/07(金)18:22
師匠の気持ちは無駄にしない

あ、私はマリンといいます。
ごく普通のポケモントレーナーです。
つい最近、師匠の所から一人立ちしました…まだちょっと不安な所あるんですけど。
このチルタリスと一緒に、頑張っていきたいんです。

師匠のところから一人立ちしたと言いましたが、弟子入りするまでが大変だったんです。
私の師匠、グランさんっていうんですけど、「弟子にして下さい!」と単刀直入に言ったら、こう言われたんです。
「ボクは弟子なんかとらないし、とれる程実力も無い。まだ修行中の身だから」って。
それでも私は諦めなかったんです。弟子にしてもらうまでは。
まぁいきなり「弟子にして下さい」なんて言った私も悪いって思えば悪いんですけど。
それと、その時グランさんの隣にいた女の人から、こう言われたんです。
「グランに弟子入りしたい…? 生半可な気持ちではグランには付いていけないわよ」
「それ、ボクの実力を評価してるのか、けなしているのか分からないよフィーユ…」
あの人、フィーユさんっていうんだ…凄く綺麗な人だなぁ…と、妙な事に納得。
その時のお2人は大体20歳前後。
すると、不意にグランさんが口を開きました。
「何故ボクに弟子入りしたいと言う。他に適任者はたくさんいるだろう?」
言われてみればもっともな質問でした。私はこう返したんです。
「ポケモンリーグで優勝経験がある人に弟子入りすれば、きっと私も強くなれると…」
そこまで言って、私より10センチ以上背が高いグランさんが、
「甘いッ!」
といきなり怒鳴ったんです。
私はびっくりして思わず引いてしまいました。
「ボクがポケモンリーグで優勝したからボクに弟子入りしたい…? そんな考えは捨てた方がいい。ボクより強いトレーナーはこの世界に数えられない程いるんだぞ!?」
その言葉に、私は気が付きました。肩書きだけで決めてはいけないんだ、って。
「そう、ですね… 私が間違ってました。すみません、呼び止めて」
私はグランさんとフィーユさんに背を向け、歩き出しました。
「待て」
急にグランさんが声をあげました。
「何か…?」
私は僅かな期待を胸に振り向きました。

ドサッ!

「えっ…?」
何かが倒れる音が聞こえ、今度はその方向に体を向けました。
そこには、スリーパーが倒れていました。
そして、グランさんのの隣には、いつの間にかバシャーモが。
「さっきから気配を感じていた。お前の事を狙っていたようだな」
「え、あ…ありがとうございました」
「…お前、名前は?」
「あ、マリンです」
「…ちょっと待ってろ」
グランさんは突然そう言ったかと思うと、何かを取り出しました。
「…ボクが使っていた、トレーナーグローブだ。お前にやるよ」
「え、どうして私に?」
「人に対してしっかり礼儀正しくしたりする人が、ボクは好みだからだ。…ボクの特訓は厳しいから覚悟しておけ」
「は、はい! 宜しくお願いします、師匠!」

そして、グランさんの弟子としての日々が始まりました。
私のチルタリスを、色々な方法で鍛えてくれて、同時に私のトレーナー精神も鍛えてくれました。
そしてグランさんと一緒にいた女性…フィーユさんは、ポケモンと接するコツ等を教えてくれたんです。
ご本人に直接聞いたのですが、お二人、結婚してたんですね。
しかも20歳の若さで…
一度、お2人のお友達のグロードさんという方が来て、お2人を茶化してましたね。
聞けば、3人は5年前からの友人同士だとか。友情って凄いんですね…

そして、現在…
弟子入りした時15歳だった私。あの時のグランさん達と同じ年齢になった私は…
「師匠! 勝負してください!」
「いいわよ。私に勝てるかしら?」
「負けるつもりで挑む人はいません、師匠」
それはもっともな意見。
あの時グランさんの弟子であった私が、こんどはまた次の世代のトレーナーの師匠に。
若い世代のトレーナーにとってプラスになれば、私は嬉しい。
「チルタリス! ゴッドバード!」
私は、パートナーポケモンと共に、弟子として、そして、師匠としての道を歩んでいる…

その影から、1人の人物が影から見ていた。
「…立派になったじゃねーか、マリン…」
見ていたのは、マリンの師匠、グラン。
「ボクの元で修行をしたトレーナーが、今度は別のトレーナーの師匠か。…移り変わり、だな」

      END
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リクト #10☆2005.01/07(金)23:53
オレの真意

ん、ああ。みんなオレの事はもう知ってるよな。
え、知らない? 誰も紹介してねーのか。オレって影薄いな…
なに? レギュラーキャラだからそうでもない。ホントかねー…

まぁ、いいや。オレはグロード。
カントー地方、ヤマブキシティの人間なんだが…ワケあって町を出た。ある意味、『捨てた』と言っても過言ではない。
その理由…か。話したくはないんだが…

ナナシマでミュウツーを撃破した後、オレは仲間と別れ、とりあえず故郷に戻った。
今になって思えば、オレがいなくなって、グランとフィーユを後押し出来ない状況になったが…
ま、さしずめオレはあの2人の恋の影の立役者ってトコロさ。
…おっと、話がズレたな。
で、だ。オレがヤマブキに戻った時。その様子は…

「久しぶりだな、ヤマブキも」
グロードは町に入ると、思わず声をあげた。
すると、
「あ、金持ちのボンボン野郎だ!」
グロードは心の中で舌打ちした。これだから戻るのはあまり気乗りしなかったのだ。
「なんで戻ってきたんだよー」
「別に戻ってこなくったっていいのにー」
やっぱりこれだ。グロードは予想していた事とはいえ、気が滅入った。
これはさっさと撤収したほうがよさそうだ。

「…ただいま」
グロードは家のドアを開けた。相当な豪邸である。
「おぉ、グロードか。…しばらく見ないうちに、どこか逞しくなったな」
「さあね。気のせいだよ親父」
グロードは適当に答えた後、足早に自分の部屋に行く。
部屋は、グロードが旅立った時と、全く同じのままだった。
「…相変わらず散らかってんな…」
部屋を見回して言う。整理するのはあまり得意ではないので、床や机は散らかり放題。
「…はぁ」
グロードは、とりあえず机の上のコンピュータを起動する。
彼は家に居る時は、常にコンピュータの電源は入れっぱなしなのだ。
「…メールか」
グロードは、メール着信を知らせるアイコンを見て呟いた。
着信していたのは一通。家を空けていた期間は約3〜4ヶ月。
「…誰からだろ」
グロードはメールを開く。
「…ライナ、か」
着信したのは、グロードが戻って来る直前だった。
「不思議だ。…まるでオレが戻ってくるのを予感していたみたいだ」

メールの内容は、すぐ来てほしいというモノだった。
理由は分からないが、無断ですっぽかすワケにはいかない。
「あ、先輩!」
1人の少女がグロードのもとへ駆け寄って来た。歳はグロードより1つか2つ下くらい。
「…何度も言うが、その『先輩』って呼び方は止めてほしいんだが…」
「いやです。止めません。あなたは、あたしにとって『先輩』と言えるただ1人の方なんですから」
「…オレをそう呼ぶ理由はよく分からんが…」
グロードは腕組みして言った。
「それは簡単ですよ。理由はあたしが先輩の事を…」
そこまで言って、ライナはしまったといった表情をした。顔が赤い。
「…それ以上言わなくてもその後の言葉は大体予想がつく。それがオレって奴だ」
当然だ。今の今までグランとフィーユを見てきたのだから、そういう事にはことさら敏感なのだ。
今に始まった事ではない。多分生まれつきだ。
「…お前だけだな。この町の若手の中でオレの事を嫌わないでいてくれるのは」
グロードは、自分の家柄からか、町の子供達からは嫌われている。
大人からは、結構頼りにはされているのだが。
「…だけど、オレが嫌われているのには変わりは無いのは紛れも無い事実。居心地が悪い」
「そんな! 誤解です! みんなだって、話せばきっと分かってくれます!」
「…本当に、オレの居場所はこの町なんだろうか…?」
突然のグロードの言葉に、ライナの表情は一変。
「突然…何を言い出すんですか?」
「言った通りの意味だ。オレはいつか、この町を…」
「そんなの…そんなの、絶対にイヤです!」
グロードは、一瞬何が起こったのか把握出来なかった。ライナが抱きついていた。
「先輩がいなくなったら…あたしは、誰を頼ればいいんですか!? 誰の助けを得ればいいんですか!?」
「…」
グロードは答えなかった。正確には、答えられなかった。
「オレから言える事は何も無いが…これだけは言っておく」
その言葉に、ライナは顔を上げた。
「…オレに頼ってばかりいるな。自分の意思で行動する事を覚えろ」

「オレはしばらくこの町で過ごす。そして、2年経ったら、町を出るか、町に残るかを決める」
「…はい」
不安そうな顔をするライナに、グロードは、
「そう沈んだ顔するな。いつも笑顔。それがお前のポリシーなんだろ?」
「…」

2年後…
「本当に行くんですか?」
「ああ。もう決めた事だからな」
「次は…いつ会えますか?」
ライナが聞くと、グロードはそうだなと呟いてから少し考えて、
「お前が、一回り二回り成長した時、かな」
グロードは、エアームドを繰り出し、飛び乗る。
「じゃな。元気で」
「…先輩も」

エアームドは、大きく広がる空を行く。
「オレが町を出た本当の理由、アイツに話した通りだけど、コレもあるんだよな…」
グロードは呟くと、封筒を手に取った。
そこには、宛名と差出人が書いてあった。
宛名には、グロードの名前が。そして差出人欄にはこう書かれていた。
『ポケモンリーグ本部』と。

     END
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リクト #11☆2005.01/08(土)16:43
ファイヤーの逆襲

ぬ。最近私の出番が少ないではないか。
せっかく私が奴を認めてやったというのに。
ここは1つ、仕置きをしてやらねば。

私はファィヤー。ともしび山に住んでいた。
ちょっとした出来事でグランとかいうトレーナーの元に行ったのだが…
最近奴は、私をすっかり忘れている。
コロシアム戦の決勝の時も、ルールに触れるからとかの理由で私を出さなかった。
そんなワケで、私の復活はまたも先送りされたというワケだ。
「復讐か。俺の心を揺さぶるいい言葉じゃねーか」
何だお前はと聞く必要は無かった。あれは確か、ホウエントレーナー、ユウキだ。
「盗み聞きとは見苦しいぞ」
私は言った。
「いやいや。俺はただ、お前の復讐とやらに協力してやろうと思ってな」
ユウキは言った。協力など必要無いのだが。
私といえど、かつての敵に協力を頼む事はない。
「まぁ、俺があの弱腰に復讐するなんてハルカが知ったら、逆に俺がやられちまうけどな」
「私は助けをかりる事はしたくない。自分自身で行う」
「そう言うな。俺がいると頼もし…」
「あっちへ行け」
私は、足でユウキを蹴っ飛ばし、とりあえずどこかに吹っ飛ばしておいた。
「なにするんだぁ―――っ!」
「うむ。今日はよく飛ぶな」

そのころグランは、フィーユと一緒に道を歩いていた。バトルの練習の帰りのようだ。
そこからしばらく行ったところに、ファイヤーが待ち伏せしている。
あたりは薄暗い。日が短くなっている。
「フッ。暗い道で私がオバケ布を被っていきなり登場すれば…」

あの小僧は、
「うわああっ!」
あの小娘は、
「きゃああっ!」

「…とこうなる。ククク…」
ファイヤーは可笑しくなって声を立てない程度に心の中で大笑いした。
ところで、ターゲットはグランなのに、フィーユを巻き込んでいる事にはファイヤーは気付いていない。
「これで私の復讐第一弾が成就されるのだワーッハッハッ!」
今回のファイヤー、やけにハイテンションである。
「さて、そろそろ来る頃か」
そう思ってファイヤーは道を見た。
「む? 来ない」
ファイヤーは、もしやと思って振り返る。
「しまった。もう追い越していたか」
ファイヤーの復讐第一弾。あえなく失敗。残念!(誰)

ぬ。完璧だと思われた私の作戦が失敗するとは。
だか、ここで諦める私ではないぞ。
既に次の作戦の案は練ってある。

「作戦第二弾。呼び出し落とし穴作戦」
ファイヤーは、スコップを持っていた。
先程まで、穴を掘っていたのだ。
羽でどうやって穴を掘れるのかという質問は控えていただきたい。
「今日は、奴があの小娘をデートに誘う日という事は調査済み。時間に来たら…」

「えーと、待ち合わせはここ…わああっ!」

「…とこうなる。フフフ…」
ファイヤー、やけに楽しそうだが。
「これで、今度こそ私の復讐が成就されるのだガーッハッハッ!」
第一弾の時よりさらにハイテンション。大丈夫かファイヤー。
「む、来たか」
しかし、来たのはグランではなく、フィーユの方だった。
「えーと、ここでいいハズね…」
しまった。あの小娘が先に来てしまっては、意味が無いではないかとファイヤーは焦った。
(これ以上進むな〜。これ以上進むな〜)
ファイヤーは心の中で、かなり切羽詰まりながら願った。
すると、向こうからはターゲットであるグランが歩いてくる。
(よし! そのままそのまま!)
「悪い。待たせたかな」
「ううん。私も今来たとこだから…」
そう言うと、ターゲットではないフィーユがグランの方に。
これは計算外。てっきりグランの方から向かうと思っていたが。
(う、こうなるとこの後の展開は…)
そして、ファイヤーの予想した通りの展開になった。
「きゃああっ!?」
やっぱり。
グランではなく、フィーユが穴に。
「フィーユ! …それにしても何でこんなトコに落とし穴が…」
グランがフィーユを引き上げながら言った。
「それは私が聞きたいわよ。誰よ、こんなイタズラするの」
「知らないよそんなの。誤解無い様に言っとくけど、少なくともボクではない。ボクがフィーユにこんな事するワケないよ」
「それは私も十分分かってる」
「さて、どうするか…」
「今日のデートは延期よ。先に真相究明しないと私、納得出来ない」
「流石にこんな事されて…ボクも黙ってるワケにはいかない。早速ボクの家で究明開始」
ファイヤーの復讐第二弾、これまた失敗。残念!(誰)

ぬ、これ以上やると怪しまれる。
さて、そろそろ潮時ではあるな…

「で、何でオレを呼ぶワケ?」
グロードが言った。
「お前がボク達の中で、情報処理能力に優れているから」
「あのさ、そういうのフィーユの専門分野じゃねーか」
「私の専門はポケモンの情報。それ以外は専門外なのよ」
フィーユが言う。
「で、実行者特定の方法だけど、これはさほど難しくない」
グロードが言った。
「なぜだ?」
「穴の近くの草むらに、スコップが落ちてた。熱反応あり」
グロードが、パソコンの画面を見ながら言った。
「へえ。で、特徴は?」
「この熱反応…おそらく、ファイヤー」
「あのヤロ…最近出番少ないからってなんつー事を」

まずい。バレた。
ここはひとまず、モンスターボールに退散するとするか。
まぁ、グランのお説教を受ける事になるのは時間の問題だが。
その後、グランがファイヤーのボールを開け、グランのお説教の後、フィーユのお説教をファイヤーが受けたのは言うまでも無い。

     END
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リクト #12☆2005.01/09(日)00:10
私立思冒学園ドタバタ記

ある日の朝。
学生服姿の少女が、全力疾走していた。
その理由は、誰がどう見ても一発で分かる理由である。
「きゃあ〜! 遅刻遅刻〜!」
…やっぱり遅刻しそうなのである。
容姿は、美人でスタイル抜群。そして成績優秀。運動神経もなかなか。
ただ1つのネックがコレ。遅刻癖。
「今日遅刻したら、連続遅刻記録が30になっちゃう〜!」
…いくらなんでも、遅刻のし過ぎだ。直しなさい(汗)
すると、通りかかった家の2階の窓の方から声が聞こえた。
「なんだフィーユ。今日も遅刻か?」
フィーユと呼ばれた少女は、ムッとして言った。
「そういうあなただって、これじゃあなたも遅刻よ、グラン!」
フィーユが言うと、グランと呼ばれた少年がふっと息を吐いた。
「へへーんだ。オレは大丈夫だもんねー」
「ところであなた、いつから『オレ』っていうようになったの?」
「ボクは好きで言ってるワケじゃないんだよ。この話では自分の事『オレ』って言えって作者のリクに脅されたんだから」
「ちょっと待てぃ! ボクはリクじゃなくてリクトだ! それに、脅したなんて人聞きの悪い」
「あ、てめ、作者! 勝手に人んチに入ってくんな! あっちいけ! 一文字くらい足りなくたって同じだ!」
「あ〜も〜! こんな事してたから完璧に遅刻よ〜!」
そのまま、フィーユは走り去っていった。
「さーて、あいつは遅刻しても、ボクは遅刻しない…っと」
「だからこの話の最中は『オレ』って言え」
「いやだね。ボクはボクだ」
「へー。じゃあ、ボクは、作者権限行使して話の内容を変えちゃおう。『グランが失恋した』って」
ナント意地の悪い作者である。誰だ(お前だ)
「…すいませんそれだけはやめて下さい何でもいう事聞きますから」
あっけなく作者リクトの勝利。しかし作者リクトよ。この後しっぺ返しを食らっても知らんぞ。

「また遅刻か」
「で、なんで担任がクロトさんなワケ…?」
教壇に立っていたのは、グランの父親のクロト。
「いやいや、作者様に、今回は教師役をやれとお達しがあってね。私は一度教師をやってみたかったんだ」
「…そーゆー問題ですか、クロトさん」
フィーユが呆れて言うと、
「やっぱり遅刻したな」
なんと、自分が通りかかった時にまだ家に居たグランが、しっかりHRに間に合っていたのだ。
「え、な、なんで!?」
「オレにはフーディンのテレポートという頼もしい存在があるからな。遅刻なんてしないのさ」
すっかり作者の言い成りになってオレと言ってる学ラン姿のグランが言った。

昼休み。
グランが、友人のグロードと共に食堂で食事をとって教室に戻る途中、
「センパーイ!」
と後ろから声が。
「うわちゃ…ハルカだ。グロード、あと頼む」
「えぇ!? オレ!?」
いきなりその後の処理を任され、グロードは思わず声をあけだ。
「…しょーがねぇな、グランの奴」
そうグロードが呟いた途端、
「グロード先輩どいて下さいっ!」
ハルカがグロードを吹っ飛ばして走り去っていった。
「予想していた事とはいえ…行動が早すぎる」
グロード、ノックアウト。残念(誰)

「こ、ここまで逃げれば…見つかんないだろ…」
グランはかなり走ったらしく、息を切らしていた。
そんな速さで走ったのだから、普通は「廊下は走るな」と言われそうだが、言われる間もないスピードだったのだ。
「ふー、相手してると疲れるな。流石に見失ってるだろ…」
そう呟いた瞬間、
「先輩、みーつけたっ!」
後ろからハルカに抱きつかれた。
「先輩! もう離さないんだからっ!」
「しまった、見つかっていたのかっ!?」
グランは観念して、「はぁ」と溜息をついた。

「で、結局ハルカに捕まっちまったのか」
教室でグロードが言った。
「そうさ。見つからないと思ってたのにさ」
「でも、よく離してくれたな」
「次の授業の予習するって言って、何とかね」
「やるじゃん。次の5時間目授業自習だろ?」
「そーゆー事。頭は使わないとな」
グランが人差し指で自分の頭を指差した。
「でもよ、少しくらいは相手してやってもいいんじゃねーのか?」
グロードが言う。
「そりゃ、そうだけど、ボクには…」
「はーい、また『ボク』って言ったねー」
「変なトコで出てくるな作者!」
グロードの強烈なアッパー炸裂。作者どっかに吹っ飛ぶ。多分アッパーの衝撃で世界一周旅行に出掛けたものと思われる(汗)
痛い旅行だ。
「これでしばらく作者戻ってこないから、普段通りで大丈夫だぜ」
「そっか。じゃ、普段通りで。話の続きだけど、ボクには…」
「『フィーユがいるから相手をするワケにはいかない』か…」
「そういう事。…一度に2人から好かれるのは、まぁ嬉しいけどフクザツな気分なんだよなー」

さて、放課後。
最後の6時間目授業が終了したが、寝ている者が約1名。
「ほら、グラン。起きて」
フィーユがグランを揺さぶっているが、起きない。
「ほら、もう帰りのHR終わって、みんな帰っちゃったわよ」
「え、なにぃ!?」
これには流石に目を覚ました。
言われたとおり、グランとフィーユ以外誰もいなかった。
「…ボクは…いつから寝てた?」
「6時間目の途中あたり、かな?」
グランは「あー、そっか」と言いながらよろよろと立ち上がった。
「…グロードは?」
「部活。彼ったら、もうサッカーに夢中」
「…そっか」
グランは、教室の窓から校庭を眺めた。部活動に参加している連中が、汗を流しながら活動している様子が伝わってくる。
「お、あれグロードだな。…流石サッカー部のエースだ」
グロードは、この学校のサッカー部ではエースとなっているのだ。
「さて、ボクはそろそろ帰るかな」
グランが荷物を持って足早に教室を出ようとした時、
「待って」
フィーユが呼び止めた。
「え、何?」
グランが怪訝そうに聞いた。
「1つだけ聞きたい事があるの」
「…なんだよ、改まって」
グランはいつもの調子である。
「グランは…私の事好き?」
「…なんだよいきなり…」
「これは真面目な話よ。真面目に答えて」
フィーユがふざけていない事は、その表情から読み取れた。
「さあ、答えて」
「…いや、突然そんな事言われると、ボクも困るんだけど…何時ぞやの本編での恋愛状況通りじゃん。だから、嫌いじゃない」
「…それが、答えね?」
フィーユは確認するように聞いた。
「…ああ」
グランが頷くと、フィーユはグランの近くまで歩いてきた。
「…正直、不安だった。グランが本当はどう思っているのか…って」
「…」
「でも、今の言葉を聞いて安心したわ。グラン、ウソつくような人じゃないもんね」
で、この先の雰囲気は想像つく人多いだろうから省略(ぉぃ)
…やめてくれ。蹴らないでくれ。ちゃんと記すから。ちゃんと説明するからさ(by作者)
参考までに記しておくと、つまりは2人の距離がぐんぐん狭まってきているという事だ。
これはひょっとしてひょっとすると…とか何とか考えている作者リクト。コイツの頭本当に大丈夫なのか。
で、2人の顔の距離が5センチくらいまでに狭まった時、2人の表情は同時に一変した。
2人の目は閉じられたままだったが、表情は静かなる怒りに満ちていた。
わなわなと震えてます。怒り爆発寸前。ヤバイです。
2人は離れ、戦闘態勢に突入。目の色変わってる。まずい、あの2人マジで怒ってるじゃん(汗)
「…邪魔者が出てきたみたいだぞ、フィーユ」
「…誰かは大体予想はつくわね…出てきなさいよ、駄目作者」
…しまった。見つかっていたか。残念!(誰)
つーか、何分で戻ってきたんだ作者よ。
「人の恋路を邪魔する人は…」
「宇宙の果てまでぶっ飛びやがれぇえっ!」
哀れ、作者リクト。やはりしっぺ返しを食らう運命となっちゃいましたから。…切腹!(するな)
大体予想ついていたのだが、やっぱりなぁ(ぉぃ)
グランとフィーユの愛の力、逆転勝利(苦笑)
やはりリクトの野望は散る運命だったようで(汗)
「なんだったのあの人…作者って事は分かるけど」
「さあ。ボクに聞かれても」
そして、帰り際に聞いた話によれば、駄目作者がすっ飛ばされた様子は、校庭で部活動をしていたグロードもしっかり見たという…

恋愛結構あったにも関わらず最後までドタバタギャグ。ここでEND
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リクト #13☆2005.01/09(日)00:15
5年前の真相

やあ、みんな。
僕の事は、もう知ってるかな?
…知ってる人少ないか。そうだもんな。

僕はウェル。僕のニセモノが登場したのがキッカケで、グラン達と友人同士になった。
ニセモノのおかげで友人同士になったのはちょっと複雑だけど…ま、結果よければ全て良しって感じかな。
グランならフィーユをしっかり導いてやれそうだし、僕なんかよりずっといい。
…え、話の趣旨が分からない。…それは失礼。
それにもう名前も知ってるだって。そりゃそうだよ。話してる相手がグランなんだから。
だけど、この話を聞いて(見て)る人達には紹介して置かないといけないだろう?
…そうせかさないでくれよ。今から話すからさ。

あれは、5年前。
僕が12歳の時の事だ。

ここは、町にある射撃練習場。
僕は、クレー射撃が趣味なんだ。
「よし、10発8発。調子は上々だ」
町の中では、僕の腕前はトップクラス。だけど、そんな僕もどうしても勝てない相手がいた。
「結構調子いいみたいね。ウェル」
「フィーユか。まだまだ全弾命中は無理だよ。全弾命中させられるのは、キミだけだろ? しかも最年少で」
「あれ? 私だけだったっけ?」
この子はフィーユ。町一番の美少女といわれている。容姿は、確かにと言えるほど。
いつの頃からか、僕とフィーユはこの町のベストカップル賞(町の若手達が勝手に作成)に選ばれてしまった。
まぁ、メイワクではないんだけど。…ちょっとフクザツな気分。
「ところで、僕に何か用でも?」
「え、うん。ちょっと話したい事があって…」
彼女の表情がいつになく真剣だったので、僕もまた真剣になった。
どうやら僕はそういう性格らしい。
射撃場を出て、広場へ。広場には、誰もいなかった。
「で、話って、何だい?」
僕はいきなり切り出した。
しかし、当の本人は話そうとしていない。
いや、話そうとしているのに話せないのかも知れないと僕は思った。
「話しにくい…事なのかい?」
「そうじゃないの。実は…」

「…引越し?」
「そう。パパの仕事の都合でね、他の地方のポケモンの生態系調べるって言って…」
「そうか… 寂しくなるね。で、いつ?」
「それが…明日」
「明日!?」
これには僕も驚いた。危うく腰抜かすトコロだった。
「言おう言おうと思っていたんだけど…なかなか言い出せなくて…」
「その気持ち、分かる」

次の日、僕は家の外に出る気がしなかった。
別れが辛かったからだ。
しかし、そのうち僕は、我慢出来なくなって、フィーユに見つからない様に外に出たが、
「ウェル…?」
見つかってしまった。タイミングが悪い。
「私、もう行くね」
「この時点で、ベストカップル賞受賞カップルは崩壊だね」
「えっ? あなた何を言って…」
「僕は、受賞したその影響で生まれたカップルなんて、性に合わない。そういうのは、自分で勝ち取るものだと思ってる。…さよならだ。元気で」
そう言って、僕はその場から走り去った。
振り返る事は無かった。だから、その時フィーユがどんな表情をしていたのかは、僕には分からなかった。

引越し先へ向かうトラックの中では、フィーユが泣いていた。
「私はもう…誰も信じない…」
その時から、私の性格は変わった。…15歳の時に、ある出会いをするまで。

その様な感情をフィーユが抱いたのは、ウェルは知らなかった。

「…とまぁ、こんな感じが僕の過去。以上、話終わり」
グランの家、グランの部屋でウェルは話を終えた。
「なるほどなー。でも、トラックの中でのフィーユ、どんな心境だったんだろう?」
「それは僕にも分からないけれど、きっと辛かっただろうね。あんな事言ってしまったんだから、今でもあの言葉には後悔してるよ」
「別れた事には?」
コーヒーを一口飲んでグランが聞いた。
「それは後悔してない。話した通り、僕は『偽り』が嫌いなんだ」
「で、それから新しい恋は?」
声のトーンを落としてグランが聞く。
「あの時の影響なのか、まだ無いね。まぁ、それはそれで」
「開き直りが早いな。ボクもそうだけど」
「開き直りが早いという事は、僕とグランは共通しているようだね」
「今日の格言。フィーユの彼氏になった人は、決まって開き直りが早い」
「あはは。…なんだいそれ」
半笑い半呆れでウェルが言った。
「…ところでウェル。お前、いつまでウチに居座るつもりだ」
「気が済むまで。そのうちこの町で1人暮らし始めるかもな」
「フィーユも、この町に戻って来た後は、前に住んでた研究所で1人で暮らしてるしな… グロードは相変わらず居候」
グランは溜息をついた。
「メイワクしているのか?」
「まさか。賑やかで楽しいとボクは思ってる」
「それはいいね。僕ももっと早くからこの町にいればよかったかな」
ウェルが言う。
「だけどそうしたら、フィーユの彼氏にはなれなかったハズだぜ」
「まぁ、裏を返せばそういう事になるね」
「まぁ、なんだっていいんじゃないか? 楽しければ」
「ああ。そうだね」

     END
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リクト #14☆2005.01/10(月)01:18
仲間を救うために

オレの名前はリク。伝説のポケモンでの戦いを得意とするポケモントレーナーだ。
今までにオレは、色々な経験をしている。
これから話すのは、数ヶ月前にあった事。
オレが面倒を見ているラティアスが、何者かに連れ去られた時の話だ。

「…ク! リク!」
オレを呼ぶ声。知らずのうちに、オレは眠ってしまっていたようだ。
オレの事を呼んでいたのは、バシャーモ。
「緊急事態です、ご主人様」
オレの事を「ご主人様」と呼ぶのは、キュウコン。
「どうした。緊急事態って…?」
「ボクの妹、ラティアスが帰ってこないんですよ」
ラティオスが言った。
「どうせ、どっかを飛び回っているんじゃないのか?」
オレは呑気に言葉を返した。
「でも、ラティアスは、必ず誰かに行き先を告げてから行くんです。しかし、誰も行き先なんて聞いていないんですよ」
「なんだって…?」
言われてみればあのラティアスは無断外出するような奴ではない。という事は…
「何かあった、と考えるのが自然だろう」
何時の間に来たのか、ミュウツーが言った。
「…よし。探しに行こう」
オレは軽く頷いてから言った。
「みんなは、ここで待ってろ。留守を頼む」
オレは自宅を離れる時、用心の為にポケモン数匹に留守を守らせている。
「行くぞ、ミュウツー」
オレは、飛行用でも戦闘用でもあるリザードンを繰り出し、飛び乗る。
「ダンナ。どちらまで?」
このリザードン、オレの事を『ダンナ』と呼ぶ。昔風な感じがして、オレ自身は結構気に入っている。
「緊急ミッション開始。内容はラティアス救出だ。ラティアスのサイコパワーを辿るから、ミュウツーの指示に従って飛んでくれ」

不思議に思った人も居るだろうが、オレは何となくだがポケモンの話している事が分かる。

「あっちだ、リザードン」
ミュウツーが、リザードンに方向を教える。サイコパワーを辿りながら飛んでいるのだ。
「ダンナ。ラティアスを連れさっていったのは、誰なんですかね?」
「オレに聞かれても困る。姿見てないんだし」
リザードンが聞くと、オレはさも当然の事のように言葉を返した。
「私にも見当は付かん」
ミュウツーも言う。
「誰なんだろう。一体…」
考えていると、突然リザードンが急ブレーキをかけた。
「わあっ!?」
危なくオレは、空の上から真っ逆さまになるところだった。
「い、いきなり止まるな!」
「も、申し訳無い、ダンナ。しかし、前を!」
リザードンに言われ、オレは前方を見る。
「…!?」
その姿に、オレは呆然とした。
「確かお前は…グラン!? 確かオレが生み出して同一の世界に…」
「私はグランではない。実態を持たない闇の世界の者」
「だ、だけど、お前の姿は紛れも無く…」
「私はお前の心から生まれた存在。実態は無いのだ。闇を操る事も容易い。そして…」
グランの姿をした『闇』は、合図をするように軽く手を上げた。
そして、どう見ても闇としか思えない黒いオーラに包まれながら登場したのは…
「ラティアス!? まさかラティアスを連れ去ったのは…」
「…私だ」
「キ、キサマっ…! リザードン! 突っ込め!」
「了解、ダンナ!」
オレとリザードンは、ラティアスを取り巻いている闇に向かって突っ込む。
その後の事は、オレは覚えていない。ミュウツーから聞いてくれ…

さて、リクからバトンタッチを受けた事だから、ここから先は私が話す。
闇に突っ込んでいったリクとリザードン。
しかし、奴らもまた闇に捕われ、動けない。だらしないトレーナーだ、全く。
「くそっ! 何だこの球体は!?」
リクとリザードンを捕らえているのは、闇で出来ているらしい球体だった。
「残ったのは、お前だけだ」
「ちっ…」
「いけ。『闇の』ラティアス!」
ラティアスが突っ込んでくる。『ドラゴンクロー』だ。
…しかし、アレはただのドラゴンクローではなかった。
そう… 『ダーク・ドラゴンクロー』とでも言おうか。
真正面から技を受けた私は、数メートル後ろへと後退した。
私は、攻撃態勢をとった。
ただ態勢をとっただけだった。攻撃はしなかった。…いや、出来なかった。
「どうした。お前は唯の臆病者か」
その間にも、ラティアスは執拗に攻撃を仕掛けてくる。
私は、攻撃を回避する、または受け止める事しか出来なかった。
「ミュウツー! よく聞け!」
リクが闇の球体の中から私を呼ぶ。
「ラティアスを元に戻すには、方法は1つ。…倒すしかない!」
リクの思いがけない言葉に、私は言葉を失った。
「そんな事をしたら、ラティアスがどうなるか保障は出来ないぞ!?」
「やるしかない!」
問答している間に、ラティアスが再び突っ込んで来た。
「ちっ…」
とっさに防御態勢をとる。ラティアスは押し切ろうとしているのか、なおも勢いを緩めない。
――このままだと、押し負けてしまう…
私は、敗北を覚悟した。その時である。
「ミュウツー…さん。…聞こえますか…?」
聞き覚えのある声だった。まさか…
「リクの言う通りに…して下さい… 私を…倒して下さい…!」
僅かに残っていたラティアスの良心が私に語りかけてきたのだ。
「早く! 私の心が、完全に無くなってしまう前に…!」
「ミュウツー! やるしかないんだ!」
リクも叫んでいる。一方のラティアスは、闇の心が戻ったのか、一旦引いて、再び私に向かって来た。
――すまない。…ラティアス!
気付いた時には、私は渾身の力を込めて『シャドーボール』を放っていた。
目からは、今まで流れた事の無いモノが絶え間なく流れていた。
…これが、涙というモノなのか…

その後、ラティアスは正気に戻った。リクもリザードンも無事だった。
しかし、グランの姿をした『闇』の行方は分からなかった。
「オレの心の中から生まれた存在、か… オレが以前やった事があるゲームにも、似た事があったな…」
あの日以来、リクはたまに『闇』とはどんな存在なのかを私達パーティメンバーに聞くようになった。
私は闇に操られた経験を持つが、どのような存在なのかはよく分からない。リクもそうらしい。
「だけど、仲間が助かったから、オレはそれでいいんだ」
リクは今回の事はそう振り返っている。私自身もそう思っている。
私を信じていたからこそ、あの時ラティアスは「倒して」と言えたのだろう。
その強い「信じる心」に敬意を表しながら、今回の話を終える事にする。

         END
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リクト #15☆2005.01/12(水)04:12
謎の秘薬

オレの名前はリク。伝説のポケモンでの戦いを得意とするポケモントレーナーだ。
今回は、オレの家の近所に住んでる友人の話。
…ちょっとコイツ、ある意味で危ないんだよな。

「あ、いらっしゃ… なんだ、リクか」
歳はリクと同じくらいの少年が言った。
彼は、リクの方に目だけ向けている。手は、持っている何かで側にある大きなツボをかき回していた。
「うわ、また調合かよ、アオキ」
リクは呆れ顔で言った。アオキと呼ばれた少年は、
「新しい秘薬の開発途中なんだ。もう数時間コレを混ぜてるんだよ」
と、いたって明るい口調で言い、一方のリクは、
「ゲッ。どんなのが出来るんだよ。てか何が入ってるんだ?」
と逆に聞き返した。
「えーと、僕のパラセクト、ユッカから採れた『とうちゅうかそう』に、メガニウムのサクラから出るハーブの香りを混ぜた液体に、フライゴンのヒイラギが採ってきた万能草に…えーと、それから…」
「もういいや。聞いてるだけで頭痛くなってきた」
リクの頭の中は、早くもパンク寸前になった。
「で、どんな効力の薬になるんだ?」
リクが聞いた。アオキはこう返す。
「知らない。出来てからのお楽しみかな。実験台はリク、君だから心の準備を宜しく」
「嫌だ嫌だオレは絶対嫌だいくら調合に詳しいお前だからといっても出来るまで効力分からない程得体の知れない謎の薬品飲むなんて絶対絶対ぜーったい嫌だこの前だってお前が調合した薬を無理矢理飲まされた時は辛すぎて5時間くらい火炎放射止まんなかったんだし水をコップ100杯飲んだって効果が全然薄れなかったんだぞオイコラ分かってんのかよ!?」
リクはマシンガンの様にまくし立てた。
「そう言うなよ。少なくとも死んじゃうなんて事は無いから。…多分。3.14%の確率でどっかの小説みたいなトランスなんとか能力みたいなのが発現するかも知れないけど」
「…何か怖い。しかも3.14って円周率じゃん」
「そういえばそうだね。…よし、これで後は青汁を入れて30分煮込みながら混ぜれば完成」
「うわ。青汁まで入れるのか!?」
「へへっ。そうさ。これで28%の確率で栄養満点になる」
「…残りの68.86%は?」
「…勿論、正体不明の未知なる液体さ。さぁ〜、かき混ぜまくるぞ〜!」

そして、調合終了数分前…
「リクさん…アオキさんを何とかして下さい…」
メガニウムのサクラが言った。
「リクさんが実験台を完璧に断ったら、きっと僕達に回ってきますよ…」
「リクさん。お願いします! ぼく達の為だと思って!」
フライゴンのヒイラギとパラセクトのユッカが続ける。
「そう言われてもなぁ。アイツの事はオレが小さい時から知ってるけど、こういう事になると暴走するから止めようが無いんだよな」
リクが、これは打つ手なしといった表情で言う。
そして、恐ろしき瞬間が。
「やった! 完成したぞ!」
アオキが家から飛び出してくる。
「リク! さあ、僕が調合した新たな秘薬、試してくれよ!」
「だから絶対嫌だってオレがさっき言っただろーが!」
リクが逃走態勢に入る。
「ユッカ! ヒイラギ! サクラ! リクを捕まえてくれ!」
「ごめんなさい、リクさん!」
3匹がそれはそれは申し訳無さそうに言い、リクを捕まえる。
そして、ゆっくりとアオキが近づいてくる。
「さぁーて、実験開始といこうか♪」
アオキは、3匹とは対照的に、それはそれは楽しそうに言った。
「や、やめろ――!」
そして、回りには光が発せられた。

「…ど、どうなった…?」
アオキが言う。側にいたハズのリクの姿は見当たらない。
「リクさん、どこに行ってしまったんでしょう?」
サクラが聞いた。
「うーん、僕の調合した薬の効果が分からないとどうしようもないぞ…」
アオキが首を傾げて言った。

さて、そのリクは何処に行ってしまったのかというと…
「あれ? 作者さん? どうしてこんな所に?」
不思議そうに聞いてきたのは、何とフィーユであった。
そう。リクはアオキが作った薬の効果で、グラン達が住む街に飛ばされて来たのだった。
「調合マニアの友人が作った薬を無理矢理飲まされて、気がついたらここに来てた」
「凄まじい効力なのね、それ…」
フィーユが言う。リクは、
「凄まじいなんてモンじゃないよ。謎なんだよ」
「確かに謎よね…でもどうしてここに飛ばされてきたのかしら…」
「オレに聞かれたって知るか。調合した奴に聞いてくれ。…てか、オレどうやって帰ればいいんだよ!?」

その頃アオキは…
「うーん、失敗しちゃったのかな…」
色々な仮説を頭の中で巡らせながら呟いていた。
そして、アオキのポケモン達は…
「リクさん、ごめんなさい… あなたの勇気は無駄にしません…」
リクが死んでもいないのに、ワケ分からん事を言っていた。

結局リクは持ち前の意地で無事帰り着き、アオキには数時間にもわたるお説教をしたという…
しかし、アオキがこんな事で調合研究を諦めるワケが無いという事は言うまでもない。
つまり、リクはこの先も彼の実験に付き合わされる事になる。

      END
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リクト #16☆2005.01/17(月)17:12
トレーナー取材者とオス達の愚痴

オレの名前はリク。伝説のポケモンでの戦いを得意とするポケモントレーナーだ。
実はオレ、一度取材を受けた事がある。
これは、その時の様子だ。

「取材? オレをか?」
玄関前で、リクが怪訝そうに言った。
「はい! 私、いろいろなトレーナーさんを取材して回っているんです。えーと、リクさん、ですね?」
「確かにオレはリクだが…アンタは?」
取材を申し込んできたのは、リクとさほど変わらないと思われる歳の少女だった。
相手の名前をまだ聞いていなかったので、リクはまず名を聞く。
「私、リコといいます。フリーのジャーナリストです!」
「ジャーナリスト、ねー…」
リクは腕を組んでしばし考えていたが、
「オレでよければ」

「じゃあまず、リクさんの手持ちは?」
取材を開始したリコは、まずそれを聞いた。
リクは何も言わず、親指で自分の後方にいるポケモン達を指差す。
「えーと、バシャーモにキュウコン、ラティアスにラティオス、ミュウツーにリザードン…伝説が多いんですねー」
「オレは、伝説のポケモンでの戦いが得意なんだ。ミュウツーとは一番付き合いが長い」
「なるほど。…メモメモ」
リコは休む事無くシャープペンシルを走らせる。
「えーと、続いて、年齢は?」
「17歳。…ところで、そのゴクリン、アンタのか?」
「はい! 『メロン』って名前です」
「また美味しそうなニックネームだな…」
そう言いながらリクがメロンに手を伸ばす。
「あっ、危ないです!」
リコが突然叫んだので、リクは慌てて手を引っ込めた。
「下手すると、リクさん食べられちゃう所でしたね」
リコは空恐ろしい事をさらっと言った。
「そうだった…ゴクリンの胃袋はかなり大きいんだった…」
「では続いて…」

さて、その頃ポケモン達はというと…
「大体だな、ルルスの奴は、俺にばっかり頼ってやがる。少しは自分の意志でで行動しろってんだ全く」
「でも、それはルルスさんがジュンさんの事を頼りにしているからだと思いますよ?」
リコのジュカイン――ジュンというらしい――の愚痴に、リクのキュウコンが包み込むような柔らかい口調で言葉を返す。
「…そうなんだろうか…俺にはよく分からないんだ。ルルスの気持ちが」

「大体だな、あの臆病者はいつもオレの後ろに隠れてやがる。足手まといにしかなってない」
別の場所では、リクのバシャーモがリコのチルタリス――ルルス――に愚痴っていた。
「それなら、あなたもあなたなりに守ってあげればいいんじゃないですか?」
ルルスは、バシャーモの言葉に眠そうな口調で返す。
「守る、か…」

「…というワケで、取材は終了です。お忙しい所、ありがとうございました!」
「いや、別にいい。暇してたから」
「あ、そうだ… 料理する時は、ナスを使うのはなるべく避けた方がいいですよ。…ある意味危険な目に遭うかもしれませんから…」
リクは、リコの言葉を今一理解出来なかったが、とりあえず「よく分からないけど分かった」と適当に返事をしておいた。
「あ、最後に1つだけ。これは取材とは直接関係しないんですけど」
「ん…?」
「彼女とか…いるんですか?」
「…オレの特徴見りゃー分かるだろ。こんな孤独っぽい奴なんかに寄って来る人なんていないよ」
リクは、少し寂しげな口調で言った。
「そうですか…ちょっと納得」
「…何にだよ、全く」
「いえ、別に。…行くよ。ジュン。ルルス」
リコはジュンをボールに戻し、ルルスに乗って飛び去っていった。
「だけど…料理にナスを使うなって、一体どういう事なんだろう…」
リクの頭の中には、その事に関する謎が浮かんできていた。

      END
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リクト #17☆2005.01/18(火)23:58
交えよ剣を

オレの名前はリク。伝説のポケモンでの戦いを得意とするポケモントレーナーだ。
先日、オレが取材を受けた時に言われた「ナスはなるべく使わないで」という言葉。
あれの意味がよーく分かった…

「焼きナス――ッ!」
そう喚きながらリクの家に乱入してくる1人の男。全身黒ずくめで剣持ち。危険である。
リクはただ、昼食にする為にナス料理をしていただけだったのに。
「誰だ…って、アンタ確か…ウルフ!?」
その人物は、以前リクが旅をしていた時にヒワマキで出会ったウルフというトレーナーだったのだ。
「む、よく見たら確かリクトとかいうトレーナーではないか」
「…通称はリク。覚えておかなくてもいいけど。…それより、危ないじゃないか!」
「私のトラウマを引き出すような事をする奴は排除する。覚悟!」
「なんでオレが斬られなきゃいけねーんだよ!」
リクとウルフの壮絶鬼ごっこ、開始である。

「オウイェ。ウルフはああなっちゃ止めらんねーNA」
「ふざけるな。止めろ」
ウルフの手持ちであるフーディンがややハジケ口調で言った。リクのミュウツーは止めろと言う。
「ウルフもそうだが、アークも騒ぎ出すと止まらないぞ。挑発なんてもっての他」
これまたウルフの手持ちであるルギアが付け足す。
「ま、ウルフにもアークにもラーフォスにも今は何言っても無駄よ」
スイクンが突き放した様にミュウツーに言った。
「それは分かっている、ショウロウ。しかし、人の命が掛かっているとなると…」
「オゥ! ガッツで行こうZE☆」
ミュウツーは、アークの壊れっぷりに心底呆れていた。

「逃がさん! 大人しく斬られろ!」
ウルフの斬撃はとどまる所を知らない。このままではリクは危険である。
リクの家の周りを、既に100周くらいしている。
「ちっ。焼きナスをしている者を見ると私は発狂すると言う事を知っているだろう!?」
「知らねーよそんな事! うわっと!」
リクは逃げるのに必死である。警察沙汰なんか起こしたくないからだ。
(仕方ない。足止めだけでもしてやり過ごすか…)
「出でよ! 闇の剣、ダークセイバーッ!」
リクが左手を高くかざすと、鋭い闇の光剣が現れた。
「ほぅ。ようやく私と戦う気になったか」
しかし、リクの利き腕利き手は右。つまりその場凌ぎに過ぎない状態だった。

「ウルフと…確かリクトとかいったか。そろそろ剣で決着付けるみたいだぞ」
ラーフォスが言う。続いてアークが、
「オゥケィ! オレサマがもっと楽しい戦いにしてやるゼィ♪」
アークは『ほのおのパンチ』で回りを焼け野原にしようとするが、
「やめなさいよこのトンチンカンフーディン!」
その前にショウロウのハイドロポンプがすっ飛んでくる結果となった。
間髪入れずリクのミュウツーの「かみなり」までヒット。しかしアークは持ち前のハジケでケロッとしていた。
「一体なんなんだこの強靭な体力は…」
「バカは強いって言うもんだZE☆」
…言わない言わない。聞いた事も無い(汗)

「すれ違いざまに斬り、相手の剣を叩き落した方の勝ち。いいな」
「異存なし。さっさと始めよう」
リクとウルフは、お互いに剣を構える。
「はああ――ッ!」
2人は同時に走り出し、すれ違いざまに――斬。
2人はしばらく動かない。先に膝を付いたのは…
「くっ…」
先に膝を付いたのは、リクの方だった。剣も消えてしまっていた。まぁ慣れない左では無理も無いかも知れないが。
「…私の勝ちだな」
ウルフは剣を鞘に収めようとする。ここである事に気が付いた。
「剣が…無い!? どこだ、私の『カタホウヤイバソード』は!?」
…名前そのまんまじゃん(汗)
さて、ウルフの剣は何処に行ったかというと…
「オゥイェ! オレサマ剣士になったんだZE!」
最悪な事に、すれ違いざまに弾かれたウルフの剣はアークの手に渡ってしまっていた。
つまり、この勝負は『引き分け』という事になる。
しかし、リクとウルフは目の前に映る最悪とも言えそうな光景を目の当たりにしているので勝ち負けどころではない。
「ウルフ…これはどう考えても…」
「最悪の事態である事には変わりは無い。…あー、頭痛がまた復活しそうだ」
「あのバカフーディンを止めろ、ラーフォスにショウロウ!」
リクのミュウツーが手を付けられなくなったアークの方を見て叫ぶ。
「こうなってはもうどうしようも無い。手遅れになる前に私達はズラかるとしよう」
「そうね。それが一番の得策でしょうね。アンタ達も早く非難した方がいいわよ」
ラーフォスとショウロウがそれだけ言うと、こんな状況にも関わらずさも仲良さそうに避難。
続いてウルフとリク、ミュウツーも即刻避難。
アークはそれから数時間、ソードダンスを続けていたという…
「イェイ! どっかの国の行事リ○のカー○バルに参加している様な気分だZE」
…例えが意味不明だぞ、アーク(汗)

       END
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リクト #18☆2005.01/29(土)01:16
人間離れの身体能力者

「なんだよあの人は!? あんなの人間技じゃないぞ!」
暫く振りwに登場した本当の主人公、グランが叫ぶ。
「オレに聞かれたって知るかよ!」
友人グロードも叫び返す。
「なんだい? アンタ達、もうお終いかい? 最近の男は根性無いねェ」
1人の女性がきっぱりと言い切った。グラン達より年上らしい。
「俺の本当の力は、こんなんじゃないんだけどね」
この人、女性でありながら一人称が「俺」らしい。
「…ウキョウさん、だったな。アンタ、一体何者なんだ?」
グランが聞く。
「人間離れした人間、とでも言っとこうか」
「…だけど、ボクの本当の力だって、まだこんなんじゃないぜ」
「へぇ。…付いて来る根性だけはあるんだねぇ」

何故こんな事をしているのかというと、突然「ウキョウ」と名乗る女性が乱入してきて、凄まじいジャンプ力だの強靭なる腕力だのを披露。
体力に多少の自信を持つグランは当然面白くなく感じ、障害物競走を挑んでいたのだった。
しかし、この女性の運動能力はケタ外れ。グランでも付いていくのがやっとの状態。
そして、どういうワケかウキョウのポケモンであるサーナイトがグランに向かって短剣を何本も投げてくるので、自身の光剣で弾き返しながら進んでいたワケだ。
ちなみに、ジャンヌの剣を全て弾き返したのはグランが初めてだとかそうでないとか。
ウキョウの指示で動いているので、コレはもう反則である(汗)
「ジャンヌ! 短剣投げる量2倍に増やして!」
「げっ! まだ増えるのか!?」
ウキョウの指示に、グランは呆れと焦り両方含めて言った。
「フェール! 加えて『モヤっとボール』も追加!」
「ってそのボールの名前どっかで聞いた事あるし!」
グランとグロードが同時に叫ぶ。
サーナイトのジャンヌは短剣の量を増やし、クチートのフェールは『モヤっとボール』を100個ほどグランの頭上に浮遊させた。
「なっ…どーゆーつもりだよ?」
グランがウキョウに文句を言おうとすると、不意にウキョウがこう呟いた。
「美しさは脳から…」
直後、グランの頭にモヤっとボールが全て落下。その数は言うまでも無く100個ジャスト。
「あ、あの、ウキョウさんにジャンヌさんにフェールさん… そろそろ止めないと大変な事に…」
アブソルが言う。
「あ? 逆らうと…分かってんだろ、フーガ」
「うわぁ! それだけは止めて下さいお願いします〜!」
このアブソル、フーガはウキョウには逆らえないらしい。何をされるのかはあえて伏せる(ぇ)
さて、頭に痛いものを落とされたグランは、その数のためか完全に気絶。
目を回している状態だった。
「てか、こんなにトラップあっちゃ最初っからグランに勝ち目なんてねーじゃん…」
グロードが呆れ顔で言った。
「どーする? あんたも俺と障害物競走で勝負してみる? 命の保障は出来ないけどさ」
「遠慮しておきます」
グロードはキッパリと言い切った。
「じゃあ、殴り合いのケンカでもいいよ。これでも俺は、素手で野生のリングマ5匹倒した事あるんだなー」
「…尚更遠慮しておきます。…そんな事したら身の破滅だ」
「あっそ。…じゃあ俺はそろそろ帰るとすっかな。…ジャンヌ。最後にそこにぶっ倒れてる奴にちょっとしたプレゼントくれてやりな」
ウキョウの指示を受け、ジャンヌは倒れているグランに短剣を何本も何本も放り投げた。
その数、350本。グランの回りに正確に刺さった。
「そんじゃ、また機会のあった時に〜」

その後目を覚ましたグランは、自分の回りに刺さっていた短剣に驚き再び気絶したという。
そりゃ、自分の周りに短剣が沢山刺さってれば驚くのも無理無いが。

       END
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リクト #19☆2005.02/02(水)00:41
暴走軍団現る

「で、アンタら一体何者?」
単刀直入にリクが聞いた。あの無駄に長ったらしい前置きは今回は省略(蹴)
「俺は、人呼んでポケモン界の微笑みの貴公子、ブレイカー様だ」
「ふーん。で、オレに何の用が? 『回路遮断機』君?」
「そ、その名前で呼ぶな! 俺の秘儀『獅子爆炎気功波斬』を食らいたいのかキサマ!?」
「てか技名長ったらしいし! それよりそこのメタグロス! 嫌がらせみたいに柿の木コメットパンチで叩くんじゃねー!」
そのメタグロス――ノバは、聞こえないフリをして柿の木を叩き続ける。
で、落ちてきた柿は木の下に待機しているゲンガー――ゲッケイが次々と消去していく。
「そんでもってそこのゲンガー! ウチの柿を勝手に盗ってくんじゃねーよこの柿泥棒が!」
リク、いきなり怒り爆発。キレるとそれなりに怖い男なのである。
「俺達の食料にさせてもらう。ありがたくこの現実に目を向けるがいい」
「どこがありがたい現実だどこが! オレにとっては大迷惑なんだよ」
「はーい、文句言うと俺のヌケとテッカがダブルで攻撃しかけるぜ〜?」
「やれるモンならやってみ。その前にアンタの回りにいるオレのポケモン達が動き出すだろうぜ」
リクは、自分自身とブレイカーを取り囲んでいる6匹のポケモン達をざっと見回した。
で、こっからがいきなり微妙なるギャグになるんだな(何)
「いやいやいやいや、ごめんなすって。いえね、私ら全然悪気ないんですよ。ただ、この家の柿を無断でちょーっといただこうかと思っただけでしてハイ」
いきなりヌケが言葉巧みに話し始めた。言葉巧みなのかは作者も知らん(滅)
「それ完全に窃盗。柿が食いたいなら買ってくりゃいいだろうが」
「それはぁ〜、無理なぁ〜、相談よぉ〜っ」
今度はテッカが演歌バージョンで言った、というより歌ったの方が正しいのかこの場合は。
「口が裂けても言わないぞ。ゲームコーナーで金使いすぎて一文無しになったなんて言うワケないぞ」
ブレイカーが言った。てか言わないって言ったのに完璧に自白してるじゃん(汗)
「オレには関係無い。さっさと帰りな」
「そんな殺生なぁぁ―――っ!」
ヌケ絶叫。テッカも絶叫。
「なら力ずくでいかせてもらおう。殺劇○荒○!」
「てかその技どっかで聞き覚えあるしオレ!」
「そっから超究○神○斬!」
「それも聞き覚えあるし! ならオレもこれでいくか。かぁー、めぇー…」
「む、あの構えはまさか」
「はぁー、めぇー…」
「南の国のカメハメハ大王直伝のダンスであるな」
ガクッ。違うって。
「…ったく、技の発動に失敗したじゃん。やっぱ初めて使う技は慣れん」
「ってお前あの技使うの初めてだったんかい!」
「まぁ、そうだ。やっぱ使い慣れた技の方がいいか。…じゃ、今日も左でいくか」
リクは例の如く(違)、左手で『ダークセイバー』を発動させた。
「ちなみに左はオレの本気じゃない。利き手は右だしな」
「…手加減などいらない。本気で来い」
ブレイカーの言葉を聞いて、リクはかなり驚いたようだったが、
「いいのか? オレにそんな事言って」
確認するように聞いた。
「俺はいつでもどこでも笑顔ウルトラZ尚且つ本気の戦いを心掛けているのだ」
「…それちょっと無理あると思う。笑顔ってトコが」
リクはそう言いつつ、今度は右からまた違った光剣を発動させた。
「オレは、日常生活以外で利き腕はあまり使わない。この『シャイニングセイバー』を発動させるのは…数ヶ月ぶりか」
完全にリクは本気である。
「くらえ俺の新技! 超究殺劇舞荒武神波!」
…長ったらしい技名だなというツッコミは控えていただきたい。
対するリクは、慌てず騒がず。
「…セイバー・オブ・リク…」
リクは『ダークセイバー』と『シャイニングセイバー』を合体させ、光と闇の剣を登場させた。
「いい加減木を叩くな――ッ! 柿を盗るな――ッ!」
リク絶叫。まずはノバとゲッケイに一撃。二匹ともどっかにすっ飛んでいきました(汗)
続いて、誰も居ない所で通販の宣伝モノマネをしているヌケ、羽音を五月蝿く立てて飛んでるテッカにも一撃。
そして極めつけにはブレイカーの新技を弾き返す。
「何故こうなる――ッ! 俺達の食料が〜ッ!」
空の彼方に飛んでったブレイカー達に向けて、リクは空を見上げて呟く。
「…あの柿の木はウチの所有物なんだぞ全く…」

以上、柿が原因で起こったある意味変な争いでした、と(蹴)

         END
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リクト #20☆2005.02/09(水)01:31
空前絶後の大混乱の日

2月14日。世間では「バレンタインデー」と呼ばれている日。
女性が男性にチョコレートを贈る、恋人達にとってはビッグイベントである。
そして、チョコを渡すべく、心を込めている少女がある町にいた。

「さて、と。あとは型に入れて冷やして固めるだけね」
忙しそうにしているのは、毎度お馴染み、ヒロインのフィーユ。
現在彼女は、義理チョコより一回りほど大きい本命チョコ製作中であった。
明日に備え、きちんと完成させておかなければならない。
「これで、何とか一段落ついたかな」
フィーユは、主食からおかずまで色々なレシピを知っている。
勿論菓子のレシピも豊富だ。
冷やしている間、部屋で少し休もうかと思った時、インターホンが鳴った。
「はーい」
玄関まで行ってドアを開けると、グランとグロード、そしてウェルが立っていた。
「よっ。お疲れ」
グランが軽く右手を上げて言った。
「もう今日は忙しくてたまんねーだろ」
グロードが言うと、続いてウェルが、
「あまり無理はしない方がいいよ。反動で体調崩したら笑い話にもならない」
男性陣3名が順に言うと、
「気合い入るのも無理はないわ。だって私、チョコ贈るの初めてだし」
「あれ、そうだったっけ?」
フィーユが言うと、グロードは意外そうに聞いた。
「そういやボクも、貰った記憶無いな…」
少し考えながらグランが言った。
「まぁあの時はオレ達は離れ離れになってたんだし、オレ達が初めて出会ったのは2年前だし」
「僕は12歳までフィーユと同じ町に住んでたけど…僕も貰った記憶が無いね」
「あの時は私、バレンタインには興味無かったし…」
グロード、ウェルが順に言うと、少し苦笑しながらフィーユが答えた。
すると、玄関口から聞きなれたようなそうでもないような声だ。
「よお。邪魔するぜ」
無礼にもインターホンを押さずに入って来たのは、グランと同じ年頃の少年。
長ズボンにTシャツ、その上には上着。首からゴーグルを下げていた。
「あーっ! 学園ラブコメの話でムード邪魔した奴!」
「ちゃんと名前覚えやがれコンニャロー! オレはリクだ!」
「てかお前はリク編専門だろーが! 帰れよオイコラ!」
グラン絶叫。
「あー五月蝿い五月蝿い! オレはな。変な薬飲まされてどっか飛ばされたりいきなり乱入してきた片刃の剣持った奴に斬られかけたり別名回路遮断機君に家にある柿の木から柿取られそうになったりともう散々な目にあってんだよコンチキショーめ!」
「…で、その悲惨な目に遭ったリク君が何の用だい?」
ウェルが聞くと、
「気休めにその子からチョコ貰おうと思ってさ」
…何と図々しい奴だろう。
「…義理でもあげたくない気分」
フィーユがぼそりと呟いた。
その言葉に、リクの中の何かがプッツンと切れた。
リクが文句を言おうとすると、
「こんな所にいたのかリク! さあ、最新秘薬が出来たから試してほしいんだ!」
いつから追いかけてきたのか、何とアオキ登場。
「ゲッ。アオキに見つかっちまった!」
そして間髪入れずに次の乱入者が。
「リクさん! 熱愛発覚との噂は本当なんですか!?」
以前リクを取材したジャーナリストのリコがマイクを持って飛び込んできたのだ。
「てか誰だよそんな噂流したの! ウソに決まってるだろうが!」
すると、リコに続いて今度は喚き声が。
「私のトラウマを引き出した奴め! 覚悟!」
片刃の剣を片手に、ウルフ参戦。この時点でリクは大ピンチである。
「っていつまで根に持ってんだよ!」
さらに、追い討ちをかけるように再び誰かが。
「柿よこせ―――っ!」
以前リクの家の柿を取ろうとして失敗したブレイカーまで乱入。
「あーチキショー! こうなったらチョコは諦めだ! 捕まってたまるか!」
リク、猛スピードで脱走開始。
「実験台はキミしかいないんだ!」
「リクさん! 何か一言!」
「焼きナス――ッ!」
「柿よこせ―――ッ!」
リクを追って、アオキ、リコ、ウルフ、ブレイカーの4人はすぐに姿を消した。

「…なんだったんだアイツら…」
グランが呆れ顔で言った。
「ま、邪魔者がいなくなっていいんじゃねぇのか?」
グロードはけろりとして言った。
「苦労するもんなんだねー、彼も」
ウェルも言う。
「さてと、いい時間潰しになったから、そろそろ私はラッピングに入ろうかな」
壁に掛かっている時計を見てフィーユが言った。
「そっか。じゃ、ボク達はこれで帰るかな」
「そうだな。しっかりラッピングしろよな」
グランとグロードが外に出ようとする。
「…で、本命贈る相手は決まってる…よね。当然」
ウェルが確認するように聞くと、
「…どうかしらね?」
フィーユは軽く微笑んで言った。

そして、バレンタイン当日。
「はい、これ」
昼過ぎになって、フィーユは3人にそれぞれチョコを渡した。
「さーて、誰のが本命か確かめてみようぜ…って、もう決まってるようなモンか」
グランの方を見てグロードが言った。
「どうだろうな。開けてみるまで分からないぜ?」
グランが答えた。
「じゃあ、せーので開けよう。準備はいいかい?」
ウェルがグランとグロードを順に見て言った。
「よし、そうしよう。じゃいくぞ。…せーの…」
グランの合図で、3人は一斉に開いた。
「あー、オレとウェルのは同じ大きさだな」
グロードが言った。
「モンスターボール型か。苦労しただろ? ところで、グランはどうなんだい?」
「えーと、ボクのは…っと」
グランは自分の分を見る。
「…同じのだよ」
グランは、グロードとウェルを見て言った。
「はぁ? じゃあ、3人とも義理か?」
グロードが不思議そうに言うと、
「本命は、モンスターボール型の他にハート型のも入ってるハズよ。よく見てみて」
…流石イタズラ少女と呼ばれたフィーユ。手の込んだ事をする。
「あっ。あった」
特に表情も変えずにグランが言った。
「結果は、ご覧の通り。…受け取ってくれる?」
「…受け取らないワケにはいかないだろ?」
フィーユが聞くと、グランは軽く笑って答えた。
「…オレ達は、ちょっと席外すか、ウェル」
「そうだね。邪魔してはいけないからね」
そう言って2人が離れようとした時、
「あ〜! 遅かった〜!」
息を切らしながらその場に座り込んだのは、ハルカ。
「だから言ったろ。多分無理だって」
ユウキが言った。
「どうしたんだよ、ハルカ。そんなに息切らしてさ」
グランが聞いた。
「グランさんに…チョコを渡しに来たんだけど…先にフィーユさんに渡されちゃって…」
「あー、そういやグランに本命渡しそうなのはハルカもそうだったよな」
グロードが納得して言った。
「だけど、ボクに渡すつもりで作ったんだろ? コレ」
「…ええ。だけど、一足遅かったみたい」
すると、グランはハルカの手からチョコを取り、
「…本命は1個しか貰えないって決まりは、ないよな?」
グランはフィーユに聞いた。
「まぁ、そうだとは思うけど…」
フィーユは多少困惑して言った。
「…そりゃ、気に入らないって気持ちは分かる。だけどさ、作った人の気持ちも考えないと、な」
グランは言った。人の気持ちを考えて行動、これが彼のポリシーでもある。
「…ありがとう。気持ちは十分伝わった」
グランは、ハルカの頭にポンと手を置いた。
「じゃな。ボクは行く」

数日後…
「チョコ、食べてくれた?」
「ああ。流石料理上手なだけあるな。凄く美味かった」
フィーユが聞いて、グランはそう答えた。
「…なあ。話があるんだけどさ」
「なに?」
「…ボクは、武者修行の旅に出たいと思っている」
グランの言葉に、フィーユは一瞬言葉を失った。
「えっ…?」
「これまでボクは、みんなと一緒に戦ってきた。みんなに頼りっぱなしだったかもしれない。そんな自分を叩き直したいんだ」
「そう… 止めても無駄…だよね。…うん。私は止めない」
「…すまない。だけど、帰って来る時は今以上に強くなって帰って来る。…約束する」
「ええ。…期待してる」

その2人の様子を、グロードとウェルがこっそりと見ていた。
「よし…よしっ、いけっ! …きたっ! 恋人同士にとっての最高の瞬間! しっかり見せてもらったぜっ!」
ウェルにだけ聞こえるようにグロードが言った。
「ああ。コレもキミの努力のたまものかな、グロード」
「へへっ」
近くで隠れていたのだ。リクより見つかりにくい。流石グロードである。

その数日後、グランは単身広大な世界へと旅立って行った。
そんなグランにフィーユから託されたのは、キュウコンの入ったモンスターボール。
「…涙目上目遣いで頼まれたんじゃ、いくら断っても断りきれないよな… だけど」
グランは分かっていた。どんなに離れていても、心は繋がっているという事を。
そして、繋げる役割を持つのが、紛れも無くこのキュウコンなのだ。

その頃…数日間に渡って逃げ続け、何とか振り切っていた人物が居た。
「何とか…アイツらは振り切れたか…っ!?」
突然苦しそうな顔をし、頭と胸を抑えて突然うずくまるのは、リク。
「また…あの発作か…」
命には別状は無いと分かっていても、この痛みは相当こたえる。
「それぞれの力の両立は…やはり無理なのかっ…?」
そう呟きながら、リクはふらつきながらも立ち上がる。
いかなる医療技術でも治らない、この発作を止める事の出来る、「モノ」ではない「何か」を見つけ出すために。

      END
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ぴくの〜ほかんこ