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ネプの日記-
護衛の仕事を引き受けた。依頼主は、莫迦正直な、昔の俺に何処か似ている子。
だから、俺のように道を外して欲しくなくて、受けてしまった。
どうせ守れない癖にまた守ろうとしている。
全くどうかしてる。
グレイの記憶-
「あのさ」
何だか溜め息交じり。呆れられてるのかな。
「うん」
「他に仲間がいるなら、俺はいらないんじゃないか?」
「それは、でも、みんなには他にやる事がありそうだし」
「俺にはやる事が無いんだね」
「そうじゃなくって…うう」
「理由をはっきり言えないんだったら納得出来ないな。納得していない奴が君をちゃんと守るとでも思う?」
そうだよね、話が一方通行なんだから。ネプの言ってる事は当然の事なのに、ぼくはどうして悲しくなるんだろう。
「言うよっ…言うよ」
不安でなかなか言えない。でも、ネプはそんなぼくをじっと待っていてくれた。目を逸らさずに。
「…ぼくの手を、離さなかったから」
「手?」
「みんなは、ぼくに触ると冷たいからって、触ってもすぐ離れたり、気持ち悪いから触るのを嫌がったりするんだ。でもネプは違った、気持ち悪いって言わなかった、ぼくの手を離したりもしなかった」
「それだけ?」
やっぱり、これじゃ無理なのかな。
「…それだけ」
「解った。納得したよ」
「えっ、いいの!?」
「君が驚いてどうするんだよ。君はそれだけで人を信じるくらい莫迦正直で、隙だらけだ」
「うう…」
「でもね、守るには値すると思うよ。だから俺は納得して君の依頼を受ける」
「ほんと…!?有り難う!」
ぼくが守るに値するって、どういう意味なんだろう。
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