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ネプの日記-

 見た目が綺麗だから、きっと綺麗な物しか知らないんだと思っていた。
 それが大きな間違いだとどうして早く気付かなかったんだろうか。
 それが取り繕いでしかないんだと。
 綺麗な人なんていない。辛い事を知らない人なんていないんだ。



グレイの記憶-
「…レイ、グレイ」
「うん…?」
 肩を揺すられて目が覚めた。物凄く眠いけどそれより。
「ネプ?もう大丈夫なの?」
「それは大丈夫だけど、時間が不味い」
「えっ」
 時計を見てみると、集合の時間まであと十五分。いつもの四分の一の時間しか残ってない。
「二人揃って寝坊だよ!」
「ええーっ!」
 ネプが寝てたのは仕方無いけど、ぼくもだなんて。とにかく早く準備しなきゃ。
 顔洗って歯磨きして、上着を着て荷物を持って。武具の忘れ物なんてしたら大変。
 ご飯は、もう移動中に食べようって食堂にサンドイッチを注文して。その少しの間に、またいつもの調子が戻ってきたって解って、ぼくは少し笑った。

「何かあった?」
「やっぱり、いつも通りが嬉しいなって」
「そうだな」
 ちょっと困った風に笑ってくれたネプも、同じ気持ちだったんだ。



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