■-25
記憶-
「あの子に近付いてはいけないよ」
どうしてそう言われていたんだっけ?
「きっと悲しい思いをするから」
ぼくが何をしたの?
「その方がいいんだ」
お願いだから答えてよ。
目を覚ましたら、まだ夜だった。
故郷にいた時の事をずっと思い出してたみたいだった。
ぼくは寂しくて、我慢出来なくて、涙がどんどん溢れてくる。少しして、ネプの声がした。煩くて起こしちゃったのかな。
ネプは泣きじゃくるぼくを見て凄く不安そうな顔をした。そんな顔を見ていて、ぼくは耐えられなくなってネプにお願いした。
時間がある時に、ぼくの話を聞いて欲しい。
ネプは嫌な顔一つしないで、そのお願いを聞いてくれた。そうしてぼくがまた眠るまで、側にいてくれた。
過去の事はやっぱり辛いけれど、頑張れば何とかなるよね。
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