予定外の展開に、スタジオ内は蜂の巣を突いたような状態になった。
スタッフが右へ左へと慌しく駆け回る。
驚いたのはヴァッシュも同じだったが、材料や分量を手書きのボードで説明したり
足りなそうな材料を補充したり、とにかく必死でキッチン内を動き回った。
勿論初めての特番を成功させたいという気持ちは大きかったが、それ以上に一生懸命お菓子作りに
打ち込む少女達の思いを、その笑顔を大切にしたいと思った。
だからこそ、器用には立ち回れなかったが、ウルフウッドの動きをしっかりと見据えて
出来る限りの手助けをしたかったのだ。
「おい・・・」
「あ、ココアパウダーだね?はい、どうぞ。それからナッツも用意しておいたよ」
ヴァッシュはキッチンテーブルの上にある材料を、男に手渡しながら返事をした。
「それからコレ、冷蔵庫にあったんだけど、トッピングに使えないかなぁ?」
「・・・・・・」
「ウルフウッド?」
男は少し驚いたような表情を浮かべている。返事がないことにヴァッシュが不安を覚え、
首を傾げたまま名を呼ぶとハッと我に返ったように瞬きをした。
「いや、何でもあらへん。トッピングな、ええんちゃう?チビどもに渡してやったら喜ぶやろ」
「う、うん。そうだね。・・・あ、はーい!ちょっと待ってねー」
少女達に呼ばれてヴァッシュが気を向けた隙に、ウルフウッドも持ち場へと戻っていき
会話はそこで途切れてしまった。
「ほら、ヴァッシュー!はやくはやくっ」
「あ、あのねぇ。これでも一応、君達より僕は大分年上で・・・」
「私のも忘れないでよね、ヴァッシュ〜」
「う。じ、じゃあこれ、レンジに入れようねぇ」
少女達に手やエプロンを引っ張られて苦笑を浮かべながらも、ヴァッシュはちらりと目線だけで
男の姿を追った。
先ほどの会話の時に浮かべたウルフウッドの表情を思い出す。
驚いた顔を一度だけの瞬きで隠したその後、ほんの僅かに口元が綻んだような、そんな気がしたのだ。
『気のせい、かもしれないんだけどさ・・・』
いつもの収録時に比べて、ウルフウッドの表情は格段に柔らかい。仕事中にも関わらず、
その視線や口調も穏やかで。
共演者が幼い少女達ということが過分にしてあるのだろうが、それでも・・・。
背後でチン!というレンジの音がし、ヴァッシュはそんな思いを振り払うように笑顔を浮かべて振り返った。
「さぁ、出来たかなぁ?」
レンジからトレイを取り出すためにオーブンミトンに手を伸ばす。
そんなヴァッシュの目の端を白いエプロンが掠めた。
「!!」
その次の瞬間、ハプニングは起こった。
出来上がりを待ち構えていた少女がレンジの前に駆け寄り、自分でレンジを開けて中に手を伸ばしたのだ。
駄目だ、とか危ない、とかいう言葉は口から出てこなかった。そんなことより先に身体が動いた。
少女の指が熱しきったトレイに触れる直前に、ヴァッシュの掌がそれを覆う。
「・・・っ!!・・・だ、大丈夫?どこも痛くない?」
自分の指先に走った鋭い衝撃を飲み込んで、ヴァッシュは少女の小さな手を裏返したり表にしたりしながら
慎重に観察する。
どうやら・・・大丈夫だったらしい。
小さく安堵の息をついて少女の顔に視線を移すと、大きな瞳がビックリして見開かれたままヴァッシュを
見つめていた。ウルフウッドがしたように、ゆっくりと膝を折って少女と目線を合わせる。
「レンジの中は、とっても熱くなっているんだ。気をつけなきゃ駄目、だろ?」
そして、不安げに揺れる瞳を受け止めながらヴァッシュはふわりと微笑んだ。それを見て、少女もようやく
安心したように微笑む。
「だから家で作るときも、お家の人がレンジから取り出してくれるまで待つんだよ、いいね?」
「はーい。ごめんなさぁい、ヴァッシュ〜」
「ヴァ・・・。も、イイデス。続き、やろっか」
「うんっ、ヴァッシュも手伝ってね!」
立ち上がると少女は嬉しそうにヴァッシュの腰に飛びついてきた。もう敵わないなぁ、などと思いながら
顔を上げると濃紺の瞳と眼が合った。
とっさに笑顔を浮かべる。ウルフウッドはそれに反応を返さず、手元に視線を戻した。
『・・・大丈夫』
このコーナーの残り時間もあと僅か。出来上がったお菓子をラッピングして、何人の子にインタビューをし、
エンディングを迎えることになっている。
少女達の楽しそうな笑顔に囲まれながら、ヴァッシュは誰にも気付かれないように奥歯を
ぎゅっと噛み締めた。
さりげなく身体の後ろに回していた、脈を打つ毎に増す右手の痛みを
ほんの少しでも誤魔化すことが出来そうな気がしたからだ。
ピンクやブルーのリボン、可愛い模様の包装紙を使って思い思いのラッピングをした、
バレンタイン用のお菓子をカメラが映していく。
しかしライトアップされて光る机上のそれらよりも、子ども達の表情の方が満足感と喜びに満ちて
キラキラと輝いていた。
「みなさん、できましたかー?」
「はーいっっ!」
ヴァッシュの問いかけにも、手を上げて頬を紅潮させながら嬉しそうに返事をする。
ヴァッシュは、インタビュー用のハンドマイクを持って少女達に近付いていった。
「では、インタビューしてみましょう。えーと・・・はい、キミ。このお菓子作り、楽しかったかな?」
「すっごーーーーく 楽しかったので、またやってみたいです!」
「そうかぁ、よかったですね。その『すごーく』の長さで物凄く楽しかったんだなぁってことが伝わりました。
では、はい、キミ!」
ヴァッシュは、その後ろの子にマイクを向けた。
「今日、初めて料理をしたんだよね、どう?上手にできたかな?」
「ん〜。上手に出来たと思います。さっきちょっと食べてみたから」
「あはは、そうかぁ。味見はとっても大事だよね!」
マイクを向けられた子は少し考えた後、笑顔でそう答えた。マイクを直接向けられていない子達も
ヴァッシュが質問をするたびに、うんうんと頷いている。
観覧席からも子ども達の微笑ましい様子に笑い声があがり、あたたかく和やかな雰囲気のまま
インタビューは続いた。
残り時間を考えて、あと一人くらい聞けるかもとヴァッシュが見回していると、一人の少女と
バチリと目が合った。
『・・・・・・うん』
ヴァッシュはにっこりと微笑んでマイクを向ける。
スタジオ入りの時にヴァッシュにぶつかってきた、最初に出会った子。
途中、気配りが足りなかったせいで悲しい思いをさせてしまった子。
既のところで何とか大事には至らず、笑顔のまま最後まで過ごさせてあげられた子。
ヴァッシュはこの少女に何となく不思議な縁のようなものを感じていたのだ。
「では、最後に。はい、キミ。今日作ったお菓子、とっても美味しそうにできたね。コレ誰かにあげるのかな?」
「あ・・・えっとぉ、それは・・・」
ヴァッシュからマイクを向けられた女の子は、白いエプロンの裾を両手で握って頬を染めたまま
視線を彷徨わせた。
そして、一点を見つめる。
ヴァッシュにはそちらの方向を見なくても、視線の先には誰がいるのか分かるような気がした。
どんな表情を浮かべているのかも。
一度唇をきゅっと結んだ後、少女は口を開いた。
「同じクラスの、隆くんにっ・・・」
しっかりと前を見てそう告げた少女の勇気にヴァッシュは小さな感動すら覚える。
「そうかぁ、きっと喜んでもらえると思うよ」
ちらりとヴァッシュの方に視線を向けた少女に優しく笑いかけた。嬉しそうに少女も微笑む。
『良かった。じゃあこのままエンディングトークへ・・・』
安心してマイクを引きかけたヴァッシュの手元が、次の瞬間何かに引っ張られた。
少女がヴァッシュのマイクをつかんで引き戻したのだ。
「な、何かな?」
「それとぉ、それとね。ニコ先生にもっ!!」
「え・・・!?」
スタジオ内の全ての視線が、一気にセットの端の方に佇む男に注がれる。流石に男もこの時ばかりは
いつものポーカーフェイスが崩れ、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしている。
「じゃあ・・・せっかくだから食べてもらおうか、ニコ先生に!」
あまりにも珍しい男の様子に嬉しくなってしまったヴァッシュは、思わずそう言ってしまった。
「ち、ちょ・・・オイ」
「わーいっ、食べて食べて〜ニコ先生ぇ!!」
慌てるウルフウッドに、チョコを持った少女が一目散に駆け寄っていき・・・
「きゃーっ!」
「うわっ、危ないがな。慌てモンやなぁ、おんどれは」
と、転びそうになったところ見事にキャッチされた。
「えへへー。ごめんなさーい」
小さく肩を竦め舌を出した少女は、早速ガサガサと可愛らしいラッピングを解き始めた。
中から一つチョコを取り出す。
ウルフウッドと一緒に作った『超簡単トリュフ』だ。
「はい、あ〜んv」
「・・・・・・・・」
まさかチョコを口元まで運ばれると思っていなかったウルフウッドが完全に固まる。
スタジオ内がドッと笑いで沸いた。
「せっかく『キミの為に』作ったんだから。勿論食べるよね、ニコ先生?」
楽しそうに言うヴァッシュを一瞬だけジロリと睨みつけ、それでも男は観念したように渋々口を開いた。
少女がポイとウルフウッドの口内にチョコを放り込む。
それを咀嚼する様子を、その女の子をはじめ、他の出演者・スタッフ・観覧席の人々も見守る。
カメラだけが、ウルフウッドに近付くために僅かに動いた。
「・・・どう?」
不安そうに少女が男にたずねる。それを安心させるように大きな手が栗色の頭にふわりと乗せられた。
「ああ・・・よう出来たな。美味いで」
口角を緩やかに持ち上げて瞳を細め、ウルフウッドは柔らかく微笑んだ。
「・・・・・・」
しばらくの沈黙、そしてその直後・・・
「きゃああっ!私もニコ先生にあげるーっっ!!」
「私も私もーっ!」
「私のも食べて、ニコ先生〜!!」
と、出演者の約半数の少女が自分の作った手作りチョコを持って、ウルフウッドに駆け寄ったのだ。
では、残りの半数はというと・・・
「私は、ヴァッシュに〜!」
「ヴァッシュ、ぜ〜ったい全部食べてね!!」
「もぅ!私もヴァッシュにあげようと思ってたのに〜」
と、マイクを持ったまま笑顔で傍観者を決め込んでいたヴァッシュに突進していったのだ。
「え、え?ちょっ、待って、ね?うわ〜〜〜っっ!!」
小さいけれどパワー溢れる人波に、このコーナーのメインキャスト二人が飲み込まれたところで、
カメラがメインスタジオへ切り替えられた。
カメラに向かってメリルがニッコリと微笑む。
「こんな風に心のこもった手作りお菓子を贈って、大切な人から素敵な笑顔のお返しがもらえると
良いですね。では皆さん、素晴らしいバレンタインをv」
「はい、カットでーす!」
ADの声が響き、スタジオ内が安堵した空気に包まれたのは一瞬のこと。大きな歓声と共に今度は
大きな波がウルフウッドを襲った。
これはチャンスとばかりに奥様方がチョコやプレゼントを持って集まったのだ。
「う・・・わぁ、すごいなぁ」
ヴァッシュも贈り物攻撃にあっていたが、その比ではないくらいウルフウッドの周りは人だかりが
出来てしまっていた。大波の大半が向こうへ行ってしまったのだから当然だ。
『・・・さすが、奥様のアイドル・・・』
こんなことをもし口に出せば、確実に蹴りがとんでくるのでヴァッシュはこっそりと心の中で呟き、
スタジオ内に響く『終了でーす』の声にようやく肩の力を抜いた。
途端に我慢し続けた右手の痛みが一気に増す。
「痛ぅ・・・」
思わずヴァッシュが小さな唸り声をあげたとき、急に目の前の人垣がかき分けられた。その直後に現れた
黒い影によってヴァッシュの身体は一瞬にしてさらわれる。
「・・・ちょお、来い」
たった一言不機嫌そうに告げた後、ヴァッシュの腕を掴んであっという間にスタジオを出て行った男に、
スタッフも『お疲れ様』の一言もかけられずにいた。
「ちょっ、待てよ、ウルフウッド」
「やかまし、黙っとれ!」
「・・・・・・」
あまりのことに驚き、言葉を発することを忘れていたヴァッシュが我に返って文句を言おうとした。
しかし、またしても強い一喝で押さえ込まれ、いきなりある部屋の中に連れ込まれた。
『え・・・ええーっ!?』
ヴァッシュは愕然とする。
そこは、収録スタジオの一番近くにある男子トイレであった。
『ひ〜〜!こんなところで何を!?ま、さか・・・ペナルティー?』
とんでもない思考にたどり着いてしまい、顔面蒼白なヴァッシュを男は更にグイと引っ張り寄せる。
「い、やだっ!ウルフ、こん、な・・・ひぁっ!!」
指先に強い刺激を受けて、ヴァッシュは思わず変な叫び声をあげてしまった。
同時に聞こえてきた激しい水音にも驚いて、ヴァッシュはゆっくりと目を開ける。
すると自分の右手が、ウルフウッドの手と共に手洗い場の蛇口から出る水にさらされているのが分かった。
「ウルフ、ウッド・・・?」
「・・・アホが」
恐る恐る名前を呼ぶと冷たい言葉が投げつけられる。
しかし手元から視線を外し、顔を上げた男の瞳の色は予想外に柔らかくて。それがヴァッシュを戸惑わせた。
トクリ・・・と、小さく胸が鳴る。
「あん時、チビを庇って火傷したんやろうが。何ですぐに冷やさんかったんや」
「だって、カメラが回っていたし・・・。それにあの時は必死で分からなかっ・・・痛ッ!!」
ウルフウッドの指が確かめるようにそっと火傷の部位の近くに触れた。
「そりゃそうや。こんだけ腫れあがっとって痛くないわけないやろ」
痛みに顔を歪めたヴァッシュに向けて吐き捨てるように男は言う。
しかしその声もやはり穏やかで。
子どもを諭すようなウルフウッドの口調に、ヴァッシュはしょんぼりと肩を落とす。
「・・ごめ・・・また俺・・・」
「別に謝らんでええ。怒ってへん。ちぃっとばかり呆れとるだけや」
そんな言葉でさえも優しく響いて。
トクリ。また一つ、小さく胸が鳴る。
じわりとこめかみの辺りから熱が広がって、ヴァッシュは慌てて俯いた。
それを落ち込んだと思ったのか、ウルフウッドは言葉を繋ぐ。
「やけど、おどれのお陰であのチビ共は、初めての料理を最後まで楽しく作れたんやろ?」
「え?・・・あっ・・・」
勢いよく顔を上げれば、間近に相手の顔があった。
「まぁ、今日のおんどれは・・・よう頑張ったんちゃう?」
驚いて目を見開いたままのヴァッシュに、男は濃紺の瞳を細め、口端を緩やかに持ち上げて小さく笑った。
「!!」
次の瞬間、弾かれたようにヴァッシュはウルフウッドの手を振り払って飛び退いた。
「・・・あぁ?何や、どないした?」
怪訝そうな表情で眉間に皺を寄せたまま、男が首を傾げる。
それを見てハッと我に返ったようにヴァッシュは叫んだ。
「あ・・・ああっ!!そうだ俺、そう!わ、忘れ物しちゃって。うん、そうなんだよ。
だから、もう行くねっ!・・・・・・うぎゃあっ!!」
そのままの勢いでトイレを出て行こうとして・・・ヴァッシュは扉に激突した。
「おい・・・」
「あはははっ、やっぱ俺ってドジだな〜。ごめんっ、それじゃあ!!」
そうして片手で顔を隠したまま今度こそヴァッシュは、男を残してその場を後にした。
『何なんだ!何なんだ!!何なんだよ、もう〜〜っっ!!!』
長い廊下をヴァッシュは物凄い勢いで駆け抜ける。
耳のすぐ側で、心臓の音がまるで早鐘の様に鳴り響いていた。
あの後、散々局内を走り回った挙句ついに守衛から注意されて、ヴァッシュはよくやく落ち着きを取り戻した。
金色の頭を垂れてしょんぼりと廊下を歩く。
「・・・だってさぁ〜」
誰が聞いているわけでもないのに一人呟く。
静かな廊下に声が響いている。ヴァッシュは立ち止まって再び顔を掌で覆った。
頬が、焼けるほど熱い・・・。
「あの顔は・・・反則だろぉ」
いつもは鋭く深い色を湛えた瞳が、あんなに穏やかな色を放つなんて。
いつもは不機嫌そうに引き絞られている唇が、あんなに緩やかな曲線を描いて持ち上げられるなんて。
いつもは低く耳を打つ声が、あんなに柔らかく響くなんて。
あの男が・・・自分にあんなに優しく微笑むなんて・・・。
「仕事で・・・そう、仕事でアイツに褒められたの初めてだったから!」
言い訳じみているのは分かっている。
しかしそう自分に言い聞かせることしか、今のヴァッシュには出来なかった。
心の奥底に見え隠れする、たった一つの答えに辿り着いてしまいそうで・・・怖かったのだ。
「・・・・・・あ〜っ、もう!!」
ヴァッシュはそう叫んでぶんぶんと激しく頭を振り、喝を入れるようにパンッと両手で自分の頬を叩いた。
痛みと共にジーンと掌から熱が広がる。何となく別の頬の熱さを誤魔化せたような気がして、
ヴァッシュは小さく安堵した。
その勢いに乗ってようやく歩を進めたが、ふとさっき見た男の顔を思い出して、また足取りが重くなる。
思い切り手を振り払った時、とても驚いていた。
怪訝そうな表情をしていた。
しかし気付いたときには身体が勝手に動いていたのだから、仕方が無い。
また火傷をしたかと思ったのだ。冷水を浴びせられ続け、冷え切っている筈の右手が、あの時・・・
男につかまれた部分だけ、酷く熱く感じられたから。
「はぁ。それにしても、我ながらあの言い訳はわざとらしかったよな。『忘れ物』だなんてさ・・・・・・ん?」
何かがひっかかって、ヴァッシュはぴたりと足を止める。
色々と混乱していたせいで、まだ頭が上手く働いていない。
廊下の真ん中で腕を組んだままヴァッシュは考えた。
「う〜ん、何だっけ?何か俺、忘れ・・・て・・・あ!」
カチリと記憶を呼び出すキーワードと記憶が結び付く。
「うわ〜〜〜〜〜〜〜っっ、忘れてたぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そう叫ぶや否や、ヴァッシュはまたもや物凄いスピードである場所へ向かって走り出した。
そのせいで・・・また守衛に捕まって更にこっ酷く叱られることになるのである。
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