Windows 7 Professional 64bit
iTunes
iPod shuffle
この組合せで、私の環境で起きていたある現象が、このたびようやく解決しました。
その「現象」についてネットで検索しても似た事例や手がかりはほぼ見当たりません。
経緯の子細は割愛しますがとにもかくにも独力であれこれ根気強く試しては、絶望、ヌカ喜び、半信半疑、挫折……いつまで経っても糸口すら掴めず徒労だけが積み重なるばかり。もう半ば諦めていました。
それでもiPod shuffleへの愛を諦めなかったことが解決に導いてくれたものと信じています。どうかそのことを含み置きのうえで読んでいただければ幸いです。
結論を急ぎたい方はこのページを最後の方へ一気にスクロールしてください。
第一世代命
そもそも何世紀前の話だよ、が傍から見た率直な反応かと思いますが。
私はiPod shuffleの第一世代(iPod shuffle 1st Generation)、容量たった512MBのこいつをこよなく愛しているのです。
このミニマリズム。潔さ。
はじめて手にした時の驚きは今もなお鮮明に覚えています。
512MBが小さいって? 容量ぎりぎりまで選曲するあの感覚はカセットテープ世代のハートを捉えて放さない。三つ子の魂百まで。
このiPodが、私のPC環境では使えないのです。それがある現象のこと。
なお本稿では以下shuffleを省略しiPodと表記します。字数を端折るというより、私にとってiPodとはshuffle、それも第一世代に限定。
ある現象、とは
私のPC(Windows 7 Pro)にiTunesは特に問題もなくインストールできますし、ローカルにある音楽ファイルのインポート(取り込み)や再生といった基本操作も普通に行えます。
一方、iPodもPC上では普通に認識します。USBポートに挿すと、タスクマネージャー、エクスプローラー、ディスクマネージャー(ディスクの管理)いずれも不審な挙動もなくマウントし、フォーマットやファイルコピーも普通に行えます。
問題はiTunesとiPodとの同期。まずiTunesがiPodを認識してくれない。
というか、一瞬だけ認識するんです。iTunes上にアイコンが表示されるのですが、数秒でそのアイコンは勝手に消えて(アンマウント=取り出し)しまうのです。で、そのままiPodを挿しっぱなしにしておくと数秒後にまたマウントし、そして数秒でアンマウント、またマウント→アンマウント→マウント→アンマウント……これを延々と繰り返す。
マウントが安定しないからかiTunesはiPodと同期をしてくれません。iTunesからのファイル転送やiPod内の曲を削除、iPodの初期化や復元など一連の操作が一切行えません。
本稿ではこのトラブルを現象と呼びつつ、解決への道筋を回りくどく記していこうと思います。
筆者のPC環境
Windows PCは2台。メーカーは別々。いずれもOSはWindows 7 Professional 64bitで、販売時期はどちらも2015年頃。件の現象はそのどちらでも起きました。
他に、XP Homeは1台あるけどほぼ退役。
これまではそのXPにiTunesをインストールし、iPodを管理してきました。そのままiTunes専用機として傍らに置いときたかったんですが、いろいろ不安定になってきてこれ以上使い続けるのは無理と判断し、今は物置の奥で眠ってます。
たまに引っ張り出すとセットアップだけでも一苦労だし、ファンがもう凄まじい音を立てて今にも離陸しそうな勢い。iPodを使い続けるのであればWin7移行待ったなしなのです。
MacはOSXが2台などあり、そちらにiPodやiTunesを任せてもいいんですが、こちらも事情により休眠中なので、なにがなんでもWindows 7で解決したいのです。
疑わしいこと
まず大まかに……
- Windows 7 x64
- iTunes
- iPod shuffle 第一世代
これらのいずれか、あるいはどれかとどれかの組合せ、あるいは三つの複合的要因と捉えるところからスタートしました。
……って、文字に起こせば「何を田宮榮一みたいなことを言ってんだ」ですが、でも手がかりがなかなか得られないとつい先入観にとらわれたり、思い込みに惑わされてしまい、当たり前の確認が漫然となりがち。そんな時こそこの原点を意識しました。
とはいえ、PCのハードウェア的な要因は当初よりあまり考慮してませんでした。
というのも2台のPCすべてのUSBポート(2.0 / 3.0)にiPodを挿して検証しましたが結果は変わらなかったので。前述の通り2台は別々のメーカーであり、仕様も、インストールされているドライバも違います。それでも同じ現象が起きたのだから、ソフトウェアに起因するんだろうと決めてかかってました。
まあ、そのせいで解決まで遠回りしてしまったことも確かですが、それについては後述します。
とりあえず試したこと
iTunes内の設定は関係なさそう。項目はそんなにありませんからね、無関係と思われるものも片っ端から試しました。
完全に解決するまでは、iTunesのバージョンをずっと疑っていました。古いバージョンなら問題ないのではとか、比較的新しいと現象が出るのではないかとか。
手持ちのものから現在もネット上でダウンロードできるもの……バージョン8.0.2から(Win7最終の)12.10.11.2まで一通りインストールしてみました。
ちなみにiTunesのWindows XP対応の最終バージョンは12.2(2015年7月1日)、同Windows 7および8は12.10.11.2(2021年4月23日)。
参考リンク:Wikipedia
各バージョンのダウンロード
外部サイトにつきオウンリスクでご参照ください。特に、公式以外のサイトから落とす場合はダウンロード元のURLがapple.comかを確認してください。
Apple公式
APPLEMAC – iTunes過去バージョン無料フリー・ダウンロード v10.5.3 – v12.6.2
iMyFone – 最新/古いバージョンのiTunesをここからダウンロード(Win / Mac) v12.4.0.119 – v12.10.11ちなみに、インストーラー(例:iTunes64Setup.exe)はそのまま解凍(展開)することで、AppleMobileDeviceSupport64.exeなどコンポーネントそれぞれが独立したインストーラーにもなります(参考:Windows版 iTunes 12 を最小構成でインストールする)。
インストールを繰り返す場合は、面倒でもその都度クリーンなアンインストールは鉄則ですね。
[プログラムと機能]でも削除しきれないフォルダもあちこち散らばってて、毎々毎回手動で捨てるのも面倒。rmdirでバッチファイル作りましたよ。
他に試したことで、覚えている限りでは……
iPodResetUtilityをXP(SP3)互換モードにしてリセット→iTunesも何故か当初は正常に動作したものの、音楽ファイルを追加しようとしたらまたエラー→フォルダがない、に。
電源の管理や電力の設定(USBセレクティブサスペンド)、Apple Mobile Device USB Driver関連、サービスの停止、下位OS(Vista)互換モードなどなど。
他にもあった気がしますがもう覚えてないし、書いたところで無意味でしょうからこの辺で。
ドライバーその他
iTunesのバージョンよりも、iPodのドライバーが怪しいのでは?といろいろ試してみました。
まず、正常に使えているXP環境の32ビット用ドライバーをコピーしてみましたが、7 Pro環境ではダメ。ならばと7のドライバーと差分を調べてマージしてみたり、ユーザーフォルダなどに入ってくるファイル群も差し替えてみたりしましたが、しまいにゃブルースクリーンも見ました。
実はその過程で、偶然なのか無事にiPodがマウントできたことがありました。しかし音楽ファイルをiPod内に転送しようとすると不明なエラーからの「必要なフォルダーが見つかりません」となってしまいます。その後いろいろやっていて、転送は行えたのですが不都合なことが多々起きてお手上げ。結局このアプローチは邪道なんです。
ちなみに、iTunesが正しくインストールされ、かつiTunesがiPodを認識している場合、デバイスマネージャーでは[Apple Mobile Device USB Driver]と表示されるそうですが、私の環境では現象が解消された後も[USB 大容量記憶装置]のままです。
[ドライバーソフトウェアの更新]でusbaapl64.infを直接読み込ませる方法もあるにはあります(リンク先はiPhoneの場合)が、iPod shuffle 第一世代だからなのか却って面倒くさいことになってしまい、仕方なく元に戻しました。
32ビット版/64ビット版の違い
XPが主流の頃のOSは32ビットが一般的でしたが、Vistaを経て7となると90%以上を64ビットが占めているようです(2022年頃の統計)。
よって、XP時代ならまだしも、今さら「64ビット版だから不安定」という疑いは当初より捨ててました。後述しますが、Virtual PCのXP Modeで32ビットの可否を検証した際も結局、問題はそこではないという結論に至ります。
ちなみにx64環境でx86版iTunesをインストールしようとしても途中で止められちゃいます。
第一世代は骨董品
いくらWindows 7が古いOSであっても、iTunesが普通に対応しているであろうことは疑わなくてよさそうです。
一方でiPod shuffleの、ましてや第一世代となるとさすがにその古さが気がかり。iPod側のコネクタが物理的に壊れている可能性もあるでしょうし。
現にiPod nanoの第七世代を私の環境に繋いでみると、やれiTunesのバージョンだとかUSBポートの違いだとかあれこれ試すまでもなく、すんなりiTunesでマウントや同期ができてしまいました。
はい結論。iPod shuffle第一世代は諦めなさい。そういうこと。解散~
第一世代が発売されたのは2005年。ジャンク屋でも滅多に見かけなくなりました。私も今の手持ちが引退したらもう諦めます。
困ったことに、機種にかかわらず「iPodがiTunesと同期できなくなった」という事例は、検索すれば山ほどヒットします。
そうしたサイトには一般的な対処方法も載ってるのですが、それらは残念ながら件の現象を解決する手がかりになりませんでした。最近のiPodであれば有効なのかもしれません。
そうなると自力でどうにかするしかない。そもそも解決なんてできるのか? ますます私は追い込まれてしまいます。
そんな中で、iPod shuffle第一世代がUSB 3.0に対応してないんじゃないかという疑念は当初より持ってました。ただ、上に記した通り私も2つのPC(いずれもUSB 3.0と2.0両方のポート有)で試しましたし、USBの規格や互換性が原因であれば検索でいくらでもヒットしそうなのに見当たらなかったことで、この疑念を後回しにしていたのは確かです。
その判断が混迷を深める要因でもあったし、解決への伏線ともなった訳です。
代替ソフトを使ってみた
代替とはつまりiTunesに代わってiPodを管理するためのソフトですが、iTunesにこだわらなければいろいろあるようです。
これらについて私は軽く試した程度なので不正確な部分があるかもしれませんが、件の現象のようなことは見られませんでした。使い勝手はそれぞれ異なるものの、いずれも普通に使うことができました。
SharePod
バージョン4以上だと機能制限された試用版だったような……もう覚えてません。バージョン3.9.9はWayback Machineからダウンロードできました。
4と3は見た目が結構違いますが、iTunesを完全に諦めた際の代替には成り得る機能性だと思います。
QuickTimeを使うので、iTunesと併用するとQTを上書きされたりしないのかな。ちょっとユニークな使い方をする人がいるようです(次項:SharePodの裏技的使い方)。
CopyTrans Manager
こちらはiPodをいわば音楽サーバとして取り扱うような感じ。PCをサーバにするiTunesとは真逆の主従関係といっていいでしょうか。
何百GBの最新iPodで頻繁に転送をしないとか、Android環境で音楽ファイルをごっそり入れたMicroSDカードをとっかえひっかえしながら聴くような使い方だとこのCopyTransManagerの方が便利かもしれません。512MBのiPodには向いてないと思いますが一応私のiPodでも使えましたので選択肢としては残しました。
rebuild_db
試してませんが、iTunesを介さず(他のUSBフラッシュMP3プレイヤーのように)単純にエクスプローラーで音楽ファイルをiPodにドラッグコピーするだけ。2006年にバージョン1.0をリリースして以後更新が無く、機能的な制限もあるようですが、単純に音楽プレイヤーとしてだけなら使えるようです。
foobar2000
音楽プレイヤーとしては定番とも評されるfoobar2000も、iPodにファイル転送が可能なようです。
私は音楽再生にMPC-HC(最近久しぶりにアップデートが始まりましたね)を使ってるので、iPodのためだけに新たにfoobar2000を入れようとは思ってませんが、もしiTunesを使う道が完全に断たれたらMPC-HCの処遇も含め再検討しようとは思ってました。
SharePodの裏技的使い方
前項で紹介したSharePodですが、私がこのアプリケーションを知ったのはmicrosoft.comのフォーラムでした。
2009年と古いのですが、Ipod Shuffle fails to work in iTunes on Windows 7と題したエントリがあります。投稿者はWindows 7とiPod shuffle第一世代の組合せで不具合が起きていて、解決策を求めています。しかもその人、XPでは問題が無いとも。
なんか私と似てます。この2009年の時点で既に同様の現象があったのかもしれません。
この投稿に対し、オーストリアのpazazzoさんによる解決策が載ってます。いささかややこしい手順を踏めば、SharePodを介してiTunesの操作ができるらしいのです。
要約すると……
- iPod ShuffleをPCから抜いておく。
- タスクマネージャを起動。プロセスに移動し ITunesHelper.exe を選択し[プロセスの終了]。
- iPod shuffleをPCに挿す。iTunesは勝手に起動せず、マイコンピュータにshuffleが表示されるはず。
- SharePod をダウンロードし、.zip ファイルを解凍して Sharepod.exe を起動。
- SharePodがiPod shuffleを認識するはず。
- iTunesを起動。
pazazzoさんのiTunes v8.2とはバージョンが異なりますが私は試しにv12.10.11.2で検証してみたところ、なんと現象は起きず、普通にiTunesからiPodの管理が出来るようになっちゃいました。
注意すべきは、まずSharePodを開いてからiTunesを起動すること。既にiTunesが開いているとSharePodは起動しないようです。iPodをPCから抜く際はiTunesの[取り出し]は実行しないこと。
私の環境では、iTunesを起動したい時は毎回Sharepodを先に起動しなければいけないようで、ちょっと煩わしい儀式。
興味があればリンク先を参照・翻訳してみてください。
技術的な裏付けは証されていないので、あくまでも傍流の策と捉えといた方がいいと思います。
ヒントから得た仮説
前項の裏技はさておいて。
私がiTunesを諦めて代替ソフトを使えば、iPodを再び活用できます。何度も気持ちが揺らぎました。
iPodとiTunesで普通に同期させるという正攻法はとっくにお手上げのまま何ヶ月も経ち、まるで進展する兆しすらありません。
ところで、先に触れたフォーラムのIpod Shuffle fails to work in iTunes on Windows 7には、mc3650さんによる「もっと簡単な方法もあるでよ」として、別のノウハウも載ってます。
それは簡単に言うと……
- 32ビット版のiTunesがインストールされているPCにiPod shuffleを挿す。
- 挿したままiTunesを起動し[ディスクとして使用する]にチェック。
- これにより、64ビット版のiTunesでも同期などが行えるようになる。
本当に簡単ですね。でも私は試せませんでした。押し入れの奥に眠ってる32ビット版のPCは、もうこの頃は起動すらままならず廃棄を待つような状態。OSXの入ってるPowerMacを引っ張り出せば不可能では無さそうですが、これも骨が折れる。
そもそもこれが根本的な解決法かというと、ちょっと違うかなとも思うし。この投稿があったのは2009年ですからその後のiTunesのアップデートで解決されている可能性だってあるし。
ただ、小さな手掛かりにはなりました。この時点では本当に小さな手掛かりですが。
その手がかりとは、iTunesとiPod shuffleの組合せにおいて、64ビット環境には何らかの不安定要素があり、一方で32ビットなら安定しているという疑いです。
結果的にこの疑いは関係なかったといずれ知るのですが、ともあれこの時は膠着状態から少し動いた気がしました。
Virtual PCのXP ModeでUSBデバイスが使えない問題
iPod shuffle 第一世代はWindows 7に対応していないのだろうか。それとも64ビットOSとの相性だろうか……OSの違いに目を向けてみたものの、直球ダイレクトな情報は得られません。またアテが外れたか……
実は割と早い段階で、Windows Virtual PCをインストールしてXP Modeをチョチョッと試してみたことがあります。
ただその時は、iTunesとの動作確認以前に、XP Mode上にiPodがマウントしなかったのでした。それに、もしこの手段で解決したとしても常道ではないと、さっさと却下したという経緯があったのです。
あれから数ヶ月。他に解決の目もなく停滞しっぱなし。
もはや常道も邪道もない。なりふり構っちゃいらんない。そもそも他のUSBメモリーもマウントしなかったのはなにか理由があるはず。今回は腰を据えて再チャレンジしてみました。
ひとまずXP用のサービスパックや何やらを一切スルーしてVirtual PCをインストール。追ってiTunesのXP最終バージョン12.1.3(12.1.3.6というのもあるそうですが筆者は未確認)の32ビット版をインストールします。
すると、やっぱりiPodをPCに挿してもVirtual PCで認識してくれません。
USB デバイスを接続できませんでした。USB デバイスを別のポートに接続するか、仮想マシンを再起動してやり直してください。
というアラート。前回はここで断念したんです。iTunesで認識するかどうかより手前で断たれた。
で、ここでiPodではなく、FAT32でフォーマットした普通のUSBスティックメモリーも挿してみました。すると、これもVirtual PCで認識しません。再起動し、別のポートに挿してみたりNTFSにしてみたりしましたが結果は同じ。後に知るのですが「別のポートに接続するか、仮想マシンを再起動して」というメッセージを額面通り受け取ってるだけでは解決しないという時折あるアレでした。
とにかく、iPodばかりでなくUSBメモリーやSDカードもマウントしなかったことからして、少なくとも私の環境においてVirtual PC上ではUSBデバイス全般が使えてない状態ではないかと推察できます。
例の現象との因果関係は留保するとしても、これはこれで解決させておきたい。
すると、ヒントらしきサイトに行き着きました。
Windows7 の XP Mode で USB接続ができないことへの対応
ここでブログ主の松さんという方は、XP ModeでテプラをUSB接続しようとしたものの、私のケースと同じアラートで阻まれます。テプラは古いデバイスだろうからUSB 2.0のポートに挿しているにもかかわらずです。
そこで松さんはBIOSでUSB 3.0を無効にしたところ、テプラを認識させることに成功したとか。
この設定により、外見上はUSB 3.0のポート(青色)もUSB 2.0として機能すると。
ホォ。BIOSにそんな項目があるのか。この時点で全く知りませんでした。
でも3.0と2.0を気軽に使い分けるために2種類のポートが用意されている訳で、そこに更にBIOSを弄る必要はあるんだろうか。まだ半信半疑。
とはいえこの松さんの、問題と直面してからの経緯は、私のそれと似ています。
であれば試すべき。ましてやその時の私は他に何も策がないお手上げ状態だったのだから。
ということでPCを再起動し、該当するBIOSの設定項目を見つけました。
BIOSの設定その1:XP Modeの問題を先に解決させとく
BIOSでUSBの規格に関連する設定をします。デフォルトでは、3.0のポートは3.0で機能するようになってるはずです。
私のPCを例にしますと……
EPSON Endeavorの例
[Advanced]→[USB 3.0 Controller]→デフォルトの[Enabled]を[Disabled]にし、設定を保存して起動。
Virtual PCのXP Mode上で難なくiPodを認識してくれました。ついでにUSBメモリーも。これは今までにない大きな前進。
備考:[Advanced]内のUSBに関する項目
[USB Function] Enable / Disable
[Legacy USB Support] Enables Legacy USB support. AUTO option disables legacy support if no USB devices are connected. | Enable / Disable
[USB 3.0 Controller] Enable / Disable
[USB 2.0 Controller] Enable / Disable ※[USB 3.0 Controller]をDisableに設定した場合に表示
ということは、つまりBIOSの設定で解決するのであれば、なにもVirtual PCを介さず、Windows 7上でiTunesとiPodが普通に同期できるんじゃないかとなりますわな。
この時点でゴールが見えていたのですが、ここは心落ち着かせてもう一方のPCでも確認しておきます。
FUJITSU Esprimoの例
[詳細]→[内臓USB 3.0 コントローラー]→[Manual]か[使用しない]にし、設定を保存して起動。
[Manual]USB2.0ポートをUSB2.0コントローラーに接続し、USB3.0ポートをUSB3.0コントローラーに接続します。
[使用しない]USB3.0コントローラーを使用禁止にします。USB3.0ポートはUSB2.0ポートとして動作します。
[Smart Auto]全てのUSBポートをUSB3.0コントローラーに接続します。※デフォルト設定
古いUSBデバイスを頻繁に使う環境では[Manual]に設定といて3.0と2.0それぞれのポートを使い分けるのがベターかと思います。外見で分かるし。
《この項のまとめ》
結果から言えば、古いUSBデバイスを接続する際にとりあえずUSB 2.0のポートに挿せばいいというわけではないようです。USB 3.0をBIOSで無効にしてやらないと正しく認識しないということもあるのかもしれません。私はそこまで考えが届かず、原因の絞り込みに何ヶ月も費やしたのでした。
もし、これに類する設定項目がBIOSに見当たらないとか、BIOSをむやみに弄りたくないなら、USB2.0増設ボードとか変換名人から何か出てそうな気もしますが、私はその辺の事情はよく分かりませんので特に勧めたりはしません。
ここで再度松さんのブログから引用すると……
BIOSで3.0を無効ししてしまうと、当然母艦でも3.0が使えなくなってもったいないので、PCIソケットにUSB2.1増設ボードを挿して、その増設ポートからなら、仮想マシン側が認識するとのことでした。
ちょっと投資したら、母艦側では2.1も3.0も使えるようです。
余談ですが、昔買ったUSB延長ケーブルをPCとiPodの間に繋いでみましたが、これは全く効果が無かったです。そんな単純じゃない。
BIOSの設定その2:ついに念願の完全解決へ
さてさて。
こうなってくると前述の通り、わざわざVirtual PCを介さずとも、BIOSで設定してやればiPodとiTunesが普通に同期してくれそうな気がしてきました。
ということで、BIOSで件の([USB 3.0 Controller]や[内臓USB 3.0 コントローラー]などの名称の項目)設定をし、あとは何も複雑なことせず普通にiTunesを起動、USBポートにiTunesを挿しました。
全く何の支障もなく、同期とかファイル転送とか一連の操作を普通に行えました。
一時は諦めかけていたのが、呆気なく解決。
念のため設定をデフォルトに戻したところやはり現象が起きて、また変更すると大丈夫。また戻してダメで、変更して大丈夫……もう他に疑いようがないほど、再現率100%です。
BIOSの設定その3:懸念されること
とりあえずBIOSで設定を変えた項目は、しっかり覚えておきましょう。
私自身はiPodとiTunesを頻繁に同期してる訳でもないので、必要に応じてPC再起動がてらBIOSの設定を変えるぐらいは厭わないのですが、面倒であればいっそのこと設定を戻さない手もありえます。iPodに限らず古いデバイスが安定して使えるようになるかもしれませんし。
ただ私の場合、BIOSの設定を変えたままでいたら、OSのリストア用に以前作ったブータブルメディアが「UEFIモードにしろ」と言われて使えなかったことがありました。
この件との因果関係があるかは分かりませんが、他にも予期せぬトラブルが起きる可能性は否定しきれないので、何か不都合を感じたらひとまずデフォルトに戻した方がいいでしょう。BIOS内に「出荷時の状態にリセットする」みたいな項目もあるかもしれませんが、それやっちゃうとそうなっちゃうので。あくまでも最終手段。
以下おまけ。
(星野源)あと最近、僕は昔のiPod……まだ、モノクロで表示されている時、昔のゲームボーイみたいなiPod。初代とか2世代目ぐらいの時のやつ。
(細野晴臣)あれ、いいんだよね。デザインもね。
(星野源)デザインもすごく良くて。で、その頃の圧縮技術ってたぶん今より全然良くないんですけど。その時にいっぱい入れたものがまだ残っていて。それを聞くんですけど、超いい音なんですよ(笑)。
(細野晴臣)いいなー(笑)。
出典:星野源と細野晴臣 YouTubeや昔のiPodで聞く音源の魅力を語る 2023年7月11日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』