貝印のニッパー型爪切りのスプリング交換

うちにニッパー型の爪切りがあります。
いわゆる普通の爪切りの方が日常使いには良いのですが、このニッパー型も一度便利さを知ってしまうと手放せない。例えば爪を切る以外にも、脚の親指の厚い爪の「面取り」をしたり、爪に限らず皮膚のささくれを切る時などにも重宝します。私もそうして併用してきました。

ところがある日。このニッパー型爪切りのスプリングがポキッと断裂してしまいました。
使い古して切れ味が落ちていたとかでもなくこのまま捨てるのは惜しい。このパーツだけでも入手できないだろうか。

すると、不束にも今まで気づいてなかったのですが、KAIというロゴマークが入ってることに気づきました。私が何気なく使っていたこのニッパー型爪切りは貝印株式会社の製品だったんですね。
詳しくは書きませんが、私は以前よりキッチン用品などを通して貝印に好印象を持っていました。しかし爪切りまで扱ってるとは知りませんでした。道理でこの爪切りも造りがしっかりして切れ味も良かったはずだよ。

ともあれスプリングを単体で売ってないかと貝印のオンラインストアを見てみると、どうも見当たらない。
汎用性があれば他社製の類似・互換品がホームセンターで扱ってるかもしんないけど、どうせならとメーカーに問い合わせてみました。パーツのみなら爪切りを買い直すよりはリーズナブルだろうから定価でも喜んで買いますよと。なんならスペアで2つ3つも。

他社製の替バネを試してみた

ただ、いくつかの懸念がありました。
というのもこの私の持ってるニッパー型の爪切りは、確かにKAIのロゴこそ入ってますが、ブランド名や商品コードのようなものは刻まれてなく、同社のサイトを見てもカタログに載ってません。ニッパー型のシリーズは普通の爪切りよりは比較的高価のようですが、うちのは他製品よりシンプルなので廉価版っぽくも見えます。

そもそもこの爪切りを、いつどこで買ったとかまるで記憶に無い。
記憶に無いということは何を意味するか。

まず品が古いということ。だからカタログを見てもうちのニッパー型と同じスプリングを使ってる商品が見当たらず(うちのタイプのスプリングは脆いということか現在はもっとしっかりした「Wスプリング」というものが同社ラインナップの主流のようです)パーツの在庫が残っているか心許ない。
経緯も分からないので、果たして「買った」のかも定かではない。プレゼントとかだと、ギフト用に特化した商品のいわゆるライセンスブランドかもしれない。
何より、類似品・コピー商品の可能性だってあります。

保証書のようなものも探したがありません。もしあったとしても、数万円の商品ならまだしも、爪切りでサポートが受けられるんだろうか。

そんな逡巡もあり、メーカーに問い合わせることもせずにいたある日。たまたまヨドバシ・ドット・コムで、破損したスプリングの代替となりそうな商品を見つけました。

ヨドバシ.com – グリーンベル SJ-N39 ニッパー替バネ3本組

この替バネはグリーンベルというメーカーが販売していて、同社の一部モデルに対応しているようです。
貝印ではありませんが、レビュー欄に「貝印のニッパー爪切り用にダメ元で購入。形状は少し違っても問題なく使用できました。」とあり、私もダメ元で取り寄せたのです。
結果は、力づくで押し込めばどうにか装着できたものの、いざ実試用すると外れたりして結局使いものになりませんでした。

やっぱり貝印にお願いしてみた

一度ダメ元でダメだったんだから、この際やっぱり貝印に問い合わせてみようと。
公式サイトにメールフォームみたいのもあったかもしれませんが、思い立ったらせっかちになる私は「お客様相談室」に電話してみました。事情を話し、パーツを売ってくれないかと。

すると、電話口のサポートの方から思いがけない提案をされました。
爪切りを貝印本社に送ってくれれば無料でスプリングを付けますよと。

「適合するスプリングが在庫として残っていれば」という条件でしたが手数料もパーツ料も取らずに、送料(郵送)さえ私が負担すれば取付後は貝印の発払いで届けてくれるというのです。
なんとも有りがたい。貝印さんありがとう。

そうなるとやはり気になることが。
送ったはいいが結局スプリングの在庫が無かったということになれば無駄足にさせてしまうようで貝印さんに申し訳ない。かといって品番も分からないので現品を送付しなければ確認しようがない。
なので、写真を撮ってメールで送るから見てくれませんかと言ったのですが、とにかく送ってくださいと。
まあ、そこまで言うのなら……と発送の手はずを整えました。

うちのタイプの爪切りの場合本体のみなら100g弱ですが、緩衝材で包み角7の封筒に入れたら100gを越えてしまいました。定形外郵便(規格内)で210円。実費はこれだけ。
ポストに投函ではなく念のため郵便局の窓口に持って行きました。それが土曜日の夕方。

貝印から爪切りが戻ってきたのは翌週の木曜日。思ったより早かったものの「あいにく勘合の合うバネのご用意が出来ず、修理を行うことが出来ませんでした」といった丁寧な返信とともに爪切りはそのまま戻ってきたのでした。

う~ん、残念。
だからって貝印さんに失望したり恨んだりは一切ありません。むしろお手間を取らせてしまって申し訳ないぐらいです、正直。

ということで、じゃあどうしたか。

ヨドバシ・ドット・コムから買ったグリーンベル社の替バネを改めて嵌めてみることにしました。
前述の通り、買った直後はそのまま無理に貝印のニッパー式爪切りに嵌めようとしたものの実際に爪を切ろうと力を加えると外れてしまい、とても使えたものではありませんでした。
しかし、だったら替バネをペンチで折り曲げてみたらどうだろうかと。3本組だからスペアはあるし、てか余らせたところで他に用途もないし。3度目のダメ元で。

折り曲げたのは下図の通り。説明用にややデフォルメしてます。
左が元の状態で、右がペンチで角度を調整したあと。

上図:正面から見ると、元はハの字だったのが、調整後は下が絞れています。
下図:横から見ると、より角度が付いています。

これぐらいの調整で実際に取り付けてみると、ピッタリ嵌ってくれました。爪切りとして使ってみても外れたりしません。

(写真ではコイルが変な位置にありますが本来の位置はUの字の下辺)
ただ元々のスプリングで使っていた時と比べてニッパーの可動域がまだ狭い。おそらく横から見た時の角度をもっと加えてやるといいような気がしますが、このままでも使用上は問題ないのでまあいいや。

ペンチで曲げるわけですから、それもまたポキッと折ってしまう可能性もあり、実際に試す時は慎重に行った方が良いかと思います。
もちろん私は個人的な事例を紹介するのみで責任は持てませんが、似たような境遇でこちらのページをご覧になってる方にはダメ元で試す価値はあるかもとは申しておきます。

それより何より、貝印さんに問い合わせてみるのが先決ですね。良いモノだから長く使いたいですね。

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