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RD14話

 総集編。なのはいいんだが……。見ていてちょっと脳みそ溶けそうになったのは、なにも暑さのせいばかりではあるまい。今回ちと点が辛いよ。
 Aパートは祖母に電話で波留と出会ってからの出来事を話すミナモという演出。本作に限らず、登場人物が「誰か」に語って聞かせるというパターンは総集編回ではよく見るからさほど斬新なものでもない。
 しかしこれを、これまで放映された回の映像をはさみながらとはいえ、ミナモ、つまり沖佳苗なる経験の浅い役者の一人語りですませるのは聞いていてなかなかつらいものが。
 応答が視聴者には聞こえない状態での会話は、10話「至高の話手」波留さんとエライザとのチャットでも同様のシーンがあった。このシーン、視聴者の視点は電脳化されていないミナモと重ねられているから、電脳を通じて交わされる波留さんとエライザのやりとりはただ波留さんの声のみが聞こえる。だが波留さんのちょっとした台詞、声の調子でエライザがなにを言ったかは想像できる。まあ、新人とベテランを比べても実りはあるまい。
 てか、最初あまりのアニメ声にくらくら来たミナモさん、段々こちらがその声にも慣れてきたと思ったが、初期はやっぱつたないのなー。
 続くBパート、ミナモは波留さんの世界を見てみたい、とダイビングに挑戦することに。
 ところで今回はAパート14分・Bパート6分という変則構成をとっている。「オトナアニメ」インタビューで監督が日テレに好きにやらせてもらっていると言っていたが、この構成もそのひとつなのかしら。ちなみに日テレがゆるいのは「アカギ」や「カイジ」で中谷プロデューサーが頑張っていたおかげらしい。ほほう。この調子でカイジ二期も頼みまっせ(あと、ついでに銀金や涯も…)。
 閑話休題。
 つまりダイビングシーンで挿入された海の実写映像も好きにやった結果なのだろーか。実写使用の可否はともかく(個人的にはありだと思うが)、もっときれいな映像は使えんかったんかいのう。
 けれどもその漂いまくる残念感すら、挿入歌で吹っ飛んでいったのだから怖ろしい。挿入歌でヘナヘナになったのは超銀の地球出発シーンに匹敵する。<たとえが分かりにくい!

 そうそう、12話で波留さんが「僕にはまだ海がある」と言ったのはあっさりしすぎて納得いかん、と思っていたらネットで納得のいく解釈を書かれている方を見つけた。カナヅチだったミナモさんが泳げるようになり、ダイビングに挑戦するのとは逆に、波留さんは負の方向、停滞へ進もうとしているのではないか、ということらしい。なるほど!こういう自分では思ってもみなかった意見と出会うからネットは楽しい。

RD13話

 波留さんとミナモさんがデートしてた。

 いや、波留さんの過去とか、どうやら東京は海に沈んでいるらしいということが分かったりしたけど、まぢでデートしているだけだったよ今回…。このままだと本当に81歳(中身31歳)と15歳の女子中学生がほのぼのらぶらぶしているだけの話になるよ!あ、むちむちもあったか。
 てか前回12話のミナモの台詞(「それじゃどっちにもなれない気がする」)はわりと重要だと思ったのに、今回あっさりと一言で流されていた。も、もったいねー。

 ノベライズも読んだ。時系列は本編の数年前、というわけで久島と寝ているときの波留さんがちらりとだけ登場。ちゃんと秋田してたのでファンとしては満足なり。アニメだけの人の評価はどうなのかしら。
 そういえば公式サイト連載の小説も書籍化されるのだろうか。どうも私にはちょっとづつ掲載、というのが肌に合わなくてちゃんと読んでいない。だから書籍化されたら嬉しいのだけれど。

銀英伝外伝

 昨日の朝、新聞を広げると飛び込んできた「デビルマン」の文字。…ちょっと待て某ローカル局。よりによってあの評判も名高き「デビルマン」をやるというのか、しかもゴールデンで。ほほうこれは話の種にせよということだな、さすが某ローカル局。と思ってたのに、いろいろとバタバタしていて見られなかった。良かったのか悪かったのか。

 レンタル屋が100円の広告を出していたので、銀英伝見返したい度が上がっていたところにちょうどよい、と出かけた昨日である。迷った末に「我が征くは星の大海」「奪還者」「第三次ティアマト会戦」の三本をチョイス。本伝は高校生のころ見たが、その後出た外伝は見たことがなかったのと、ネットでの感想でこの三本となった。それ以上に、RD見てたら森さんの声を聞きたくなったというのもある(外伝にはミッターマイヤー出てないけど)。てか、本伝は見るのもたいへんだよ。

「奪還者」
 原作にはないオリジナル脚本で中佐時代のラインハルトの活躍を描く。すごく面白い。難を言えば陰謀劇としては緊迫感に欠けていること、ゼッフル粒子が便利アイテムすぎることだが…って、これじゃ物語の大部分が欠点含みということになってしまうではないか。いやでもベンドリングの任務に対する葛藤なんかは描きこむべきだったと思うよ。
 それら欠点を補って余りあるのがマルガレーテ嬢。10歳にしてあの自立心、あの言いよう。小賢しさが子どもらしくてグー。
 こんな幼い子どもを、周囲の大人たちが全力で守ろうとするのがいい話なんだよな。実は私、銀英伝で最も気の毒な人はエルウィン・ヨーゼフだと思っているもので。
 巡航艦ヘーシュリッヒ・エンチェンのマークが「ひよこ」なのはなんでだ、と調べたらドイツ語でみにくいあひるの仔、つまりのちにブリュンヒルトが乗艦となることを暗示しているらしい。なるほど。

「第三次ティアマト会戦」
 ラストのナレーションが印象的らしい、というのが借りた動機。時系列的には第四次ティアマト会戦の直前、つまり初映像化作品「我が征くは星の大海」の前だ。けれども本当に重要なのは、ラストの、大将に昇進し新造戦艦ブリュンヒルトを下賜されたラインハルトのシーンだろう。少年そのままの表情で階段を駆け上がるラインハルトとキルヒアイス、かれらは「すべてのはじまり」は眼前に迫っていることをまだ知らない。
 しかし「奪還者」でも思ったけど、このころのラインハルトはいい子だな…。かわいげがある。

だがしかし、金はない

 拍手いただきました。ありがとうございます。

 「RD潜脳調査室」がおもしろい。初期こそアラも目立ったが、最近はそんなこともなくなってきた。こういう、少しずつ物語の全体像が明かされていく形式に、私はたいへん弱いのだ。いまさらながら1話を見逃してしまったことが悔やまれる。
 もうまもなくDVDも発売される。各巻2話収録の通常版と、6話収録で特典山盛りな特別版の2種類があるそうな。ぐぬぬ。普段「特典つけるぐらいなら安くすればいいのに」などとほざく人間だが、スタッフのコメンタリ、資料集といった世界観好きにはたまらん特典を入れてくるとはおそれいる。お、おのれー。

夏目友人帳1話

 蝉の声を聞いた。夏である。
 今日はさすがに暑さで気分を悪くした。八分袖の服を着ていたのだが、手首のあたりでくっきり皮膚の色が変わっていた。また見事に焼けたものだな。
 涼を求めて帰り際図書館に寄る。となれば、何かおもしろげな本はないかと、ついふらふら書架を物色するわけで。とても本など入らない小さい鞄しか持っていないのに、4冊ほど借りてしまう。まずいことに財布の中には利用者カードを常に入れているので、障害などないのであった。
 おかげで、今日はくそ暑いのにくそぶ厚い本を4冊も抱えて帰る羽目になった。自業自得である。今度からは手提げ袋も常備しておこう。

 夏目友人帳が面白いと聞き、読んでみたいと思っているうちにアニメ化決定の報が流れ、それでは放映前に読もうと思っているうちにアニメが始まってしまった。こうなったら原作に手を出すのは放映が終わってからにするか。
 原作の評価が見るきっかけだったこともあり、スタッフや出演者がだれかということはあまり知らずに見た。おかげで、突然出てきた井上和彦に思いっきり足を取られる。
 しかも当初登場した招き猫の姿では声色を変えており、真の姿になったときにあの声になるという二段構え。なんとおそろしい罠だ。私が声だけで引っかかる数少ない声優が井上和彦だと知っての所業か。というわけで視聴決定。

コードギアス14話

 やっと話が動いたよ。ぎあっちょぎあっちょ。
 ネットで、このアニメの特徴は、高密度の情報と展開の速さだ、という指摘を見かけた。なるほど、一理ある。画面に書きこまれた情報、ちょっとした台詞などに伏線が細かく張り巡らされ、本筋には直接絡まない小ネタなども数多く盛り込まれている。私のようにテレビの前にぼけーっと座っているだけの人間には、すべてを把握するのは難しいアニメだ。そのわりに展開がやたら大味で、作品に対して緻密な印象を持たせない。そこがこのアニメの面白いところだと思う。ぎあっちょ。
 とはいうものの、待望の2期が始まって以降、「コードギアス」はどこかつまらなかった。毎週きっちりと盛り上げはするのだが、ゼロの正体がどうした、黒の騎士団がどうした、という話ばかりで肝心の本筋が動いていないように見えたからだ。この1クールは、小さな風呂敷を次々と広げ次々とたたむことに終始していたように思う。しかもその風呂敷は各々が独立しているので、次につながらない。1期はまだ風呂敷たちが連動していて、それが次第に大きなうねりになっていく様を見ることができたのだが。

 このような印象を持つのは、私の興味が「ルルーシュは何を為すのか、この世界とは・ギアスとは何なのか」という点にしかないから、ということもあろう。キャラの動向も生死も、合衆国日本云々もどうでもいいんだな、実際。谷口悟朗はルルーシュという無力な少年の帰結をいかに描くのか、また現実とは違う歴史を辿っている世界とギアスの謎にどう決着をつけるのか。私の関心はそこにしかない。でも今週の藤堂と千葉さんには吹いた。リンゴはまあいい。だがそのベッドはなんだ。
 まあこの14話にしても、これまでほとんど語られなかったギアス研究所がいきなり登場していきなり壊滅、という唐突さだ。1期から続く謎の数々はどう解決されるのだろう。されるよね?
 いや、1期の時点で私はこのアニメをルルーシュが世界を股にかける大魔王になる話だとばかり思っていたのだが、2期の始まり方からすると、箱庭的世界から脱出する物語っぽいので。…これではまるで少女革命ウテナだな。
 しかし2期に入ってからのキャラの消費っぷりには驚いた。意味ありげに登場したキャラが次々に(意味もなく)退場し、後の展開への布石かと思われた描写があっさりと回収・撤回されていく。かと思うと、唐突にハイスペックぶりが明かされた咲夜子のようなキャラもいる。もったない、といおうか、なんでだ?と首をひねっていたが、すごくシンプルな答えにたどりついてしまった。尺が足りないからだ。そうに違いない。
 いやまったく、キャラ主体で見ていたらかなりしんどいのではないか、これは。
 ところで、これは書きながらふと浮かんだ単なる思いつきなのだが、1期と2期で対照構造になってるんじゃないか?だとしたらおもしろいかもしれない。


 アニメの感想を読もうとネットを探していてふと思ったこと。ここ数年、純粋に次週が待ち遠しい!楽しみ!と毎回どきどきするようなアニメに出会っていない。
 もちろんどのアニメも面白いと思っているからこそ毎週見ているのだが、楽しむことを半ば義務化している気がする…。非常にもったいない見方をしているな、われながら。

RD潜脳調査室まとめ

 どうも今日は文章が荒れている。これはきっと暑いからだな。よし。<納得するな

 前の記事に続き、またIGアニメの感想である。はじめてRDを見たときは、話運びのまずさとヒロインの声に引っかかったが、ここにきてまともに面白い話が出てきた。
 脚本が悪いのか演出が悪いのか、まっすぐ進めばいいのにどうしてそこで横に折れる?と首をひねる話ばかりだったので、ようやく見ていて良かったという気持ちにさせられた。大西は単純に説明がへたな脚本家だったが、こういうのをなんと言えばいいんだろう。逆に、ギアスはたとえ大状況がまったく動いていなくても毎回小状況が劇的で飽きさせないという点で技術が高いんだよな。
 ヒロインの声も、声優がこなれてきたのかこちらが慣れたのか分からないが、ずいぶん画面になじんできたように思う。
 なんだか今期は、引っかかりを感じつつもいずれ面白くなるだろうから期待して見ている、というアニメばっかりな気がする、というのは自虐的に過ぎるか。

 6話「ラブ・レター」と8話「ノー・フレンド」は、物語の世界観、キャラの設定、ヒロインの特質が筋書きにぴたりと当てはまり、なおかつ話が引っかからずに進んで素直に面白いと言えた。特に6話だ。最小限の説明で「哀しみ」を表現しきっているのが素晴らしい。
 本作にはこういうのが毎回続けられるだけの地力はあると思うので、本当にがんばってほしい。…しかしどっちの話も肝心のハルさんが動いてないぞ。まあこの人の場合は安楽椅子探偵で、状況がやってこないと動けない立場でもあるしなあ。
 また見どころとして、ヒロインのみなもの使い方がうまいというものがある。こうした手合いの物語では賑やかしに留まりかねない彼女だが、直観に優れ、行動力があるという設定が各話できちんと生かされている。黒田は見習え。
 そして個人的に超見逃せないのは、秋田禎信が担当する小説版が今月発売ということだ。これは楽しみでしかたがない。

精霊の守り人13話

 どんなに好きなアニメでも、必ず一度か二度は録画を忘れたり失敗するかして見逃す。7月になり折り返しを迎えたいまのところは、RDでさっそくやらかしたくらいで今期の取りこぼしは少ないほうだ。ギアスはWEB配信があるし、その点安心。
 さて、原作にはないオリジナルの話が続きながらも、他のアニメとは一線を画す出来栄えの「精霊の守り人」である。普通はアニメ独自の話が入ると原作既知の視聴者に違和感をおぼえさせるものだが、このアニメにはそういうところがまったくない。だいたいは変更点に大人の事情が見え隠れしたり、あるいは物語の解釈そのものがなっていなかったりするものだ。飛影はそんなこと言わない。
 監督の神山健治は制作前に脚本に関してスタッフと徹底的に討論すると聞いたし、意図のぶれなさとも言うべきものがアニメ版の作品世界をきっちりと組み上げているのだろう。
 ただ私個人の好みからすれば、お行儀がよすぎて物足りない点が多々ある(が、これは「守り人」に限らずIG制作のアニメ全般に言える(笑))。筋書きが整うあまり物語に余白がないし、説明が丁寧すぎてテンポが悪く感じられるときもある。
 そう思いながら見ていたが、13話「人でなく虎でなく」は素晴らしいものだった。
 筋書きはこうだ。ある事情から死んだと偽り、身を隠していた主人公のバルサだったが、ふとしたことで自分をつけねらう男、カルボに居所を知られてしまう。カルボは過去の怨みから執拗にバルサを追っており、決闘に応じなければ無関係の人間を毎日ひとりづつ殺していくという。
 バルサが呼び出された街道の関門でカルボを待っていると、そこを通りかかった旅人を突然つぶてが襲った。旅人、馬方の少年と先生と呼ばれる女性はバルサのおかげで難を逃れたものの、ふたりはカルボの標的になってしまう。つまり、かれらを守らせることでバルサの力を削いでいこうという策なのだ。街道脇の井戸をつぶし、夜は雇った者のつぶてで眠らせず、とかつて自分がされたのと同じ手でバルサを弱らせようとする。そのうえバルサはつかず離れずで警戒せざるを得ないが、守る対象の馬方には事情を知らぬからとはいえ気味悪がられてしまう。
 一方先生はこの殺気に満ちた女用心棒を不思議に思い、ある昔話を持ち出す。それは、虎のごとき強さを求めるあまり本当に虎になってしまったある武人の話だった。
 翌朝、業を煮やしたバルサの咆哮に応じ、カルボが姿を現した。不殺の誓いを破ると決意したバルサに、怒りに我を忘れたカルボ。竹林の中、目まぐるしい勢いで斬り結ぶふたりの武人が駆ける。いや違う、襲いかかる一頭の虎をカルボがあやうく凌いでいるのだ。
 そして凄まじい勢いで繰りだされたバルサの短槍は、一瞬にしてカルボの体を斬り裂いていた。なんということを、とおののく先生に「うるせぇッ!私は虎だ!近寄ると食い殺すぞ!」と凄むバルサ。戦いの勢いのまま、荒々しく立ち去るその背後で、斬られたはずのカルボが茫然と身を起こしていた。しかし先ほどとは別人のようで自分が何者かも分からない様子。おそらくバルサが斬ったのは、血肉を持った体ではなく妄念や心の類だったのだ。それを伝えようと、先生と馬方がバルサを追おうとする…というところで今回の話は終わっている。

 業と虎、というモチーフから中島敦の「山月記」を思い起こさせるが、この話は「山月記」のように切り離せない業ではなく、業を斬る刃が中心になっている。しかもそれは単純に不殺の誓いによる清い刃によってもたらされたものではない。虎と化すほどの業によってバルサはカルボの業を斬り得たのだ。このときのバルサが、これまで画面に描かれていた、力強くてものわかりの良い、ハードボイルド小説の主人公さながらの人間ではないことは、先生に向かって叫んだときの口調からも分かる。
 もうひとつ重要なのは、バルサは自分の槍がカルボの命を絶たなかったことを知らない、ということだ。もしかしたら次回で知ることになるかもしれないが、この時点でバルサが業にまみれて虎と化した状態だというのはなかなか暗示的なものがある。
 私はこんな話を見たかったのだ。チャグムが土とともにある生活に慣れ親しんでいったり、原作では薄っぺらい帝やサグムがどれだけチャグムを慈しんでいたかを描くことも重要だ。しかし、そうした「丁寧に原作をアニメ化した」よりも一段飛び越えた描写を見ることができて、とても嬉しい。

 (7月11日追記)この話の感想を探そうと、ネットを軽く検索してみたら、おもしろい指摘があった。カルボはバルサに一度敗れて以降、得物をヨゴ刀からバルサと同じ短槍にしたと言っていたが、なんと服装や髪型もバルサと同じにしていたというのだ。なるほど、つまりこの話の中で虎の皮を被り、本当に虎になろうとしていたのはカルボの方だったのだな。

もういくつ寝ると

 週が明けた。マガジン発売までもうすぐだ。ふ、ふ。ふふふのふ。

 ちょっと前に「セーラームーンR劇場版」を見返した、と書いた。で、気が向いて、いやむしろ魔が差したというべきだろうか。連休中に「セーラースターズ編」を見返していた。DVDが発売されたときに購入しなかったので、見るのは十年ぶりということになる。
 それにしても、全般にキャラの等身が高すぎることに目をつむれば、十番高校の制服(夏服)を着たうさぎの可愛さは異様だ。少なくともそれだけで見返した価値はあった。
 ネットにスターズ編の評が転がっていないかとちょっと探してみたが見つからず。かわりにやたらと濃密な実写版の評論を発見して読みふけってしまった。放映当時は二次元の存在を三次元に起こすことへの違和感(しかも登場人物たちは現実離れした存在なのだ)が先立ち、結局食わず嫌いでほとんど見なかったのだが、なんだか面白そうだ。一度見てみるのもいいかもしれない。

コードギアス7話

 すっとばしていきなり7話の感想である。ちょっと文章を書く余裕ができたと思ったら、よりによって穴だらけの回だ。
 本作における戦闘は、おおむね戦術の天才たる指揮官ゼロによって黒の騎士団が劇的な勝利を収めるというパターンに終始している。むろんそうした紋切り型の展開で視聴者を飽きさせないよう、さまざまな工夫がほどこされている。たとえば素早いテンポで進めて「穴」の存在に気づかせないとかね。
 けれども今回は戦闘海域に何があるかくらい、双方把握しておけよとか突っ込みどころが目立った。特に藤堂。確か藤堂は情報収集をおこたらず、綿密な戦術で劣勢を跳ね返すほどの指揮官という設定のはずだが…。国一つ打ちたてようというのだ、戦術レベルですらゼロなしに乗り越えられなくてどうする。いや、もしかしてスザクには指揮官としての資質がないことを説明するための話だったのか?だったら納得だ。
 そしてルルーシュがナナリー以外の動機で立ち上がり「なおす」のは弱い。弱いが奴はもともとテロリストのくせに甘ちゃん、というむちゃくちゃな設定を背負わされている。自分のやっていることがもはや一個人の復讐という枠を超えていると思い知るのは、まだ先のことなのだろう。そのときが楽しみだ。
 しかし、そろそろエリア11という名の箱庭を脱するか、ギアスやらC.CやらV.Vやら世界の謎に進むかしないと見る方も(私のことだが)だれてくる。いや監督・谷口と脚本・大河内だからそれくらいとっくにお見通しなんだろうけど。

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