記事一覧

送った

 メールを送った。とうとう送った。「原作者がリクエストを読者から募る」という謎の事態が勃発した例のあれである。厳密には、話の内容ではなく登場人物と年代のみを指定できるというものなのだが、それにしたって破格だ。いや、破格すぎる。
 ここ数日はこの件で延々と頭を悩ませていた。まずはたしてこれを送っていいものか送らざるべきかで悩み、次にどのような指定をするかで悩み、文面をどうするかで悩み、そして送るか送らないかというところに戻ってまた悩んだ。無限ループ。しまいには頭が痛くなった。
 なにしろ「僕の考えた超人」とはわけがちがう。私のような汚れた心の大人(爆)が己の願望を作者そのひとに送りつけていいものなのか?ああ、けれども「もしかしたら読めるかも」と思うと押さえがたい。送ってしまいたい。ふたつの異なる考えに心は千々にかき乱される。これは大問題だ。
 とりあえず送ると仮定してみよう。いったい、どのような指定をすればいいのだろうか?ただ単にこんなのが読みたい、と送るだけでは芸がない。「一番多かったもの」「秋田がオモシローと思った系」「勘弁してくれ系」のどれかに当てはまるようにせねばならぬのだ。ついでに、「すでに書き始めているネタ」と被ってもいけない。
 ……ん?そちらに被ったら被ったで希望が叶えられるということになりはしないか。なーんだ、よかったよかった。あ、そうなったら送らなくてもいんじゃね?
 待て、問題はそこではないだろうが。とりあえず、私の前にはいくつか選択肢がある。真っ当に行くか、正直に行くか、ベタに行くか、ことさらひねくれるか。どの道を行ってもすっごく後悔すること間違いなしである。私は人一倍優柔不断なのだ。
 どういう指定をするか決めたにしろ、文面も重々考える必要がある。なにしろ自然体で書くと電波の飛びまくった文章にしかならないのだ。こんなネットの片隅で書き散らしているだけならまだしも、他人様、しかも作者本人に送ることを考えてもみろ。
 ……んなことできるかー!しぎゃー!ぴぎゃー!(大混乱)

 と、このほどさようにちまい脳みそをぐるんぐるんとフル回転させていたらそりゃあこめかみのあたりから煙もぷすぷすと出てくるってなもので。

今週の「月光条例」

 ちょいとばかし遅い話題だが、今週号のサンデー「月光条例」を読んでいて「ええっ!」となった。
 まずあの世界にも「みかど市」があるということ。みかど市といったらあなた、「うしおととら」の潮たちが暮らす街じゃないですか。うしとらと完全に同じ世界なのか、名前だけ同じ別の街かはさておき、思わず反応。
 「月光条例」には過去の藤田作品の登場人物たちがちらほらと姿を見せているけど、単なるファンサービスやスターシステムの一環なのかな。しかし藤田和日郎のことだから、壮大な後付け伏線になりそうな気がしないでもない(笑)。
 それから、皆川ゆかの名前が出てきたのにも驚いた。サンデー読者も知ってそうな有名な作家ではなく、なぜ皆川ゆかが。いや皆川ゆかは「うしおととら」愛読してたから(「運命のタロット」が書かれた一端はそこにあるし)、繋がりは皆無というわけでもない、か?

ポメラアンケート

 拍手いただきました。ありがとうございますー。

 キングジムがポメラについてアンケートを募っている。これはユーザーの意見を直接届けられるよい機会。

今川版マジンガーZ

 公式サイト
 新作がマジンガーZとな!?こいつぁすげえ。

ぴゅーと行く開拓民

 (2月26日書き直し)
 「なぜ開拓計画が性急に進められているのか」ということが前から疑問だったのだが、その理由についてちょいとこじつけてみたぜ。

・外大陸の存在はなぜ判明したか
 行くといっても当の外大陸はどこに、またキエサルヒマからどのくらいの位置にあるのか。開拓計画のそもそもの大前提なのだが、これについては今に至るまでまったく語られていない。
 オーフェンは魔王召喚の影響でか、断片的とはいえ世界についての知識を所有しているようなので、その中にそうした情報もあったと考えれば一応の説明はつく。
 そういえば最終拝謁でも海に無数に浮かぶ大陸を幻視していたな。まあ、あれはドラゴン種族がキエサルヒマに追われる前の光景であろうから、神々によって滅ぼされたとされる現在も同じ光景が広がっている保障はない。
 ところで、外大陸ってひょっとして巨人の大陸なんだろうか。

・言いだしっぺ誰なのさ
 これはオーフェンだろう。外界へ行きたい=魔王の力を返上したいという痛切な動機を持っているから。
 でもアーバンラマの資産家たちが、どうしてそげな怪しさ大爆発な話に乗ったのかはやっぱり謎。いくらキエサルヒマの現状に見切りをつけたといっても、資産の基盤を捨ててまで不確実極まりない開拓計画に乗るのか?という疑問が。
 でもドロシーとエドガーが締め上げ……もとい、説得して回ったのなら、ある程度の無茶も通りそうな気もする。いや、だってあの夫妻だし。

・第一陣がさっさと出て行った理由
 現実世界でも難民問題はややこしい。なんとなくだが、アーバンラマの中でもキムラック難民を厄介払いしたい向きが、開拓計画をこれ幸いと船に乗せて放り出したんじゃなかろーか。教主の「教会総本山の再建」という目的とも合致するだろうし、そもそも教主が精神支配でどーにかしたのかもしれぬ。

 などと考えているうちに思いついた。オーフェンが急ぐ理由には、教主の存在もからんでいるんじゃないか?たとえばボリーさん関係で早急に教主を捕捉しなければならないような何かがある、とか。

オレイルはなぜ死んだ?その2

 拍手ありがとうでやんす。励みになります親分。

 さてリクエストをいったいどうするか、どういう文面で送るか、というのが現在私にとって最大の懸案であるのだが、考えこんでいるうちにどういうわけか「オレイルがなぜ死んだのか」ということについて想像をめぐらせていた。<またろくでもない想像やな……
 「ほかに考えることはいくらでもあるだろう!」というお叱りを受けそうなネタである。まったく我ながら呆れるほかはない。以下、好き勝手に憶測を並べ立てている。続きを読む

あそこそ関連サイトさんまとめ

 やっつけですが作りました。
 以前のまとめからまたサイトさんが増えましたし、記事が埋もれてしまったということもあり、突貫工事。でもなんかまだ抜けてる気がする……。

「あそこそ」書籍化決定

 まずはとにかくめでたい。
 めでたい。めでたいのだがとんでもないことになっている。ええと……なんて言ったらいいのやら。とりあえず、いっこずつコメントをつけていこう。

・イラストが入るらしい
 「オーフェン」の絵師といったら草河遊哉しかおらぬではないか。ね?!草河さんだよね?!
 草河遊哉の手になるスーツ着用サルアなんてそんな。想像するだけで妙な笑みがほころんでくるではないか。どうしてくれよう。てか、もういっそ登場人物全員のイラストがあればいいんじゃないかな。

・中身は4、5冊分のセット
 「あいつがそいつでこいつがそれで」本編の他、ミニ文庫の「まわり道」、数々の未収録原稿(「オーフェン」以外のも!)や書下ろし2話まで入る予定だとか。ご、豪華すぎる。「パノ」は全然知らなかった作品だから、機会があればぜひ読みたし。
 当初の予定、つまり富士見ファンタジア文庫の「完結した作品たちの後日談」企画として「あそこそ」が書かれたわけだから、それから考えると相当豪華なものになったなあ。
 ある意味、この企画がなくなってしまったおかげでここまでのボリュームになったのだから、複雑な思いもしたり。

・書き下ろし
 「なにもそこまでやらなくてもーッ」と悲鳴が出た。なんとこれをやりつつ本来の仕事まで進めているという。商業作家の鑑だ秋田禎信!
 すでに書きあがった短いのが一本と、現在進行中の長いのがもう一本、間に合えば収録される予定という。どんな話になるんだろうか。わくわく。
 あと、ひさしぶりのあとがきヒロイン対談もやるそうな。順当に行けばクリーオウ、はたまた無謀編ヒロインのコンスタンス、本来「魔王」ヒロインをつとめるはずだったメッチェン、キエサルヒマに残る(?)レティシャ、大穴で還ってきたロッテーシャorウィノナ。さーて誰だろう。
 ……いっそ全員(略)。

・リクエスト
 これが一番引っくりかえった。3本目の書き下ろしの題材を我々読者から募るだなんて。そんな。そんな。そんな。<混乱中
 『主人公となる登場人物とその年齢設定、加えてサブキャラを2人、いや、まあどうせ空気読めよテメーと言われそうなので7人まで』を募集、って。そんな。<こんらんちう
 どどどどどどどーしろと。今の私にそんなもん考えさせたら、非常に個人的な願望が凝縮されたシロモノにしかならないっつーか「それ同人でやれよ」的な話になるっつーか、むしろ今書いてるんだけどどうしろと?!<こん(略)
 空気呼んで7人云々、というのはどういうことなのかと思っていたら「教師から生徒まで、チャイルドマン教室揃い踏みのことか」という意見をネットで見かけて納得する。うむ、やっぱりこの話は見たいわ。
 でででででででも「妄想するだけはタダ」だと思っていたけど、この際「言うだけはタダ」という振る舞いに及ぶのもアリなのだろうか?
 現在、ちょっと冷静な判断というやつができない状態に陥っているのでリクエストメールも考えられそうにない(笑)。

 ちなみに、昨夜はチャットでこの驚きをどなたかと分かち合いたく思ってあんぎゃーあんぎゃーと叫びまくり、興奮のあまり入室しづらい空間を形成していたのだが、嬉しいことに入室していただけた。その節はありがとうございました。

モツ鍋22日

 とんでもないことになってるぅぅぅぅぅ!!

ハの字とサの字

 さて、また世迷言である。考察や感想ですらないただのネタなので、読み飛ばしていただければ幸い。
 ちょいとうがった目で「オーフェン」を注視してみると、ハーティアとサルアは、そのキャラクター性と作中での立ち位置に似た点がいくつかあることがわかる。
 ……実は極めて個人的な理由(というか好み)から、似ていることをあまり認めたくはなかったのだが、私ももう充分な歳である。冷静に考えることができるじゃろう、という試み。まあ、「オーフェン」を客観的に読めてるかどうか、最近あまり自信がないんだがな(爆)。

 とまれ、どこが似ているかという話。一見、周囲の状況を達観しつつチャラい行動を取っているが、その実くさくさしているような青いところを持ち合わせており、腹の内では流されるだけでは終わりたくない、と考えているあたりが共通しているのではないかと思う。
 また、キリランシェロに対して容易ならざる感情を抱いていることも付け加えてもいいかもしれない。かといって、それをわざわざ本人にぶつけたりするほど子どもでもないが、逆に言えば一歩か二歩引いた距離を保っているということだ(ハーティアはキリランシェロと付き合いが長いはずなのに、友人というにはどこか冷めた関係のような印象がある)。
 や、サルアは「鋼の後継キリランシェロ」に何がしかのこだわりがあるのではないか?というのは、私の思い込みにすぎないんだけれど。客観的に見て、作者はそこまで考えていないと思う。まあ意図的な誤読というやつだ。
 似ている、あるいは似てしまった理由は、おそらく結果的なものだろう。たまたま、主人公の冷静な観察者という立ち位置が与えられたキャラクターが二人出て、当時の「作家・秋田禎信」の引き出しにはああいうタイプの人物像が出やすかった。と、まあこんなところだろうな。
 すんませんオチはこれだけです。

封仙娘娘追宝録「天を決する大団円(下)」

 読んだ。今はただ、待ち望んだ最終巻が刊行された喜び、ひとつの物語が終わったさみしさ、そして、作者ろくごまるにと絵師ひさいちよしきに何より感謝を。

 現在、拙サイトをご覧の方で一番多いのは「オーフェン」関連の話題が目当てだと思われるので、「オーフェン」と同時代に富士見ファンタジア文庫から出たこのシリーズを、未読までも名をご存知だという向きもおられるやもしれぬ。既読の方は、今ごろおそらく私同様完結した喜びにひたっておられるだろうか。
 未読だというそこなあなた、あなたは実に幸運。なにせ下巻発売まで6年待つ、とかそういう妙な苦行を体験しなくともよいのである。

 物語は、道士から昇格したばかりの新米仙人、和穂がある事故で宝貝(ぱおぺえ。仙人によって作られた神秘の道具)を人間界にばらまいてしまったところからはじまる。その数、七百二十七。
 しかも、そのすべてが欠陥品として厳重に封印されたものだったからさあ大変。このままでは人間界が大変なことになってしまう!
 責任を感じた和穂は、自ら申し出て宝貝の回収に向かうことを決意した。これ以上の混乱を防ぐため、仙術を封印して――つまり、普通の人間と何ら変わりない身となって。
 そんな和穂のお供をつとめるのが「殷雷刀」、刀の宝貝である。殷雷もまた欠陥品として封印されていたのだが、和穂の失敗につけこむことをよしとせず、逃亡しなかったのだ。ちなみに殷雷の欠陥とは、そういう「情の脆さ」である。
 こうした殷雷のように、この作品の宝貝は意思を持って人間に変化できるものもいるのだ。そんな一癖も二癖もある宝貝たちと、その所有者。和穂と殷雷は大きな困難に立ち向かいながら旅を続ける。
 ろくごまるにの軽妙な文体を賞味するもよし、見事な構成力に脱帽するもよし、深読みすると見えてくる理屈を考察するもよし、はたまた和穂のひたむきさに胸打たれ、殷雷の武器らしからぬ情の脆さに共感し、各巻の登場人物と宝貝たちが抱える業に思いを馳せるもよかろう。
 つまり、このうえなく「どきどきわくわく」して読める小説だったのだ、この作品は。……ああ、過去形で語らねばならないのが、嬉しくもまた寂しいな。

 (2月23日追記)以下は下巻についての感想。ねたばれるよん。続きを読む

相棒

 ひさびさに「相棒」を見た。ほぼ水谷豊と岸恵子の二人芝居といっていい内容で、動機やトリックやらの解明は二の次、てかそんな些細なことはどーでもよろしい、とでもばかりにベテランの役者ふたりがたっぷりと掛け合う様を堪能致しました。
 ふふふふふ腹がふくれたのぅ。

あそこそ18-19日

 1日から続いた連載も今日でひと区切り。キムラック越えのときといい、クリーオウ視点での話は長くなる、というかじっくり語られるのだな。
 クリーオウがいつ・どのようにコルゴンと敵対する行動に出るのか、というのは当初からこの話のキモではあった。騎士軍と対峙したときは、他者を殺す意思をクリーオウの視点から描くのだろうか?と気になっていたのだが、敵対する意味を踏まえたうえでクリーオウにそうさせることが今回の芯にあった、と思えばいいのだろうか。
 クリーオウの行動をあえて意味づけるなら、「緑」でのライアンや「扉」でのオーフェンに対する「敵対」に決着をつけたということだろう。あくまでこじつけだが。

 ところでクリーオウが剣を蹴り上げてたのを見て「おんなじことをやったキャラがいたなぁ」と思っちゃったんだが、そーゆーことをほざいてもいいスか?

あそこそ17日

 うっかりCtrl+Rを押してしまい、書いていた感想が消えた。いやそんなに大層な内容でもなかったんだけれども。

 クリーオウがこれからやろうとしていることは、単純に考えればコルゴンを阻止すること、オーフェンに会うこと、なんだろうけど。ほかに意味はあったりするんだろうか、とうがった見方をしてみる。
 どうでもいいが、クリーオウが荒んだ口調で街娼のふりをしたのって、衝撃を覚えた向きがわりと多かったのね。いやクリーオウファンの人口密度を考えればそれも当然か。
 考えてもみろ、サルアがいきなり「僕は~なのさ」とかサワヤカに言い出したら心配になるだろうが。<その例えは適切なのか?
 ……一応お坊ちゃんなのだから幼少期は「僕」とか言ってたらどーしよーとか思っちゃったんだがいかがだろう。

レス

 本当に2月か?と言いたくなるくらいの気温だなー。温暖化を実感するわい。
 あ、拍手感謝っすー。なんかたくさん拍手を押されたのだが(当社比)、これはもしやバレンタイン効果というやつ?
 以下は拍手レス。


あそこそ14-16日

 第一街人発見!<ダーツの旅じゃないんだから
 いや、発見されたというべきか。警官に呼び止められてクリーオウはふたたび判断を迫られる。さきほどまではコルゴンに敵対するかという判断、今度はコルゴンが警官を殺す前にどう場をおさめればいいかという判断だ。
 コルゴンに対するそれは完全に機を逸したが(実行に移して成功する確率はともかく)、今回は街娼のふりをするという、警官をごまかすには的確な対応をとることができた。

 どうやら潜入に成功したクリーオウたちは、コルゴンが手配していた隠れ家に向かう。船の出港まで残り2日、迎撃に出た(はずの)オーフェンとともに次の動向が気になるところだ。

消えた博士を追え!(009小話)

 博士ネタって無限にわいてくる気がするから不思議ですよね(棒読み)。続きを読む

ビジネスライク(オーフェン小話)

 ふと「私もバレンタインにあやかった話を書くべきではないのか」というよくわからない使命感に駆られ……たんだが、「009」とかはともかくとしてキエサルヒマにカカオって栽培されてるのか?と素朴な疑問が。いやでも「血涙」でクリーオウとマジクがチョコレート食べてたか。きっと天人種族あたりがキエサルヒマの気候でも育つように品種改良したんだろう。
 と、納得できたところで書いてみたよ。サルアとメッチェン

うへへへへ

 あと一週間待てば「封仙娘々追宝録」の最終巻が出るぞー。表紙レイアウトは旧版のままでよかったよかった。

 サムシング吉松こと、吉松孝博がWEBアニメスタイルで連載している一コマエッセイにて、先日劇場版TRIGUNの作監作業を開始した、という話が出てきた。
 もちろん実際に見ることができるのはまだ先のことなんだろうけど、こういう話を聞くとわくわく感が増すでござる。はぁ、いまから大画面で牧師を見ても平静でいられるよう覚悟をしておかねばっ。<どういう覚悟だ

あそこそ13日

 ゴンさん、親切心発揮中。
 あ、拍手ありがとうございました。

 ところで私はここ数日の展開に夜な夜な胸を高鳴らせてモツ鍋をチェックしているわけだが、そのどきどきが果たして「わーい今夜はどんなことが起こるんだろう?」という楽しみか、「ああっ読んでいるうちにクリーオウの抱く緊張感がこっちにも伝染してきたぞ!」なのか、はたまた「どこぞの元・人斬りという正体が公然の秘密な難民グループの指導者が憂さを晴らそうとウキウキ夜回りしていたら明らかに怪しい二人連れを発見したからさあ大変。嬉々として斬りかかろうとしたところ、見覚えのある少女に目が止まって驚きのあまり生じた隙を殺し屋は当然見逃さず、一撃で地に沈められてさらにとどめを刺されかけ以下略」という展開になるんじゃないかという心配に起因するものなのか、いったいどれなんだろう。

 きっぱりと後者ですか。
 そうですか。

 しかしまじめな話、これだけ出るの出ないので大騒ぎしたり一喜一憂できるんだから幸せだよなー、としみじみ思ったり。

あそこそ12日

 ボートを漕ぐコルゴンを前に、クリーオウは逡巡する。アーバンラマへの到着、それはすなわちコルゴンがオーフェンを暗殺しにかかるスタートを切る、ということだ。その瞬間、クリーオウはコルゴンと敵対する……いや、敵にならなければならない。
 彼我の実力差からいっても、困難を極める行動だからこそ、クリーオウは「今」行動を起こしていいものかどうかを計りかねている。
 改めて思うが、いまのクリーオウはとても慎重だ。本編時ではオーフェンが瞠目するほど思いきりがよく、普通ならとても敵わない相手(殺人人形、殺し屋、魔術士、etc)にところかまわず襲いかかっていた人物とは思えない。はてさて、この慎重さが吉と出るか凶と出るのか。
 でも作者が秋田禎信であるからして、素直にこのふたりを戦わせる、というか敵対させる展開になるとはとても思えないのだな。なにがしかのひねりを期待。そもそもいまだにコルゴンが何を考えているか分からない状況だしなあ。
 そしていよいよボートが接岸。さーて何が起こるんだろう。

 ところで、昨日付の更新で船名を書き換えていたのはキースだ、という意見を見た。なるほど、後日談は移民船をとても馬鹿馬鹿しい名前にされて全員ぎゃふんというオチかっ。

あそこそ11日

 そういえば、コルゴンはアーバンラマ潜入のためにいろいろ工作をしているけど、オーフェンが迎撃に来るから無駄骨に終わるんじゃ……と言っていたが、よく読めばちゃんと「身分査証は保険」という台詞があった。目下潜入も成功しつつあるし、すまぬコルゴン。
 船名を書き換えているというのが地味に気になる。以前、11月15日付の更新でオーフェンとメッチェンが開拓団のシンボルが必要という話をしていたから、なにかしらのシンボルが採用されて船名も変更されたんだろうな。

 にしても、やっぱり潜入中の描写を読むと緊張してくる。はぁ、続きが気になってもかもかする。

れすー

 (ここから追記)あ、カウンタの位置を変えてみました。(追記ここまで)
 とりいそぎ。


あそこそ10日

 ……出るんじゃないだろな(ぼそ)。

 と、思わず世迷言を口にしてしまう。おかしいなぁ、もっとこう恐れが生じたクリーオウの心情とかいまだ見えぬコルゴンの真意について考察すべき章であるはずなんだが。なぜ、兆候もなにもなく、ない可能性の方が大きい出番の気配、そればかりが気にかかるのだろう。
 われながら、ちょっと動揺がすぎるようだ。
 まあ仮に出たとしても、いい目を見ることなくコルゴンに一撃くらって死にかけるくらいの役割だと思うと、それはそれで複雑ではある。
 でも先日のチャットで盛り上がったように「荒野の禅問答のかたわらでずたぼろになって転がり、クリーオウには一瞥して後は気にもしてもらえず(しかも「誰?」と忘れさられている)、終了後もオーフェンは魔術の暴発の可能性がありレキはおねむという状況ではもちろん治癒はしてもらえず、『自業自得だ。死にたくなけりゃ歩いて帰れ』と一刀両断され、帰ったら帰ったで医者は負傷したオーフェンとコルゴンに手一杯、メッチェンにも右手が動かない人間に頼むくらいなら治療は自分でやれとヨードチンキ頭からかけられ、おやあんなところに医者の扮装をした銀髪をオールバックにした青年が以下略」という場面が容易に想像できてしまうのだな。
 いや、やっぱりそれでも出番はあってほしい。ぐるぐる。

 それ以前に死にかけから思考を離した方がいいのではないだろうか。確かに原作で登場するたびに死にかけているとはいえ、ちょうかっこいい見せ場よりも無残に死にかける展開を期待するのはあまりにも不毛な気がする。妄想の中では人は自由なのだから、そーゆー見せ場を夢想したらどうだろう、と思わないでもない。
 だが、マイナー嗜好という厳しい現実と向き合い続けてきたせいか、私の頭が固いからか、原作の枠を超えたり、テーマを侵食しかねないような妄想はできないのだ。浅はかな読者にも、この先活躍の場をねじこめる隙間は存在しないとわかっている。<そこまで言うか?
 くそぅ、それもこれも原作で見せ場がないからだっ。
 つまり念願かなって書籍化されたあかつきには、書き下ろしで八面六臂の大活躍を描いたちょうかっこいい外伝を収録するべき。読者が鼻血出して倒れるくらいの。

 話は変わって、外洋船の再登場にわくわくした。前回は遠目にちらりと出てきただけだったので、あらためてその大きさや荷を運び入れる様子などが描かれ、いよいよ出航という様子が伝わってくる。
 一冊限りの外伝という予定で書かれたものだからしかたないことだが、やっぱり開拓にまつわる諸々はみっちり書いてほしかったなあ。
 ところで、外へゆく船と聞いてまず思い浮かぶのは「指輪物語」に登場する灰色の船だ。キエサルヒマ大陸を去る船、とクリーオウが言ったから、なおのこと連想しやすかったのかもしれない。手の届かない地へと去っていく船。いやそれだと此岸には二度と戻ってこないからまずいんだけどさ。

 あ、明日11時くらいからチャット開けようかと。

野球はすごいよ

 土曜、スポーツ世紀の名場面的な番組を見た(すでに番組名がウロ)。テレビ朝日は開局50周年とかで、先日からちょこちょこ回顧する番組を放送しているな。
 やたらと感動を盛り上げようとする民放の雰囲気が肌に合わないので、普段は「ふーん」程度で興味も持たないのを、チャンネルを合わせる気になったのは野球の話題があったから。野球を取り扱った番組を見るようになったのは、もちろん「おお振り」の影響だ。
 放映されたのは1988年にあった、近鉄とロッテの対戦だった。ダブルヘッダー二試合に勝てば近鉄は優勝という大一番で、20年前の試合、それもダイジェストだというのに思わず身を乗り出してしまうくらいすごい試合。試合の動向に思わず家族と一緒に歓声をあげてしまった。

あそこそ9日

 来ちゃいました。ぬぅ、これは荒野の決闘ならぬ禅問答・悲しきすれ違い・のいずれになるのだろう。海から入るとなると、外洋とか船とかについてなにかしら言及……ないだろな。

散財日

 萌え補給をせんがため、いざ福本オンリーに行こう……としたら開催は来週なのであった。とほほ。来週は用事があるから時間的に厳しいのでござる。
 まあせっかく「遠出するぞ」と気合を入れたこともあり、天気もよいので出かけることにした。本屋をはしごし、あちこちぶらぶらしていると、おやなぜか財布が空に。
 あ、ポメラ買いました。

あそこそ8日

 をを、さすがに潜入工作はかなりちゃんとしたものだった。身分詐称するのね。確かに、貴族的な外見のクリーオウが同行していてこそ使える方法だ。

 ……今、オーフェンとすれ違ってしまい、ふたりがアーバンラマに潜入成功してしまうという展開を思いついてしまった。だってそうするとサ

あそこそ7日、ほか色々

 コルゴンは徹頭徹尾1か0、勝ちか負け、ONかOFF、白か黒、の二種類しか脳みそにないのだなあと思った。の割りに、論理的な思考をしているわけでもないというのがややこしいところ。そりゃクリーオウもつっこめない。
 いろいろ潜入のための手筈も整えてはいるが、魔王直々に迎撃しに来るのだから徒労に終わることも、開拓が不可能だという断言も覆されることも読者は知っているわけで、いまいち決まらないなあコルゴン。
 だが、思い返せばコルゴンは最初飲んだくれていたわけで、今のところは行動に一貫性が見られない。「向かない職業」との些細な矛盾も気になる。はたしてこれからの展開でそうしたバラバラさが「なるほど」と腑に落ちるような描写が出てくるのだろうか。
 と
 サ

 昨夜はチャットを開いた(その節はどもです)。で、サルアについてみっしりと語りまくったので幸せなのである。ムフフフフ。
 いや待てよ。なんか語り合ったというより、始終かわいそう気の毒かわいそうしか言ってなかったような。……まあ気のせいであろう。

 以下、私信返しのようなもの。


あそこそ5-6日

 拍手いただきました。ありがとうございますー(嬉)。

 む、コルゴンが開拓計画を不可能と断言したのは、単純に失敗する可能性が高いからか。予想していた答えとはいえ残念じゃわぃ。
 そしてクリーオウを同行させることにした理由とは、コルゴンを警戒しているであろうオーフェンをあざむくため。つまり単独で門をくぐろうとしても「20代半ばの男が来ても市内に入れるな」という通達が出されている可能性がある。ならばクリーオウと共に行き、「男女二人連れの旅人」を装って門をくぐる確率を高めようというわけか。
 アーバンラマがいくら門を閉ざしているとはいえ、外との行き来が絶無というわけでもあるまい。だいたい、そんなことをしたら大都市が立ち行かなくなる。人間の出入りがあるのは、労働力としてキムラック難民を受け入れたりしていること、外部の出来事が噂になっていること、コルゴンが内部の人間とやりとりを行っていたことからも推察できる。
 まあ、どちらにせよオーフェンは直々に迎撃しにきているわけだが。

 話は変わって、「はたして今後作中で説明されるのかわからないが、気になっていること」をまとめてみる。

 そのいち。ドラゴン種族の絶滅について。なぜ結界の消失が絶滅に繋がったのか?本編において、不死であるはずのオーリオウルが死んだことと合わせて疑問に思う。おそらく、結界が「可能性の逆行」であることが鍵と思われるのだが……。

 そのに。ボリーさんって結局何者なんよ。漂着前の人間種族の動向がいよいよ語られるのかと思いきや、中途半端に説明が終わってもかもか。私としては、ボリーさんは「シャンク!」におけるイモータル、あるいはそれに近しい存在という説を唱えてみたい。

 そのさん。キムラック教会はなぜ崩壊したのか。確かに、本編でも外輪街の住民には不満が鬱積していることは語られていたし、指導部もろくな人材がいない気配が漂っていた(若干30歳のラポワントが場を仕切っていたり、クオによって教主は傀儡にされているとサルアたちが判断していることからそう推測できる)。なるほど、組織としてはどんづまりの状態にあったに違いない。しかし、結界の存在が一般に知られていないものである以上、それがきっかけとなって暴動が起きたというのはいかにも無理がある。

 そのよん。アーバンラマの資産家たちが、現時点での開拓という性急な計画に乗った理由。以前言ったことだが、どう考えても今の時点で外大陸へ向かうのはリスクが大きすぎるし、早すぎる。外大陸はどこにあるのか、位置をなぜ知りえたのか、という根本的な疑問に始まり、工業資本家という財の基盤をキエサルヒマに持つ立場の人間が、戦争が始まったからといってそうそう外へ向かう選択を取るか?など腑に落ちない点は数多く残っている。

 ……おおむね4つにまとめてみたけど、まったく説明されない予感がひしひしと迫ってくるなあ。

 とサ

チャット予告

 たまには予告してみるべ。6日(金)夜10時から「オーフェン」チャットやりたいなと思ってます。お時間あればぜひどうじょ。

 ところでブログをちょいといじり、タグエディタを別のに変えた。いやー、これがあるとないとで感覚が段違いだ。手打ちの手間はちょっとしたものなんだけれども、細々と書き入れるのが省かれるだけでも作業手順がすっきりする。
 でも不用意にボタンを押してタグを挿入しようとすると、文章が消えてしまうのはなぜなんだろう。Javascriptはよくわからん。
 以下はいただいたコメントへのレス。


あそこそ3-4日

 アーバンラマ近郊の町(おそらく無人?)で待つコルゴン、とクリーオウ。コルゴンの方は、この数日の間でもときどき姿を消しているようで、これがおそらくアーバンラマ内で「サンクタム」が噂になる原因になっているのだろう。
 具体的にはなにをしているんだ?と思っていたら4日付の更新で明らかになった。アーバンラマ内にいるスパイと連絡を取り合っていたらしい。ということは、そのスパイに「サンクタム」の名を広めさせたのかな。まあ、作中で述べられた状況から勝手に私が「コルゴンがオーフェンを引きずり出すために噂をばら撒いている」と考えているだけなので、いつひっくり返されてもおかしくない仮定だ。
 情報収集を終え、いよいよアーバンラマへ入る準備が整ったと判断したコルゴンだが、それをクリーオウにも説明し、なおかついまだ同行させようとする意図は何か。
 当然クリーオウ本人も疑問を抱き、問うている。仮にもコルゴンにとってクリーオウは「任務の邪魔者」でしかないからだ(少なくとも、表面上は)。徹頭徹尾合理主義のこの男が、「親切心」で――つまりもっとも簡単な方法である置き去りや拘束などではなく、クリーオウにも益となる選択肢をいまだに取るのはなぜなのだろう。そこに明確な意味はないのかもしれないし、あるのかもしれない。いや、コルゴン本人にすらよくわかっていないのかもしれない。

 しかし、開拓計画って別段秘密でもなんでもなかったのか。まあアーバンラマからすると、労働力として難民を利用したがっているのだから、口コミで広まるのは望むところなのだろう。
 それでもやはり、噂を収集していたクリーオウにとってさえ外大陸への渡航は途方もない話だったらしい。コルゴンが不可能だと断定するのも、現時点では当然のことと思えるけど、根拠ははたして確たるものなのか。
 私としては、この連載が始まったときから謎だった、あまりに性急過ぎる開拓計画について説明されるのを期待したい。

爺萌え

 拍手ありがとうございます。これを励みとしてなお一層の精進をばはか……れたらいいなあ。

 ふと思い立って「シリウスの道」をざっと読み返した。実はこの小説、はっきり言ってあまり面白くない(笑)。質で言うなら、同じ藤原伊織の手になる「テロリストのパラソル」の方が格段によろしい。「シリウス~」は「テロリスト~」の姉妹編と位置づけられるだけに、なおさら比較してしまうからだろうか。
 だがこの作品には、「テロリスト~」が持たないものがある。それは、非常にかっこいい爺さんが出てくるということだ(今の時代、60代半ばを爺さんと称してよいかどうかはさておいて)。
 その名は園井社長。鋼鉄の能吏、血管に不凍液が流れていると噂され、小動物に挑みかかる猛禽のような眼光を放つ人物である。組織倫理と秩序を優先する冷徹さ、それでいて、一瞬ではあっても自らの判断に後悔する人間味。社長、かっこいいよ社長。主人公のお助けマン的な役どころなのが残念といえば残念だが、そんな話は些細なことだ。
 昨年秋にWOWOWで放映されたドラマでは夏八木勲が演じたそうだ。まさにはまり役。
 そんなわけで本日は爺萌え成分を補給したのであった。ああ、これで小説自体も面白かったらなあ。

あそこそ2日

 今日わかったこと。
 そのいち。騎士軍はキムラック―タウレム間に重点的に布陣しており、北東部はむしろ手薄であること。だからといって、メベレンストからアーバンラマまで誰もいない、ということもないだろうが。てか、マスマテュリアが通行可能になったら二正面作戦よね。
 そのに。クリーオウの現在状況。疲れてるわ食料も尽きたわでいろいろと大変。今日の掲載分の様子だと、やはり滞在している町は無人ということでいいのだろうか。
 そういえばサボテンってものによれば食べられるんだよなあ。

39. ダブルベッド

 「あそこそ」隙間埋め。アーバンラマ小景。(2月3日 ... 改稿&改題)思いついたシーンを並べただけなので冗長な話。続きを読む

あそこそ1日

 大方の予想通り、連載は2月より再開した。視点変更はあるだろうけど、ここから最終章に入るっぽいなあ。
 んで内容の方はというと、ちょっと情報が明かされた。
 まずクリーオウたちのキムラック越えは数週間だった模様。結構短かったのね。もう少し長くかかると思っていたから、意外に思った。街道も荒れているだろうから道も悪く、騎士軍の哨戒をくぐり抜けて進む道のこと、しかも補給はろくにできないだろうし。あ、でもゲイトロックには一応水源もあったんだったっけ。
 これで後日談内の時系列も多少の推測がついたな。行ったり来たりせず、時間通りに話を進めていたのか。
 そして現在地はアーバンラマ近郊の町ということで、おそらくここが決戦の場になるのだろう。この町に来て数日とあるから、コルゴンもここでオーフェンを待つつもりなんだろうな。とはいうものの「オーフェン」だから、真っ当にバトルするのかは謎。下手したらオーフェンとコルゴンの禅問答になる可能性も。
 さてそこにクリーオウがどう絡んでくるのか、そして世界の謎は明かされるのかっ?!わくわくしながら今月も毎晩の更新を待つ。

 ところで、サ