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RD19話-22話

 なんかだいぶためちゃった。最終回をひかえて急展開を見せてきたのでここいらで書いとかないと。

19話「巡る雫」

 うーん……。言っちゃあなんだが、ただの自然礼賛に終わった感があるな。8話や15話でもその傾向はあったし、現代的な感性で進んだ技術と偉大な自然というモチーフを扱えば、どうしても自然礼賛に偏ってしまうのかもしれないが、やはりもう一歩進んだ視点で話を展開させてほしかった。
 ついでに、「自然はスゴイヨ」という言われんでも分かるようなことをトンデモ科学なノリで説明するのもどうかと思う。
 「人間は気象分子で天候をコントロールしようとしたが、天候はもともとバランスを取るようにできている。同じ機能がぶつかりあってメタルにノイズが起こった」……ということを2話かけて説明したオチが、自然パゥワァで波留さんが立てるように!というのもなんだかな。

20話「その足で」

 前回を受けて、自分の足がリハビリすれば動けるようになると気づいた波留さん。久島に知られれば無理をするなと叱られるから……と、秘密特訓をするようになるが、それを見守るミナモはなんだか複雑なのであった。
 歩けるようになったら、バディとしての自分はいらなくなるのでは?そう思ったミナモは、友人たちの勧めもあって電脳化しようとまずは適性検査を受けることにする。
 は、ともかくとして。波留さん頼みますからそんなただの公園でリハビリするのはやめてくださいーッ!80代だと転等はまじで骨折の危険が。いくらなんでも、最初は手すりのあるところで始めたほうがいいんじゃないでしょうか、やはり。ミナモさんも介助実習入るくらいなんだから介護カリキュラム受けてるでしょうに。
 がしかし、それ以上に「をいー!」なのが久島である。自分のメンテナンスの間、若波留の義体に入ってるってあんた。
 いや理屈は分かるんだ。波留さんのために用意はしたが、結局義体化しなかったので自分が使ってると。捨てるのもなんだろうし。だとしても…うん…まあ…えーと…。
 ところで久島in若波留とミナモの会話からするに、久島は電脳不適応者なのだろうか。だとするとこれまでメタルを使って通信してた描写はなんだったんじゃい、となるけど。あ、「自分がデザインした服を着こなせない」=「設計したメタルを使えない」てことなのかも。ひいては、地球律を求めているけど海に潜れぬ自分では感じ取れない、てな意味なのだろうか。

21話「永遠」&22話「静かなる海」

 人工島建設より20年。それを記念した式典を前にハレー彗星が現われ、島はお祭ムードに包まれていた。ホロンと共にありたいと決意し、書記長に別れを告げたソウタはホロンに贈るブレスレットを買い求めるが、うやむやのうちに渡せないまま。
 だがそんな中、評議会で気象分子の停止を提案した久島が何者かに拉致されてしまう。波留たちの必死の捜索により、どうにか奪われた久島の脳核を奪還することに成功したが、久島の意識は戻らず、ホロンも初期化されるのだった。
 ……という話なんだが、「なんでそうなるのか」というつっこみどころが多すぎて困る。
 進みすぎた技術は怖いヨ、とやっておいて、ソウタのホロンに対する恋慕になんらの葛藤もないんだなとか。いや、一応16話で解決はしてたか?まあここらへんは、心を決めさせておいてホロンを喪失させる、という落としのための布石だからいい。
 さらに解釈に困るのは、なんで久島が拉致されねばならないのか、だ。理由がさっぱり分からんのだよなー。気象分子推進派のジェニー・円としては、宣伝にうってつけの記念式典でどうしても使いたい。だから中止を提言した久島は邪魔だったろう。だとしても、それがなぜ拉致&脳核初期化という行動に出るのかが皆目不明だ。せいぜい、一時的に拘束するだけですむだろう。犯人役はソウタに締め上げられていたスポンサーにでも押しつけてしまえばいいことだ。
 もしくは、恒久的かつ強引に排除しなければならないほど、円と久島の対立は以前から続く深刻なものだったと考えることもできる。しかしそうした描写はこれまでなかったし、書記長、円、久島の三人がいることで人工島は発展してきたのではなかったのか。
 このアニメはたびたびこーゆー致命的なところで脚本の穴があるから困るんだよなあ。てか、久島は地球律を優先することで自分の立場が微妙なものになることを悟っていた風だが、その地球律がいまだにどんなものか視聴者にさっぱり説明されてないのがなんとも。これから盛り上がるべきところだというのに、大丈夫なんだろうか。
 にしても矢尾一樹の「やぁってやるぜ!」は吹いた。これ聞くのひさびさだ。

福本伸行講演会

 なるものが先週末あったそうで。正確には単独ではなく、佐藤秀峰(元アシだったらしい)との二人で、神奈川にある美大の文化祭にゲストとして招かれたとのこと。
 もちろん関東という時点で聞きにいくことはできないのだけれど、ネットをうろうろしているとかなり詳細なレポートを書かれている方が何人もいらっしゃったので、だいたいの雰囲気をつかむことができた。感謝感謝。
 そしてレポートを読んでいると、おもしろげなこともいくつかあり。
 たとえば顔や名前の似たキャラをつい書いてしまいがちになる、とか過去の話は面白くない、とか。やっぱり登場人物の「キャラ付け」には表現する対象としての興味はあまりないんだなぁと納得してみたり。
 残念な意味での「納得」もあった。「涯」同様、「黒沢」も打ち切りだったっぽい…。あまりにも唐突すぎるラストだったし、望まない形の終わり、とあるからそうなんだろうなあ。
 細かいところでは、赤木や銀さんの服がなぜ派手なのか分かったりしたのが。アウトロー=派手なスーツというイメージらしい(笑)。そういえば「堕天録」や「零」の表紙はデジタル彩色だけど、あれはアシスタントさんが塗っているのだろうか?
 あと、マガジンでは「もうしま」を読んでいると知り、これは取材の可能性有りっ…?とひとり握り拳。いや、「零」の連載がはじまってから「もうしま」で登場しないかなと願っていたもので。

 だがいちばん重大なニュースは、「カイジ」の実写映画化だろう。ちょっと前からネットでささやかれていたが、原作者本人が公式の場で発言したのだから間違いない。「アカギ」や「銀と金」はVシネマだったけど、主役が(ネット情報通りに)藤原竜也ならスクリーンで見られるかな。
 漫画の実写化、というとやたら不安感だけが先走るが、いまは楽しみに待っていたい。

衝動買い

 いや、あのですね。「オーフェン」の話なんですがね。考察のネタにもしたいし重要設定が出てくる「魔王」と「血涙」も入手しておこうかと思っていたわけですよ。
 まさか無謀編含めてほぼ全巻一日で買い揃えちゃうなんてなー。あはははー(遠い目)。
 てなわけで、西部編初期と無謀編後期をゲットすれば完璧な状況に。うははーい。もう笑うしかないですな。

福本伸行コンビニコミック

 拍手いただいたので感謝の舞を踊ってみる。つーらららー。え?見られない?そのバヤイ、なにとぞ心の目でご覧頂きたく。

 夏あたりから、福本伸行のコンビニコミックがあいついで出版されている。昨年はアニメ化されることもあって「カイジ」のコンビニコミック版が出ていたが、今回出ているのは初期短編集。いまのとこ「熱いぜ辺ちゃん」「鉄と天馬」「真実の男」「銀ヤンマ」が刊行されている。
 「辺ちゃん」は表題作のみが、「鉄と天馬」は「無頼な風 鉄」「熱いぜ天馬」の二作が、そして「真実の男」と「銀ヤンマ」には表題作のほか読みきりがいくつか収録されているようだ。まだ中身を確認していないが、収録された読みきりは以前竹書房から出た自薦短編集のみからで、未収録作品はない模様。まあ、今回の版元も竹書房だからしかたないか。
 初期作品スキーの私としては、これをきっかけに広く読まれてほしいなあ。「ワニの初恋」とかすごい好きだっ…!

 ついでに以前作った100人ソートをぺたし。初期作品のキャラもいるよ!→「ざわざわ100人ソート」
 もっと多いのはこちら→「ざわざわソート」 (正直、自分でも122人は多すぎると思った……)

リク企画終了

 リクエスト企画の受付けを終了しました。ありがとうございました。

あそこそ15-25日

 さてさてオーフェンに会うため旅立ったクリーオウ。彼女の行く手は騎士軍と魔術士が戦争状態にあり、ついでに武装盗賊団もうようよいる危険地域だ。かつてペットとしてのべつまくなしに魔術で大爆発を起こしていたレキはもうおらず、ディープ・ドラゴンの幼生はクリーオウの手許にあらわれて以来眠ったまま。
 こんな状況下を、たかだか一年間戦闘訓練を受けただけのクリーオウは剣一本でどうくぐりぬけていくつもりなのか――
 と血沸き肉踊るザ・サバイバルな展開に突入するかと思いきや、わりとあっさり目的の人物、「そいつ」ことサンクタムに遭遇しましたよ、と。非力は非力として徹底している秋田ワールドであるので、クリーオウが敵をばったばったとなぎたおしていくなんてことはありえないのだけれど、ちと拍子抜けの感はある。
 探している人物はやはり、というかコルゴンだったのねー。しかも新登場人物かと思われた「サンクタム」だったとは。まあ、コルゴンは最接近領のエージェントとして活動していたのだから、貴族連盟の意を受けて動くのは当然の事態といえばそうか。
 いまのところ、酔いつぶれたり痛いところを突かれて手を上げたりと、レティシャいわくの「凶暴な本性」が想像できない姿ではあるが、サンクタムを名乗っているときはそうでもなかった、つまり凶暴だったのかもしれぬ。
 にしても、酒場に踏みこんだクリーオウはよく無事だったな。きっと誰もコルゴンに関わりたくないくらい、ひいては関係者っぽいクリーオウをも遠巻きにしたくなるくらい凶暴だったのだろう。うむ。
 オーフェンをさっさと殺しに向かわないのは、魔王になれずすねちゃっているからか、ロッテの呪いに縛られているからか。本編に見られたような、チャイルドマン教室のメンバー――家族には危害を加えたくない、という単純な心根だけではないのかな。本人いわく、魔王ではないから殺せるらしいけど。ああ、超越せずにただ大陸に混乱をもたらしたことについては怒っているのかもしれないな。
 そしてコルゴンによると、全ドラゴン種族は絶滅したらしい。これでマスマテュリアの氷解には一応の説明はついたが……(ウォー・ドラゴンがいなくなれば氷解するのも道理だ)。それでも「なぜ」と疑問が残る。ディープ・ドラゴンは女神を転移させるために、おそらく滅んだような雰囲気で描かれてはいた。しかしほかのドラゴンたちが絶滅した原因とはなんだ?そういえば不死であるはずのオーリオウルが死んだのもよくわからなかったんだよなぁ。

驚愕の推薦人

 そこなあなた様は、よもや90年代の富士見ファンタジア文庫を愛読してはおるまいかえ~。
 もしそうなら、これを見ていただきたい。正確には帯の方を。書影が小さいが、推薦人の名前は読み取れる。
 いや、もう本気でびっくらこいた。てか、この推薦人で宣伝になると出版社は本当に考えたのだろーか?いや確かにごく一部の人間には、このうえないインパクトを与えられるけれども。
 はっ、これはよもや幻冬舎から出版されるという前振りかっ?!

モウソウスイッチ

 タイトルはピタゴラスイッチの節回しで読んでくらはい。
 さて渦巻き娘クリーオウはぐれ旅が続く「あそこそ」だが……ここでひとつ、感想をほっぽりだして私がひそかに抱く望みを書いてもいいだろうか。
 「あそこそ」にたいして私が希望するのは、大陸の命運を、というか世界や魔術についての謎をできるかぎり書いてほしいということである。本編でさえ説明があやふやな箇所も多かったが、それはおそらく話の本筋に関わらないからと秋田が切ったからだろう。物語の目的は、設定の消化にはないからね。
 んが、今回の連載で設定の一部が明かされたり、あまつさえ本編での情報が偽りだったといわれた日には、あれとか!これとか!それとか!結局なんだったんじゃい、と思ってしまうのである。気にするなというのも無理な話だ。
 登場人物に台詞の端々で設定に言及させているのはファンサービス的な意味合いと、あとweb連載、しかもクイズが主体だからだろうなあ。本として出すなら、ここまで速い展開や説明的な台詞は書かないと思われ。
 そしてもうひとつ気になるのは――はたして、とにもかくにも、いったいぜんたい、サルアは再登場するのか?ということだ。いや実はこの1ヶ月、ずーーーーーっとそのことが気にかかっていたのだが、口に出すともう出てこないんじゃないかと思えて書くことができなかった。われながら大げさきわまりない。しかし、気にしすぎて夢にまで出てきたあたり、自分でもうろたえているのがよくわかる。
 ちまい脳みそがもてるすべての分析力で判断をくだした結果、状況のケリがつくまでに最低でもあと1回くらいは出てくる、と予想をつけたのだがさていかがなものだろう。「狼」の時点では担当編集者に忘れ去られていたよーな脇役だったのを、その後わりかし重要な役回りで再登場させたからこのままフェードアウトはないと思う。思いたい。……思ってもいい?
 最悪なのは、「いきなりですがここで終わります」と、いろいろ中途半端なところで連載終了という事態だな。なにがつらいって、あきらめていたところへ一旦与えられた希望がさくっと潰え去ることほどダメージの大きいものはないぞ。
 というわけでいま現在、私は再登場までの暇つぶしに妄想しまくっている。9月13日付の更新分だけでかなりできる。ものすごくできる。むちゃくちゃできる。あと10年前よりは脳の妄想野(なにそれ)が発達したので、既刊に目を通して行間を読みまくったりしている。うひょー。
 前にも書いたが、サルアについては改革を起こそうと考えた動機というやつがよくわからんのだよなぁ。身も蓋もないことをいえば、オーフェンがキムラックに潜入するにあたり教会側にも協力者が必要だから反逆――というか背約者か。その役割がサルアとメッチェンに振られたのだと思う。だから動機についての些細な矛盾をつついてもあまり意味がない気がしたり。
 が。そこでなお、重箱の隅をつつかざるをえないのがオタなのだよ!!
 てか、一番納得のいく説明はすでにあるんだよな。「退屈だったから」という理由が。なにせ拷問を受けてるときの自白だから説得力がある。いや、退屈云々はこやつなりの照れ隠しだとは思うんだけどね!?まじめな話でも「退屈」と茶化して言い表すきらいがあるし。それにしても喉と舌に針を刺された状況でもそういうことを言うかお前。言っちゃあなんだがただの不良少年だぞ。
 結果としては、教会を根本からひっくり返すというもくろみは失敗し(あの状況だからなにかしらの変化は起きたろうが。しかも数ヵ月後にはすべてが崩壊するというおまけつき)、逃亡生活に入ったわけで、失敗についてはどう考えていたんだろー、とか。
 くわえて、ラポワントの死にたいしてのフォローが本編中では一行もなかったので、当時からひっかかっていた。あれはいわば兄の死体を取引材料にしたようなもんだし。だから「あそこそで」一番感謝したいことのひとつは、兄が自分のために死んだことを背負っているのがわかったことだ。
 そういう経験を踏まえて、「あそこそ」におけるような難民のまとめ役にみずからついたかと思うと私としては実においしいものがある。<おいしいのかよ

漫画描き/小説書きバトン

 めりるさんより受け取ったですよ。漫画描き/小説書きをどちらかに置き換えて回答してください、とのこと。ではレッツラゴー。

■貴方の小説書き歴は?
 物語らしきものを書き始めたのは幼稚園のころだというから、われながら業深だと思う。
■これまでに書いた小説の数を教えて下さい。
 140くらい?ほぼすべて掌編だけども。
■貴方が小説を書く時に使う道具、書く時の手順を教えて下さい。
道具
 PCおよびテキストエディタ。いまはもうできない手だが、学生時代、先生の声をBGMにプリントの裏になぐり書きするときが一番はがどった。
手順
 インスピレーションを得る。掴んだものをふくらませる。この時点ではまだ言葉ではないので、文章という形にする。完成。
■貴方が小説を書く時に気をつけている事、こだわっている事について語って下さい。
 書き手の抱いているイメージを、いかに読み手の内に再現できるか。あとは読むときのリズム感。
■1本の小説にかかる時間はどのくらい?
 まちまちとしかいいようがない。超短文に3年かかることもあれば、数時間で原稿用紙5枚分書けることもあり。
■小説を書く上でないと困る!というものは?(道具以外)
 ひらめき。イマジネーション。妄想ともいう。
■小説を書く中で一番好きな作業は?
■では逆に一番嫌いな作業は?
 好きも嫌いもないなあ。書くことは息をするようなものだから。
■小説を書く中で比較的早くできる(得意な)作業は?
 イメージをひっつかむ。
■では逆に一番遅い(苦手な)作業は?
 文章を書くことそのものがとにかく遅い。なんだろう、一瞬だけ目にした完成したパズルの記憶を頼りに、目隠しした状態でピースを当てはめていくような感じといえばいいのか。
■これまでに書いた中で思い入れのある小説(複数可)について語って下さい。
 思い入れといえば「G博士」だなあ。起承転結がある話は、おそらくこれが人生初。出来はひどいが文章を書く勉強になった。気に入っているのは「予定外の出来事」と「箱」(いずれも009)。
■お知り合いの漫画描き/小説書きさん1~5人へバトンタッチ
 きいろさん、こゆみさん、公義さんいかがでせう。

アカギのススメ

 お知り合いから教えていただいたのだが、FC2ブログでアカギのテンプレートが出たそうな(Mさん、ありがとうございます!)。このたびパチスロ化されるため、それとのタイアップらしい。一瞬、これのためにFC2でブログを始めようかと思ってしまったっ……!

 さてアニメ「アカギ」がきっかけで福本にはまってからというもの、友人たちに福本はいいよいいよと勧めてきたわけだが、これまで誰一人として読んだり、見たりするに至ったものはいなかった。自分自身の、作品の魅力を紹介することの下手さが理由ではあるのだが、いささかどころではない悲しさがある。
 しかし、とうとう友人のひとりが「アカギ」のDVDを見てくれたのだ!わひょーい。とりあえず市川戦のあたりまで貸した。食指が伸びれば、順次貸し出す予定。面白いと思ってもらえたら嬉しいなあ。

中つ国へ行きたい

 やるべきことがいろいろあるというのに、放り出して「終わらざりし物語」や「シルマリルの物語」を再読している。といっても、印象的なところを拾い読みという程度なのだが。そしてこうなると、やはり「The History of Middle Earth」読みたくなってくるわけで。
 だが、かりにも文系のくせに英語の成績にはひびが入っていた私である、たとえ原書を購入しても1冊読むのに何年かかるか分かりゃしない。
 だとしてもそれしか方法はないだろな。さすがに邦訳ののぞみは薄いだろうし……。そういえば「The Children of Hurin」は邦訳が出るという噂だけど、買おうかなどうしようかな。いや、たぶん買うんだろうな。
 で、再読した余波をかって指輪関係の情報を求めてネットをうろついてたら、なんと映画「ホビットの冒険」の監督が決定していた。立ち消えになったんじゃあるまいかと気を揉んでいたのでまさに朗報。ゴクリゴクリ!
 気になるのは、この記事に「二部作で、後編では、『ホビットの冒険』と『ロード・オブ・ザ・リング』の間の60年を描く」とあること。つ、つまり追補編のもろもろが映像化されちゃったりするのか?!それとも原作ではほとんど語られなかったドル・グルドゥアの死びと占い師との戦いがつまびらかになるとか?!
 しかしまあ、オリジナルで妙なエピソード満載のが出来上がっちゃう可能性もなきにしもあらず。なにせ寮病院削ってウンバールの海賊入れちゃうようなスタッフだからなあ(遠い目)。期待するなー、期待するなー。<自己暗示

 あと、英語圏で出版された関連本や研究書についても調べてみた。なにせ対象が対象なので、おもしろげな論文が山ほどあるそうな。向こうに住んでたら、ああいうのが気軽に手に取れるのねー。ああなんて羨ましい。
 などというようなことを考えていたら、やはり「指輪物語」本編だけでも原書で手元に置いておきたくなってきたりする。2005年にHarperCollins社から出た、50周年記念のハードカバーボックスセットが特に美麗。こんなのが本棚に鎮座しているところを想像しただけでたまらないものがあるなあ。

崖の上のポニョ

 気がつけば10月、公開されて3ヶ月が経とうとしている「ポニョ」を観に行ってきた。いやー、これは確かに絶賛されるのも分かる。
 が、しかし「どこがよかったの?」と聞かれると言葉につまるのだ。「なにか」は確かにあったんだが、それを説明しようとするとどう話せばいいのかわからない。なんだろう、ものすごくもやもやする。

短文

 「あそこそ」ネタで短文をば。個人的にはあまりやらない方がいい書き方なんだが……。書くことに飢えているが物書き力も低下しているので、いまのとこ、生産できるのはこんなものなのだなと自分自身に対してお茶をにごしてみる。
 (10月22日追記)よく考えたら時系列勘違いしてたヨ!というわけで削除。

あそこそ4日-9日

 そろそろ小休止という名の雑談が終わりそうなので、いまのうちに急いで第4節、クリーオウの旅立ちの感想を書いておこうかと。
 クリーオウといってまず思い出されるのは、その愛らしい凶暴さだろう。相手が天人種族の遺産の殺人人形だろうが、殺し屋だろうがオーフェンだろうがドッペル・イクスだろうが、夜襲・不意討ち・暗黒魔術なんでもありで真正面から突撃していくのが彼女の魅力であり怖ろしさだ。しかし彼女のそうした面は、東部編に入って徐々に薄らいでいくことになる。もちろん理由はレキとライアンで、かれらによってクリーオウは自分の意志を貫くことだけでは絶望に太刀打ちできないのを知ってしまう。それは拒絶に繋がる道筋であるから。ために、物語の最後の方になると、当初の勘の鋭さや傍若無人さはどこかへ消えうせたかのようだった。
 死へ向けて歩いていたクリーオウはマジクによって止められ、またオーフェンは絶望しないことを彼女に伝えた。……あ、オーフェンは最後に「富士見ファンタジア文庫の寅さん」らしいことをしたんだな(笑)。
 そして一年の訓練を終えた今、クリーオウはオーフェンを追いかけようとしている。背が伸びたらしいマジクは、まだ自分が旅立てるときを迎えていないからと、今は彼女を見送る立場だ。没設定がまだ有効なら、おそらくマジクがオーフェンに会うのは2年後になるだろう(とすると、そのころには戦争も終わってるのだろうか)。いまのところは、イザベラとトトカンタへ赴くようだ。
 なんとその理由はマスマテュリアの氷解というから驚きだ。極寒の地マスマテュリアを通過できるとなると情勢が変わるため、貴族連盟も南側に軍を配置せざるをえない。むろん、そうさせないため地人の側へなんらかのアクションを起こすだろうが。
 しかし、マスマテュリアの寒冷化はウオー・ドラゴンの影響によるものだったはず。それがなくなったということは、かれらがどこかへ移動したのか、別のなにかが起こったのか。ひょっとすると、ハーティアはこれを予期してトトカンタに残ったのかもしれない。

 オーフェンが大陸脱出計画のためにキムラック人と接触したという情報が伝わっていることから、クリーオウの目的地はアーバンラマかキムラック、もしくはその両方。どちらにせよ、騎士軍と魔術士が戦争中でゲリラや武装盗賊がうようよいる地域を通らねばならない、ということに変わりはない。
 そこで気になるのは、4日付の更新で出てきた「あいつ」である。どうやら「あいつ」に会うことが再会の手段になりうるらしいが、はたしていったい誰なのか。本文中の条件に合致するのはコルゴンくらいしか考えつかないが、はてしてティッシがかれのことを「凶暴」と表現するかと思うとひっかかる。それに「歪みを正す」という言葉も。ひょっとしてコルゴン、魔王になりそこねたのでグレちゃった?

 ついでにそのほか設定解説の方も書いとこ。
 フォルテは命名からしてレティシャとの関係性からだったのかー。そりゃ今回こーゆーことになったのも納得だ(もうメッチェンが再登場した際におなかが大きくなってたり、マジクに弟か妹ができても驚かんぞ)。てか、シャレだよねこの場合。例に出てきた「名前・家名・家名」はミシリム、「名前・名前」はコルゴンのことかと思われ。相続権が二重にある、てことでミシリムはやはりかなりのお嬢様だったのだな。
 そしてマジクの目が緑色だったのは伏線でもなんでもなかったという。当時友人と「教主の言っていた刻印に違いない!」とか語っていたことが懐かしい。や、後付け設定やら偶然の関係でそうなっちゃんだろうねえ。
 さて次回くらいから「あそこそ」次章、はたしてサルアは出てくるのかしら。不眠症気味だったのは治ったのかが心配だ。

「アメリカン・コミックス大全」小野耕世

 ウカツにも、有坂美香がアルバムを出していたと気づいていなかった。しかもリリースは7月。結構前である。
 だもんで、さっそく買ってきたアルバム「Aquantum」をBGMにしてこの本を読んだ。

 アメコミというと「スーパーマン」や「Xメン」、「ミュータントタートルズ」みたいなヒーローものしかないようなイメージがあったが、どうもそうではないらしい。具体的にはどんな世界なんだろう?というのが手に取った動機である。
 大全、と題してはいるがアメコミの世界を系統立てて説明しているというより、著者・小野耕世が過去に発表したインタビューや寸評を寄せ集めた本といったほうが正しいかも。小野のアメコミにたいする愛に満ちた語り口は、網羅的な説明よりかえってアメコミが内包する豊穣さをよく伝えていると思われ。
 ただ、一冊の中で表記の揺れが頻出したり、前提とされる知識がないと脈絡なく見える話が突然飛び出してきたりでその点は読みづらかったかな。注釈を入れるなりなんなりしてもよかったのでは。
 息抜きのつもりで読みはじめたはいいが、読むのにひいふう言いつつ3日もかかるテイタラク。モノカキだけでなく、読書力も低下しておるのう。

省萌え

 ちょっと前から「あんまり萌えないようにしよう」と思ってそうしてきた。とはいうものの、根っからのオタのことである、なかなかすぱっと切り替えるまでには至らない。数年にわたる死闘(?)の末、ついに萌えないことに成功したのだけれど、今度はモノカキの意欲まで減じてしまったという不思議。
 萌え、あなどれねー。
 てことは、モノカキをするなら今度は萌えればいいわけなのだろーか。だが今となっては、萌えがどういうものか忘れてしまったのだが、いったいどうすれば(笑)。

更新ではないが

 「なんとなく、なにか書けそーな気分」ではあるが、現実はそううまくいかない。ギャフン。
 しかしなにごとかを書き表したかったので、以前に書いた「女神伝」小話に手を入れてみた。戻ってこいこいひらめき力(ぢから)。

「あそこそ」2&3日

 昨日付の更新は、おそらく最後の一行で読んだ人間全員目玉が飛び出たことだろう。
 「と、大きくなったお腹をさすりながら」って誰が妊娠したんだあああ!いや状況からするとレティシャっぽいけどそうなると相手は誰だああああああ!!
 いやー、本気でびっくらこいた。「こいつ」はやっぱクリーオウだったのかとか、髪切ったのか草河絵でぜひ見たいなあとか、一日中寝てるらしいディープドラゴンは起きることあるのだろうか、とか根こそぎ全部吹っ飛んだ。
 本編中で誰かとくっついた、的な描写もなく、しかも東部編では殺伐とした精神状態が印象的だっただけになおさら驚いた。そういえばレティシャはきちんとアザリーとお別れできたんだろうか?
 そういう波乱を含みつつじりじり待たされた3日、胎児の父親もあっさり判明いたしましたとさ。あれは……フォルテだろうなあ。これまでさんざん、二人の間にはなにごとかありましたよ的なほのめかしがなされてきたわけだし、順当なところだろう。フォルテはプレ編時代からずっと好きだったぽいから読者としては「おめでとー」というか。んで、意識不明状態から回復したようでなによりだ。
 レティシャも幸せそうでよかった。帰ってこない弟妹を待ち続けていたあのころから脱却して、自分の未来を進めるようになったんだな。まあ妊娠したとはいっても、夫婦という形で落ち着くんではないのだろうね。魔術士、特に<塔>出だと基本的にフェミニスト(性差廃絶主義者)で事実婚推奨だから。
 しかし「自分たちに子どもはできないと思ってた」とか「学生時代から付いたり離れたりを繰り返し」とか秋田よ……。そうかそうか(笑)。でもコミクロンがますます不憫だなあ。遠くから見てるしかなくて、匿名でプレゼント贈るのが関の山だったんだろうか。

「あそこそ」1日

 月がかわって「あそこそ」も再開したぞえ~。またもや舞台と視点は変わり、ここはタフレム市郊外の難民キャンプ。ボランティアで配給係りをつとめていた「こいつ」が、落ち着かない様子の老婦人と彼女に付き添う口ひげの男に出会うシーンである。
 本日分だけでは「こいつ」がいったい誰のことかは分からないなー。タフレム在住の、魔術士ではない人間という条件にあてはまる登場人物というと、やはりクリーオウだろうか。ジニー、はたまたタフレム・ビックハンド紙の記者という可能性もあるが。……ないか。
 難民は一年近く前からいる、ということは9月掲載分からまた半年経過したらしい。時間的には、クリーオウの期限つき弟子入り期間が終わりに近づいていることになる。もし「こいつ」がクリーオウなら、この老婦人との出会いが新たな旅の始まりを告げることになるのだろうか。
 口ひげの男も気になるなあ。口ひげがなんとなく変装っぽいのでコルゴンかとも思ったが、クリーオウはコルゴンと会ったことがあるから気づくような。いや、まだ「こいつ」がクリーオウだと決まったわけではないんだが。
 難民と魔術士の間にはぬぐえない感情的なしこりが存在しているけど、避難先にタフレムを選んだグループだから、まだ魔術士に対する嫌悪感はマシなのかもと思ったり。タフレムでの就労を望む人間もいるくらいだし。
 あ、でも騎士軍の位置によっては東部へ向かえない場合もあるか。迫害していた側の陣地へ逃げ込まざるをえないんだから、状況はものすげー逼迫していたんだろな。2000人の神官と17万人を越える信徒が暮らす大都市に起きる混乱か。想像するだけで怖ろしい。

 ところで結局「背約者」買ってきた。とりあえず、10年前と比べて行間を読む能力がそりゃもうムダに発達したということがよく分かった(笑)。昔の自分は素直だったのだね。
 んで、ウロな記憶を補強してみたらやっぱりサルアたちが改革を志した動機がよく分からんよ……。最終拝謁とはつまり、ドラゴン種族を、ひいては大陸を滅ぼそうとする女神が結界へだててすぐそこにいることを知る、てな儀式だ。だから女神が来臨するまでに魔術士を滅ぼさなくてはならない、という理屈に繋がるわけで、なおかつ教主が人間ではないと気づいたクオは教会の改革など根本的に不可能だと言ったのだ。
 ちょろちょろ考えてはみたが、やっぱり女神とか関係なしに停滞した教会を変革しようとした、と見たほうがすっきりするんだよな。女神の来臨、つまり大陸の滅亡が迫っているのを知る立場にあることを考慮するから、微妙にひっかかってくる。それを公開すると大陸に混乱が起きるんでないかい?と思ってしまうわけだ。
 しかしまあ、こりゃ考察というより単に重箱の隅をほじくってるだけだよな我ながら。