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あそこそ5日

 だが、あきらめない。

あそこそ2日-4日

 サルア登場の気配に現世にとんぼ返り。<なぜあれだけで断定できる

 (追記)もし本当にサルアだったらこれからたいへんなので、この4日間分の感想も今の内に書いておかなくてはいかんなと気づいたのでサイケでヒップでバッドでゴー的に書くよ。書くよ!
 違っていたらどうするのかって?もちろんクールにいこう。

 第2節において主人公がアーバンラマの資産家が云々、と言った時点で「もしや例の夫妻か?」という予測は容易にできた。知人だし、それに魔王と呼ばれる賞金首と交渉するような豪胆な人間なんてそんなにいない。そう、ドロシーだ!仮に開拓の陣頭指揮を執っておらずとも、ほかの資産家らに口利きくらいはするだろう、と考えていたのだが、御自ら開拓事業の総監督にご就任あそばしておいででしたよ。さすがドロシーさん。魔王をパシリにするだけのことはある。
 これまでも無謀編の登場人物がちらほらとその姿を見せていたけれど、こうまで真正面から出てくるとは思わなかった。まあ、あの中でシリアスやれそうなのはドロシーくらいだろうなあ……。エドガーさえ一緒にいなければだけど。お子さんも無事生まれて予想通りでれでれしてるけど。てか、無謀編読み返してたらトトカンタがあまりにも変人奇人怪人魔人の大博覧会で、港湾に攻撃をかけた貴族連盟が無謀に見えてきた。よくあんなところに攻撃する気になったものだ。
 トトカンタに手を出したから、というわけでもないだろうが、マスマテュリア氷解もあってか騎士軍は開戦当初よりも若干不利になっているようだ。アーバンラマにも、情勢を鑑みてタフレム市に加勢し王都を包囲しようとする向きもある様子。それも当然だろう。どう考えても未知の大陸へ開拓団を送るよりもキエサルヒマ大陸(正確には島か)の情勢を落ち着かせたほうが安全で、リスクも少ない。
 やはり結界消失から開拓までの話が唐突過ぎるんだよなー。外大陸についての情報もそんなにないらしいし。教主や追われているうえに元の持ち主に力を返却したいオーフェンは当然としても、アーバンラマの資産家たちがあっさり開拓に乗る理由がよー分からん。ここは「扉(下)」における玄室での台詞や、外界へ行けば力を返上できると確信していることからも、いまのオーフェンはスウェーデンボリーの力と共に知識も借り受けている状態と考えるほうが自然か……。先遣隊も、外大陸の存在を知った人間が難民という労働力を手に入れて先走った、もしくは教主の精神支配を受けてのこととすれば筋が通るかも?
 第二次開拓団の準備でてんやわんやの港だが、船はすべて出払っているらしい。戻ってこない、とされているから、おそらく先遣隊として出て行ったか貴族連盟に差し押さえられたかといったところだろう。じゃあ開拓団は新造船に乗り込むことになるのか。ドロシーが一枚噛んでるのは、船の動力として蒸気機関を製造して利益を得るのがひとまずの目的なのかな。前述したように、船は全部新しく造る必要があるわけだし。
 だがまあ、そんなことはさておき。頭を抱えてわめいている「そいつ」とは誰だろう誰だろう誰なんだろう誰なんでしょうねええええええ。ぐぽぎょろめうずろー。

あそこそ1日

 うおおおおおーー!!!アーバンラマあああああ!長い髪の小柄な女あああああ!!!!

あそこそ15-25日

 さてさてオーフェンに会うため旅立ったクリーオウ。彼女の行く手は騎士軍と魔術士が戦争状態にあり、ついでに武装盗賊団もうようよいる危険地域だ。かつてペットとしてのべつまくなしに魔術で大爆発を起こしていたレキはもうおらず、ディープ・ドラゴンの幼生はクリーオウの手許にあらわれて以来眠ったまま。
 こんな状況下を、たかだか一年間戦闘訓練を受けただけのクリーオウは剣一本でどうくぐりぬけていくつもりなのか――
 と血沸き肉踊るザ・サバイバルな展開に突入するかと思いきや、わりとあっさり目的の人物、「そいつ」ことサンクタムに遭遇しましたよ、と。非力は非力として徹底している秋田ワールドであるので、クリーオウが敵をばったばったとなぎたおしていくなんてことはありえないのだけれど、ちと拍子抜けの感はある。
 探している人物はやはり、というかコルゴンだったのねー。しかも新登場人物かと思われた「サンクタム」だったとは。まあ、コルゴンは最接近領のエージェントとして活動していたのだから、貴族連盟の意を受けて動くのは当然の事態といえばそうか。
 いまのところ、酔いつぶれたり痛いところを突かれて手を上げたりと、レティシャいわくの「凶暴な本性」が想像できない姿ではあるが、サンクタムを名乗っているときはそうでもなかった、つまり凶暴だったのかもしれぬ。
 にしても、酒場に踏みこんだクリーオウはよく無事だったな。きっと誰もコルゴンに関わりたくないくらい、ひいては関係者っぽいクリーオウをも遠巻きにしたくなるくらい凶暴だったのだろう。うむ。
 オーフェンをさっさと殺しに向かわないのは、魔王になれずすねちゃっているからか、ロッテの呪いに縛られているからか。本編に見られたような、チャイルドマン教室のメンバー――家族には危害を加えたくない、という単純な心根だけではないのかな。本人いわく、魔王ではないから殺せるらしいけど。ああ、超越せずにただ大陸に混乱をもたらしたことについては怒っているのかもしれないな。
 そしてコルゴンによると、全ドラゴン種族は絶滅したらしい。これでマスマテュリアの氷解には一応の説明はついたが……(ウォー・ドラゴンがいなくなれば氷解するのも道理だ)。それでも「なぜ」と疑問が残る。ディープ・ドラゴンは女神を転移させるために、おそらく滅んだような雰囲気で描かれてはいた。しかしほかのドラゴンたちが絶滅した原因とはなんだ?そういえば不死であるはずのオーリオウルが死んだのもよくわからなかったんだよなぁ。

モウソウスイッチ

 タイトルはピタゴラスイッチの節回しで読んでくらはい。
 さて渦巻き娘クリーオウはぐれ旅が続く「あそこそ」だが……ここでひとつ、感想をほっぽりだして私がひそかに抱く望みを書いてもいいだろうか。
 「あそこそ」にたいして私が希望するのは、大陸の命運を、というか世界や魔術についての謎をできるかぎり書いてほしいということである。本編でさえ説明があやふやな箇所も多かったが、それはおそらく話の本筋に関わらないからと秋田が切ったからだろう。物語の目的は、設定の消化にはないからね。
 んが、今回の連載で設定の一部が明かされたり、あまつさえ本編での情報が偽りだったといわれた日には、あれとか!これとか!それとか!結局なんだったんじゃい、と思ってしまうのである。気にするなというのも無理な話だ。
 登場人物に台詞の端々で設定に言及させているのはファンサービス的な意味合いと、あとweb連載、しかもクイズが主体だからだろうなあ。本として出すなら、ここまで速い展開や説明的な台詞は書かないと思われ。
 そしてもうひとつ気になるのは――はたして、とにもかくにも、いったいぜんたい、サルアは再登場するのか?ということだ。いや実はこの1ヶ月、ずーーーーーっとそのことが気にかかっていたのだが、口に出すともう出てこないんじゃないかと思えて書くことができなかった。われながら大げさきわまりない。しかし、気にしすぎて夢にまで出てきたあたり、自分でもうろたえているのがよくわかる。
 ちまい脳みそがもてるすべての分析力で判断をくだした結果、状況のケリがつくまでに最低でもあと1回くらいは出てくる、と予想をつけたのだがさていかがなものだろう。「狼」の時点では担当編集者に忘れ去られていたよーな脇役だったのを、その後わりかし重要な役回りで再登場させたからこのままフェードアウトはないと思う。思いたい。……思ってもいい?
 最悪なのは、「いきなりですがここで終わります」と、いろいろ中途半端なところで連載終了という事態だな。なにがつらいって、あきらめていたところへ一旦与えられた希望がさくっと潰え去ることほどダメージの大きいものはないぞ。
 というわけでいま現在、私は再登場までの暇つぶしに妄想しまくっている。9月13日付の更新分だけでかなりできる。ものすごくできる。むちゃくちゃできる。あと10年前よりは脳の妄想野(なにそれ)が発達したので、既刊に目を通して行間を読みまくったりしている。うひょー。
 前にも書いたが、サルアについては改革を起こそうと考えた動機というやつがよくわからんのだよなぁ。身も蓋もないことをいえば、オーフェンがキムラックに潜入するにあたり教会側にも協力者が必要だから反逆――というか背約者か。その役割がサルアとメッチェンに振られたのだと思う。だから動機についての些細な矛盾をつついてもあまり意味がない気がしたり。
 が。そこでなお、重箱の隅をつつかざるをえないのがオタなのだよ!!
 てか、一番納得のいく説明はすでにあるんだよな。「退屈だったから」という理由が。なにせ拷問を受けてるときの自白だから説得力がある。いや、退屈云々はこやつなりの照れ隠しだとは思うんだけどね!?まじめな話でも「退屈」と茶化して言い表すきらいがあるし。それにしても喉と舌に針を刺された状況でもそういうことを言うかお前。言っちゃあなんだがただの不良少年だぞ。
 結果としては、教会を根本からひっくり返すというもくろみは失敗し(あの状況だからなにかしらの変化は起きたろうが。しかも数ヵ月後にはすべてが崩壊するというおまけつき)、逃亡生活に入ったわけで、失敗についてはどう考えていたんだろー、とか。
 くわえて、ラポワントの死にたいしてのフォローが本編中では一行もなかったので、当時からひっかかっていた。あれはいわば兄の死体を取引材料にしたようなもんだし。だから「あそこそで」一番感謝したいことのひとつは、兄が自分のために死んだことを背負っているのがわかったことだ。
 そういう経験を踏まえて、「あそこそ」におけるような難民のまとめ役にみずからついたかと思うと私としては実においしいものがある。<おいしいのかよ

あそこそ4日-9日

 そろそろ小休止という名の雑談が終わりそうなので、いまのうちに急いで第4節、クリーオウの旅立ちの感想を書いておこうかと。
 クリーオウといってまず思い出されるのは、その愛らしい凶暴さだろう。相手が天人種族の遺産の殺人人形だろうが、殺し屋だろうがオーフェンだろうがドッペル・イクスだろうが、夜襲・不意討ち・暗黒魔術なんでもありで真正面から突撃していくのが彼女の魅力であり怖ろしさだ。しかし彼女のそうした面は、東部編に入って徐々に薄らいでいくことになる。もちろん理由はレキとライアンで、かれらによってクリーオウは自分の意志を貫くことだけでは絶望に太刀打ちできないのを知ってしまう。それは拒絶に繋がる道筋であるから。ために、物語の最後の方になると、当初の勘の鋭さや傍若無人さはどこかへ消えうせたかのようだった。
 死へ向けて歩いていたクリーオウはマジクによって止められ、またオーフェンは絶望しないことを彼女に伝えた。……あ、オーフェンは最後に「富士見ファンタジア文庫の寅さん」らしいことをしたんだな(笑)。
 そして一年の訓練を終えた今、クリーオウはオーフェンを追いかけようとしている。背が伸びたらしいマジクは、まだ自分が旅立てるときを迎えていないからと、今は彼女を見送る立場だ。没設定がまだ有効なら、おそらくマジクがオーフェンに会うのは2年後になるだろう(とすると、そのころには戦争も終わってるのだろうか)。いまのところは、イザベラとトトカンタへ赴くようだ。
 なんとその理由はマスマテュリアの氷解というから驚きだ。極寒の地マスマテュリアを通過できるとなると情勢が変わるため、貴族連盟も南側に軍を配置せざるをえない。むろん、そうさせないため地人の側へなんらかのアクションを起こすだろうが。
 しかし、マスマテュリアの寒冷化はウオー・ドラゴンの影響によるものだったはず。それがなくなったということは、かれらがどこかへ移動したのか、別のなにかが起こったのか。ひょっとすると、ハーティアはこれを予期してトトカンタに残ったのかもしれない。

 オーフェンが大陸脱出計画のためにキムラック人と接触したという情報が伝わっていることから、クリーオウの目的地はアーバンラマかキムラック、もしくはその両方。どちらにせよ、騎士軍と魔術士が戦争中でゲリラや武装盗賊がうようよいる地域を通らねばならない、ということに変わりはない。
 そこで気になるのは、4日付の更新で出てきた「あいつ」である。どうやら「あいつ」に会うことが再会の手段になりうるらしいが、はたしていったい誰なのか。本文中の条件に合致するのはコルゴンくらいしか考えつかないが、はてしてティッシがかれのことを「凶暴」と表現するかと思うとひっかかる。それに「歪みを正す」という言葉も。ひょっとしてコルゴン、魔王になりそこねたのでグレちゃった?

 ついでにそのほか設定解説の方も書いとこ。
 フォルテは命名からしてレティシャとの関係性からだったのかー。そりゃ今回こーゆーことになったのも納得だ(もうメッチェンが再登場した際におなかが大きくなってたり、マジクに弟か妹ができても驚かんぞ)。てか、シャレだよねこの場合。例に出てきた「名前・家名・家名」はミシリム、「名前・名前」はコルゴンのことかと思われ。相続権が二重にある、てことでミシリムはやはりかなりのお嬢様だったのだな。
 そしてマジクの目が緑色だったのは伏線でもなんでもなかったという。当時友人と「教主の言っていた刻印に違いない!」とか語っていたことが懐かしい。や、後付け設定やら偶然の関係でそうなっちゃんだろうねえ。
 さて次回くらいから「あそこそ」次章、はたしてサルアは出てくるのかしら。不眠症気味だったのは治ったのかが心配だ。

「あそこそ」2&3日

 昨日付の更新は、おそらく最後の一行で読んだ人間全員目玉が飛び出たことだろう。
 「と、大きくなったお腹をさすりながら」って誰が妊娠したんだあああ!いや状況からするとレティシャっぽいけどそうなると相手は誰だああああああ!!
 いやー、本気でびっくらこいた。「こいつ」はやっぱクリーオウだったのかとか、髪切ったのか草河絵でぜひ見たいなあとか、一日中寝てるらしいディープドラゴンは起きることあるのだろうか、とか根こそぎ全部吹っ飛んだ。
 本編中で誰かとくっついた、的な描写もなく、しかも東部編では殺伐とした精神状態が印象的だっただけになおさら驚いた。そういえばレティシャはきちんとアザリーとお別れできたんだろうか?
 そういう波乱を含みつつじりじり待たされた3日、胎児の父親もあっさり判明いたしましたとさ。あれは……フォルテだろうなあ。これまでさんざん、二人の間にはなにごとかありましたよ的なほのめかしがなされてきたわけだし、順当なところだろう。フォルテはプレ編時代からずっと好きだったぽいから読者としては「おめでとー」というか。んで、意識不明状態から回復したようでなによりだ。
 レティシャも幸せそうでよかった。帰ってこない弟妹を待ち続けていたあのころから脱却して、自分の未来を進めるようになったんだな。まあ妊娠したとはいっても、夫婦という形で落ち着くんではないのだろうね。魔術士、特に<塔>出だと基本的にフェミニスト(性差廃絶主義者)で事実婚推奨だから。
 しかし「自分たちに子どもはできないと思ってた」とか「学生時代から付いたり離れたりを繰り返し」とか秋田よ……。そうかそうか(笑)。でもコミクロンがますます不憫だなあ。遠くから見てるしかなくて、匿名でプレゼント贈るのが関の山だったんだろうか。

「あそこそ」1日

 月がかわって「あそこそ」も再開したぞえ~。またもや舞台と視点は変わり、ここはタフレム市郊外の難民キャンプ。ボランティアで配給係りをつとめていた「こいつ」が、落ち着かない様子の老婦人と彼女に付き添う口ひげの男に出会うシーンである。
 本日分だけでは「こいつ」がいったい誰のことかは分からないなー。タフレム在住の、魔術士ではない人間という条件にあてはまる登場人物というと、やはりクリーオウだろうか。ジニー、はたまたタフレム・ビックハンド紙の記者という可能性もあるが。……ないか。
 難民は一年近く前からいる、ということは9月掲載分からまた半年経過したらしい。時間的には、クリーオウの期限つき弟子入り期間が終わりに近づいていることになる。もし「こいつ」がクリーオウなら、この老婦人との出会いが新たな旅の始まりを告げることになるのだろうか。
 口ひげの男も気になるなあ。口ひげがなんとなく変装っぽいのでコルゴンかとも思ったが、クリーオウはコルゴンと会ったことがあるから気づくような。いや、まだ「こいつ」がクリーオウだと決まったわけではないんだが。
 難民と魔術士の間にはぬぐえない感情的なしこりが存在しているけど、避難先にタフレムを選んだグループだから、まだ魔術士に対する嫌悪感はマシなのかもと思ったり。タフレムでの就労を望む人間もいるくらいだし。
 あ、でも騎士軍の位置によっては東部へ向かえない場合もあるか。迫害していた側の陣地へ逃げ込まざるをえないんだから、状況はものすげー逼迫していたんだろな。2000人の神官と17万人を越える信徒が暮らす大都市に起きる混乱か。想像するだけで怖ろしい。

 ところで結局「背約者」買ってきた。とりあえず、10年前と比べて行間を読む能力がそりゃもうムダに発達したということがよく分かった(笑)。昔の自分は素直だったのだね。
 んで、ウロな記憶を補強してみたらやっぱりサルアたちが改革を志した動機がよく分からんよ……。最終拝謁とはつまり、ドラゴン種族を、ひいては大陸を滅ぼそうとする女神が結界へだててすぐそこにいることを知る、てな儀式だ。だから女神が来臨するまでに魔術士を滅ぼさなくてはならない、という理屈に繋がるわけで、なおかつ教主が人間ではないと気づいたクオは教会の改革など根本的に不可能だと言ったのだ。
 ちょろちょろ考えてはみたが、やっぱり女神とか関係なしに停滞した教会を変革しようとした、と見たほうがすっきりするんだよな。女神の来臨、つまり大陸の滅亡が迫っているのを知る立場にあることを考慮するから、微妙にひっかかってくる。それを公開すると大陸に混乱が起きるんでないかい?と思ってしまうわけだ。
 しかしまあ、こりゃ考察というより単に重箱の隅をほじくってるだけだよな我ながら。

「あそこそ」27日

 今日の目玉は、やはり「母帰る」と「魔術士かどうか曖昧なあれ」だろう。「ちょうどぴったり、目玉はふたつだ」。トトカンタ編は、舞台が舞台だから無謀編に通じる描写が多い。
 でも無謀編どおりのトトカンタなら、騎士軍にも充分対抗できる、いやむしろ手に負えない気がする…。あの連中を相手にしなければならない騎士軍の方が心配だ。騎士といえばダイアン部長は元気かな。まあ部長は読者が心配などせずとも、きっとあのままに違いない。

 せめて一人くらいは魔術士をタフレムに連れ帰りたいイザベラは、おそらくよりにもよってマジク母ことアイリス・リンに声をかけたのだろう。そんな、自分から地獄に足を踏み入れるような真似をせんでも、と思うが知らなかったのだからしょうがないよね。ああ、アイリスの方からしかけた可能性もあるか。
 まあイザベラは一晩悪夢を見ただけで済んだのだからまだマシといえよう。怪人ゼッドが<塔>に与えた被害を考えれば。それに、それですらマジクの心当たりである「あれ」に比べるとまだ常識的な範囲に留まる。アーバンラマに帰っていてよかったよかった。
 今回の更新で分かったのは、バグアップズ・インの土地建物はアイリスの所有だったということ。あっちの法律では、相続財(不動産)を持つ人間のみ家名を名乗ることが許されるから、いままでが「バグアップ・リン」と記述されなかったのは筋が通っていたわけだ。
 そういえばアイリスは魔術士なのかなあ。マジクの母だから素養があるのは間違いないし、どこかでオーフェンが「マジクは以前に魔術を学んでいるのでは?」といぶかっていた描写があるから使えそうにも思える。あれは意味ありげに書いてたくせにその後まったく触れられなかったから、意味のない設定だったんだろうけど。

「あそこそ」26日

 さて、いろいろ開示がきましたよー!
 まずは昨日初出の「サンクタム」。貴族連盟が魔王――つまりオーフェンの抹殺を命じた人物の名ということが判明した。オーフェンはレッド・ドラゴン、白魔術士とも渡りあえる境地に達したが、いまは借り受けたスウェーデンボリーの力を持て余している状態だ。これは秋田お得意の肉弾戦が見られるか。
 そしてその情報をつかんだ、ということはフォルテも回復した可能性があるな。現在「ネットワーク」を使えるのはフォルテくらいだろうし。その場合、ダミアン・ルーウによって精神を破壊されたかれを癒したのはいったい誰かということになってくるが…。<塔>側に白魔術士がいれば別だけども。
 ハーティアはハーティアで、やはりトトカンタを拠点に成り上がろうとしているのにはなにか目的がある様子。ひとつの選択肢になる、という台詞からすると、いずれ自分の行動が<塔>(というか、チャイルドマン教室にとってか?)の利益にもなろうと考えているように見える。もっとも、純粋に<塔>のことだけを考えての行動ではあるまい。頼むから、そんなおとなしい行動を見せてくれるなよ。わくわく。
 こうしてイザベラとハーティアの会談が終わったわけだが、このままマジク視点で話を進めるのかな。

 先日古本屋へ寄って、「背約者」をぱらぱらめくってみた。ちょっと前の感想で書いた、最終拝謁について確認したかったので。
 うーむ、ざっと読んだ感じでは、サルアもメッチェンも最終拝謁受けてるように思える。ただ、クオの台詞からすると教義の実態については気づいてなかった様子なので、詩聖の間を見はしても精神支配による記憶の幻視は体験してなかったとか?いやそれだとやはり矛盾が…。だいたい、「狼」でディープ・ドラゴン種族がキムラックの様子を知りたがってたんだよな。そちらの目的はオーリオウルの現状の確認、というところだろうか。
 いかん、考えてるとわけがわからなくなってきた。頭から煙が出てきたので倒れることにする。ばったり。

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