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あそこそ4日-9日

 そろそろ小休止という名の雑談が終わりそうなので、いまのうちに急いで第4節、クリーオウの旅立ちの感想を書いておこうかと。
 クリーオウといってまず思い出されるのは、その愛らしい凶暴さだろう。相手が天人種族の遺産の殺人人形だろうが、殺し屋だろうがオーフェンだろうがドッペル・イクスだろうが、夜襲・不意討ち・暗黒魔術なんでもありで真正面から突撃していくのが彼女の魅力であり怖ろしさだ。しかし彼女のそうした面は、東部編に入って徐々に薄らいでいくことになる。もちろん理由はレキとライアンで、かれらによってクリーオウは自分の意志を貫くことだけでは絶望に太刀打ちできないのを知ってしまう。それは拒絶に繋がる道筋であるから。ために、物語の最後の方になると、当初の勘の鋭さや傍若無人さはどこかへ消えうせたかのようだった。
 死へ向けて歩いていたクリーオウはマジクによって止められ、またオーフェンは絶望しないことを彼女に伝えた。……あ、オーフェンは最後に「富士見ファンタジア文庫の寅さん」らしいことをしたんだな(笑)。
 そして一年の訓練を終えた今、クリーオウはオーフェンを追いかけようとしている。背が伸びたらしいマジクは、まだ自分が旅立てるときを迎えていないからと、今は彼女を見送る立場だ。没設定がまだ有効なら、おそらくマジクがオーフェンに会うのは2年後になるだろう(とすると、そのころには戦争も終わってるのだろうか)。いまのところは、イザベラとトトカンタへ赴くようだ。
 なんとその理由はマスマテュリアの氷解というから驚きだ。極寒の地マスマテュリアを通過できるとなると情勢が変わるため、貴族連盟も南側に軍を配置せざるをえない。むろん、そうさせないため地人の側へなんらかのアクションを起こすだろうが。
 しかし、マスマテュリアの寒冷化はウオー・ドラゴンの影響によるものだったはず。それがなくなったということは、かれらがどこかへ移動したのか、別のなにかが起こったのか。ひょっとすると、ハーティアはこれを予期してトトカンタに残ったのかもしれない。

 オーフェンが大陸脱出計画のためにキムラック人と接触したという情報が伝わっていることから、クリーオウの目的地はアーバンラマかキムラック、もしくはその両方。どちらにせよ、騎士軍と魔術士が戦争中でゲリラや武装盗賊がうようよいる地域を通らねばならない、ということに変わりはない。
 そこで気になるのは、4日付の更新で出てきた「あいつ」である。どうやら「あいつ」に会うことが再会の手段になりうるらしいが、はたしていったい誰なのか。本文中の条件に合致するのはコルゴンくらいしか考えつかないが、はてしてティッシがかれのことを「凶暴」と表現するかと思うとひっかかる。それに「歪みを正す」という言葉も。ひょっとしてコルゴン、魔王になりそこねたのでグレちゃった?

 ついでにそのほか設定解説の方も書いとこ。
 フォルテは命名からしてレティシャとの関係性からだったのかー。そりゃ今回こーゆーことになったのも納得だ(もうメッチェンが再登場した際におなかが大きくなってたり、マジクに弟か妹ができても驚かんぞ)。てか、シャレだよねこの場合。例に出てきた「名前・家名・家名」はミシリム、「名前・名前」はコルゴンのことかと思われ。相続権が二重にある、てことでミシリムはやはりかなりのお嬢様だったのだな。
 そしてマジクの目が緑色だったのは伏線でもなんでもなかったという。当時友人と「教主の言っていた刻印に違いない!」とか語っていたことが懐かしい。や、後付け設定やら偶然の関係でそうなっちゃんだろうねえ。
 さて次回くらいから「あそこそ」次章、はたしてサルアは出てくるのかしら。不眠症気味だったのは治ったのかが心配だ。

「アメリカン・コミックス大全」小野耕世

 ウカツにも、有坂美香がアルバムを出していたと気づいていなかった。しかもリリースは7月。結構前である。
 だもんで、さっそく買ってきたアルバム「Aquantum」をBGMにしてこの本を読んだ。

 アメコミというと「スーパーマン」や「Xメン」、「ミュータントタートルズ」みたいなヒーローものしかないようなイメージがあったが、どうもそうではないらしい。具体的にはどんな世界なんだろう?というのが手に取った動機である。
 大全、と題してはいるがアメコミの世界を系統立てて説明しているというより、著者・小野耕世が過去に発表したインタビューや寸評を寄せ集めた本といったほうが正しいかも。小野のアメコミにたいする愛に満ちた語り口は、網羅的な説明よりかえってアメコミが内包する豊穣さをよく伝えていると思われ。
 ただ、一冊の中で表記の揺れが頻出したり、前提とされる知識がないと脈絡なく見える話が突然飛び出してきたりでその点は読みづらかったかな。注釈を入れるなりなんなりしてもよかったのでは。
 息抜きのつもりで読みはじめたはいいが、読むのにひいふう言いつつ3日もかかるテイタラク。モノカキだけでなく、読書力も低下しておるのう。

省萌え

 ちょっと前から「あんまり萌えないようにしよう」と思ってそうしてきた。とはいうものの、根っからのオタのことである、なかなかすぱっと切り替えるまでには至らない。数年にわたる死闘(?)の末、ついに萌えないことに成功したのだけれど、今度はモノカキの意欲まで減じてしまったという不思議。
 萌え、あなどれねー。
 てことは、モノカキをするなら今度は萌えればいいわけなのだろーか。だが今となっては、萌えがどういうものか忘れてしまったのだが、いったいどうすれば(笑)。

更新ではないが

 「なんとなく、なにか書けそーな気分」ではあるが、現実はそううまくいかない。ギャフン。
 しかしなにごとかを書き表したかったので、以前に書いた「女神伝」小話に手を入れてみた。戻ってこいこいひらめき力(ぢから)。

「あそこそ」2&3日

 昨日付の更新は、おそらく最後の一行で読んだ人間全員目玉が飛び出たことだろう。
 「と、大きくなったお腹をさすりながら」って誰が妊娠したんだあああ!いや状況からするとレティシャっぽいけどそうなると相手は誰だああああああ!!
 いやー、本気でびっくらこいた。「こいつ」はやっぱクリーオウだったのかとか、髪切ったのか草河絵でぜひ見たいなあとか、一日中寝てるらしいディープドラゴンは起きることあるのだろうか、とか根こそぎ全部吹っ飛んだ。
 本編中で誰かとくっついた、的な描写もなく、しかも東部編では殺伐とした精神状態が印象的だっただけになおさら驚いた。そういえばレティシャはきちんとアザリーとお別れできたんだろうか?
 そういう波乱を含みつつじりじり待たされた3日、胎児の父親もあっさり判明いたしましたとさ。あれは……フォルテだろうなあ。これまでさんざん、二人の間にはなにごとかありましたよ的なほのめかしがなされてきたわけだし、順当なところだろう。フォルテはプレ編時代からずっと好きだったぽいから読者としては「おめでとー」というか。んで、意識不明状態から回復したようでなによりだ。
 レティシャも幸せそうでよかった。帰ってこない弟妹を待ち続けていたあのころから脱却して、自分の未来を進めるようになったんだな。まあ妊娠したとはいっても、夫婦という形で落ち着くんではないのだろうね。魔術士、特に<塔>出だと基本的にフェミニスト(性差廃絶主義者)で事実婚推奨だから。
 しかし「自分たちに子どもはできないと思ってた」とか「学生時代から付いたり離れたりを繰り返し」とか秋田よ……。そうかそうか(笑)。でもコミクロンがますます不憫だなあ。遠くから見てるしかなくて、匿名でプレゼント贈るのが関の山だったんだろうか。

「あそこそ」1日

 月がかわって「あそこそ」も再開したぞえ~。またもや舞台と視点は変わり、ここはタフレム市郊外の難民キャンプ。ボランティアで配給係りをつとめていた「こいつ」が、落ち着かない様子の老婦人と彼女に付き添う口ひげの男に出会うシーンである。
 本日分だけでは「こいつ」がいったい誰のことかは分からないなー。タフレム在住の、魔術士ではない人間という条件にあてはまる登場人物というと、やはりクリーオウだろうか。ジニー、はたまたタフレム・ビックハンド紙の記者という可能性もあるが。……ないか。
 難民は一年近く前からいる、ということは9月掲載分からまた半年経過したらしい。時間的には、クリーオウの期限つき弟子入り期間が終わりに近づいていることになる。もし「こいつ」がクリーオウなら、この老婦人との出会いが新たな旅の始まりを告げることになるのだろうか。
 口ひげの男も気になるなあ。口ひげがなんとなく変装っぽいのでコルゴンかとも思ったが、クリーオウはコルゴンと会ったことがあるから気づくような。いや、まだ「こいつ」がクリーオウだと決まったわけではないんだが。
 難民と魔術士の間にはぬぐえない感情的なしこりが存在しているけど、避難先にタフレムを選んだグループだから、まだ魔術士に対する嫌悪感はマシなのかもと思ったり。タフレムでの就労を望む人間もいるくらいだし。
 あ、でも騎士軍の位置によっては東部へ向かえない場合もあるか。迫害していた側の陣地へ逃げ込まざるをえないんだから、状況はものすげー逼迫していたんだろな。2000人の神官と17万人を越える信徒が暮らす大都市に起きる混乱か。想像するだけで怖ろしい。

 ところで結局「背約者」買ってきた。とりあえず、10年前と比べて行間を読む能力がそりゃもうムダに発達したということがよく分かった(笑)。昔の自分は素直だったのだね。
 んで、ウロな記憶を補強してみたらやっぱりサルアたちが改革を志した動機がよく分からんよ……。最終拝謁とはつまり、ドラゴン種族を、ひいては大陸を滅ぼそうとする女神が結界へだててすぐそこにいることを知る、てな儀式だ。だから女神が来臨するまでに魔術士を滅ぼさなくてはならない、という理屈に繋がるわけで、なおかつ教主が人間ではないと気づいたクオは教会の改革など根本的に不可能だと言ったのだ。
 ちょろちょろ考えてはみたが、やっぱり女神とか関係なしに停滞した教会を変革しようとした、と見たほうがすっきりするんだよな。女神の来臨、つまり大陸の滅亡が迫っているのを知る立場にあることを考慮するから、微妙にひっかかってくる。それを公開すると大陸に混乱が起きるんでないかい?と思ってしまうわけだ。
 しかしまあ、こりゃ考察というより単に重箱の隅をほじくってるだけだよな我ながら。

RD17&18話

 「あそこそ」小休止の間隙を縫って「RD」感想。
 しかし、今日は本来放映日のはずなんだが(当地では月曜深夜なんす)、新聞を見ると「RD」の文字は見当たらない。今日この枠では「乃木坂春香の秘密」というアニメを2話続けてやるようだ。おそらく、先週野球の試合を放映したためにスケジュールが合わなくなったんだろう。件のアニメは今週が最終回だそうだし。
 あのー、「RD」も同じ措置をとってもらえないでしょーか。もう関東から何週遅れてるのか分からないよ。

 まずは17話。いや、なんか……「波留さんはたらし」という言葉しか浮かばないんだけどもいったいどうしたら。途中までは普段ばらばらに暮らしている蒼井家が、めずらしく一同揃って夕食をとるまでを描くハートフルストーリーだったのに。ラストの波留さんとミナモの祖母、洋子さんとの会話で、波留さんは女泣かせのひどいやつということが暴露され、それしか印象に残らなかったではないか。
 続いて18話、前後編のファーストパートである。この時代、いわゆる「自然」というものは地球上にわずかしか残っていないそうだ。これまでも、物語の舞台である人工島では天然ものの食材は貴重だとか、海洋生物がかなり絶滅しているらしいということが語られてきたが、地球全体規模で環境は変異しているのか。また環境分子や気候分子という技術があり、詳細はわからないが自然現象のコントロールを人類は可能にしていると思われ。
 一方で、数を減じた「自然」は著しく発達していた。短期間で樹木が成長し、森林が村落を飲みこんでいく。その様を、波留は「地球がエネルギーをすべてそそぎこんでいるよう」と表現する。
 つまり、これまでほとんど語られてこなかった「地球律」が、とうとう本筋に据えられるということなんだろーか。メタルにノイズを与えているのはやはり地球律の影響?てか、その地球律がどういうシロモノなのかは、思わせぶりに出てくるだけで具体的な話はなかったんだよな。後編ではたぶんその一端が解明されるだろうし待て次回――って、その次回はいつになったら見られるのやら。めそめそ。

目標

 拍手いただきました。動きのないサイトですがありがとうございます。

 福本系検索サイトの「ざわざわサーチ」さんが11月で閉鎖される。いままでありがとうございますー、と思ってたら昨日新しい検索サイトさんができていたのを知った。しかもふたつも!わひょーい。
 でも拙サイトに関していえば、いまの情けない状態を考えると新しいサーチに登録するのもはばかられる。動きが完全に止まってるし…。小話ひとつ書きあげたら登録できる、とか自分に目標を設定することにしよう。

「あそこそ」27日

 今日の目玉は、やはり「母帰る」と「魔術士かどうか曖昧なあれ」だろう。「ちょうどぴったり、目玉はふたつだ」。トトカンタ編は、舞台が舞台だから無謀編に通じる描写が多い。
 でも無謀編どおりのトトカンタなら、騎士軍にも充分対抗できる、いやむしろ手に負えない気がする…。あの連中を相手にしなければならない騎士軍の方が心配だ。騎士といえばダイアン部長は元気かな。まあ部長は読者が心配などせずとも、きっとあのままに違いない。

 せめて一人くらいは魔術士をタフレムに連れ帰りたいイザベラは、おそらくよりにもよってマジク母ことアイリス・リンに声をかけたのだろう。そんな、自分から地獄に足を踏み入れるような真似をせんでも、と思うが知らなかったのだからしょうがないよね。ああ、アイリスの方からしかけた可能性もあるか。
 まあイザベラは一晩悪夢を見ただけで済んだのだからまだマシといえよう。怪人ゼッドが<塔>に与えた被害を考えれば。それに、それですらマジクの心当たりである「あれ」に比べるとまだ常識的な範囲に留まる。アーバンラマに帰っていてよかったよかった。
 今回の更新で分かったのは、バグアップズ・インの土地建物はアイリスの所有だったということ。あっちの法律では、相続財(不動産)を持つ人間のみ家名を名乗ることが許されるから、いままでが「バグアップ・リン」と記述されなかったのは筋が通っていたわけだ。
 そういえばアイリスは魔術士なのかなあ。マジクの母だから素養があるのは間違いないし、どこかでオーフェンが「マジクは以前に魔術を学んでいるのでは?」といぶかっていた描写があるから使えそうにも思える。あれは意味ありげに書いてたくせにその後まったく触れられなかったから、意味のない設定だったんだろうけど。

「あそこそ」26日

 さて、いろいろ開示がきましたよー!
 まずは昨日初出の「サンクタム」。貴族連盟が魔王――つまりオーフェンの抹殺を命じた人物の名ということが判明した。オーフェンはレッド・ドラゴン、白魔術士とも渡りあえる境地に達したが、いまは借り受けたスウェーデンボリーの力を持て余している状態だ。これは秋田お得意の肉弾戦が見られるか。
 そしてその情報をつかんだ、ということはフォルテも回復した可能性があるな。現在「ネットワーク」を使えるのはフォルテくらいだろうし。その場合、ダミアン・ルーウによって精神を破壊されたかれを癒したのはいったい誰かということになってくるが…。<塔>側に白魔術士がいれば別だけども。
 ハーティアはハーティアで、やはりトトカンタを拠点に成り上がろうとしているのにはなにか目的がある様子。ひとつの選択肢になる、という台詞からすると、いずれ自分の行動が<塔>(というか、チャイルドマン教室にとってか?)の利益にもなろうと考えているように見える。もっとも、純粋に<塔>のことだけを考えての行動ではあるまい。頼むから、そんなおとなしい行動を見せてくれるなよ。わくわく。
 こうしてイザベラとハーティアの会談が終わったわけだが、このままマジク視点で話を進めるのかな。

 先日古本屋へ寄って、「背約者」をぱらぱらめくってみた。ちょっと前の感想で書いた、最終拝謁について確認したかったので。
 うーむ、ざっと読んだ感じでは、サルアもメッチェンも最終拝謁受けてるように思える。ただ、クオの台詞からすると教義の実態については気づいてなかった様子なので、詩聖の間を見はしても精神支配による記憶の幻視は体験してなかったとか?いやそれだとやはり矛盾が…。だいたい、「狼」でディープ・ドラゴン種族がキムラックの様子を知りたがってたんだよな。そちらの目的はオーリオウルの現状の確認、というところだろうか。
 いかん、考えてるとわけがわからなくなってきた。頭から煙が出てきたので倒れることにする。ばったり。

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